生産管理システム

インドネシアの生産管理システムまとめ

製造業の至上命題は「生産性向上によるコスト削減」と「納期遅れせずきっちりと納品する」の2つであるとはよく言われることです。

経営側は市場の需給調整に基づいて事業の発展を最大化する事業計画を作成しますが、安売りで売上が増えたとしても売上総利益が小さくなるだけで販売管理費・営業外費用で赤が出る、かといって販売単価は市場価格を考慮する必要があるため簡単には上げられないので、材料の購入から製品となるまでの生産性向上によるコスト削減を目的とした生産計画に基づく工程管理が重要になるのです。

一方で製造現場は生産計画に基づいて生産を行うものの、最終的には顧客からの受注を納期遅れ無く生産することを最優先とします。

現在のコロナ禍の影響を受ける環境のように需要変動が大きい場合には効率の良い生産が難しく、しかも分業化された部署ごとの効率化では全体最適になっていない面もあり、複合的な要素の検証をどのように行って効率の良い生産をするかという難しい課題があります。

システムとは本来はこの至上命題を同時に達成することを目的としたツールと言えるわけです。

日本の製造業システムでは高いコストをかけてでも自社の業務に合うような機能追加を行いがちですが、インドネシアの場合は限られた予算の中で現場の作業者の入力のしやすさとか、作業負荷の軽減のための画面修正や外部データ取り込み機能の追加に対する要望が多くなる傾向があります。

当ブログではインドネシアの製造業者様で生産管理業務のシステム化の必要性を感じているものの、具体的に何から手を付けたらいいのか分からないという方にとって、インドネシアに合った製造業システムとは何かをイメージするための一助となるような生産管理システムについての記事を書いています。

かんばん方式

製造指図とかんばんの違い

「製造指図」も「かんばん」も内示に基づき所要量展開するところは同じですが、製造指図が生産計画に基づく作業単位の実体(演繹的なプッシュ方式)で生産管理部から現場に対する生産指示であるのに対し、かんばんは使った分だけ後工程が前工程から引き取った結果としての実体(帰納的なプル方式)で現場で需要と供給の関係によって自律的に流動します。

かんばん方式対応システムではMRPによって、製造の視点からの製造指図の発行、または工程内かんばん枚数の計算、購買の視点からの材料発注のための所要量計算または材料かんばん枚数計算、設備の視点からのラインや機械の負荷計算ができます。

かんばんは前工程に対するBOX単位の生産依頼書であり、製造指図合計数量(総所要量-現状在庫+安全在庫)は当月の「かんばん枚数x箱の収容数」とほぼ同数です。

かんばん枚数xBOXの収容数=加工数+日当たり必要数x(かんばんL/T+加工L/T+安全在庫日数)

kanban

計画生産の製造指図とかんばんの違い 【内示に基づく所要量展開で算出される製造指図合計数≒かんばん枚数x収容数】

生産管理システムでは内示情報と確定受注からMRPの所要量展開機能によって製造オーダを生成しますが、トヨタ系自動車部品メーカーではかんばん枚数を計算し、現場に流通しているかんばん枚数に対する過不足を調整します。

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引取りかんばん(移動指示)と仕掛かんばん(生産指示)

かんばん方式は、部品置き場のBOXの数が0で、次に来る引取かんばん分を加工現場の工程内かんばん(仕掛かんばん)でまかなうのが、在庫0かつ工程在庫のみ存在という究極の運用と言えます。

  1. 出荷エリアで外されて溜まっている分(かんばんL/T)は、出荷でかんばんがはずれて現場に戻るまでの遊休期間。
  2. 現場で加工点に達するまで溜まっている分(加工L/T)は、現場横のかんばんが加工点に達するまでの期間。
  3. 現場や倉庫にある在庫ロットに挿してある分(安全在庫)は、切ってはいけない在庫水準N日分であり、安全在庫=0なら「納期遅れせずに在庫なし」で運営できるベストな状態。

