インドネシアで付加価値税課税事業者PKP登録申請に必要な書類【Invoice発行に添付するFaktur Pajak発行のためにはPKP登録必須】

本記事の概要

インドネシア人の個人家主は、一般的に納税意識が低いケースが多いため、住居としての家やアパートを借りる場合はともかく、事業用オフィスを借りる場合は賃貸契約書の金額がPPH4(2)込みかどうかの確認が必要です。

家賃所得に対する税金ですから貸す側である家主の義務であり、本来は借りる側にとって家主がPPH4(2)を納税したかどうかは無関係ですが、借りたオフィスをPKP会社の住所とする場合、PPH4(2)を納税した証拠伝票が必要になるため、家主が納税しない場合は借りる側である自分で納税する必要があります。

PMDN(ローカルPT)の法人所得税

還付請求
日本の会社がインドネシアに進出する際の法人形態は、役員を日本人だけで構成することができる外国資本株式会社PMA(Penanaman Modal Asing)を選択するのが普通ですが、個人で独立してインドネシア人の奥さんや旦那さんを株主(Pemegang Saham)兼役員(DirectorまたはKomisaris)としてインドネシアでビジネスをはじめる方は、PMDN(Penanaman Modal Dalam Negeri)いわゆるローカルPTを選択する人も多いと思います。

その場合、仮に1年目から4.8Miliyar以上の売上(omzetまたはpendapatan bruto)が期待できる方は、中小企業UMKM(Usaha Mikro, Kecil, dan Menengah)としては認められませんが、4.8Miliyar未満であれば通常の税率計算式に則って以下の式にて計算されます。

  • 法人所得税額=(税引前当期純利益x25%)-{(600jutax税引前当期純利益)/年間売上}

この計算式でシミュレーションすると、利益率(税引前当期純利益÷年間売上)が4%以上であれば、売上に対するFinal Tax(分離課税)0.5%で法人税を計算したほうが、払う税額は小さくなります。

ただ個人で独立して、初年度から年間売上高が4.8Miliyarを超えることは少ないと思いますし、また2018年7月現在のBCA銀行の定期預金金利が年利5%であることを考えると、さすがに利益率4%以下ならビジネスはじめるよりも銀行に預けておいたほうが得なので、中小企業に該当する企業であれば迷わずFinal Tax0.5%を選択して、法人所得税を納税するほうがお得になります。

付加価値税PPNと付加価値税課税事業者PKP

インボイス

PKP(Pengusaha Kena Pajak)は付加価値税VATまたはPPN(Pajak Pertambahan Nilai)の課税を受ける法人であり、課税対象品目BKP(Barang Kena Pajak)や課税対象サービスJKP(Jasa Kena Pajak)を取り扱う会社はPKPの登録が必要です。

PPNは売ったときの10%分のPPN Output Payable(負債科目)から、買ったときの10%分のPPN Input Prepaid(資産科目)を控除した残りを翌月に納税しますが、マイナスの場合は翌月以降に繰越され、年度末に還付請求することが一応は可能らしいです。

しかし還付請求したために別の税務処理の瑕疵を突っ込まれ、報復的な追徴課税を食らうリスクを避けるべく、還付請求の申請をする企業はほとんどないようです。

Invoiceの10%分の付加価値税がかかった証拠としてのFaktur Pajakを発行するためには、PKP会社として税務署KPP(Kantor Pelayanan Pajak)に登録する必要があり、インドネシアの日系企業は取引を行う相手はPKP会社に限定しているところも多いので、日系企業相手にビジネスを展開していくにはPKP登録が必須とも言えます。

「うちはPKPのサプライヤーとしか取引しない」と言われる理由として「売った時にかかる10%分のPPN Outupt Payableを、買ったときに請求される10%分のPPN Input Prepaidで相殺できなくなるから」と言われますが、Non-PKPのサプライヤーからのInvoiceにはそもそも10%分の課税はされていないので「控除できないので損する」わけではなく「課税のない例外取引をすると管理が煩わしくなり監査や税務署への説明もしなければならなくなる」から敬遠されるのだと思います。

PKP申請に必要な書類

付加価値税VAT
まずは会社設立時に取得した以下の6点セットのコピーが必要ですが、通常これらはすぐに自分で準備できるはずです。

  1. 会社設立証明書AKTA(AKTA Pendirian Perseroan Terbatas)
  2. 司法・人権省大臣による決定書SK(Surat Keputusan Pendirian)
  3. 会社所在地証明書Domisili(Surat Keterangan Domisili Usaha/Perusahaan)
  4. 営業許可書SIUP(Surat Izin Usaha Perdagangan Menengah)
  5. 会社登録証TDP(Tanda Daftar Perusahaan)
  6. 会社の納税者番号NPWP(Nomor Pokok Wajib Pajak)

それ以外に以下の書類が必要になりますが、家主(Landlord)や会社の役員(Director)の協力が必要になるものも含まれるため、書類集めに時間がかかるかもしれません。

  1. 家主のKTPとNPWPのコピー
    ⇒家主の身元の証明
  2. 賃貸契約書
    ⇒家主からオフィスをいくらで借りたかの証拠
  3. オフィスの写真(会社名が判る表札が入った外観とテーブルや椅子が入った内観)
    ⇒借りたオフィスはちゃんと会社として活動しているという証拠
  4. 役員(Director)個人の過去2年分のSPTのコピー
    ⇒借りた役員個人の過去の所得税申請はキチンとなされているという証拠。SPT ElektronikであればDJPからの受領の自動返信メールでもOK。
  5. PPH4(2)支払い済み伝票
    ⇒正式名称は「Bukti Pemotongan PPh Final Pasal 4 Ayat (2) atas Penghasilan dari Persewaan Tanah dan /atau Bangunan」で、要は家主が家賃の10%分の所得税をFinal Tax(分離課税)として納税したという証拠

オフィスビルなどであれば管理会社がキチンと税務処理していると思われますが、道路沿いの商業用店舗Ruko(Rumah Toko)などの個人オーナーから借りる場合は、PPH4(2)込みかそうでないのか確認しておかないと後で揉める原因となります。

インドネシア人の金持ちはアパートや一軒家を投資用賃貸物件として購入しますが、一般的に納税意識が低いので、賃貸収入の10%分のPPH4(2)を支払っているケースは少ないと思われ、現に今自分が借りている家のオーナーもNotarisとの契約書作成時に、初めてPPH4(2)の存在を知ったという始末です。

10営業日以内に税務署の担当者の抜き打ち訪問(Survey)を合格してPKPアカウントを取得


税務署にPKP申請し承認されると下のPKP会社としての決定書(Surat Pengukuhan PKP)を発行してもらいます。この「Pengukuh」というインドネシア語は難しくて「kukuh」という語幹には「決心」という意味がありますので「決定書」と訳しました。

この決定書が発行されてから10営業日以内に、税務署の担当者が抜き打ちでオフィスの調査(servey)に来て、ここで合格と判断されると、まずefaktur@pajak.go.idからEメールでPKPアカウント(Akun PKP)のパスワードが送られて、さらに1週間以内にユーザーネーム(User Name)とアクティブコード(Kode Aktivas)が郵送(POS)されます。

このPKPアカウントがe-fakturアプリのアカウントであり、ようやくInvoice発行に伴いNomor Seri Faktur Pajak(Faktur Pajakの通し番号)に従ってFaktur Pajakを発行することができるようになります。

以上からPKP会社としてe-fakturシステムからfaktur pajakを発行できるようになるまで、「税務署による調査10営業日+PKPアカウント郵送5営業日」で最短で3週間は見ておいたほうがよいということになります。