インドネシアの原価管理システム

2024/04/05

インドネシアの原価管理における標準原価・実際原価と勘定の流れを構造化した図解

インドネシアの二輪四輪部品メーカーなどのマスプロダクション型工場では、工程ごとに原価を積み上げる総合原価計算を採用しています。材料費は投入実績に応じて仕掛品や製品に賦課し、労務費や製造間接費は月末に実際発生額を集計し、特定のルールに基づいて品目に配賦します。

一方、一品一様の個別受注生産の工場では、受注番号やプロジェクト番号ごとに原価を集計する個別原価計算を採用し、労務費や製造間接費は事前に決められた賃率や配賦率に実績工数を掛けて計上します。

インドネシアの製造業では、生産設備の稼働率が低下すると固定費が製造原価を押し上げるため、IoTを用いて収集された実績データを基に、実態に即した配賦ルールが必要です。

しかし、どんなに細かく原価を把握しても利益は増えません。収益改善には、実際原価と標準原価の差異を分析し、材料の購買価格や設備、作業員の能率を見直す仕組みが必要です。

当ブログでは、インドネシアの製造業で原価管理業務のシステム化の必要性を感じている方に向けて、インドネシアに合った製造業システムをイメージするための原価管理システムについての記事を書いています。

この記事でわかること

  • インドネシアのマスプロダクション型工場では総合原価計算を採用。
  • 個別受注生産工場では個別原価計算を採用。
  • IoTを用いた実績データで配賦ルールを設定。
  • 実際原価と標準原価の差異分析が重要。
  • 収益改善には具体的な改善策の検討が必要。

生産管理システムが採用する原価計算方法の違い

インドネシアでよく導入されているMicrosoft DynamicsやSage AccpacなどのERPパッケージシステムは、継続記録法による実績原価計算を採用しています。この方法では、在庫の受払の都度、原価計算と会計仕訳を行い、材料仕入、材料投入、製造、出荷、売上原価化といった一連の受払の仕訳をリアルタイムに生成します。そのため、締処理後の決済整理仕訳で月初在庫残高と月末在庫残高の売上原価への振替仕訳は発生しません。

一方、三分法(棚卸計算法)を採用するシステムでは、月初在庫金額と当月発生費用から月末在庫金額を差し引いて製造原価を算出します。この方法では、会計締処理にバッチ処理で総平均法に基づく実際原価計算を行い、製品の製造原価を計算します。さらに、翌期の標準原価を実勢に合わせて修正し、製品生産予定と固定費予算を基に標準原価計算を実行することで、翌期の製造原価予算を算出します。

インドネシアのERPシステムにおける原価計算手法を構造化した図解

インドネシアにおけるERPシステムの原価計算手法

MicrosoftDynamicsやSageAccpacは継続記録法を採用し、会計仕訳を自動生成します。継続記録法では、直接材料費は先入先出法または移動平均法で計算されます。三分法では、月初在庫と当月発生費用から月末在庫を差し引いて製…

続きを見る

前工程費に自工程費を積み上げて製造原価を求める累加法

累加法(Cumulative Method=Rolling Costing)は、初工程に投入された直接材料費を総平均法で計算し、加工費を加えた仕掛品製造原価を次工程への投入品目の発生費用と見なして、同様に次工程の仕掛品製造原価を総平均法で計算し、以降の工程でも繰り返す方法です。これはころがし計算とも呼ばれます。

この方法では、勘定連絡図に従って自工程発生費用が次工程投入費用として積み上げられます。対照的に、全工程を一つの工程とみなして製品製造原価を一気に計算する非累加法(Non-Cumulative Method)もありますが、実際原価計算で求められるのは累加法です。

市場の変化に対応するため、生産数量は調整されますが、毎月の固定費は一定です。そのため、実際の生産数量を基に製造原価を計算すると近視眼的な原価管理になります。これを避けるため、年間を通して平準化した標準原価を来期の予算作成前に決定し、販売計画や調達計画を立てます。

この標準原価に対して、各月の製造原価がどれだけ上振れ下振れしたかを示すのが原価差異です。材料の購入価格・購入数量・操業時間など要因ごとに差異を細分化するのが原価差異分析です。

原価差異は、基準値である標準原価に対して当月の製造原価がどれくらい乖離したかを示します。月初に積みあがっていた在庫にはこの原価差異の責任はありませんが、出荷時には在庫分も当月製造分も総平均で評価され、最終的には売上原価単価として連帯責任を負います。