工程内かんばんによる運用

  1. 出荷ではずれて出荷エリアで滞留
  2. 加工エリアに戻されて、BOXが引き取られ、加工エリアで滞留
  3. 加工点に達したら加工を開始してBOXに挿される
  4. 2に戻る

工程内かんばんを現場を流動する引取かんばん(移動実績)と、生産指示となる仕掛かんばん(生産実績)に分け、役割分担させる。

  1. 出荷時にBOXの引取かんばんはeかんばんに差し替えられ、出荷エリアで滞留(引取かんばん)
  2. 加工エリアに戻されて(引取かんばん) 、BOXが引き取られる際に挿してある仕掛かんばんは引取かんばんに差し替えられ、加工エリアで滞留(仕掛かんばん)
  3. 加工点に達したら加工を開始してBOXに挿される(仕掛かんばん)
  4. 2に戻る
かんばん方式とスケジューラ―の役割分担【ポストコロナ禍の現地主導の工場運営に適したシステム】

かんばん方式はオーダーに対して生産を行う製造現場での運用の仕組みであり、後工程から要求されたかんばん枚数分だけを生産するため、キャンセル時にはかんばんの流動速度を微調整することで作りすぎを防ぐことができますが、追加オーダーや機械のトラブルによる生産の遅れには対応できません。

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かんばん枚数計算の流れ

「かんばん枚数x箱の収容数」は、内示に対する総所要量を稼働日で割った日当たり必要数に(かんばんL/T+加工L/T+安全在庫日数)をかけた結果に加工数(加工ロット)を足したものです。

  • かんばん枚数計算の目的は、当月回転枚数に対して次月の内示から計算すると何枚増やすか(減らすか)を知ること。
  • 工程内かんばん枚数={加工数+(日当たり必要量)x(かんばんL/T+加工L/T+安全在庫)}/収容数
  • 加工数は今現在加工中のロットであり、かんばんL/Tや加工L/Tや安全在庫は現場や置き場に滞留しているロット。
  1. 日あたり必要数を計算
    月次の内示を取込み所要量展開(L/T=0日)し総所要量を計算し、稼働日数で割る。
  2. 1コイルあたり何個取れるかを計算
    • 標準コイル重量(kg)=板幅(mm)x3.4
    • 1コイルあたり何個取れるか=標準コイル重量/1個あたり重量
  3. 加工数(1回で加工するロット数)を計算
    • 最低連続加工時間(マスタ値)最低何時間機械を止めたくないか(稼動時間まとめ)
      ⇒加工数=最低連続加工時間÷サイクルタイム
    • 最低加工コイル数(マスタ値)最低何本コイルを使い切りたいか(コイルまとめ)
      ⇒加工数=最低加工コイル数x1コイルあたり何個取れるか
    • 最低加工日数(マスタ値)最低何日分のまとめて生産したいか(加工日数まとめ)
      ⇒加工数=最低加工日数x日あたり必要数

    3つの条件の下に最も加工コイル数の多いものを適用。

  4. 工程内かんばん枚数(In-Processかんばん)
  5. 材料かんばん枚数(Materialかんばん)
コロナ後の現場主導型システム【インドネシアにおけるかんばん方式とスケジューラ―】
コロナ後の現場主導型システム【インドネシアにおけるかんばん方式とスケジューラ―】

本日は「コロナ後の現場主導型システム」と題しまして、現場での生産調整を得意とするプル型のかんばん方式と、需要に基づいて生産指示を発行するプッシュ型のスケジューラ―をうまく併用した、コロナ禍後の生産管理の在り方をご提案させていただきます。

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外段取化・シングル段取化・多能工化

「材料は外れたかんばんに必要な分だけ紐付け必要なものを必要な数量だけ製造」とは1対1紐付きであり、受注単位やロット単位(製造指図数量)で製造するスケジューラーは矛盾するので、かんばんによる後引きに細かく対応できない成形やプレスなどの前工程にスケジューラーを導入し、中間在庫をコントロールするという運用になります。

