インドネシア経済発展を支える西ジャワ州の自動車産業

2020/05/25

西ジャワ州の自動車産業がインドネシア経済発展を支える構造化した図解

西ジャワ州は、ジャカルタの首都移転後のインドネシア経済発展を支える自動車部品供給の集積地域として期待されています。高付加価値産業を中心に外資の誘致が進められる予定です。

インドネシアの政治・経済・社会の成長構造と戦略を示す図解

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スカルノ大統領時代は共産主義政策が推進され、西側諸国からの投資が減少しました。スハルト大統領は西側諸国との関係を強化し、工業化を進めましたが、石油依存から脱却できませんでした。1998年のアジア通貨危機後、インドネシアは民主主義国家と…

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この記事でわかること

  • 西ジャワ州はジャカルタの首都移転後、自動車部品供給の集積地域として期待されています。
  • バリ島からジャカルタに戻った理由は、経済発展のダイナミズムを体感し経験値を蓄積するためでした。
  • 西ジャワ州ブカシ県はジャカルタから15kmの距離にあり、都会と田舎の良さを兼ね備えています。
  • 2024年からジャカルタの一部政府機関が東カリマンタンのヌサンタラに移転開始されます。
  • 次世代車生産を中核とした北部ジャワ自動車産業ベルトの建設が進められています。

バリ島で見直した首都ジャカルタ近郊に住むことの価値

私は1997年10月にジャカルタに来て3年半ほどIT関連の仕事をした後、2001年6月にバリ島へ引っ越しました。理由は家具やハンディクラフトの輸出事業を立ち上げるためで、日本の家具屋さんや雑貨屋さん、飲食店関連の方々が定期的に旅行と買い付けを兼ねてバリ島を訪問しており、日本の潜在顧客に最も近い距離にあったのがバリ島だったからです。

当時の日本はエスニックブームの最中で、東京の青山通りには100m間隔でアジア家具や雑貨のショップがあると言われ、その2大供給地がタイとバリ島でした。デンパサールのクンバサリ市場やギャニャールのスカワティ市場では、視界に入るあらゆるものが金に化ける感覚すらありました。

バリ島にはヒンドゥー教の霊廟である石造りのチャンディが至る所で見られ、色とりどりの伝統衣装クバヤを身に着けた女性が頭の上にお供え物のフルーツを乗せて歩いています。夕方になるとどこからかガムランの音色が聞こえてきて、日常生活にヒンドゥ教の歴史や伝統文化が心地よく入り込んでいます。一方で、クタのレギャン通り周辺のクラブやカフェでは、最高にクールな空間を楽しむことができ、このギャップが観光客を魅了し「バリ島のマジックにかかってしまった」と言わしめる所以だと思います。

バリ島を訪れるお客さんから「バリ島に住めていいですねえ」と言われると優越感を感じましたし、クタに遊びに行きビーチ沿いのカフェで飲むビールの味は最高でした。自宅からほど近いサヌールのビーチに愛犬を連れて散歩に行けたことは楽しい思い出です。

しかし、日本からオーダーを受けて家具製作の管理を行い、完成品を20フィートコンテナに積み込み、空きスペースを木彫りや石像などの小物で埋めて送り出すという単調な仕事に発展性を見出せず、経験値が蓄積されないまま時代に取り残されていく焦りを感じていました。これが2008年にもう一度ジャカルタに戻る決断をした最大の理由でした。

インドネシアの経済発展のダイナミズムの恩恵を受けながら仕事の経験値を蓄積でき、首都ジャカルタの最新のトレンドや文化を体感できる距離で生活することが、バリ島に移住して気づいた私にとってインドネシア国内で定住するのに適した土地の条件でした。それを満たすには大都市(ジャカルタ)に車で数時間でアクセスできる必要があります。

西ジャワ州での裾野産業の集積

2008年にバリ島からジャカルタに戻り、高所恐怖症と閉所恐怖症を持つ私にとって、10年間の高層アパート暮らしは苦痛でした。2018年5月、一戸建てに住むため西ジャワ州ブカシ県の西ブカシに移住しました。

ジャカルタから15kmほどの距離にある西ブカシは、顧客のほとんどが入居する工業団地に近く、ジャカルタまでのアクセスも良好です。平時なら1時間弱、外出制限期には車が少なく、30分以内でCitywalkのPapaya日本食スーパーまで行けるという、都会と田舎の良さを兼ね備えた土地です。

2019年12月にTol Jakarta-Cikampek高架(第二高速道路=Tol layang)が開通し、2020年にはLRT(Light Rail Transit=軽量軌道交通)の開通が予定されています。さらに、ジャカルタバンドゥン間高速鉄道が急ピッチで進められており、ジャカルタから東の西ジャワ州方面の都市間インフラが改善されています。これにより、ブカシ県のみならずカラワン県やスバン県、プルワカルタ県とジャカルタはますます近くなります。

ジャカルタのLRT開通による交通渋滞緩和と都市再開発を構造化した図解

ジャカルタLRT開通で交通渋滞緩和と都市再開発促進

ジャカルタのLRTは2023年8月に正式運行を開始しました。LRTJabodebekはブカシとチブブールから都心部を結びます。MRT南北線は2019年4月にジャカルタ市内で開通しました。

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インドネシア高速鉄道計画と日中競争の背景を構造化した図解

インドネシア高速鉄道計画と日中競争の背景

ジャカルタ〜バンドン高速鉄道は2023年10月に有料運行を開始しました。2015年の受注競争で、日本は中国に敗れ、インドネシアは中国案を採用しました。ジャカルタ〜スラバヤ準高速化計画は日本と2019年に合意されましたが、一体化は技術的…

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インドネシアは2024年から首都ジャカルタの一部政府機関を東カリマンタンの新都市ヌサンタラに移転開始していますが、ジャカルタは引き続きインドネシア経済の中心として発展します。次世代車(xEV)生産を中核とした北部ジャワ自動車産業ベルトの建設、スバン工業団地とパティンバン新港プロジェクトなどにより、巨大経済圏が東に拡大していくことが予想されます。

自動車の国内需要と輸出市場の拡大に対応するため、国内産業の高付加価値化を前提とした外資の誘致が進められています。自動車の開発、設計、評価のローカル化を行うためのR&D(研究開発)センターの誘致を前提とし、政府の優遇政策の後押しを受けて、西ジャワ州には多種多様な部品を供給する裾野産業が集積されていくでしょう。

バンドゥンの東KM156地点のCileunyiでTolを降り、定番のTahu SumedangやUbiの加工食品のoleh2ショップが連なる幹線道路を進むと、インドネシア最大の繊維会社PT.Kahatexの巨大な工場が並び、その先にRancaekek工業団地があります。Rancaはスンダ語で湿地(rawa)、Ekekは地域固有の鳥の名前です。