製造原価算出時に存在する総平均単価は仕掛品総平均単価であり、製品の総平均単価は「月初製品在庫+当月製品製造原価」を基に計算され、製造原価の後に算出される売上原価単価が該当します。

総平均法と累加法による製造原価計算の詳細を構造化した図解

総平均法と累加法による製造原価計算の詳細

月初在庫がある品目で投入実績がない場合、B/S上で資産として計上され続けます。総平均法では、投入品目の月次総平均評価額と自工程発生費用で製造原価を算出します。累加法(RollingCosting)は、前工程の製造原価を自工程投入費用と…

続きを見る

原価管理システムの生産実績ベースと投入実績ベースの発生費用

原価管理システムでは、各工程の仕掛品ごとに「投入品総平均単価x投入数量+自工程加工費」で発生費用を計算します。前工程の生産実績ベースの発生費用が自工程の投入数量ベースの発生費用となり、材料発生費用が仕掛品への投入数量ベースの発生費用となります。仕掛品の生産数量ベースの発生費用が製品への投入数量ベースの発生費用となります。

  1. 投入ベースの発生費用が直接材料費
    ⇒材料の総平均単価x投入数量
  2. 生産ベースの発生費用が製造原価
    ⇒製品の総平均単価x製造数量=投入品の総平均単価x製品になった投入数量+製品になった加工費
  3. 出荷ベースの発生費用が売上原価
    ⇒製品の総平均単価x出荷数量

共通材全体の発生材料費は、三分法によって月初材料在庫金額と当月材料購入金額から月末材料在庫金額を差し引くことで計算できます。しかし、品目別の発生材料費用は、どの製品に何キロ使用されたか把握できない限り三分法では計算できません。そのため、投入実績の親子関係から計算します。

原価計算における仕掛品と発生費用の関係を示す構造化図解

原価計算における仕掛品と発生費用の関係

材料が投入されなければ当月の発生費用は0となります。仕掛品はP/LではなくB/Sに月末残高として計上されます。当月発生材料費と加工費が仕掛品製造原価に該当します。

続きを見る

インドネシアで生産実績が月をまたぐ場合と生産のない月の固定費の扱い

材料は購入時ではなく投入時に費用化し、生産実績が上がるまでは仕掛品在庫として滞留します。生産実績が上がった時点で製造原価化し、出荷時に売上原価化します。

投入実績と生産実績が月をまたぐ場合、当月の月末仕掛品に発生費用が滞留し、翌月末に生産実績が上がらない場合は発生費用なしで仕掛品が滞留します。

製造原価は生産実績ベースの当月発生費用で、製造が0なら製造原価も0です。同様に売上原価は出荷実績ベースの当月発生費用で、売上0なら売上原価も0です。

生産がなくても機械の減価償却費は発生します。本来は当月の製品になった分が製造原価になるはずですが、生産がない月に製造原価がある矛盾が発生します。税務上、毎月減価償却費を計上する必要があるため、販売管理費または仕掛品に振替えます。

原価管理における発生費用の分類と重要性を示す構造化図解

原価管理と発生費用の分類とその重要性

投入実績ベースの発生費用は直接材料費として計上されます。製造数量ベースの発生費用は製造原価として認識されます。出荷ベースの発生費用は売上原価として計上されます。

続きを見る

実際原価計算と標準原価計算の差異分析

実際原価と標準原価は、賃率(配賦率)と工数(能率)を用いて固定費を変動費と同様に扱い、差異分析を行います。

  1. 直接材料費(モノ)=単価x数量(製品1個あたり何KG)
  2. 直接労務費(ヒト)=賃率(1分あたりの金額)x能率(製品1個あたり工数)
  3. 製造間接費(機械)=配賦率(1分あたりの金額)x稼働率(製品1個あたり何分)←作業時間配賦
  4. 製造間接費(共通機械)=配賦率(製品1個あたりの金額)←製造数量配賦

製品の実際原価と標準原価の差異分析では、直接材料費の価格差異は(実際材料単価-標準材料単価)x実際使用数で求めます。数量差異は(実際使用数-標準使用数)x標準材料単価です。

価格差異と数量差異

直接労務費の賃率差異は(実際賃率-標準賃率)x実際工数で計算され、実際賃率は実際直接労務費÷実績作業時間で求めます。作業時間差異は(実際工数-標準工数)x標準賃率です。

