インドネシアの政治・経済・社会

インドネシアの政治・経済・社会まとめ

コロナ禍前までの過去20年間、インドネシアは年平均5%前後のGDP成長を続けるに伴って、生活必需品の物価が上がり続けるインフレ傾向にありましたが、そのメカニズムは2パターンあります。

  • 好景気で需要が供給を上回る(ディマンド プル)➡需要が価格を引き上げる
  • 賃金が高騰しコストが上がりモノの値段が上がる(コスト プッシュ)➡コストが価格を押し上げる

しかしインフレが行き過ぎたり、企業が内部留保を溜め込み過ぎてお金の流通が減ると、モノが売れなくなり値段が下がり、会社の利益が減るので社員の給料が下がり、国民が節約するようになり、その結果さらにモノが売れず会社の利益は下がり、社員の給料は下がり国の税収も減ることになります。

インドネシア独立と共に初代スカルノ大統領が誕生しましたが、共産党PKI(Partai Komunis Indonesia)の支持の下に、共産主義イデオロギーに基く政策への反対勢力を逮捕するなどの独裁色を強めた結果、西側諸国からの海外直接投資や援助が減少し、経済的に困窮する時代となりました。

第二代大統領スハルトの時代には西側諸国との関係強化を図り、まずは石油輸出型経済から国家財政を立て直し、工業化のために海外直接投資を呼び込む政策を取りましたが、財政の原資は国内からの税収よりも海外援助や借款に依存する状態で、1998年のアジア通貨危機に端を発するハイパーインフレに対する不満が爆発した暴動は、最後まで石油依存型経済から抜け出せなかった結果と言えるかと思います。

自分がインドネシアに来たタイミングは幸運だったと思う理由の一つが、30年に渡るスハルト長期政権の終焉の瞬間を間近に見られたことであり、その後の歴代大統領の任期中に憲法や各種法律が改正され、国内からの税収を原資とした民主国家の基盤が出来上がり、今では2億7千万人の巨大な国内市場は海外投資家にとって垂涎の的かもしれません。

しかしコロナ禍によって20年以上緩やかな成長を続けてきたインドネシア経済に陰りが見えており、国民平均所得の伸びが停滞して経済成長が足踏みする「中所得国の罠」に陥る可能性も指摘されています。

現在、ジャカルタのような大都市だけではなく、西ジャワから中部ジャワの地方都市でも近年はハイウェイ(Tol)が整備され、中国、韓国、日本の製造業が安い人件費を求めて進出してくるに伴い、住宅地と工業用地の価格が上昇しています。

豊富な天然資源と人的資源を有し、発展途上国から中進国に向けて全力疾走しているインドネシアでは、歴史が日々刻々と動いていくダイナミズムを肌身で感じられれ、現在首都ジャカルタを中心にビジネスを展開することが出来るのは幸運だと思います。

生産年齢人口が従属人口の2倍以上ある人口ボーナス状態が2030年まで続くと言われるインドネシアは、今官民一体となって経済発展に邁進しており、今後5年後、10年後がどのような未来になっているのか楽しみです。

当ブログでは僕と同じようにインドネシアに関わり合いを持って仕事をする人が、日常生活やビジネスの現場で出会うさまざまな事象のコンテキスト(背景)の理解の一助となるような政治・経済・社会についての記事を書いています。

政治

インドネシアの首都ジャカルタの移転計画

インドネシアでは政治経済活動に重大な影響を及ぼしうる基本計画案が3つあります。

  • タイムゾーン統一
    2012年5月には現在3つあるタイムゾーン、ジャワ島で適用されるWIB(Waktu Indonesia Barat GMT+7)、バリ島で適用されるWITA(Waktu Indonesia Tengah GMT+8)、パプアで適用されるWIT(Waktu Indonesia Timur GMT+9)、これらをシンガポールや香港と同じWITAに統一するという案。
  • デノミネーション
    桁が増えたルピア紙幣の下3桁をカットして、市中に溢れるルピア紙幣を新札に交換することでインフレを抑制するデノミネーション案。
  • 首都移転
    交通渋滞による経済損失が年70億4000万ドルにのぼること、毎年雨季の洪水を受けやすく被害を防ぎようないこと、ジャカルタは世界でも地盤沈下が最も激しい都市であること、人口の一極集中で国の発展が妨げられていること。

首都移転は2024年を目途にジャカルタから東カリマンタン州クタイカルタネガラ県と北プナジャムパスル県の両県にかかる地域に、政府機関の移転が開始されることが決定していますが、タイムゾーンはお祈りの時間や通学と通勤時間への影響が大きいこと、デノミネーションは近年のインフレ率の安定により必要性が低下していることから棚上げにされた状態です。

インドネシアの首都ジャカルタの移転計画【2024年には東カリマンタン州へ政府機関の移転を開始予定】

インドネシアは東カリマンタン州バリクパパンまたはサマリンダ近郊のクタイカルタネガラ県と北プナジャムパスル県の両県にかかる地域への政府機関の移転を2024年中には開始する予定です。自然災害が少ない、国土の中央に位置する、地方都市近郊に位置するなどが選定の理由です。

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インドネシアの産業の川下化と製造業の高度化

本来インダストリー4.0とはIT技術を使い第四次産業革命を起こそうとする動きで、具体的にはIoTでハードとネットワークが繋がることで、よりすばやく正確なデータ収集と分析を行い、生産性向上や品質向上に繋げようと取り組みですが、インドネシア版インダストリー4.0であるメーキングインドネシア4.0では、IT技術だけでなく産業構造を変えるための国家優先的取り組み事項を挙げ、プロジェクトとして推進していこうという点で違いがあります。

具体的には産業の川下化(原材料を加工し製品にして販売する川下産業)、高速道路、港湾、高速鉄道などのインフラ整備、法人所得税一時免税(タックスホリデー)に関する法整備、高度産業人材育成、R&D投資促進などが挙げられます。

インドネシアの産業の川下化と製造業の高度化
インドネシアの産業の川下化と製造業の高度化【インダストリー4.0への取り組み】

IT技術を使い生産性と品質の向上に繋げ、経済成長率を現在の5%から6~7%まで押し上げることを目標としたメーキングインドネシア4.0は、産業構造を変える国家優先取り組み事項であり、産業の川下化により原料輸出を禁止し国内で付加価値を付けることによる産業の高度化を目指します。

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インドネシアの経済活動の付加価値化

サプライチェーン上の材料供給源である川上から消費者市場のある川下へと付加価値を積み上げながらモノや情報が流れていく様子を経済活動とすれば、経済活動の安定は川上で水が枯渇しないように懸命に努力する人々の苦労の上に成立しています。

インドネシアの経済活動の付加価値化【生産効率の向上と共生社会の両立】

本来の産業の高度化のプロセスとは、付加価値を生まないブローカー的機能をIT技術に置き換え、より大きな付加価値を生み出す社会を築き上げていく過程で、経済活動のチェーンに入り損ねた人々を切り捨てるのではなく、救済する共生社会を目指すことだと考えます。

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ジャカルタ市内と郊外を結ぶLRTとKRL Commuter Line

ジョコウィ政権第一期(2014年~2019年)はインフラ整備を政策の主要課題とし、第二期(2019年~2024年)は工業化(Industrialisasi)と川下化(hilirisasi)を国家の達成課題として取り組んでいます。

2019年4月にジャカルタを南北に貫くMRT(Mass Rapid Transit)南北線が開通し、第二フェーズのKota駅までの北上ラインが2022年に運行開始予定で工事が進行中です。

LRT JabodebekとLRT Jakartaの2つのLRT(Light Rail Transit)は、ジャカルタへの車の流入量を減らし、Tol Jakarta-CikampekとTol Jagorawiの渋滞を緩和するために建設されており、同時に進行するKRL(Kereta Rel Listrik)とともに、公共交通指向型都市開発(Transit Oriented Development=TOD)による経済効果も期待されています。

ジャカルタ市内と郊外を結ぶLRTとKRL Commuter Line【MRTフェーズ1後のジャカルタ首都圏の新交通網】

ジャカルタ中心部ドゥクアタスから南のチブブールと東のブカシを結ぶ軽量軌道交通LRTと、西ジャカルタのコタ駅からチカランまでを汽車ではなく電車(Kereta Rel Listrik)で結ぶKRL Commuter Lineの建設プロジェクトが進行中です。

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インドネシアのSDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献するオンラインビジネス

