古代カルデラを覆う砂の海に浮かぶブロモ山【インドネシアを代表する観光地ブロモ・テンガー・スメル国立公園】

ブロモ山観光のポイント

白煙を上げるブロモ山の河口

ブロモ山(Gunung Bromo 標高2,329m)とは、ブロモ・テンガー・スメル国立公園(Bromo Tengger Semeru National Park)内にある活火山であり、ジャワ島最高峰のスメル山(Gunung Semeru 標高3,676m)、ワタンガン山(Gunung Watangan 標高2,661m)、ウィドダレン山(Gunung Widodaren 標高2650m)、クルシ山(Gunung Kurusi 標高2,581m)、バトック山(Gunung Batok 標高2,470m)と合わせた6人兄弟の中で一番背の低い末っ子で、一人だけ常時もくもくと白い煙を吐いています。

これらの山々は巨大なテンガー・カルデラ(Tengger Caldera)内部の火山灰の砂浜(Tengger Sand Sea)の中にそびえた立ち、古代カルデラ(火山の活動によってできた大きな凹地)の中の新しいカルデラという複合カルデラを形成しています。

古代カルデラを覆う火山灰の砂の海

ブロモ山観光は以下の4つのメニューから構成されます。

  1. 展望台のある山(Gunung Penanjakan)にジープで登って、東から登る日の出を拝観し、南西方面の山々がおりなす大パノラマ景色を堪能。
  2. ブロモ山のふもとまで2km地点の駐車場までジープで移動。
  3. 駐車場からブロモ山麓まで歩くか馬に乗るかして移動。
  4. ブロモ山に登り、河口(Kawah)から立ち上る白煙を見学。

日の出時刻に合わせて、早朝3:00前後に山麓周辺のホテルに滞在するすべての観光客が同じ方向の展望台(Penanjakan1またはPenanjakan2)を目指し、朝日の拝観後にこれまた一斉にテンガー・カルデラに向かって下り、ブロモ山の河口から上がる白煙を見るために行列を作りながら250段の急勾配の階段を登り、眼前に広がる砂海の絶景を惜しみながら8:00頃を目処にホテルに戻るという流れです。

途中の険しい山岳ルートを走破できる車として絶大な信頼を得ているのが、世界のTOYOTAが誇るランドクルーザーであり、インドネシア中のランクルを集めてきたんじゃないかと思わせるくらいの無数のジープが、曲がりくねった山道に長く連なる大行列や、テンガー・カルデラの砂海に集結する様相は、ジープ好きにとっては壮大な自然の景観よりも興奮するかもしれません。

中部ジャワの古都Soloから東ジャワのブロモ山までの道のり

中部ジャワの歴史は、ジョクジャカルタの古地名であるマタラムを中心としたイスラム教を拝するマタラム王朝(Kerajaan Mataram)の歴史です。

16世紀から17世紀に中部ジャワで隆盛を誇ったマタラム王朝は、オランダの東インド会社の介入によって、スルタン家(Sultan)とススフナン家(Susuhunan)に分裂し、ジョクジャカルタ(Yogyakarta)とソロ(Solo)にそれぞれ王都が置かれ、ソロはスラカルタと名づけられたので、Google Map上では今でもスラカルタの名前で出ています。

今回は中部ジャワの古都ソロ(Solo)からスラバヤ(Surabaya)の南縁をかすって、パスルアン(Pasuruan)からブロモ山を目指して南下しましたが、東ジャワまでは既にJalan Tol(有料高速道路)で繋がっています。

  • Solo-Ngawi (90km)
  • Ngawi-Kertosono (87km)
  • Kertosono-Mojokerto (41km)
  • Mojokerto-Surabaya (37km)
  • Surabaya-Gempol (37km)
  • Gempol-Pasuruan (34km)
  • Pasuruan-Probolinggo(41km)

ただ2018年8月現在、まだ全面開通には至っておりませんので、いったん下道(Jalan biasa)に入ったら、対向車との間合いを計りながら、過積載でノロノロ運転のトラックをぶち抜いていく運転技術と度胸が必要です。

道すがら無残な事故車の残骸が散見されますが、暴走トラックや基地外バスからは極力距離をおき、睡魔が襲ってきたら迷わずKedai KopiかIndomaretの駐車場で仮眠を取りましょう。

前方が大破したバス。こんなのに巻き込まれたくない。

東ジャワのパスルアン(Pasuruan)から45.3km南下(所要時間1時間45分)し、ブロモ山近くに到着するまでの山道は、細くて急勾配なガタガタ道である上、対向車が多く危険なため、できれば夜間の到着は避けたほうがいいです。

ブロモ山の北側の展望台(Gunung Penanjakan)で日の出を待つ

ホテルまでの山道を登る際に、沿線住民の家の前に多くのランクルが駐車してあることから、ブロモ山周辺住民達はランクルによる観光ツアーのドライバーとして生計を立てていることがわかります。

