この記事でわかること
- メイカルタプロジェクトは贈収賄問題で揺れています。
- 工事の遅延や不動産市場の冷え込みが影響しています。
- プロジェクト名はリッポーグループCEOの母の名前に由来します。
- 事業許可を巡る汚職事件で逮捕者が出ました。
- 長期的にはインドネシア経済の中核を担う可能性があります。
メイカルタプロジェクトの背景
2016年頃から開始されたメイカルタプロジェクトは、事業許認可の過程で贈収賄が発覚し逮捕者が出るなど、プロジェクト開始当初から進捗の遅れがありました。コロナ禍による不動産市場の冷え込みの影響もあり、Lippoグループの過去のプロジェクトであるLippo KemangやLippo Karawaci同様に、道半ばでとん挫している印象を受けます。
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事例:Tol Jakarta-Cikampek(高速道路)の34km地点Cibatu出口を降りてすぐに左折して道なりに進んでいくと、建設中なのか止まっているのか不明なメイカルタ(Meikarta)のビル群が見えます。
要点:現場の見え方からも進捗の停滞が読み取れることがあり、発表と実態を分けて見る必要があります。
プロジェクト名の由来と進展
2016年頃オレンジカウンティ(Orange County)という名前で建設プロジェクトが始まりましたが、三菱商事の資本参加の下で日本の幼稚園や日本の学校も建設されるという立看板で告知されていました。いつの間にか名前がメイカルタに変わり、ジャカルタやチカランのモールで盛大にアパートのユニット販売が展開されました。オレンジカウンティはメイカルタプロジェクトの中に組み込まれています。
事例:メイカルタという名前は、リッポーグループCEOであるジェームズ・リアディの母スリヤワティ・リディアの名前の一部にあるメイ(梅)とジャカルタを繋げた造語です。
要点:プロジェクト名はリッポーグループCEOの母の名前に由来し、当初の計画から変更されています。
汚職事件とその影響
当初から事業許可を取得しないまま工事を進めているのではないかという指摘がありましたが、案の定汚職撲滅委員会(KPK)は事業許可を出す見返りとして現金の授受があったとして、ブカシ県知事ネネン・ハサナ・ヤシン、リッポーグループ総裁ビリー・シンドロその他数名を逮捕しました。ビリー氏には2019年3月に禁固3年6か月、ネネン県知事には2019年6月に禁固6年の判決が出ています。

プロジェクトの規模と未来
大学や高級ホテルの誘致、ITインテリジェンスパークなど、アメリカのカリフォルニア州のシリコンバレーをイメージしたような「東南アジアで一番美しい街」を標榜して始まった事業費は278兆ルピア(約2兆3000億円)というLippoグループ最大の都市開発事業となりました。
事例:Jababeka工業団地やGIIC工業団地などの拡大していくであろう周辺の工業団地の、日本からの駐在員やマネージャークラスの人間に対する投資物件として、2ベッドルームのユニットを、Lippoグループメンバー特別割引で400juta程度で購入したインドネシア人の友人が居ましたが、当時の私は「本当に建つのかなあ」というのが正直な感想でした。
要点:大規模開発の販売段階では割引購入が魅力でも、竣工・入居の不確実性を織り込んで判断する必要があります。
今後の課題と展望
不安点として、第二期工事以降の話が全く見えていないこと、Lippoグループの資金が十分かどうかという疑念、不動産市場が伸び悩み供給過多になるリスク、事業許認可はどうなったのかなどがあります。しかし、長期的視点で見れば西ジャワのスバンに自動車輸出拠点となるパティンバン港が2023年に開港し、ジャカルタの東へxEV生産を中核とした北部ジャワ自動車産業ベルトが伸びていき、インドネシア経済の中核を担うことになれば、ジャカルタ首都圏の住宅難の解消のための都市開発という意味でもメイカルタの重要性は益々高まるはずです。