必要な品種を必要な量だけ製造するのはOKだとしても、現場の生産設備で毎日後工程から要求される品種と量がコロコロ変わったらコスト高になってとても対応できないので、かんばん方式運用では品種と量を日ごとに平準化する必要があります。

ロット生産では専門工が段取り回数を減らすために同じものをまとめて生産しますが、平準化生産では色々な種類の製品を均等にばらして生産する必要があるので、実現するには内段取り(主資源段取)の外段取り化(副資源段取)や段取りの標準化によるシングル段取りの実現と多能工化が必要となり、平準化を突き詰めると1個流しに行きつきます。

かんばん方式では生産計画が必要ないと言われる理由【トヨタ組立工場側での平準化された投入計画に基づく】

必要な品目を前工程から引き取り足りない分だけ生産するように現場で自律的に動くプル型のかんばん方式は、プッシュ型で作成されるMRPによる生産計画と相対するものと言われますが、トヨタの最終組み立て生産ラインでは日時単位のスケジュールが計算されています。

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MRPと負荷計算

時間ベースの負荷率とストロークベースの負荷率

タクトタイム(T/T)がオーダ数量をこなすのに1個あたり何秒かかるかという顧客(トヨタ)重視の考え方(上意下達)で、サイクルタイム(C/T)は自社の生産設備の標準能力という自社(下請工場)重視の指標で、生産管理部が立案した来年度の予定稼働時間と目標生産数から算出します。

  • タクトタイム=稼動可能時間÷日当たりオーダ数量
  • サイクルタイム=目標稼働時間÷目標生産数
  • サイクルタイム>タクトタイムなら能力不足(欠品)
  • サイクルタイム<タクトタイムなら能力過剰(在庫)

トヨタ生産方式の負荷率(時間ベース)

  • 負荷率=(生産数量xサイクルタイム)/稼動時間=(ストローク数x取数xサイクルタイム)/稼動時間
  • 品目によってストローク数は変わるので単位は時間

プレス工場の負荷率(ストローク数ベース)

  • 負荷率=ストローク数/(GSPHx稼動時間)
  • 段取時間や停止時間を含めた1時間当たりのストローク数であるGSPH(Gross Stroke Per Hour)という機械能力のうち、オーダ数量を消化するためには機械を何回動かすか(何ストロークさせるか)という機械本位の考え方で負荷率を計算。
  • 個数(何個生産できるか)とか時間(何時間動かすか)に換算することなく、需要(オーダ数量)を消化するために必要なストローク数が供給能力(何ストローク動かせるか)に収まるかどうか、収まらなければ何ストローク分の残業を稼動時間に積み上げればよいか、残業でも足りなければ土日に何ストローク分の救出を入れればよいか、というストローク数ベースの考え方。
時間基準の稼働率とストローク基準の負荷率 【負荷率=日当たりストローク数÷(GSPHx1日あたり稼動時間)】

負荷率は機械の供給能力に対する需要の割合であり、プレス加工でいう1時間あたりのストローク数GSPHに対するオーダを消化するために必要なストローク数の割合です。一方で稼働率は機械の運用時間に対する稼働時間の割合であり、1日の運用時間に対するオーダを消化するために必要な稼働時間の割合です。

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複数個取品と共取品

代表的な左右セット品である車のドア部品の場合はRL品(Right-Left)と呼ばれますが、2個取り品とは違って左右に分かれた直後の品目(親)の品目コードが異なり、客先からは左右別々にオーダが入るため、オーダ数量の組み合わせパターンによって生産数量が変わります。