インドネシアではチップベースの非接触ICカード型、スマホアプリ型のサーバーベースの電子マネーが急速に普及しています。

インドネシアを代表するデカコーン企業であるGojekは、ライドシェアから食品配達、バイク便、引っ越し、マッサージなど生活サービス全般に進化したGoLife、それらすべての決済手段としてのGoPayという「移動⇒サービス⇒決済」というワンストップサービスを提供する中で、インドネシアが抱えていた多くの社会問題解決のために貢献しました。

昔そこらじゅうで暇していたオジェックをオンラインで繋いで時間とコストばかりかかって生産性の低い移動や配送という作業をスマホの操作だけで彼らに外注してしまうことで業務効率の向上と富の再配分をいっぺんに実現してしまいました。

新しい所得再配分の流れをIT技術によって構築すると同時に失業率下げることによる犯罪率低下という経済と社会の両面に貢献、ビジネスで重要なのはと結局そこに社会に貢献するプロダクトやサービスがあるかどうか、当たり前のようで忘れがちなことです。

コロナ禍の中にあってはインドネシアの地方特産事業や限られた商圏で営業する屋台などをデジタルプラットフォーム上に載せることにより、零細事業主の支援、国産品の販売・消費の機会を創出すると同時に、付加価値産業が少なく輸出競争力が弱いという弱点を、インドネシアの国内消費を自給で賄うことで経済を回すカタリスト(触媒)的役割を果たしています。

増えた国内消費を国内産業で賄うことが雇用を創出し、生み出されるサービスは経済主体の生産性を向上させ、オンライン化が地域間格差を縮めるという経済効果を生み出しますが、一方で都市部だけが豊かになっているという意見もあり、それはジョコウィ政権が弱いとされる貧困対策、福祉政策として取り組むべき問題かと思います。

多くの社会問題を解決すると同時に、新しいイノベーションを促進することでインドネシアの発展に寄与するスタートアップ企業を輩出しようというのがGoJek創業者であるナディム・マカリム氏の企業理念であり、インドネシアのデジタル化が目指すところは経済成長促進と社会問題解決、そして次世代のインドネシアの繁栄を支える事業体の育成です。

インドネシアのSDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献するオンラインビジネス【日本はアジアDX構想として戦略的に資金や技術を投入】

SDGs(エスディージーズ)とは国連の持続可能な開発のための国際目標であり、17のグローバル目標と169のターゲットから構成されています。ASEANのSDGs達成への貢献が日本の国益に繋がるという観点からアジアDX(デジタルトランスフォーメーション)構想が推進されています。

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インドネシアの国防問題

南シナ海の南方にあるナトゥナ諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)は、中国が主権を主張する「九段線」と呼ばれる境界と重複しており、中国漁船が公船を伴って活動する違法漁業問題で中国と対立しています。

インドネシアもこれまでの中国寄りの姿勢を転換するような動きがあり、日本にとってもナトゥナ諸島は、中東方面から日本に原油をもたらすタンカーなど海上輸送航路帯に隣接している要衝であるため、インドネシアへの支援は日本の安全保障の強化になると言えます

1998年のジャカルタ暴動時には道路が封鎖され、2日間くらい夜間外出禁止令が出ましたが、そのとき街の要所で警備にあたっていたのがインドネシア国軍(ABRI=Angkatan Bersenjata Republik Indonesia)であり、当時は陸(TNI-AD)・海(TNI-AL)・空(TNI-AU)から構成される国軍の管轄下に警察が置かれていたものの、民主化に伴う改革の一貫として2000年1月に警察は分離され、国軍(TNI=Tentara Nasional Indonesia)と国家警察(Kepolisian Negara RI)という二大組織となりました。

1965年の9月30日の共産党(PKI)によるクーデター未遂事件では、陸軍戦略予備軍司令官であるスハルトがいち早く鎮圧に動き、1966年に反PKIと反スカルノ大統領デモのの激化によりスハルト氏に権力移譲された「3月11日政変」後には、軍が治安機能だけでなく政治機能も担うという国軍の二重機能の概念が確立され、インドネシア大統領になる人間の必須条件としてジャワ人、イスラム教徒、軍出身の3つが挙げられるほど、国軍は政治に密着する存在となりました。

実質的にシビリアンコントロール(文民統制)が確立したのは、2004年初の国民による大統領直接選挙で選ばれたユドヨノ大統領の時代であり、最高指揮権を持つ大統領の下で国防大臣が直接責任者となるという民主国家的組織となった現在の、国軍の活動内容は以下が挙げられます。

  • 国内のアチェ州、パプア州、南マルク州など分離独立問題への対応
  • ナトゥナ諸島(対中国)、カリマンタン島(対マレーシア)での国境紛争への対応
  • 国内でのテロ問題への対応
  • コロナ禍のPSBB(大規模社会制限)の警備など大統領令に基づく警察の支援
インドネシアの国防問題【国軍の二重機能から民主化による文民統制】

インドネシアではナトゥナ諸島近海のEEZでの中国漁船による違法漁業により中国との国境問題が起こっています。国土を守るインドネシア国軍は大日本帝国陸軍が創設した郷土義勇軍(PETA=Pembela Tanah Air)が元となっており、独立戦争で中心となって戦いスカルノ政権で政治に深く介入するようになりました。

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インフラ整備と都市開発が進むジャカルタ

ジャカルタではMRT工事やLRT建設、高層ビル建設、幹線道路の高架化とアンダーパス化が急ピッチに進んでおり、将来は東南アジア経済の中心ハブ都市に成長する可能性を秘めており、何か歴史が日々刻々と動いていくダイナミズムを肌で感じているようでもあり、この現在進行形でアジアの経済発展を体感できることがジャカルタの魅力と言えるかと思います。

MRT地下鉄第2期工事で、ホテルサリパンパシフィック前に建設される予定のThamrin駅周辺の地質が柔らかく、地盤沈下のリスクが高いため第1期工事よりも難しいといわれており、ルート沿線には文化遺産(cagar budaya)が多数あるため、破損等の影響が出ないように地下鉄建設前に十分なシミュレーションが必要だとされています。

既に開通している第1期ルートは中央ジャカルタから南ジャカルタという都市開発が進んでいた地域ですが、第2期の北ジャカルタと西ジャカルタ方面は昔の街並みの面影を残す旧市街地を通るため、古いものと新しいものを融合させた公共交通指向型都市開発(Transit Oriented Development=TOD)が期待されている地域です。

インフラ整備と都市開発が進むジャカルタ【MRT第2期区間工事が着工】

ジャカルタではMRT地下鉄第2期工事が開始され、2024年の首都移転に伴い沿線の大統領宮殿を含む政府関連施設が保護区や博物館になり、ジャカルタの歴史的魅力を押した世界的観光地になる可能性があり、都市開発による経済発展を現在進行形で体感できます。

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インドネシア-日本間での現地通貨利用促進を目指す協力枠組み

貿易取引やグループ企業間貸借、海外直接投資等の際には、日本本社のクロスカレンシー取引仲介者(Appointed Cross Currency Dealer =ACCD)に選ばれた銀行の口座から、インドネシア現地法人の指定銀行口座へのルピア転送金を行うことで、ドルを介さずストレート換算されますので、普通に考えれば若干レートが良くなるはずです。

貿易推進という点から貿易金融(トレードファイナンス)の緩和が考えられますが、インドネシア現地法人が日本への輸出代金の入金を待たずに、インドネシア側のACCDに売掛金をルピア建てで買い取ってもらったり(ルピア建てのL/C決済)、ルピア建ての短期のつなぎ融資を受けたりすることで、リスクヘッジやキャッシュフローの改善に繋がる可能性があります。

また円/ルピアレートは比較的変動が激しい通貨ペアであるため、ACCD間での円建てルピア払い取引に際して円/ルピアレートを事前に約定する為替ヘッジも許容される可能性があります。

インドネシア-日本間での現地通貨利用促進を目指す協力枠組み【直接レート、投資推進、貿易推進の3つ】

日本とインドネシア間の貿易や直接投資を促進するため、円とルピアの直接のレート表示やトレードファイナンスの緩和により、ルピア建てのL/C決済や短期のつなぎ融資を受けたりすることで、リスクヘッジやキャッシュフローの改善に繋がる可能性があります。

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最近のイミグレ・警察・税務署・通関などインドネシアの代表的な公的機関の印象

インドネシアは自由貿易協定・経済連携協定(FTA/EPA)批准済みなので、原産地証明書(Form-A)を日本側で取りさえすれば特恵関税が受けられる。

インドネシアの税関で行政処理が適切に行われさえすれば、保税工場資格を取得するメリットが薄れていく、むしろ足かせになる関税は主に国内産業の保護という目的がありますが、近年の自由貿易協定の流れの中で、地域内関税は縮小・撤廃の方向で進んでいますので、将来的には焼酎の日本とインドネシアの価格差は輸送コスト程度に縮まるものと考えられます。

