2013年に税関は、保税工場における材料や仕掛品、製品、スクラップなどの数量の動きを確認するため、IT Inventoryシステムの導入を義務付けました。2019年12月からは、数量の動きと会計上の金額との繋がりを報告するための会計システムの設置も義務付けています。
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インドネシアの生産管理システム
製造業の至上命題は生産性向上と納期遵守です。製造原価、売上原価、販売管理費の違いを理解することが重要です。勘定連絡図は製造業の原価計算に役立ちます。
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この記事でわかること
- 2013年からインドネシアの保税工場ではIT Inventoryシステムの導入が義務付けられています。
- 2019年12月からは会計システムの設置も義務付けられ、数量の動きと会計上の金額の繋がりを報告する必要があります。
- 保税蔵置場では、入荷と出荷の際にBC帳票を用いて税務報告を行います。
- 税関は保税工場のIT Inventoryシステムが会計システムのサブシステムとして機能しているかを評価します。
- 保税工場は、4ヶ月に1度、在庫状況を翌月10日までに印刷物として提出する必要があります。
保税蔵置場(TPB)の入庫と出庫で必要となるBC帳票
保税とは「関税の徴収が一時的に猶予されること」を指し、インドネシアでは保税区をKawasan Berikat(KBまたはKaber)と呼びます。保税区以外の場所はDaerah Pabean Indonesia Lainnya(DPIL)とされています。
保税される場所は、特定の目的で物品の蔵置を行うために利用される、特定要件を満たした構造物や地域を指し、これを保税蔵置場(Tempat Penimbunan Berikat=TPB)と呼びます。TPB以外の場所はTempat Lain Dalam Daerah Pabean(TLDDP)と呼ばれます。

| BC帳票 | 説明(インドネシア語) | 説明(日本語) |
| BC2.0 | Pemberitahuan Impor Barang(PIB) | 輸入申告 |
| BC3.0 | Pemberitahuan Ekspor Barang(PEB) | 輸出申告 |
| BC1.0 | Rencana Kedatangan Sarana Pengangkut/Jadwal Kedatangan Sarana Pengangkut(RKSP/JKSP) | 入港予定船機届:到着予定貨物の輸送船情報と到着スケジュール |
| BC1.1 | Pemberitahuan Inward Manifes/Outward Manifes | 輸入貨物の入港届: |
| BC2.3 | Pemberitahuan Impor Barang Untuk Ditimbun Di Tempat Penimbunan Berikat(TPB)dari Tempat Penimbunan Sementara(TPS) | 保税運送申告:一時蔵置場(TPS 港など)から保税蔵置場に保管するための輸入申告 |
| BC2.4 | Pemberitahuan Ekspor Barang dari perusahaan penerima fasilitas KITE(KEMUDAHAN IMPORT TUJUAN EKSPOR)ke Tempat Penimbunan Berikat(TPB) | 輸出目的輸入便宜(KITE)受益会社から保税蔵置場への輸出申告。 |
| BC2.5 | Pemberitahuan Impor Barang Dari Tempat Penimbunan Berikat(TPB)ke perusahaan penerima fasilitas KITE(KEMUDAHAN IMPORT TUJUAN EKSPOR) | 保税蔵置場からの輸出目的輸入便宜(KITE)受益用会社への輸入申告。 |
| BC2.6.1 | Pemberitahuan Pengeluaran Barang Dari Tempat Penimbunan Berikat(TPB) Dengan Jaminan | 保証付で保税蔵置場から関税領域内の他の場所(TPB以外の関税領域)への出庫申告。 |
| BC2.6.2 | Pemberitahuan Pmasukan Kembali Barang Yang Dikeluarkan Dari Tempat Penimbunan Berikat(TPB) Dengan Jaminan | 保証付で保税蔵置場から関税領域内の他の場所(TPB以外の関税領域)へ出庫されていた物品の戻り入庫申告。 |
| BC2.7 | Pemberitahuan Pengeluaran Barang Dari Tempat Penimbunan Berikat(TPB) Ke Tempat Penimbunan Berikat Lainnya. | 保税蔵置場から保税蔵置場への出庫申告 |
| BC4.0 | Pemberitahuan Pemasukan Barang Asal Tempat Lain Dalam Daerah Pabean(TLDDP) Ke Tempat Penimbunan Berikat(TPB) | 保税蔵置場への搬入申告:関税領域内の他の場所(TPB以外の関税領域)から保税蔵置場への入庫申告。 |
| BC4.1 | Pemberitahuan Pengeluaran Barang Asal Tempat Lain Dalam Daerah Pabean Dari Tempat Penimbunan Berikat | 保税蔵置場から関税領域内の他の場所(TPB以外の関税領域)への出庫申告 |