賃率差異と作業時間差異

製造間接費の差異は、シュラッター図上で標準稼働時間、実際稼動時間、基準稼動時間を基に、配賦率x稼働時間として考えます。

配賦率x標準稼動時間=標準変動費と標準固定費

配賦率x実際稼動時間=実際変動費と実際固定費

配賦率x基準稼動時間=基準変動費と基準固定費

  1. 能率差異(XYグラフ上の差異)
    能率差異(変動費部分)=実際変動費-標準変動費
    能率差異(固定費部分)=実際固定費-標準固定費
  2. 予算差異
    実績変動費-実際変動費(実際稼動時間に基づく理論値)であり、材料費や賃率(変動費配賦率)上昇により、実績製造間接費が実際製造間接費(配賦率x実際稼働時間)をオーバーした分。
  3. 操業度差異(XYグラフ上の差異)
    基準固定費-実際固定費であり、基準稼動時間(フル稼働)と実際稼動時間の差による損失分

シュラッター図

標準原価計算と実際原価計算を同じ仕組みとして理解する方法

配賦率の基本的な考え方は、作業時間や生産数量の価値に偏りのない品目をまとめる単位に費用を集計し、作業時間合計で割り直して賃率(1分あたりいくら)または製造数量合計で割りなおして配賦率(1個あたりいくら)を計算することです。実際原価では『製造間接費実際発生額÷製造実績数量』として実際配賦率が算出され、標準原価では『製造間接費予算÷製造予定数量』として予定配賦率(標準配賦率)が算出されます。

実際配賦率や予定配賦率の算出基準が作業時間配賦であれば「費目別単価=配賦率x工数」、製造数量配賦であれば「費目別単価=配賦率」となります。

  • 実際原価単価
    1. 直接材料費(時間配賦):総平均単価
    2. 直接労務費(時間配賦):実際発生額から算出した実際賃率x直接工数
    3. 減価償却費(時間配賦):実際発生額から算出した減価償却費賃率x直接稼動時間
    4. 製造間接費(数量配賦):実際発生額から算出した配賦率
  • 標準原価単価
    1. 直接材料費(時間配賦):標準単価(購買単価マスタから)
    2. 直接労務費(時間配賦):標準賃率x標準工数(能率)
    3. 減価償却費(時間配賦):標準減価償却費賃率x標準稼動時間(能率)
    4. 製造間接費(数量配賦):標準配賦率

標準原価計算では、製品の予定生産数を基に数量展開計算を行い、仕掛品の予定生産数量と材料の予定購入数量を算出します。これにより、製品1個あたりの直接材料費を算出し、時間展開計算によって予定直接作業時間を算出します。また、共用設備の減価償却費等をコストセンターに按分するための一次配賦比率を計算します。

原価管理システム導入と配賦率計算方法を構造化した図解

原価管理システムの導入と配賦率の計算方法

生産管理システムを活用すると、勘定連絡図に基づいた受払実績の管理が可能です。原価管理システムで直接材料の総平均単価を算出できます。累加法を用いて工程ごとの加工費を積み上げ、P/L作成に必要な製造原価を算出します。

続きを見る

賃率(配賦率)と工数からコスト計算を行う原価管理の発想

固定費である労務費も、材料費(単価x数量)のように賃率x能率(工数)で計算するのが原価管理の発想ですが、元々は工数計算(単価x人日)で支払加工賃を見積もるためのものでした。

コストセンター(直接部門)の賃率計算

  • コストセンター作業員の出退勤データ(退勤時間-出勤時間)から作業日報の間接作業(直接製造に関わった時間以外)時間を引いた直接作業時間合計をコストセンター別に集計し、
  • 【製品別直接作業時間=コストセンター別直接作業時間合計x{(標準工数x生産数)/SUM(標準工数x生産数)}】で製品別直接作業時間(直接工数)を算出。直接作業時間合計を製品に按分する比率として、それぞれ工数の違う製品の生産数だけを使うのは乱暴なので、標準工数x生産数を使う。

直接作業時間比率を上げるのが工場経営の基本

  • 成果を生み出すのは直接作業であり、営業・総務・経理・管理者もすべては直接作業の生産性を高めるための支援部隊。
  • 「賃率=総コスト/稼動時間」なので同じ賃率でも直接作業時間比率が高ければ成果が大きく、間接作業比率が高ければ成果が小さい。
  • 賃率とは時間コストであり、縫製直接人員は最低70%は確保しないと賃率を押えることも加工高を上げる事も苦しい。
原価計算における工数と賃率管理方法を示す構造化図解