日本とインドネシアの二国間関係で言えば、現在のところ日本の貿易赤字という良好な関係にありますが、今後は自由貿易協定・経済連携協定(FTA/EPA)、さらには広域FTA(東アジア地域包括的経済連携)RCEPの枠組の中で、関税の撤廃の流れが進んでいくものと思われます。

インドネシアの海外直接投資誘致を目的としたオムニバス法

イスラム急進団体

  • 212同窓会(PA212=Presidium Alumni 212)
    2016年9月に当時のジャカルタ特別州知事だったアホック氏(Basuki Tjahaja Purnama)がプラウスリブ(Pulau Seribu)の住民の前で行ったスピーチの中で『ユダヤ教徒とキリスト教徒を指導者としてはならない』とするコーランの一節があるせいでイスラム教徒はクリスチャンである自分に投票できないという趣旨の発言をしたことが宗教冒涜に当たるとして、2016年12月2日にアホック氏の身柄拘束を求めて、イスラム原理主義団体であるFPIと共に20万人規模の大集会を主催したイスラム団体です。
  • イスラム擁護戦線(FPI=Front Pembela Islam)
    政府は2020年12月にFPIの強制解散させ活動全般を禁止し、中央ジャカルタ・プタンブランにある本部を閉鎖。インターネット上の発信なども含め、徹底して取り締まる方針を発表しました。

オムニバス法案は労働法と税制面での規制緩和、行政許認可の簡素化など、企業の投資促進とそれに伴う雇用の創出を目的としており、企業側にとっては投資や事業継続のための追い風となる法案ですが、現行労働法で守られている労働者の権利を死守しようとする労働団体が同法案に反対しています。

インドネシアの雇用関係のすべては労働法UU No 13 Tahun 2003(労働に関するインドネシア共和国法律2003年第13号)に基いており、解雇の正当な理由があったとしても、労働法に定められた退職手当(uang pesangon)勤続功労金(uang penghargaan masa kerja)受け取るべき権利喪失の保障(uang penggantian hak yang seharusnya diterima)を支払う義務があり、外国資本にとっての長年の最大のネックであった本丸の一部に、ついに手が付けられようとしているのは歴史的出来事なのかもしれません。

  1. 労働法(UU Cipta Kerja=雇用創出法)
    インドネシア労働法の2大聖域とも言える退職金の減額(現行最大32カ月分⇒ 最大25カ月分)と経営側の裁量による最低賃金の設定(国の実質経済成長率とインフレ率の和 ⇒ 経営側が各州の経済成長率またはインフレ率に沿った最低賃金を設定)
  2. 租税 (Perpajakan)
    法人税を現行25%から20%まで引き下げ、PPN報告遅れの罰金を2%(年利24%)から1%へ引き下げるなど、海外企業のインドネシアへの進出というよりも、事業継続にとっての規制緩和
インドネシアの海外直接投資誘致を目的としたオムニバス法【宗教と既得権益で保たれるインドネシアの政治バランス】

インドネシアへの国別直接投資順位で日本は第4位まで落ち込みました。オムニバス法は雇用や許認可という投資環境を改善し海外直接投資を呼び込み、国内で付加価値を付けて川下産業で競争力のある製品にすることで国際的なサプライチェーンに乗ることを目的としています。

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インドネシア最高検察庁の火事

長年不法占拠された住宅密集地で住民が強制立ち退きに反対していたり、行政によるパサール(市場)の再開発計画に対する地元商店主や付近を仕切るプレマン(preman チンピラ)による反対が強かったり、古い建物の建て替え推進派と改装による継続利用推進派が対立していたり、インドネシアでは土地や建物に関する対立や抵抗がある場合に、何故かタイミング良く火災が発生するケースがあります。

インフルエンサーの政治利用の問題

現在デジタル広告の中心は従来型のリスティング広告(検索連動型広告)やスポンサー広告ですが、InstagramやTwitterなどのSNS上で多くのフォロワーを持ち、人々の購買活動に大きな影響を与えるインフルエンサーを介して、企業や商品、サービスの情報を拡散するインフルエンサーマーケティングの比重が高まっています。

インドネシアに進出する日系のデジタル広告事業のスタートアップも、おそらく最も注力しているのはインドネシア人の間に影響力を持つインドネシア人、または日本人のインフルエンサーと企業とを結ぶインフルエンサーマーケティング代理店事業ではないでしょうか。

インドネシアの省庁のほとんどがインフルエンサーへの予算を配分しており、国民の草の根レベルでもわかりやすい言葉で政府の広報を補完する役割を期待されていますが、営利ではない政府広告の効果測定のKPIとしてのエンゲージメント率はあるものの、問い合わせ数とか受注件数とかのコンバージョンを明示的に示しにくいため、どうしてもその効果に対する批判を受けやすくなります。

インフルエンサーの政治利用の危険性とは、誰を選ぶかという選定過程や予算配分の不透明さや、効果に対する疑念以外に問題だと指摘されているのは、政府が恣意的に操作された情報で国民を啓蒙する危険性であり、インフルエンサーがステマとして利用されないためには、国民が広告の主体を正しく認識できるように政府広告と分かる表示や免責事項の明示の徹底が必要と言えます。

インフルエンサーの政治利用の問題【インドネシアのデジタル広告市場】

インドネシアのデジタル広告市場の規模は両国のGDP比率と同じく日本の5分の1程度で、今後この差は縮まっていくことが予想されます。現在政府省庁のインフルエンサーへの予算が増加していますが、民主主義を間違った方向に導く危険性も指摘されています。

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インドネシアの事業競争監視委員会(KPPU)の権限

インドネシアの独占禁止法で禁止されている協定とは寡占、価格拘束、排他的行為、カルテル、トラスト、買手寡占、垂直的統合(サプライチェーンの上流から下流までの独占)、排他的協定、外国事業者との協定などです。

インドネシアの事業競争監視委員会(KPPU)の権限【独占的慣行の禁止と不公正な事業競争法違反で制裁金を課されたGrab】
インドネシアの事業競争監視委員会(KPPU)の権限【独占的慣行の禁止と不公正な事業競争法違反で制裁金を課されたGrab】

インドネシアの独占禁止法の執行機関が独立機関である事業競争監視委員会KPPU(Komisi Pengawas Persaingan Usaha)であり、独占的行為又は不公正な事業競争を引き起こすこととなる協定について調査・評価し、審問を実施し、最終決定を下し行政上の措置を課すという非常に強い権限を持っています。

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SNSを通じた情報戦が重要なインドネシアの大統領選挙

DPR RI(国民代表議会)は議員数560人から成る立法府であり、日本の衆議院に近いもので、DPD(地方代表議会)は35州のDPRDから各4名ずつ選出された議員数132名からなる日本の参議院に似て非なるものであり、DPRD(地方国民代表議会) はkelas I(州)とkelas II(県)ごとの地方議会であり日本の地方議会みたいなものです。

2019年インドネシア総選挙の開票状況
SNSを通じた情報戦が重要なインドネシアの大統領選挙【ジョコウィ現大統領がプラボウォ氏を抑え優勢】

正副大統領とにDPR-RI(国会)、DPD(地方代表議会)、DPRD I(州議会)、DPRD II(県議会)の5つの議員を決める選挙です。タバコと同じように汚職も悪いことだと判っていても止められないので、クリーンな政治のためには世代交代が必須だと言われます。

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インドネシア国内企業に対する外貨規制の強化

国内企業に対する外貨規制

  1. 国内取引は基本ルピアで行なう。
  2. 外貨建てオフショア債務(海外からの外貨借入)へのヘッジ義務

インドネシアの外貨規制である「外貨建て流動資産-外貨建て流動負債」の20%を、コストのかかるデリバティブ(為替先物・通貨スワップ・オプション取引)でリスクヘッジしろ、というのは要は「金利政策に支障が出るから民間が勝手に海外から金を借りてくれるな」と言っているようなもんです。