| BC1.6 | Pemberitahuan Impor Barang Untuk Ditimbun Di Pusat Logistik Berikat(PLB) | 保税物流センターで保管するための輸入申告 |
| BC2.8 | Pemberitahuan Impor Barang Dari Pusat Logistik Berikat | 保税物流センターからの輸入申告 |
保税工場に対する税関による在庫管理情況とCCTVのモニタリング
2011年に財務大臣(Menteri Keuangan)とインドネシアの税関(Bea Cukai)から、保税工場(Pengusaha Kawasan Berikat)に対して発効された、在庫管理情況を税関がモニタリングできるためのオンラインシステム(IT Inventory)導入を義務付ける法律が、2013年1月から施行され、2019年5月現在すべての保税工場において導入済みです。
保税工場は、4ヶ月に1度、工場内の原材料や仕掛品、製品、スクラップなどの受払履歴と在庫状況を翌月10日までに印刷物として提出する必要があります。
税関が最も知りたいのは、原材料入荷時の入荷伝票(Surat Jalan)に付番されているBC番号と、製品出荷時に作成する出荷伝票(Surat Jalan)に新たに付番するBC番号の紐付きです。輸入時に免税された原材料が保税工場内で適切に製品に加工され、適切に出荷されていることが問われます。
- 入荷情報(BC番号・品目・数量・単価など)
⇒BC2.6.2, BC2.3, BC2.4, BC2.7, BC4.0 - 出荷情報(BC番号・品目・数量・金額・原材料入荷時のBC番号・原材料の金額など)
⇒BC2.6.1, BC2.7, BC3.0, BC4.1, BC2.5
⇒出荷に際し関税・物品税情報自動化システムであるCEISA(Customs-Excise Information System and Automation)に登録し承認番号をもらう必要があります。 - 製品・仕掛品・原材料・スクラップの入庫、出庫、在庫調整、現在庫に関する情報(品目・数量など)
CEISAへの出荷情報の登録時に、製品に使用されている原材料金額を計算するために、該当する入荷BC番号を参照して単価を取得する必要がありますが、原材料から製品までの完璧な紐付を維持するのは困難です。そのため、FIFO(先入先出法)でBC番号を参照するのが一般的です。
さらに、上記の情報は、倉庫出入口とコンテナ積み込み場所の2箇所に設置されたCCTV映像の税関へのオンライン配信化と同様に、インターネット経由で税関から閲覧できる必要があります。これがIT Inventoryシステムと呼ばれています。
上記の資料を翌月10日までに提出できるか否かによって、保税工場は税関によってhijau(緑)・kuning(黄)・merah(赤)のカテゴリ分けがなされます。インドネシアへの輸入品の通関では、赤にカテゴリ分けされた企業の輸入原材料に対して、書類と現物の両方について入念に日数を掛けてチェックされるので、工場での生産ラインの停止、生産の遅れ、客先への納期遅れなど、ビジネス上甚大な悪影響を及ぼします。
以上、KB(保税工場)の入出荷業務に関わるBC番号管理は非常にややこしく感じますが、以下のポイントを押さえることで理解できるはずです。
- 税関が知りたいのはKBが外に出すモノ(主に製品)に、どのモノ(主に原材料)が使われているかということだけで、その紐付き管理するキーとなるものがBC番号であり、税関に対しては出すときのBC番号と入るときのBC番号の紐付きを示す必要があります。
- BC番号を発行するのはモノを出す側で、BC番号はCEISAに取引を登録して税関からの承認を得ることではじめて取得できます。
- KBの取引相手がNon-KBの場合はCEISAを導入していないので、KB側でBC番号を取得します。
- KBである自社がKBの仕入先から原材料を入荷する場合は、仕入先のKBがCEISAに登録してBC27を取得(モノを出す側だから)しているので、自社はCEISAへの登録不要ですが、原材料を返品する場合はKBである自社でCEISAに登録してBC27を取得(モノを出す側だから)します。
- KBである自社がNon-KBの仕入先から原材料を入荷する場合は、自社がCEISAに登録(Non-KBはCEISAを導入していないから)してBC40を取得し、原材料を返品する場合も自社がCEISAに登録してBC41を取得(Non-KBはCEISAを導入していないから)します。
- KBである自社がKBの客先に製品を出荷する場合は、自社がCEISAに登録(モノを出す側だから)してBC27を取得し、製品の返品を受ける場合は客先がBC27を取得(モノを出す側だから)しているので、自社はCEISAへの登録不要です。
- KBである自社がNon-KBの客先に出荷する場合は、自社がCEISAに登録(モノを出す側だから)してBC41を取得し、製品の返品を受ける場合も自社がCEISAに登録しBC40を取得(Non-KBはCEISAを導入していないから)します。
そして税関担当者がオンラインを通じてアクセスできるIT Inventoryシステムでは以下の7つのレポートを提示する必要があります。
- Laporan Pemasukan Barang(入庫レポート)
- Laporan Pengeluaran Barang(出庫レポート)
- Laporan Posisi WIP(仕掛品ポジションレポート)
- Laporan Penganggung jawaban mutasi bahan baku/bahan penolong(原材料/購入品移動責任レポート)
- Laporan pertanggung jawaban mutasi barang jadi(製品移動責任レポート)