車中だと気づきませんが、山麓のホテルの気温は10度以下で、下界との気温差が20度以上ありますので、ジャケットやユニクロのヒートテックでの防寒対策必須です。

ただせっかく観光地に来たのですから、マフラーや毛糸の帽子などを売りに来る地元のおじさんからも買ってあげたほうがいいと思います。

ホテルのフロントでブロモ山観光ツアーに申し込み、翌朝3時の集合時間にロビーに出ると、客待ちのランクルの大群が駐車上にところ狭しとひしめいていますので、そのうちの1台に乗車して山道を走ること約1時間、ブロモ山の北に位置する展望台(Gunung Penanjakan)に到着します。

Gunung Penanjakanの夜店(Penanjakanは「登る」の意味)

ちなみに先日のアジア大会でインドネシア選手が金メダル2個獲得したPanjat Tebing(ロッククライミング Panjat Dindingとも言う)という競技がありますが、panjatは垂直の壁を登るイメージで、今回のPenanjakan(語幹はtanjak)は坂道を登るイメージで、これら2つは似て非なる単語です。

高山の頂上で見る荘厳な日の出を「御来光」といいますが、自分の影がまわりの霞に映って阿弥陀仏の来迎のように見えることから「御来迎」とも言われ、仏教的には高山で朝日を見ると仏様に会えるわけです。

この朝日の光と雲が作り出す白と黒の筋が神の光臨

そしてクリスチャンであるうちの嫁さんも、朝日と雲が形成する光の筋がイエス・キリストの姿に見えると、涙を流しながら御来光の前で祈りを捧げていましたので、日の出を見に行くというのは、宗教者にとっては神に出会いに行くという行為であることを知りました。

テンガーカルデラ方面は雲と霞でほとんど見えない(泪)

残念ながらこれから向かうテンガーカルデラ方面の、ブロモ山を中心とした雄大な景色は霧と霞のため見えず、ジャワ島最高峰のスメル山の中腹が若干見える状態でした。

スメル山(標高3,676m)は日本にあれば富士山(標高 3,776m)に次いで高い山になりますが、インドネシアには富士山よりも高い山が5つもあります。

  1. ジャヤ山(Puncak Jaya 標高 4,884m)パプア
  2. マンダラ山(Puncak Mandala 標高4,760m)パプア
  3. トリコラ山(Puncak Trikora 標高4,750m)パプア
  4. ンガ・ピリムシット山(Ngga Pilimsit 標高4,717m)パプア
  5. クリンチ山(Gunung Kerinci 3,805m)スマトラ島
山道を埋め尽くすトヨタのランクル

前述のとおりブロモ観光ツアーのパターンはみんな同じですから、その日ブロモ山周辺に滞在するすべての観光客がランクルに乗って集結しているわけで、当然ながら細い山道は車一台すれ違う余地も残されておらず、「後入先出し法」で後から到着した人が出発するのを待ってテンガーカルデラ方面に向かいます。

古代カルデラの砂海(Sand Sea)からブロモ山登頂

ブロモ山は、170万年前に形成された体積1,600キロ立法メートルのテンガー・カルデラ火山の中に形成されており、250段の石の階段登り口から2km地点まではランクルで行けますが、そこから先は頑張って歩くか、往復15万ルピア払って馬に乗るかの二択になります。

古代カルデラの砂海を馬に乗って闊歩する機会はめったにないので、ここは一番素直でおとなしそうな馬を選んでチャーターし、前後左右に揺れるたびにふくらはぎに当たる馬のわき腹の温かみを感じながら、馬主に引かれてカッポカッポっと砂海を進んでいきます。

色とりどりのランクルが集結する風景に思わず興奮を押さえきれない。
古代カルデラの砂海を疾走するランクル。これほど絵になるシーンもそうそうないだろう。
手綱を持つ手に馬の背が、ふくらはぎに横腹が当たって気持ちがいい。
ブロモ山の河口(Kawah)を眺める観光客が小さく見える。

河口までの250段の石階段は普通に登れればたいしたことないのでしょうが、いかんせん段差が高く、積もった火山灰ですべりやすく、しかも順番待ちの大行列の中を一歩ずつ登るため、スリップして尻もちついた人が後ろの人から起こしてもらい「頑張れ」と励まされるという美しい光景がそこら中で見られます。

誤って落ちたら一番下まで逝っちゃうと思う。
河口の縁は結構細くて怖いですが、階段を登り切った体に吹きつける冷たい風が気持ちがいい。
登る人もあれば降りる人もあり。遠くにランクルの大群が小さく見える。

 

下でちゃんと待っててくれました。一番素直でおとなしそうだった馬です。
ここからランクルの駐車場まで2kmの復路を馬に乗って帰ります。

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