洪水防止と渋滞解消を実現するジャボデタベック-プンジュール地域空間計画

  1. 洪水防止
    ジャカルタの地盤沈下の原因は地下水の汲み上げすぎであり、同時に地球温暖化の影響でジャカルタ湾の海面上昇にも見舞われ、満潮時には堤防の下から海水がしみ込んで流入し、アンチョール付近は水の都ヴェネチア並みに冠水することすらあり、2050年までにジャカルタの3分の1は水没する可能性があると言われています。洪水防止のために上流山岳部の水源エリア、中間の集水域としての緩衝エリア、下流のエ耕作地エリア、沿岸部の養殖保護エリアとしてそれぞれ役割を持たせ、洪水被害を最小限に抑えるために、現在域内にある305の貯水地を整備し治水を強化しています。
  2. 渋滞解消
    渋滞の要因はジャカルタ中心部から東の工業団地にかけての高速道路が一本しかなく渋滞が慢性化すること、 自動車とバイクの道路占有面積が道路総面積を超えて交通が麻痺するグリッドロック状態が発生することであり、これまでも道路の全般的な拡張・修復、信号増設・十字路の整備が行われてきました。渋滞問題は電車KRL(Kereta Rel Listrik)、軽量軌道交通LRT(Light Rail Transit)、大量高速交通MRT(Mass Rapid Transit)、空港鉄道KA(Kreta Api Bandara)などの鉄道ベースの大量輸送インフラと、公共交通指向型都市開発TOD(Transit Oriented Development)によって解消されると思います。
洪水防止と渋滞解消を実現するジャボデタベック-プンジュール地域空間計画【機能的で快適な都市生活ためのインフラ整備】

ジャボデタベック-プンジュール地域を社会、環境、経済の空間のまとまりとして、機能的で住みやす空間構造に整備するというインドネシアの長期国家計画で検討すべき課題として洪水、水源の利用可能性、衛生とゴミ問題、沿岸および島の埋め立ての問題 、渋滞、首都移転の6つが挙げられています。

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宗教的規範と社会活動と分けて考える良心的な庶民感覚

宗教の違いによる価値観の差をどこまで許容できるかは人によって異なりますので、特定の強硬派集団が形成されてしまうのは止むを得ないことで、実際にクリスチャンであるうちの嫁はんもその友人達も同性婚を絶対に認めませんし、仕事上のパートナーである敬虔なイスラム教徒のインドネシア人も、LGBTの存在を絶対に理解しません。

イスラム教やキリスト教を信仰する大多数の国民の声は、LGBTに対して批判的であることは否定できませんが、法でLGBTを規制しろなどとは言いません。否定するが法的権利は認めるというのがインドネシアのマジョリティの庶民感覚ではないでしょうか?

イスラム的価値観に少しでも抵触する事案に対しては一切妥協の余地なしの一部強硬派によるデモばかりがメディアを賑わせるため、インドネシア全体がイスラム原理主義っぽく見られることが非常に残念であり、実際には価値観の違いを理解し政治と宗教を切り離して考えることができるムスリムが大半であることが、なかなか海外には伝わりにくいと思います。

スハルト大統領退陣後の民主化以降、インドネシアではイスラム政党が第1党になったことが1度もなく、多様性の中の統一を国是とするインドネシアのイスラム社会では、世界最大のイスラム人口を抱えながらも、政治と宗教のバランスが絶妙に保たれていることが判ります。

民主主義の下では主権は立法府や行政府ではなく国民に帰属され、法の下で国民の活動や権利は保護されますので、民主主義の退行と言う場合は、主権が国に属し法によって国民の活動や権利を規制するということです。

ではイスラム法は民主主義の法律と適合するのかという問題ですが、絶対的な主権は神に帰属すると考えた場合は民主主義と相入れませんが、規範は規範としても実際に実行していくのは国民であると寛容にとらえたのが、民主主義国家としてのインドネシアにおける従来の法の考え方でした。

インドネシアの場合、政宗分離で宗教的価値観はあくまで道徳的な行動規範として制約を持つのみで、法的な制約はなく、これが「緩いイスラム国家」と言われる所以であり、婚外交渉や性的少数者であるLGBTの存在自体が、法に抵触すると判断されるのであれば、それはあきらかに法の下の平等に反する民主主義の退行と言えると思います。

因果応報
宗教的規範と社会活動と分けて考える良心的な庶民感覚【インドネシア刑法改正による民主主義の後退】

インドネシアは刑法改正によりLGBTを法的に認めない一方で、庶民の間では宗教的規範と社会活動と分けて考える良心的な感覚が生きています。そして宗教的価値観の下でモスクや教会のネットワークを通じて困った人々への支援活動が積極的に行われています。

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ギャップに萌えるジョコウィ大統領人気の本質

「脱いだらすごい」「ちょいワルおやじ」などのギャップに萌える傾向は人間誰しも持っており、ジョコウィ大統領も普通のおじさんのイメージで実は実務が出来る政治家というギャップを利用して大衆の支持を得ました。

しかし近年は国内の人権問題や汚職問題への対応の甘さ、コロナ禍への対応の杜撰さなどに対する批判が強まっており、ギャップ萌えというボーナス期間は完全に過ぎてしまった感があります。

大統領選挙で考えたギャップにハマるということ
ギャップに萌えるジョコウィ大統領人気の本質【インドネシア中が盛り上がる5年に1度の大統領選挙】

ギャップにキュンとするというのは人間の本能みたいなもので、ジョコウィの私利私欲のない素朴なおじさん像と、その実強力なリーダーシップを発揮する実務派という内面が、一見普通の人だが実はスゴイというギャップ好きのインドネシア人に大ウケして、大衆は一種の集団催眠状態にあるようです。

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国民協議会MPRから国民議会DPRへの立法権の移行

インドネシアでは1998年にスハルト大統領が退陣した後、2001年から2002年のメガワティ政権時に三権分立のうちの立法権が国民協議会MPRから国民議会DPRに移され、これにより国家の権威の最高機関は事実上DPRとなりました。

三権分立が確立した実行主体の最高権力

  • 行政:大統領
  • 司法:最高裁判所MA(Mahkamah Agung)
  • 立法:国民議会DPR

ユドヨノ大統領時代の大統領直接選挙で本格的な民主主義がはじまり、ジョコウィ大統領で完全な民主主義国家の仲間入りしました。

経済

米中摩擦とコロナ禍の影響による金価格の高騰

在庫の中でも実質価値の高い良品はキープして、実質価値の低い欠陥品を先に手放すことで自身の資産価値を守るというのは、経済活動として理にかなった行動であり、その結果流通過程から良品が駆逐されるのが「グレシャムの法則」で、財布の中のお札の中でも古くて汚い札から使いたがる理屈と同じです。

予防注射の順番待ちで最初に並んでも一番後ろに並んでも結局は打たれて痛い思いをするのと同じく、欠品品を先に売るのも後に売るのも売上という収益のフローの面では同じですが、倉庫に保管される商品ストックの評価額が違ってくる、明日来る客が欠陥品だから買わないと言って帰ってしまう機会損失リスクがあります。

モノ自体に価値がある金のほうが信用できるという考えは、ローマ帝国時代から戦後のIMF体制まで続いていたわけで、政府保証があってはじめて価値がある円やドル、ルピアなど通貨同士の相対的価値が市場原理で決定する変動為替相場制は、有事では信用に足りません。

ここ最近の金価格は1グラムあたり1juta水準で動いていますので、仮に金含有量1グラムの金貨が貨幣として流通していたとしたら、今のようなコロナ有事では手元に金貨を残してルピア紙幣が先に使われた結果、市場に出回るのは紙幣ばかりになってしまうという事象を表したものが「悪貨は良貨を駆逐する」の本来の意味になります。

米中摩擦とコロナ禍の影響による金価格の高騰【悪貨は良貨を駆逐するというグレシャムの法則】

コロナ禍の中での米中経済摩擦の中での報復関税の応酬から始まって、アメリカでのスパイ活動や知的財産権の侵害の容疑でヒューストンの中国領事館が閉鎖され、これへの報復措置として中国が成都のアメリカ領事館を閉鎖命じるなど、米中間での冷戦の様相になりつつある中、「有事の金買い」によって金価格が高騰しています。

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インドネシアの景気後退期での経済活動再開

チャイナリスクという言葉が聞こえ始めたのは、2010年9月の尖閣諸島での中国漁船衝突事件から、2012年9月の中国反日デモの頃であり、2015年以降情報公開のないままスパイ容疑で日本人が拘束、2020年に武漢が発生源とされる新型コロナウイルスに関する情報操作の疑い、香港国家安全維持法がもたらす言論統制、尖閣諸島周辺の領海外側の接続水域に中国海警局の船が航行するなど物騒なニュースが続いています。

中国を中心に海外展開していた製造業が、チャイナプラスワンという観点で、東南アジアにリスク分散先を求め、2018年にトランプ大統領が中国製品への関税引き上げを発動し、これに対して中国も報復関税をかけるという米中摩擦が続いており、アメリカ向け製品を中国で製造する工場の間で、追加関税の回避のために東南アジアへ製造拠点をシフトする、脱中国化の動きが再び加速しています。