複数個取り品と左右セット取り品の扱い 【所要量展開時に左右両取品の数を多いほうに合わせる】

複数個取り品は1ショットで同じものが2個取れるため、オーダ数量に関係なくプレス後(親)とプレス前(子)の数量ベースの関係は単純に2対1です。RL品の場合は1ショットで左右1個ずつ合計2個取れるため、片方のオーダのみ入る場合は1対1(左右どちらか余り1)ですが、左右両方に同数のオーダが入る場合は、左右あわせて複数個取り品と同じ2対1の関係になります。

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サプライチェーン

ビールゲームの在庫コストと機会損失コスト(受注残)

生産管理システムは工程ごとに管理を分けることで部分最適化しますが、工程間を隔てる壁がモノの流れと情報の流れを滞留させ、リードタイムが緩くなり仕掛在庫が増える要因となるため、生産工程を串刺し状につなげ生産に流れを作るために、生産スケジューラーで生産拠点の全体最適化を行い、L/Tを短縮します。目標とするのは在庫コスト削減と機会損失低減の両立です。

小売店⇒二次卸⇒一次卸⇒工場というサプライチェーンの中で、意思決定が働くのはP/O発行(製造指図発行)であり、発注の際に「在庫切れたら怖いな、でも注文しすぎると余りすぎるし。どれくらい受注来るか予測が難しい。しかも発注して最短4週間で入荷するけど業者で在庫切れならそれ以上かかるし」という心理が働きます。

受注残を消化(機会損失を減らす)しようとして発注過多が連鎖、または在庫コストを減らそうとして発注過少が連鎖するため需要予測が重要となります。

2週間前に発行されたP/Oの受領時は、在庫から出荷または入荷即出荷することで、購買L/T4週(P/O2週+モノ2週)、製造L/T4週(指図2週+モノ2週)をキープするのがベストです。

販売業務(左)

  • ③移動:得意先から前週に発行された注文書を2週目開始マスへ移動
  • ②注文書を見る:得意先からの注文書の受領
  • ②出荷:得意先への出荷
  • ①移動:得意先へ前週に出荷した未着品を4週目開始マスへ移動

購買業務(右)

  • ④注文:仕入先への発注書を発行(意思決定余地あり)
  • ①入荷:仕入先からの入荷

製造業務(右)

  • 移動:工場から前週に発行された製造指図を2週目開始マスへ移動
  • 製造指図を見る:工場からの製造指図の受領
  • 出庫:工場への出庫
  • 移動:工場へ前週に出庫した未着品を4週目開始マスへ移動
  • 製造指図を発行:現場への製造指図を発行(意思決定余地あり)
  • 入庫:現場からの入庫
ビールゲーム体験備忘録 【在庫コストと機会損失コストを最小にすることで全体最適化を実現する】

ビールゲームは購買L/T4週間、製造L/T4週間のサプライチェーンの中で在庫コストと機会損失コスト(受注残)を最小にすることを目的とします。

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サプライチェーン上での適正在庫

総合商社は扱う商材の幅広さから「よろず屋」的な調達と販売機能を持ち、サプライチェーンの川下から川上までを調整する物流機能を持ち、さらに投資や資本参加により企業育成を行う金融と育成機能を持っています。

このため過剰在庫による在庫コストと在庫切れによる機会損失のリスクを回避しながらデカップリングポイントに最適在庫をキープさせるというサプライチェーン上での最適在庫を実現させることができます。

需要変動の中での在庫・作業員の最適化と生産設備の平準化の実現

株式会社クニエ様による業務改善コンサルの視点からの生産、物流、調達の改善の方向性を提案と、Asprova株式会社様によるシステムのデモを交えた具体的な解決方法の提示を行うという流れのセミナーを盛況に終えることができました。

コロナ禍による需要変動の中での在庫・作業員の最適化と生産設備の平準化の実現【生産、物流、調達の3つの視点からの業務改善】

インドネシアの製造業ではコロナ禍の影響で新規投資が難しい中でも、工場オペレーション、レイアウトの全面見直し、基本的な足元の業務の見直しが行われており、生産、物流、調達の3つの視点からの業務改善と、現場手動型のシステム導入が行われています。