原価計算における工数と賃率の管理方法

標準原価計算では工数は能率、賃率は配賦率として次年度予算策定に用います。製品別の直接労務費は、直接作業時間を基に賃率を掛けて計算します。製品ごとの手間隙を考慮した標準工数が、製品別直接作業時間の按分基準となります。

続きを見る

製造原価と売上原価と販管費の違い

製造原価は、当月に製品倉庫に入庫した製品の原価を指します。変動費は月初材料在庫と当月購入材料から当月投入された材料費で製品化した部分が該当し、固定費は当月発生した直接労務費と製造間接費で製品に対してかかった部分が該当します。

売上原価は、月初製品在庫と当月製品倉庫に入庫した製品のうち、当月出荷した製品の原価です。売上から売上原価を差し引いた売上総利益から、出荷に至るまでにかかった販売管理費(期間原価)を控除することで営業利益が算出されます。

  • 月初材料在庫+当月購入材料-月末材料在庫=当月材料費
  • 月初仕掛品在庫+当月材料費+当月加工費-月末仕掛品原価=製造原価
  • 月初製品在庫+製造原価-月末製品在庫=売上原価
  • 売上-売上原価=売上総利益
  • 売上総利益-販管費=営業利益

製品を売るときにかかった費用である販売管理費は売上原価の外にあるということは、非常に重要なポイントです。

インドネシア会計業務の原価計算を構造化した図解

インドネシア会計業務における原価計算の勘どころ

製造原価は製品を作るための費用で、売上原価は販売した製品の製造費用です。インドネシアでは材料購入時に資産計上し、使用分だけ費用化する方法があります。売上原価は月初在庫高、当月仕入高、月末在庫高を振替えて算出します。

続きを見る

費用と原価の違いを卵入りIndomieで説明してみた

材料を購入した時点では購入費用にすぎません。調理を始めると発生費用となり、調理中の状態が仕掛品原価です。調理が完了すると製造原価になり、最終的にお客が支払うと売上原価となります。

この流れを理解することで、費用と原価の違いを具体的に把握できます。

例えば、卵入りIndomieを作る場合、材料費用から始まり、調理過程で仕掛品原価が発生し、完成品が製造原価となります。

お客が購入すると売上原価に変わります。

このプロセスを通じて、費用と原価の関係を明確に理解できます。

卵入りIndomieの費用と原価の違いを示す構造化図解

卵入りIndomieで学ぶ費用と原価の違い

費用は購入にかかった金額で、原価は売った商品にかかった費用です。卵入りIndomieの原価は1杯あたりRp.5,100です。発生費用は製品を作るために投入された費用全体を指します。

続きを見る

生産管理システムにおける実績入力の間違いを修正する方法

インドネシアの製造業では、原価計算をExcelで行うことが一般的です。月初在庫金額と当月発生費用の合計から月末在庫金額を差し引いて当月製造原価を計算します。この方法では、製造実績や投入実績の入力間違いがあっても、経理的に調整仕訳を起こすことで対応可能です。

しかし、原価管理システムを導入し、総平均単価と実績数量から当月製造原価を計算する場合、実績の修正を行った上で原価の再計算が必要です。これにより、正確な原価管理が可能となります。

具体的な修正方法については、以下の記事をご参照ください。

原価計算における総平均法と三分法の違いを示す構造化図解

原価計算における総平均法と三分法の違いと修正方法

製品が出荷され売上計上後の実績修正は在庫調整と会計仕訳で行います。総平均法では製造原価と売上原価の単価は月初在庫または当月製造品の単価に基づきます。投入実績の誤入力は在庫調整で数合わせをしても製造原価が正しく計算されません。

続きを見る

受注生産の個別原価計算と見込み生産の総合原価計算の違い

二輪四輪部品製造のような大量連続生産の工場では、一定量の在庫をキープする見込み生産が行われています。受注数が多すぎるため、個別受注生産のように受注NO単位で材料費や労務費、製造間接費を積み上げることは人員的にも時間的にも困難です。連続生産では基本的に同じコストが発生するため、受注NOごとに個別に計算する意味がありません。

インドネシアでは個別受注生産の工場が原価管理で苦労しているケースが多く、生産管理業務のシステム化を依頼される際には、在庫受払によるモノの流れよりも受注NOごとにかかった原価の集計を求められることが多いです。このように「生産管理=原価管理」というケースが多く見られます。