- Laporan pertanggung jawaban mutasi mesin dan peralatan(機械/治具移動責任レポート)
- Laporan pertanggung jawaban mutasi reject dan scrap(NG/スクラップ移動責任レポート)
保税工場に対するIT Inventoryシステムと会計システムの統合義務
2013年から義務付けられている税関による在庫管理情況のモニタリングでは、原材料や仕掛品、製品、スクラップなどの数量の動きを確認するIT Inventoryシステムが必要でした。2019年12月からは、これらの数量の動きが会計上の金額にどのように繋がっているかを報告するためのオンライン会計システムの設置が義務付けられています。
具体的には、税関は保税工場(Pengusaha Kawasan Berikat)のIT Inventoryシステムが会計システムのサブシステムとして機能しているかを調査し、以下の4つのカテゴリに分けて評価します。1なら合格、2なら指導、3と4なら不合格となります。
- Perusahaan KB hanya menggunakan 1 (satu) aplikasi sistem pencatatan pembukuan dan IT Inventory merupakan bagian dari sistem pencatatan tersebut.
⇒IT Inventoryと会計システムが同一アプリケーション内でリンク - Perusahaan KB menggunakan 2 (dua) aplikasi, di mana yang pertama adalah aplikasi sistem pencatatan pembukuan utama dan yang kedua adalah IT Inventory, di mana keduanya saling terintegrasi dan menggunakan sumber data yang sama dalam pencatatan keluar masuk barang (termasuk di dalamnya IT Inventory sebagai interface).
⇒IT Inventoryと会計システムが別々のアプリケーションだがインターフェイスを介してリンク - Perusahaan KB menggunakan 2 (dua) aplikasi, di mana yang pertama adalah aplikasi sistem pencatatan pembukuan utama dan yang kedua adalah IT Inventory, tetapi keduanya berdiri sendiri dan tidak saling terintegrasi, masingmasing menggunakan sumber data yang berbeda dalam pencatatan keluar masuk barang.
⇒IT Inventoryと会計システムが別々のアプリケーションでリンクしていない。 - Perusahaan KB hanya menggunakan IT Inventory dalam pencatatan keluar masuk barang, dan pencatatan lainnya masih dilakukan secara manual atau berbantuan komputer, misal hanya menggunakan MS Excel.
⇒会計システムが導入されておらずExcel管理されている。
保税工場は既にIT Inventoryを導入しているため、1の判定を受けるためには以下の選択肢があります。
- 現行IT Inventoryシステムの会計モジュールを追加導入する。
- 会計モジュールを追加開発する。
- IT Inventoryと会計システムがセットになった新システムに置き換える。
どの選択肢も保税工場にとって負担が大きいため、現行IT Inventoryシステムとは別の会計システムを導入し、インターフェイスでリンクさせることで2の判定を狙うことも考えられます。
事例:税関の方針は今後明確になると考えられますが、求められるサブシステムとしての会計システムは、保税工場が既に導入している基幹システムとは別の「税関に見せる用」会計システムであり、見せる範囲は債権債務一覧までに限定される可能性があります。
要点:保税向け会計は基幹とは別に、税関提示用サブシステムとして求められることがあります。
よくある質問|インドネシア保税工場のITシステム
本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。
インドネシアの保税工場におけるIT Inventoryシステムの義務化はいつからですか?
インドネシアの保税工場におけるIT Inventoryシステムの導入は、2013年1月から義務化されています。このシステムは、税関が在庫管理情況をモニタリングできるようにするためのものです。
保税工場が税関に提出する必要がある書類は何ですか?
保税工場は、入荷情報や出荷情報、製品・仕掛品・原材料・スクラップの入庫、出庫、在庫調整、現在庫に関する情報を税関に提出する必要があります。これらの情報は、CEISAシステムに登録し、承認番号を取得することで管理されます。
IT Inventoryシステムと会計システムの統合に関する評価基準は何ですか?
IT Inventoryシステムと会計システムの統合に関する評価基準は4つのカテゴリに分かれています。1は合格、2は指導、3と4は不合格とされます。これらの基準に基づき、システムがどのように統合されているかが評価されます。