2003年のSARS、2005年の鳥インフルエンザ、2009年の豚インフルエンザ、そして2020年の新型コロナウィルス、わけのわからないウィルスを次から次への発生させるわ、インドネシア人船員遺体を海中投棄するわ、ガラパゴス島沖ではフカヒレ狙いの漁業船団が押し寄せるわ、Black Lived Matterに乗じたデモの暴徒化を中国領事館が扇動するわ、アメリカや日本に得体の知れない種を送り付けるわ、これだけ世界中を騒がせればさすがに産業の脱中国化の動きは加速せざるを得ないわけで、各国の製造業が移転先としてインドネシアはタイ、ベトナムなどと誘致合戦を行っています。

投資家にとってインドネシアの最大の魅力は「今後も成長が続く分厚い国内消費市場」であることは間違いないと思いますが、2019年のベトナムの人口も9,621万人と一億人に迫る勢いで、マレー半島にあり近隣国へのアクセスが容易という地の利に加えて、漢字や儒教などの中国文化圏に属するわけで、海外投資の誘致競争においてもインドネシアは内需頼みではいられない状況になっています。

アジア通貨危機時に金利が上がってコロナ禍で金利が下がる理由

金利が高いと通貨の魅力が上がり海外からの買いが増えてお金が集まり通貨高になるのですが、スハルト政権末期の1997年の通貨危機時のルピア相場はドルと連動した管理バスケット方式(ドルペッグ方式)で、中央銀行が為替介入を行うことで、ドルとルピアの価値の差を極端に乖離しないようにする実質的な固定相場制でした。

当時のアメリカは通貨安競争を否定し、海外からの米国債需要を呼び込むため、輸出にマイナス影響があったとしても、金利を上げてドル高にし米国債の価値を上げる政策を取っていましたので、インドネシアもドルに連動してルピア高を維持するためには、高金利政策を取らざるを得ず、当時の実体経済に比べてルピアが過大評価されている状態でした。

ヘッジファンドの空売りによるルピア暴落を阻止するために金利を上げ、さらに変動相場制移行後にIMFの管理下に入った後も、緊縮財政と高金利を約束させられたという高金利が続く要素が重なっていたことになります。

アジア通貨危機時に金利が上がってコロナ禍で金利が下がる理由

中央銀行が金利を下げて設備投資意欲を高めるのは金融政策の基本ですが、1998年の通貨危機時にインドネシアが高金利だった理由は、ドルと連動させるための高金利政策の中で、ルピア暴落阻止のために金利を上げ、変動相場制移行後にIMFから高金利を約束させられたからです。

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中小零細業者のオンライン化促進と購入奨励という自国優先主義

既存のオンラインマーケットプレイス、モバイルプラットフォーム、銀行などが協力して、例えばBRI銀行からの中小零細企業に対して低利子での融資が提供され、GrabKiosで全国の屋台をオンライン上に出店し、GrabMartでアンボン島の漁師から新鮮な魚を購入でき、GrabExpressに登録することで立地の悪い零細商店の商品を都市部の家庭まで配送できるなど、小規模なオフラインのビジネスをオンライン化することで販売の機会を拡大させ、コロナ禍による不況を乗り越えようとしています。

本来は輸出促進で外貨を稼ぎ、国力を強めたところで国内産業を強化するのが国家の経済発展のための必勝パターンかもしれませんが、今のインドネシアは国内消費は増えても消費材の輸入品比率が高く、国内資産が海外に流出している状態であり、輸出が弱い分外国製品を買って国富を流出させるのではなく、国内付加価値の付いた製品を買うことを奨励し、国内でのお金の循環を良くするという自国優先主義になるのも仕方がないのかもしれません。

潜在性の高いインドネシアの観光産業

インドネシアのGDP規模は東南アジア最大でタイの2倍程度あるにもかかわらず、コロナ禍の悪影響を受けながらもプラス成長を続けられているのは観光産業の比率が低いからであり、裏を返せば今後のインドネシアは観光産業の発展の伸びしろが大きいとも言えます。

新型コロナウィルス感染拡大がASEANとインドの製造業へ及ぼす影響

各国とも二輪四輪産業が受ける影響は大きい一方で、サプライチェーンの停滞から輸入から国内調達への切り替え、米中貿易摩擦の激化による中国からの生産移管、生活習慣のオンライン化によるIT関連機器の生産と輸出の拡大、家で過ごす時間が増えたことによる節電志向のエアコンや、清潔志向の高まりから空気清浄機の売り上げが増加しています。

新型コロナウィルス感染拡大がASEANとインドの製造業へ及ぼす影響【二輪四輪産業への影響が大きい】

インドネシアの新型コロナウィルス感染拡大が製造業へ及ぼす影響が、ベトナム、タイ、インドと比較してどの程度なのかでしょうか?各国とも二輪四輪産業が受ける影響は大きい一方で、新しい生活様式に対応したライフスタイルの変化がもたらす特需にも期待を寄せています。

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インドネシア日系企業の新型コロナウイルスによる影響

インドネシアの4月の自動車の前年比生産量が8割減、販売が9割減となり、日系企業のうち全体の50%がコロナ禍の中で駐在員を一時帰国させており、そのうち6割が9月までにインドネシアに再入国を予定していますが、いまだに家族の帯同は認めなていない企業が多いようです。

インドネシアのLCC航空会社

インドネシア国内でもLion Airと言えば『できれば避けたいけれどいろんな地方までのフライトが出ていて便利で安いので使わざるを得ない航空会社』というものであり、過去にオーバーラン、車輪が出ず胴体着陸、滑走路からはずれて牛をはねるなどの事故を起こしています。

インドネシアの新車市場と中古車市場のコロナ禍による影響

インドネシアの国内自動車市場の潜在能力を知るための指標として分かりやすいのが「インドネシアの全人口2億6千9百万人のうち、わずか3.7%に過ぎない9百9十万人のジャカルタにおいて、国内自動車出荷台数の約2割が占められている」という事実であり、生産年齢人口が従属人口の2倍以上ある人口ボーナス状態が2030年まで続くという予測と掛け合わせると、ジャカルタ以外の潜在的購買層がいかに厚いかが分かります。

インドネシアの年間自動車生産能力は220万台あると言われており、今後の自動車産業のxEV産業化に伴い、内燃機関の生産高度化による輸出拠点化を実現し、2035年までに生産400万台、輸出150万台を目標としていますが、生産現場の生産性はタイに比べて20%も低く、インドネシアで生産するメリットが低いのが現状です。

インドネシアの国家優先事項の10個の指針である「メーキングインドネシア4.0」の中1つである「原材料フローの改善」とは、川上側(材料調達側)で材料部品の現地調達化によりコストを下げることで粗利益率(限界利益率)を高め、「産業の川下化」とは川下側(完成品側)は国内加工による付加価値創出により、両方向での利益追求のアプローチを進めるということです。

インドネシアの不景気の歴史

1997年、ヘッジファンドによる通貨の空売り(ノーポジで売り契約を入れること)攻勢により、世界的に見て外貨取引量の少ない東南アジアの通貨が連鎖して下落し、インドネシアルピアも対ドルレートは下がり続けた結果、海外からドル建てで借金していたインドネシア国内企業の金利と元本の返済が滞るようになったことで、インドネシア通貨危機に突入しました。

インドネシアは民主化後の技術集約型経へのシフトがうまくいかず、スハルト独裁政権時代に20%を占めていた製造業GDP寄与率は16%にまで落ち込んでおり、国内で付加価値産業が育たず輸出競争力は極めて低いのが現状です。

内需と外需の自国経済に及ぼす影響

インドネシアが年平均5%前後の緩やかな経済成長をしてきたのは、輸出競争力が弱いので消費者人口増に伴う国内需要の伸びに支えられた内需頼みの経済構造になっているのが原因です。

金融危機を乗り越えて、現在のルピア安水準で安定している状況でも貿易赤字というのは、日本がバブル経済崩壊後のデフレ脱却のために、アベノミクスの一環で異次元量的・質的緩和を実施し円安誘導したにもかかわらず貿易赤字が続く状況と同じです。

それだけ輸出が弱いということですが、逆に言うとそれだけの輸入を必要とする内需があるということであり、その内需を賄う付加価値を国内生産で満たせないので輸入が増えるという理屈です。

日本は高度経済成長期には輸出依存体質だったのが、良く言えば内需主導型経済へのシフトに成功したということなのですが、内需主導型というのは悪く言えば身内でお金を回し合う状態のことです。

循環取引(相互発注)によって売上が積みあがったとしても、行きつくところ国全体としては先細り、じり貧になっていくということはないのでしょうか?

