ジョコウィ氏のギャップ魅力とインドネシア政治熱狂

2014/07/21

ジョコウィ大統領

ギャップにキュンとするのは人間の本能のようです。ジョコウィ氏の『私利私欲のない素朴なおじさん像』と、実際には強力なリーダーシップを発揮する実務派という内面が、インドネシア人に大変受け入れられています。大衆は一種の集団催眠状態にあったのだと思います。

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この記事でわかること

  • 2014年7月22日にインドネシア選挙委員会が大統領選挙の結果を発表しました。
  • ジョコウィ氏は私利私欲のない素朴なイメージと強力なリーダーシップで支持を集めました。
  • ジョコウィ氏の支持基盤は政党ではなく民衆にあるとされています。
  • プラボウォ氏陣営は選挙で多額の資金を投入しましたが敗北しました。
  • ジョコウィ氏の人気は『実はスゴイ人』というギャップが大衆を魅了したことにあります。

ジョコウィ氏当選がもたらした政治熱狂と住民の複雑な本音

2014年7月22日、選挙委員会(KPU)が大統領選挙の結果を公式に発表しました。この日、私の通勤路であるKPU前は通行止めとなり、多くのTV局の中継車が集まっていました。

昼に客先に向かう車中で、運転手からジョコウィ氏の素晴らしさやプラボウォ氏の問題点について小一時間聞かされました。車中では休みたかったのですが、ジョコウィ氏を強く支持する運転手の熱弁に圧倒されました。

私は「メガワティ氏の傀儡政権になるのでは?」「プラボウォ氏陣営は強力だから野党に回られると厄介では?」と質問しましたが、運転手はさらに熱心に反論しました。彼の主張を要約すると、『ジョコウィ氏の支持者は政党ではなく民衆にある』ということでした。ジョコウィ氏は閣僚に実務派のみを招聘し、党利党略を排除する姿勢を示していましたが、私はその信頼がどこまで続くのか疑問に思いました。

私が住んでいたTaman Rasunaアパートはバークリー系で、会社のオフィスビルはゴルカル系でした。ジョコウィ大統領の当選により、私は公私共に抵抗勢力側の施設に身を置くことになりました。

プラボウォ氏陣営は選挙で多額の資金を投入したと聞いていました。選挙に勝利すれば、バークリー側も投資を活発化させることが予測されましたが、敗北すれば管理サービスの質が低下するのではないかと心配していました。

アパートに隣接するEpicentrum Walkは、当時マネージメントオフィスの不手際でテナントが少なく閑散としていました。選挙結果がさらに悪影響を及ぼすのではないかと懸念していました。

ジョコウィ氏が支持された理由:素朴さとギャップに魅了されたインドネシア国民

当時、ジョコウィ氏の地元である中部ジャワのSoloを、システム導入プロジェクトのため定期訪問する機会がありました。この地域で彼に関する悪い噂を聞くことはなく、評判を総合すると以下の2点に集約されました。

  1. 私利私欲のない素朴なおじさん
  2. その実強力なリーダーシップを発揮する実務派

日本人もそうかもしれませんが、インドネシア人も「一見普通の人だが実はスゴイ」というギャップが好きです。2014年当時のジョコウィ氏評としては「汚職に無縁の精錬潔白さ」が真っ先に取り上げられましたが、「実はスゴイ人」というギャップこそが一般大衆を魅了し、一種の集団催眠状態にしていたのではないかと思います。