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MESとIoT

製造業IoTの導入による稼働管理・傾向管理・予知保全

保全とは機械が壊れないように日頃からメンテナンスすることであり、保全部(maintenance)の仕事はプレス機のショット数や稼働時間から定期的に部品交換などのメンテナンスを行う「予防保全」と、機械に問題が発生する兆候を予測する「予知保全」に分かれます。

コロナ禍が加速させるペーパレス化とIoT化

業務のシステム化の目的は業務効率の改善とデータ入力の正確性がメインでしたが、コロナ禍によりペーパレス化による物理接触機会の軽減という目的が追加されました。

コロナ禍が加速させるペーパレス化とIoT化【物理的接触とモノの共有の機会を最小限に抑える】

ペーパレス化の目的は紙のコストダウンだけでなく、実績データの転記間違いを防ぐことが最大の理由でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、感染防止のために物理的接触機会を下げることが求められ、製造現場のIoT化が加速しています。

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ERPからMESを経てMOMへの移行

MES(Manufacturing Execution System)は上位のERP層と下位のPLC層の間に位置し、生産スケジュールに基づいて作業員(ヒト)に作業指示を出し、原材料や仕掛品など(モノ)の動きをリアルタイムで監視し、生産設備(機械)に直結し稼働状況や異常発生を把握します。

MESをデジタル化によって自動化を推し進めスマートファクトリー化をするのがMOM(Manufacturing Operations Management)になります。

現場中心に再編される製造業システム
現場中心に再編される製造業システム【インドネシア最大の製造業展示会Manufacturing Indonesia 2019】

12月4日から7日まで毎年恒例JIExpo Kemayoranで開催されるインドネシア最大の製造業展示会「Manufacturing Indonesia 2019」に、生産スケジューラ―Asprovaを紹介するブースを出展させていただきました。

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製造業向け工場内の業務効率化&見える化

Asprovaで生産計画を作成し、サイボウズキントーンでタブレットから製造実績を記録し、ウイングアークMotion BoardのBIツールで予定と実績のデータを可視化するというPDCAを回すという設定での共催セミナーでした。

現場でできる!製造業向け工場内の業務効率化&見える化セミナー
現場でできる!製造業向け工場内の業務効率化&見える化セミナー【サイボウズ社&ウイングアーク1st社との共催】

システムで生産計画を作成し、タブレットで製造実績を記録し、BIツールで予定と実績のデータを可視化するというPDCAを回すという設定です。全体最適化とは、生産効率が最大化され、価格コストと在庫による金利が最小化され、利益が最大化されることです。

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生産管理システムの開発導入

インドネシア税関による保税工場に対するオンライン監視強化

税関が最も知りたいことは、原材料入荷時の入荷伝票(Surat Jalan)に付番されているBC番号と、製品出荷時に作成する出荷伝票(Surat Jalan)に新たに付番するBC番号の紐付きであり、輸入時に免税された原材料が保税工場内で適切に製品に加工され、適切に出荷されていることが問われます。

要件定義

まず現場の作業の動きに対してシステムからどのように指示を出し実績を記録していくか、というシステムの運用フローを確定する要件定義があります。

システムの標準機能で足りないギャップの部分をアドオン開発し、完成したシステムの操作説明会やトレーニングの中で、現場スタッフの生の声を聞きながら仕様変更や追加開発などの微調整を加えていき、システム運用の始まりから終わりまで通しで部門担当者ごとにデータ入力する運用リハーサルの中で、実際の運用にあたって必要になってくる部門間の連携の仕方を確認します。

生産管理システムの導入では予測できない工数が発生しがちですが、作業工数を気にしすぎると楽な実装に走りがちになり、これは逆に顧客に対する引け目となり、自信をもって顧客と対峙することが難しくなります。