株価操作なんてインドネシアでは当たり前

インドネシア株の売買を通じて痛感したことは、株は売って利確してはじめて儲かる(正確には所得税を納税してから)のであって管理画面の含み益を見ている段階では意味がないということ、それくらい売って利確するに苦労しました。

株価は売りと買いにより変動するものであり、市場に出た大量の売り注文を買う注文がたくさん入れば、他の投資家達は「俺も俺も」と続くことで株価が上がりますが、これを組織的にやるのが馴合売買(売主と買主が共謀して、第三者に誤解を生じさせる目的をもって、同時期に同価格で、売りと買いの注文を行う権利の移転を目的としない売買)と終値関与(特定の銘柄の終値を引上げ・引下げ・固定することなどを目的として、立会終了間際に発注し、約定させるような取引)がです。

株価操作なんてインドネシアでは当たり前 【馴合売買と終値関与】
株価操作なんてインドネシアでは当たり前 【馴合売買と終値関与】

インドネシア株の難しさは、管理画面上の含み益を出しても、利確のタイミングでシステムエラーが出たり売り注文が入れられないなど、相場以外にも何か目に見えない不思議な力との戦いがあることであり、日本では禁じられている馴合売買と終値関与などは普通に行われているようです。

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インドネシアの景況の変遷

中国の人件費高騰により海外の製造業が第三国へ生産拠点を移転する動きが出るのではないかという予測は2010年頃から聞かれており、2012年の尖閣諸島問題に端を発した反日デモ以降にはチャイナプラスワンという言葉が定着しましたが、中国の巨大な国内市場の魅力が大きかったため大規模な脱中国化現象は起きませんでした。

インドネシアのジョコウィ政権は中国寄りと言われてきましたが、ナトゥナ諸島近海のEEZでの中国漁船による違法漁業による国境問題などにより、近年は中国と一定の距離を置くような立場を取っており、現在進んでいる各国の製造業の脱中国化の動きを海外直接投資に繋げようと、オムニバス法の制定により労働者側を手厚く保護する労働法の改正、複雑と言われてきた許認可の簡素化など、少しずつ行政面での改革を進めています。

社会

日本大使館主導の在留邦人向けワクチン接種

以前はインドネシアの日本大使館に対して在留邦人が持つイメージは、お役所仕事を淡々とこなすだけの頼りにならない存在だったかもしれませんが、最近はインドネシア政府発表に関する日本語による迅速な情報提供、一時帰国のための特別便の手配、そして今回のワクチン接種手配など、在留邦人にとって非常に心強い存在となっています。

インドネシアの新型コロナウィルス騒動の流れ

中国、日本、韓国と感染者が増えていく一方で、何故かインドとインドネシアでは感染者が出ておらず、これは高温多湿な気候に守られているからだとか、インドのカレーやインドネシア料理全般で使われるkunyit(ウコン)が病気の予防に役立っているとか、一種の優越感を持ってインドネシア人も在住日本人も安全圏から見ていました。

ところが2020年3月にインドネシア初の感染者が日本人と接触したのが原因らしいと政府発表があったせいで、在住日本人はこれまで経験したことのない「偏見」または「差別」という不安の底に突き落とされました。

インドネシアの新型コロナウィルスワクチン接種状況

インドネシアでも高齢者や基礎疾患を持つ人、肥満気味の人が亡くなるという傾向が強いのは日本と同じとはいえ、20代から50代までの比較的若い人の死亡例が多く見られ、これが食生活の違いなのか、気候の問題なのか、民族の遺伝子的な問題なのか、理由がよく分かりませんでした。

HLA-A24という細胞性免疫の有無が理由なのではないかという説が出ており、体内に侵入したウイルスを認識したHLA-A24が、細胞性免疫機構に働きかけてウイルスを攻撃するという話なのですが、日本人が新型コロナに感染しにくい理由として言われてきたファクターX(自然免疫と言われるもの)が、日本人の6割が保有していると言われるHLA-A24そのものなのではないかということです。

インドネシアの新型コロナウィルスワクチン接種状況

インドネシアのワクチン接種で使用されるのは不活化ワクチンである中国製のシノパックですが、デルタ株の感染拡大により医療従事者の感染例が増加したことから、mRNAワクチンであるモデルナ製ワクチンの接種が医療関係者に対して行われています。

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海外在留邦人向けワクチン接種のための一時帰国ラッシュ

日本政府による邦人保護の観点からの官民連携事業により、7月21日のANAジャカルタ発成田行き特別便運航以来、連日のように特別便が出ていますが、インドネシア入国管理局によると7月3日~8月12日の間にスカルノハッタ空港から出国した外国人25,932人のうち、最も多かったのは日本人4,373人とのことです。

社会活動制限後のインドネシアで義務化されるワクチン接種証明

今年5月中旬のイスラム断食明け大祭前後に、大都市と地方都市の間で大規模な帰省とUターン移動が発生し、コロナウィルスの変異種デルタ株がインドネシア全土に拡散したことで、感染拡大を防ぐための社会活動制限が引き続き実施されていますが、8月10日からジャカルタ、バンドン、スラバヤ、スマランの4都市でショッピングモールの営業再開を試験的に認め、一部都市では学校での対面授業を認めるなど規制緩和の試みもなされています。

政府がワクチン接種率を高めようとする一方で、国民の間にワクチンの有効性に対する疑念、副作用に対する不安などが一定数あるのも事実であり、ワクチン未接種者を差別したり偏見を持つのではなく、医学的見地からコロナ禍を終わらせるためにワクチン接種が必須であることを啓蒙していく必要があります。

緊急事態宣言下でのオリンピック開催に関する是非

少数民族やLGBT(性的少数派)を差別しないことが多様性を認めることであるということに異論はないと思いますが、意見の対立する人同士が議論する際に、どこまでが言うのが許容範囲で、何を言ったら一線を超えたことになるのかの線引きは難しいです。

本来の多様性という言葉の意味は、無制限な寛容ではなく、社会の少数派の機会の平等を認め、差別をやめると言う趣旨ですが、議論の中での多様性を定義するとすれば「相手の意見を封じ込めない」「相手の人格を否定しない」ではないでしょうか?

都市開発の波に飲まれるジャカルタの闇の文化

自分が19年前にジャカルタに来たばかりの頃、人生観が変わるほどのカルチャーショックを受けたのが今はなき東ジャカルタのKeramat Tengah(クラマットトゥンガ)とここ西ジャカルタのKalijodo(カリジョド)で、旧オランダ植民地時代から続く、日本であれば警察の地図上で赤い線で囲まれる特殊飲食店の集まる地域でした。

豪腕イメージのアホック氏と対照的に、新ジャカルタ特別州知事アニス氏の評価は「礼儀正しく理論派」と言われる一方で「ゴミを捨ててはいけないと言いながらゴミ箱は用意しない人」という実務能力を問題視する声もあります。

麻薬撲滅の啓蒙活動

インドネシアで危険薬物全般をNarkobaと言いますが、これはNARkotika(麻薬)、psiKOtropika(向精神薬)、OBAt-obatan(薬物)をくっつけた言葉です。

麻薬といえばメキシコやコロンビアの麻薬戦争が思い浮かびますが、実はインドネシアでは毎日50人の若者が麻薬がらみで死んでいくという世界でも有数の麻薬汚染地帯で、Ekstasi(合成麻薬エクスタシー)の世界最大生産国、Ganja(大麻)の世界最大の流通国で、Mariyuana(マリファナ)の品質世界一、現在刑務所の受刑者の60%がNarkoba関係で、毎年15,000人がNarkobaがらみで死亡しています。

麻薬撲滅の啓蒙活動
麻薬撲滅の啓蒙活動 【インドネシアへの麻薬の持ち込みは重罪です】

インドネシアへの麻薬の持ち込みは重罪で、オーストラリア人が死刑判決を受けた際には国際問題にもなりましたが、世界有数の麻薬汚染国家の汚名返上のために麻薬取締庁BNN(Badan Narkotika Nasional)を中心として、草の根レベルでも麻薬撲滅の啓蒙活動が行われています。

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ブラック企業が生まれた経緯

日本的経営こそが世界一の経済と技術を支える源泉だと評価され、リゲインを飲みながらジャパニーズビジネスマンと連呼していた時代が終わりバブル経済が崩壊しました。

1999年に日産のCEOに就任して「コストカッター」として財政危機状態の日産をV字回復させたカルロスゴーンに象徴されるように、モノを作っても売れない時代には、コスト削減により年功賃金や長期雇用、企業福祉など日本的経営の家族的な要素が削減されました。