個別原価計算と総合原価計算の違いと適用条件を構造化した図解

個別原価計算と総合原価計算の違いと適用条件

個別原価計算は受注単位で原価を集計し、実績ベースで製造原価を算出します。IFRSでは先入先出法、移動平均法、標準原価法、総平均法の4つの在庫評価基準が認められています。商社の業務フローでは受注NOで購買、作業、会計が紐づけされ、個別受…

続きを見る

原価管理システムの予算原価と会計システムの予算管理

予算とは、あらかじめ売上と費用の来期の予定見積もり金額を算出し、利益を予測することです。経理の重要な作業には決算と予算があり、決算は1年間の営業活動を終えた後に行い、予算策定は営業活動を始める前に行います。

原価管理システムの予算原価計算機能では、売上予算に対する製造原価予算を、標準の材料単価・賃率・能率を基に数量展開計算と時間展開計算で品目単位に算出します。

一方、会計システムの予算管理は部門単位・勘定科目単位で行われ、P/L科目やB/S科目単位に予算を設定すると、それが自動集計され会社全体の予算が作成されます。これにより、決算後のP/L・B/Sの数字と比較する予実管理機能を持ちます。

日本では企業の最大経費は人件費であることが多いですが、インドネシアでは人件費が安いため、機械の減価償却費や材料費が原価の大半を占めることがあります。

プロジェクト単位の予算は、プロジェクトコスト管理機能(Job Costing)を用いて見積もり原価を登録し、工期中に発生する資材購入やサブコンのサービスのための発注書(P/O)発行を通じて原価の予実管理を行います。プロジェクト期間中に発生する資材費や外注費、その他経費は仕掛品勘定または建設仮勘定に振替えられ、「売上の立たない資産」として管理されます。

原価管理と予算管理のシステム比較を構造化した図解

原価管理と予算管理のシステム比較と実践知識

標準原価は製品生産予定とBOMから予定生産数量を計算します。予算原価は直接材料費、直接労務費、製造間接費に分けて計算します。会計システムでは部門単位で予算を設定し、P/LやB/Sと比較します。

続きを見る

実録! バリ島でのブティック経営体験から学ぶ限界利益と損益分岐点

製造原価は、変動費と固定費に分類されます。変動費は数量に比例して増減する費用で、直接材料費や外注加工費がこれに該当します。これらは生産管理システムの受払実績から得られます。一方、固定費は金額が一定で、会計システムから得られる費用です。これには配賦ルールに従い作業時間で按分される費用が含まれます。

製造原価はまた、直接費と間接費に分類されます。直接材料費、直接労務費、製造間接費がこれに該当します。製造間接費と同様の費用が販売管理費でも発生します。

  1. 原価は変動費と固定費の合計であり、単価も変動単価と固定単価の合計で表されます。変動単価は売上に関係なく一定ですが、固定単価は売上に反比例して小さくなります。
  2. 粗利で固定費を回収するためには、利益率を考慮する必要があります。例えば、6で仕入れた商品を10で売る場合、利益率は0.4です。この場合、家賃や人件費などの固定費30を回収するには、限界利益率0.4を用いて損益分岐点売上75を算出します。

このように、限界利益と損益分岐点の理解は、経営において重要な要素です。

詳細な計算方法や事例については、以下の記事をご参照ください。

損益分岐点と限界利益率の実践的理解を構造化した図解

損益分岐点と限界利益率の実践的理解

損益分岐点売上は固定費を限界利益率で割ることで求めます。バリ島のブティック経営では、月14jutaの固定費を回収するために35jutaの売上が必要でした。限界利益率は売価の6掛けで0.4とし、固定費を回収するための売上を計算します。

続きを見る

よくある質問|原価管理と原価計算

原価ハブで混同しやすい論点を、本文の枠組みに沿って答えます。

標準原価と実際原価の違いは何ですか?

標準はあらかじめ決めた単価・数量で評価し、実際は発生ベースで集計します。両者の差が差異分析の対象になり、同じ仕組みの上で比較できるように設計するのが実務の要点です。

製造原価・売上原価・販管費はどう関係しますか?

製造原価は製品を作る過程のコスト、売上原価は売れた分に対応する原価、販管費は販売・管理の期間費用です。企業会計の枠組みとして三者の位置を混同しないことが出発点です。

個別原価と総合原価はいつ使い分けますか?

受注生産(MTO)では案件単位の個別原価、見込み生産(MTS)では期間・工程単位の総合原価が基本です。累加法などで工程費を積み上げる設計と合わせて選びます。