一旦工数と対価の話がまとまり導入が開始されたら、とにかく顧客の利便性第一に考えること。顧客の業務効率を上げて便利にさせてあげたいという気持ちさえ忘れなければ何の気後れもなくプロジェクト期間中に発生する困難も乗り越えることができる、これがITサービス業者としての矜持であると考えます。

そして現場での人とモノの動きに合わせてシステムから指示を出し、実績を入力していくインプリメンテーションのフェーズにて、幽体離脱していた魂が肉体の戻るかのように、これまで積み重ねてきた机上の理論が実体化されていく感覚、業務システム導入の仕事にやりがいとか楽しみを見出すとすればまさにこの瞬間だと思います。

インドネシアで生産管理システムの仕様が確定して現場で運用されるまで 【製造工程に投入された時点で発生費用(製造原価)化し出荷した時点で売上原価化する】

材料が材料倉庫に入荷してから製造工程で加工されるまでの生産活動と、製品倉庫以降の販売活動をカバーするのが生産管理システムであり、材料が製造工程に投入された時点で材料費と加工費という発生費用となり、製品になった時点で製造原価化し、出荷した時点で売上原価化する、一連の原価の流れを管理するのが原価管理システムです。

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材料倉庫と製造工程が生産場所で製品倉庫が販売場所

在庫と原価という2つの側面から見た場合には、工場は材料倉庫、製造工程、製品倉庫に分けられ、それらの場所(倉庫)を管轄する部門は一般的には異なります。

生産管理の受払実績によって製造原価を算出でき、販売管理の受払実績によって売上原価が算出できるという点からすると、材料倉庫と製造工程が生産場所で製品倉庫が販売場所という分け方になります。

システムと組織図の中の倉庫と部門 【生産管理と原価管理から見た場合には材料倉庫と製造工程が生産場所で製品倉庫が販売場所】

生産管理をシステムの機能面から見た場合、「購買管理+製造管理+販売管理」という主要機能に分解されますが、在庫移動が発生する場所という観点から見た場合、その場所で保管されるモノが生産に関わるか販売に関わるかによって「生産管理(購買と製造)+販売管理」と分類できます。

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在庫管理システム導入の目的

業務フローには数量と金額の2つの流れがありますが、在庫管理システムとして成立するための最低限の機能は現状在庫一覧、受払履歴管理(ストックカード)、入出庫入力の3つです。

ロングとショート

インドネシアにはコーヒー、パーム油などマーケット価格の変動がドラスティックな商材が多いですが、将来の需要や材料価格高騰を見越したや買い契約(ロング)や、販売価格の下落を見越した売り契約(ショート)を行います。ロングポジションでは価格が下落した場合に損失を被り、ショートポジションでは価格が高騰した場合に損失を被ります。

ポジション管理におけるロングとショートの違いについて 【買い持ち(ロング)は価格下落で損、売り持ち(ショート)は価格高騰で損】

在庫ビジネスでは将来の需要や材料価格高騰を見越したや買い契約や、販売価格の下落を見越した売り契約が発生する。まあ株取引のワラントみたいなものである。

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サレンダードB/L(船会社による裏書)

Bill of Landing(船荷証券)は、Invoiceとパッキングリストと原産地証明書COO(Certificate Of Origin)に基づき、インドネシアの船会社が発行する貨物の引き受けを証明するものであり、輸出の場合B/L日付が売上計上日となります。

船会社がB/Lをカーゴに送り、カーゴが日本の荷受人(consignee)に発送しますが、カーゴから船会社へのB/L発行フォローが遅れると、荷受人に日本の船会社代理店からArrival Noticeが到着したのにカーゴからのB/Lが発送済み未着で、貨物の受け取りができません。

この場合、船会社による発行済みB/Lをサレンダード(貨物が間違いなく荷受人の荷物であるという船会社による裏書・テレックスリリースとも言う)にして、郵送ではなくFAXで日本の荷受人に送信するよう、カーゴ会社に依頼します。