日本の世界経済における地位が低下し、長時間低賃金労働が社会問題化し、ゆとり教育と働き方改革が進められた結果、日本は国際競争力を失っていきました。

勝ち組と負け組の基準【ブラック企業が生まれた経緯】
勝ち組と負け組の基準【ブラック企業が生まれた経緯】

バブル時代の終身雇用、年功序列、企業別組合という三種の神器を特徴とする日本的経営では、長時間労働に見合った待遇が得られたので問題にならなかったが、バブル崩壊後にコストカットにより待遇が削られ、体育会的な理不尽な風潮だけを引き継いだブラック企業が残った。

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外免切替でインドネシアの免許を日本の免許に切り替え

日本で取得した国際免許がインドネシアで無効なのは、国際免許協定が記載されている外交条約のうち日本はジュネーブ交通条約(戦争捕虜の扱い方に関する条約とは別物)、インドネシアはウィーン条約に加盟しているが相互に互換性がないからで、例えばウィーン条約加盟国であるハンガリーの人は国際免許証をもってインドネシアで運転できます。

外免切替でインドネシアの免許証を日本の普通免許に切替
外免切替でインドネシアの免許証を日本の普通免許に切替 【理屈では自動車教習所に通わずして免許を取得することが可能】

外免切替でインドネシアの免許証(SIM-A)を日本の普通免許に切替可能であるということは、理屈では自動車教習所に通わずして免許を取得することも可能なわけですが、組織的にやるとおそらく発覚して摘発されるものと思われます。

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インドネシア人の引越しに伴うKTPの変更手続き

住所の基本単位であるKelurahanごとに、住民の入りと出を管理するのがKantor Kelurahanの仕事であり、管轄する地区の住民は住民登録番号NICで採番された住民登録証KTPで管理され、住民は日常生活で頻繁に発生する身分証明書の提示の場面で、そのKTPをあたりまえのように使用しています。

KTPの発行業務は町役場(Kantor Kelurahan)で行なわれますが、このKelurahanが果たす地域住民に対する主要業務は以下の3つです。

  1. KTP(Kartu Tanda Penduduk 住民登録証), KK(Kartu Keluarga 住民票)の発行
  2. Surat Keterangan Pelaporan Kelahiran(出生証明書)の発行
  3. Surat Keterangan Pelaporan Kematian(死亡証明書)の発行
インドネシア人の引越しに伴うKTPの変更手続き 【KTP(住民登録証)もKode Pos(郵便番号)もKelurahan(町)単位で管理される。】

ジャカルタに住む地方出身者のインドネシア人は、より良い住環境を求めて頻繁に引越しする人が多く、本来であればその都度引越し先のKelurahan(町)に住民登録証 KTP(Kartu Tanda Penduduk)を移動する必要がありますが、実際には古い住所のままにしている人が多いのも事実です。

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なりすまし詐欺、催眠術詐欺が横行するインドネシア

コロナ禍の中、景気が後退したことでSMSやWhatsAppを通したなりすまし詐欺のメッセージやコールが頻繁に入るようになりました。クレジットカードや保険の勧誘電話がかかってくると日本人なら無下にあしらうところを、インドネシア人は仮に会議中であっても一応最後まで話を聞いてあげようとし、穏便に断る人が多いため、日本に比べてインドネシアはなりすまし詐欺等の件数は圧倒的に多いものと想像します。

スマホのSIMカードにKTP(住民登録証)とKK(住民票)番号登録義務付け
スマホのSIMカードにKTP(住民登録証)とKK(住民票)番号登録義務付け 【なりすまし詐欺、オレオレ詐欺、催眠術詐欺が横行するインドネシア】

日本以上にインドネシアはなりすまし詐欺、オレオレ詐欺、催眠術詐欺が横行しており、情報通信省(Kementerian Komunikasi dan Informatika)はスマホのSIMカードにKTP(住民登録証)とKK(住民票)番号登録を義務付けました。

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世代交代により不正浄化が進むインドネシア

税務署や労働省、交通警察などの公務員と接する機会が多いのですが、昔に比べて事あるごとに袖の下を要求されることも少なくなったのは、世代交代が進んだ結果、甘い蜜を吸った経験のない若い公務員の比率が高まったからだと考えられます。

タバコは体に悪いと分かっていても止められないのと同じように汚職も一度経験してしまうと止められないようで、行政機関のクリーン化のためには世代交代が根本的解決になるものと思います。

Caloと呼ばれるブローカーは、公務員に便宜を図って手続きを迅速化するという収賄を発生させる傾向があるため、駅や交通警察ではcaloの入場を禁止しました。

インドネシアで普及が進む非接触型ICカード

インドネシアのキャッシュレス化はGoPayやOVOなどのサーバーベースのスマホアプリ型とe-moneyやBCA Flazzなどのチップベースの非接触ICカード型の2種類の電子マネーで普及が進んでいます。

ICカードにはRFID(Radio-frequency identification)が埋め込んであり、13.56Mhzの高周波の電磁誘導方式で、GTOに設置してあるリーダーにかざすだけで料金の引き落としと残高表示をしてくれます。

RFIDはユニクロの店内に陳列されているシャツや、ロッテマート入り口で警備員からかばんのチャックに結び付けられるワイヤーにくっついている万引き防止用タグでも使われており、非接触型社会のキーとなる技術かもしれません。

インドネシアのTol(有料高速道路)キャッシュレス化 【経済活動の効率化による生産性向上】

インドネシアのTol(有料高速道路)、電気電話料金などの公共料金支払いでキャッシュレス化が進むことで経済活動全体が効率化され、他国に比べて劣るとされる労働生産性の向上が期待されています。

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インドネシアのスマホのプルサとインターネット接続プラン

インドネシアではネット接続用のパケットに加入し、通話用のプルサ(度数)を追加するプリペイド方式が主流でしたが、最近は翌月初に請求書が届くpascabayarのサービスが増えてきて、キャリアー側からすると未払いのリスクよりも後払いによる登録者の積極的なサービス利用のメリットが大きいと判断し、ある程度信用に値すると判断される人には後払い方式を勧めているようです。

インドネシアのスマホのプルサとインターネット接続プランの関係 【PulsaとPaketの違い】

インドネシアのスマホの支払いはインターネット接続パケット(Paket)とプルサ購入(Pulsa)による前払い方式が多く、双方の有効期限が異なるため管理が煩わしかったのですが、最近はパケットとプルサが一体となった後払いのpascabayarのサービスが増えてきました。

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新しい生活様式への移行に伴う飲食店ビジネスモデルの変化

ジャカルタのモールやBlok Mなどの歓楽街の飲食店は平日の少ない売上を土日祝日の売上でカバーするビジネスモデルを採用しているため、収容人数の制約下では経営が成り立たず、複数の日本食レストランが閉店を決断されています。

消費者が新しい生活様式へシフトすることにより、飲食店側のビジネスモデルも店内飲食をメインにした集客型から、デリバリーを前提としたオンライン注文型にシフトしており、この動きは資本力のない小規模零細自営業者にも事業拡大の機会を広げることに繋がります。

消費者の新しい生活様式への移行に伴う飲食店ビジネスモデルの変化【飲食店が遵守すべき健康プロトコル】
消費者の新しい生活様式への移行に伴う飲食店ビジネスモデルの変化【飲食店が遵守すべき健康プロトコル】

消費者の新しい生活様式への移行に伴い、飲食店のビジネスモデルは立地や内装にこだわるよりも、郊外の土地にオープンエアのホールを設営したり、都心にデリバリーとドライブスルーの専門店を設置するなど、お客に衛生に対する不安を与えない健康プロトコル重視に転換します。

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インドネシアのコロナ禍での自転車ブーム

運動不足は免疫力を低下させ感染リスクを高めるので、適度な運動で免疫力を高めることが大事だということで、外出自粛でフラストレーションが溜まった国民の間で自転車ブームが巻き起こっています。

コロナ禍によるインドネシアでの貧困率と犯罪率の増加

新型コロナウイルスの流行拡大の影響で、2020年3月の貧困率が9.78%と2019年9月の9.22%から上昇し、貧困ライン以下で暮らしている人の数は、3月時点で2,642万人いると言われており、PSBB(大規模社会制限)下での移動制限で経済活動が阻害されたことが貧困層の増加につながったと考えられます。

特に地方で大量の雇用を支えていた観光産業での倒産や失業者が増加し、失業者数が増えると貧困層が増え、その結果犯罪が増えるという悪循環をもたらし、地下経済(課税されない現金労働などGDP統計に表れない経済部門である非公式経済)が拡大しつつあります。

