インドネシアのビジネス環境

ドリンク系ローカルスタートアップが展開する健康志向戦略【インドネシアの代表的医療飲料ジャムウ】


インドネシアの代表的ハーブを混ぜて蜂蜜で飲みやすくしたのがジャムウ

3月2日にインドネシアで新型コロナウィルス陽性患者が初めて確認される前までは、中国や韓国、日本の感染拡大のニュースを見ながら、圧倒的に人口が多いにもかかわらずインドとインドネシアだけに陽性患者が出ていないのは、インドカレーとインドネシア料理の共通点であるウコン(Kunyit)が、インド人とインドネシア人の体の中で抗ウィルス効果を発揮しているのではないかという希望的観測がSNS上で漂っていました。

確かにウコンをはじめとしたハーブ系原料には殺菌効果や抗菌効果が確認されているとはいえ、当時はまさか4か月後の7月現在でアジアではこの2国だけが感染者数が右肩上がりで増え続けている最悪の状況に陥っているとは想像できませんでした。

日本でも二日酔いの後飲むと肝臓に優しいと言われるウコンは、カレーの黄色の原料であるターメリック(Turmeric)の和名であり、ターメリックという英語の発音とよく似た同じショウガ科のトゥムラワック(Temulawak)というインドネシアやマレー半島原産の原料がありますが、こちらはれっきとしたジャワ語であり、ウコンと同じく肝機能の改善に効果があるとされているため、インドネシアでは肝炎(Hepatitis)患者は必ず摂取しろと言われる定番の原料です。

右上の黄色いパウダー(Serbuk)入りボトルの中身はトゥムラワック・ウコン(黄と白)・ショウガ(黄と赤)・クンチュールKencur(ガランガルGalangal)といういずれもショウガ科の根茎、タイ料理には欠かせないイネ科の葉から茎の部分であるレモングラス、世界最古のスパイスと言われる樹木の皮であるシナモンなど、インドネシアを代表するハーブが凝縮されており、これらに蜂蜜などを混ぜて飲みやすくしたものが、インドネシア発祥の代表医療薬であるジャムウ(Jamu)になります。

コロナ禍でドリンク系スタートアップが展開する健康志向戦略

僕は2010年7月にA型肝炎に感染していることが発覚し、それまでの数週間は内臓がせりあがるように気持ちが悪いのに嘔吐はしない、37度5分程度の熱が出ては下がるの繰り返し、仰向け寝ると辛いというという不思議な症状があり、明らかな倦怠感を感じながらも忙しさにかまけてなかなか病院に行けず、ついにある朝オシッコがオレンジ色に染まっていることに驚愕し、初めて自分が何かの病気であることを自覚しました。

当時は多忙であるだけではなくTol(高速道路)Cikarang Utama料金所の工事が引き起こす渋滞の中で、疲労が蓄積し過ぎてどこまでが病気による体調不良なのか自分でも分からないくらいの状態であり、血液検査結果でA型肝炎ポジティブが出て白血球が半分までに減少しており、医者から病状は既に峠を越えて治りかけと言われて初めて気力と体力が音を立てて崩れ落ちたのですが、感染経路はジャバベカの客先で夜遅くまで仕事した後で、工場の裏の崩れかけの不衛生なワルンで毎日Indomieを食べていたのが原因ではないかと疑っています。

インドネシアの代表的なドリンク系ローカルスタートアップであるFORE、Kopi Kenangan、Janji Jiwaの3社は、コロナ禍でイートイン型カフェが軒並み売上減に苦しむ中でも、テイクアウェイやGoFoodやGrabFoodなどオンラインでの注文を前提としたビジネスモデルを採用していたので、持ち運び易さ、飲み易さ、インスタ映えするカップのデザインなどにこだわり、店舗内でのイートインは重視しないキオスク型の小スペース多店舗展開をしており、飲みもの自体の味というよりも友達で集まってワイワイお喋りしながら飲むことを想定したUX(ユーザーエクスペリエンス)が成功の要因ではないかと考えています。

そして新型コロナウィルスの感染を防ぐために体の免疫力を高めることの重要性が世間で注目されると、ウコンやトゥムラワック、クンチュールなどのショウガ科の根茎に含まれるクルクミン (Curcumin) の抗酸化、抗炎症、免疫調節特性などを意識したハーブ系メニューを提供していますが、主要な顧客層である10代から20代の若者が求めるものは、健康的なドリンクよりも甘くてカロリー多めのクリームをふんだんに使った見た目もインスタ映えするドリンクであり、健康に訴える戦略が必ずしも当たっているとは言えないのではないかと思います。





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