直送は入荷/仕入と出荷/売上をまとめて計上

得意先からの返品が発生した場合には売上返品と仕入返品の2つを実行する必要があり、売上返品のみ行った場合、本来在庫残がないはずの直送用仮想倉庫に在庫が残ります。

  1. S/O Entry(受注入力)
  2. P/O based on S/O(受注展開発注入力)
    Direct Shipping(直送)
    Succeeded S/O(引継)
  3. D/S Entry (直送入力)入荷仕入/出荷売上をまとめて計上。
    仕訳承認(Dr.仕入 Cr.AP)と(Dr.AR Cr.Sales)が必要
生産管理システムにおける返品処理の実装のされ方
生産管理システムにおける返品処理の実装のされ方 【仕入返品は入荷実績から、出荷返品は出荷一覧照会から】

インドネシアでの返品処理は、代替品を送ることでオリジナルの出荷伝票(Delivery Note)やInvoiceを修正しないTukar Gulingという方法が一般的です。

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バーコード・QRコード管理

業務システムにスマホを使ったQRコード管理の仕組みを導入

ハンディーターミナルで棚卸や入出庫用のアプリを開発する場合、C言語や端末に依存する専用スクリプトでの開発になりますが、スマホのAndroidアプリ開発ならPhoneGap + HTML + jQueryで短期間に業務に特化したUI/UXのアプリ開発が可能です。

業務システムにスマホを使ったQRコード管理の仕組みを導入【手軽でローコストな実績収集】

業務システムの開発導入でもバーコードやQRの読み込みによるデータ収集はこれまでも行われておりますが、弊社ではここ数年製造現場や倉庫での現場端末の導入を検討されるお客様に対してスマホによるQRコード管理をお勧めしています。

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ハンディターミナルを使った入出庫管理システム

基幹システムから発行した指図に基づいてハンディターミナルで実績を取得し、現品が指図どおりにスキャンされるかチェックしてから基幹システムの実績として連携するケースと、指図なしで現品をスキャンして取得した実績を基幹システムに計上する2通りの方法があります。

ハンディターミナルを使った入出庫管理システム

バーコードやQRコードをスキャンする端末としてはPCへのケーブル接続式、Bluetoothによるペアリング式、バッチでデータ転送するハンディターミナル式、Windows CEなどOSを搭載した無線ハンディターミナル式などがあります。

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現品ラベルの品目ロット情報と照合するためのピッキングリスト

払出業務の中でも出荷のための出庫は少し特殊で、通常はその日に出荷するモノは倉庫からまとめて取り出して、出荷エリアに積み上げることが多く、出庫依頼伝票単位に作業するのではなく、1日の作業単位で1枚にまとめたリストがあれば便利です。

出荷時に現品ラベルの品目ロット情報と照合するためのピッキングリスト

登録済み出荷指示一覧の明細情報(品目ロット単位)を、倉庫での仕分け作業単位に束ねたものがピッキングリストであり、あくまでも選ぶ現品が間違っていないかチェックするためだけに使用するのであって、システムへの出荷実績は出荷指示NOと品目ロットをキーに登録されます。

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バーコードリーダーとハンディターミナル

バーコードリーダーはスキャナーとも呼ばれるとおり、単純にバーコードをスキャンしてデータを取り込むまでが役割であり、キーボードからの手入力による手間の省力化と、誤入力防止という2つの目的が果たせれば十分です。

バーコードリーダーとハンディターミナルと無線ハンディターミナル
バーコードリーダーとハンディターミナル

バーコードをスキャンするための端末は、バーコードリーダとハンディターミナルと無線ハンディターミナルの3種類に分類できますが、用途によって使い分けがなされるように、端末の機能は異なっています。

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システムと現品を結びつける現品票をバーコードで管理する方法

システム上でロットトレースを行い、問題のロットとその影響範囲を特定することができますが、現物の動きどおりにシステムに実績入力が行わており、現物とシステムが一致していることが大前提です。


2020/12/01

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