在宅勤務が増えたことで平時は朝出勤して夜に帰宅するというリズムが崩れ、家族間でお互いの嫌な部分が見えたことによる感情のもつれが、DVや児童虐待に繋がるニュースが増えていますが、根本的な原因はお金の問題です。

GoJekは、昔は街角で暇していたオジェックをオンラインで繋いで、時間とコストばかりかかる生産性の低い移動や配送という作業を、スマホの操作だけで彼らに外注してしまうことで、業務効率の向上と富の再配分をいっぺんに実現し、新しい所得再配分の流れをIT技術によって構築すると同時に失業率下げることによる犯罪率低下という経済と社会の両面に貢献した革命的サービスです。

一時帰国外国人の滞在ビザ有効期限切れに対する救済措置の終了

インドネシア国内で新型コロナウィルス感染拡大により、入国管理局のビザ更新手続きが中止されているので、一時帰国中の外国人はインドネシアに戻ってビザの更新をすることができないため、有効期限が切れていてもインドネシア再入国が許可されていました。

しかし国内でビザ更新手続きが再開されたことで、既にビザが切れている外国人は60日以内であれば入国が許可されますが、それ以上経過すると新規にビザの取り直しになります。

インドネシア在住日本人の情報収集環境

インドネシア在住日本人の情報収集と発信の手段はよろず掲示板などBBS(Bulletin Board System)からTwitterやFacebookなどのSNSへと完全に移行し、現在ではSNSを通して情報発信(フロー)してブログ記事への流入を促しビジネスに繋げるという流れが一般的です。

1998年当時のインドネシア在住日本人の情報収集環境【暴動渦中での懐かしい思い出】

コロナ禍中のインドネシア在住日本人にとって最も有効な情報収集手段はTwitterではないかと思うのですが、1998年のインドネシアの歴史的転換期に発生した大規模な暴動に関する最新情報はよろずインドネシア掲示板上で交換されていました。

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ジャカルタ-チカンペック高速道路の高架化事業

高速道路ジャカルタ-チカンペック高架(Jalan Tol Layang Jakarta-Cikampek)は、チレボン, バンドゥンなどの遠方からジャカルタへのcommuter(インドネシア語komuter 通勤者)が高架を利用し、近場であるブカシ、カラワンからの車は既存の高速道路を利用することで、交通の流れを上下に分散し慢性的な渋滞緩和を目指すことを目的として2017年に建設工事が着工され2019年12月に開通しました。

どんなに工事で渋滞していようとも、警察や軍、RFナンバーの国家公務員などがReformasi(改革)の名の下に、一般車両を蹴散らして進む様子は、独裁国家時代の悪しき慣習の名残りが感じられる記憶遺産のようなものですが、民主主義以前の状態で思考停止したまま、時代の流れに抗って既得権益を守り抜こうとする最後の抵抗だと考えれば可愛らしくもあります。

ジャカルタ-チカンペック高速道路の高架化事業【Tolの慢性的渋滞の緩和】

高速道路の高架化のメリットは、新たな土地取得の必要がないこと、既存交通事情を妨げないで工事が進められることであり、デメリットは地震発生時の脆弱性に起因する倒壊や寸断等のリスク、建設コスト上昇により開通後の利用料が高騰、それをまかなう税金が必要になるなどです。

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ジャカルタMRTの正式開通

日本の三井住友建設や清水建設が参画したMRTプロジェクトは2019年4月に開通し、クオリティの高さとリーズナブルな運賃設定によりジャカルタ市民の移動の足として定着しつつあります。

2019年5月8日に東京FMのON THE PLANETという深夜番組に電話で出演させていただき、首都移転とMRT開通についての現地の様子について説明させていただきました。

ジャカルタMRTが正式開通しました!【見まごうばかりのジャパンクオリティ】

ジョコウィ現大統領がジャカルタ州知事時代に、副知事のアホック氏と一緒に政治的に建設開始を決断した大量高速交通MRTが正式開通しました。地下駅舎を先に作って、シールド採掘で駅の間を地下トンネルで繋げていく工事は日イ共同事業体で行われました。

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インドネシアと日本の女性の社会進出

インドネシアは、女性の働きやすさという点においては、日本とは比較にならないほど先進的であり、そもそも旦那が転勤するからとか、妊娠したからとか、子供が生まれたからとかいう理由で退職するという発想自体がありません。

これはインドネシアでは企業が産休と出産後の職場復帰に対する理解が強いこと、親に子供の面倒を見てもらえる環境があること、メイドやベビーシッターを雇いやすい環境であることが大きく影響しています。

リッポーグループ最大の都市開発プロジェクトであるメイカルタ

許認可の不備やリッポーグループの不透明な資金繰りなど何かとの問題ありと噂されるメイカルタプロジェクトですが、長期的視点で見れば西ジャワのスバンに自動車輸出拠点となるパティンバン港(Patimban)が2023年に開港し、ジャカルタの東へxEV生産を中核とした北部ジャワ自動車産業ベルトが伸びていき、インドネシア経済の中核を担うことになれば、ジャカルタ首都圏の住宅難の解消のための都市開発という意味でもメイカルタの重要性は益々高まるはずです。

Meikarta
メイカルタ(Meikarta)は今どうなっているのか?【リッポーグループ最大の都市開発プロジェクト】

メイカルタプロジェクトは事業許認可の過程で贈収賄が発覚し逮捕者が出るなど進捗が遅れていましたが、開始当初のオレンジカウンティやDistrict1部分は完成の目途がたっています。ただコロナ禍による不動産市場の冷え込みの影響で第二期工事以降の話が不明瞭です。

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インドネシアのジャカルタ~バンドゥン高速鉄道

2015年に日本と中国が受注合戦を繰り広げた結果、中国が受注したジャカルタ~バンドゥン高速鉄道プロジェクトですが、2019年完成の予定が2021年にずれ込み、新型コロナウィルス感染拡大の影響もあってさらに延期されそうです。

一時期インドネシア政府が日本に建設への協力を申し出たという話もありましたが、中国とインドネシアの合弁企業が高架の建設やトンネルの採掘工事を継続しており、2020年12月時点では全体の65%の進捗ということです。

MRT建設プロジェクトをきっちり納期どおりに完遂した日本企業に対して、高速鉄道プロジェクトで度重なる順延と予算オーバーを繰り返す中国企業、客観的に見てなんでそこまで中国側に忖度する必要があるのか、日本人的には苛立たしい思いもありますが、国営企業大臣が「技術が唯一の基準ではない」と言うくらい、インドネシア経済は中国投資に支えられています。

中国寄りと言われているジョコウィ政権ですが、最近はインドネシアの北端ナトゥナ諸島の排他的経済水域(EEZ)での、中国船による違法漁業問題で中国と対立しており、益々実利を最優先した交渉が展開されることになることが予想されます。

現在のジャカルタ~バンドン高速鉄道の建設状況【バンドン~スラバヤ間の在来線の準高速化計画との関連】

インドネシアは建設中のジャカルタ~バンドン高速鉄道と、日本が現在進めているジャカルタとスラバヤを結ぶ既存鉄道の準高速化計画を一体化させたいと考えていますが、準高速化計画で想定されている線路は軌道の幅が違うことから一体化は技術的に困難との見方が出ています。

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首都移転後のインドネシアの経済発展を支える西ジャワ州

僕は30代の大半をバリ島で過ごしましたが、単調な仕事に何ら発展性を見出せずに、仕事の経験値が蓄積されないまま、時代に取り残されていく焦りを感じ、ジャカルタに戻ることを決断しいました。

インドネシアの経済発展のダイナミズムの恩恵を受けながら仕事の経験値を蓄積でき、首都ジャカルタの最新のトレンドや文化を体感できる距離で生活をする、これがバリ島に移住して気づいた自分にとってインドネシア国内で定住するのに適した土地の条件でした。

首都機能移転後のジャカルタは引き続きインドネシア経済の中心として発展し、次世代車(xEV)生産を中核とした北部ジャワ自動車産業ベルトの建設、スバン工業団地とパティンバン新港プロジェクトなどにより、巨大経済圏が東に拡大していくことが予想されます。

首都移転後のインドネシアの経済発展を支える西ジャワ州【自動車部品を供給する裾野産業の集積】

西ジャワ州はジャカルタの首都移転後のインドネシアの経済発展を支える自動車部品を供給する裾野産業の集積地域として期待されており、高付加価値産業を中心とした外資の誘致が進められていく予定です。

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2020/12/02

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