インドネシア生活

コロナ禍で益々熱くなるインドネシア人の副業ブーム【日本人が見習うべき生活力の高さ】

インドネシアでは新型コロナウィルス感染拡大防止のため、PSBB(大規模社会的制限)が施行され、消費者の購買意欲が制限された影響で業績を悪化させた企業が、生き残りをかけて事業縮小を断行した結果、4月までに解雇PHK(Pemutusan Hubungan Kerja)された従業員の数は700万人に達すると言われており、このまま企業の事業縮小が続けば職を失う人々が益々増える可能性があるため、コロナ感染リスクよりも経済へのマイナス影響が深刻であるという判断の下で、苦渋の策として6月からPSBBが段階的に緩和されてきました。

しかし本日7月13日の新規感染者数は1,282名と相変わらず1,000人を超える勢いで、現在の感染拡大状況からすると、7月3日から16日までの14日間で予定されていたジャカルタのPSBB(大規模社会的制限)は延長必至であり、ジャカルタ特別州知事のアニス氏は今の状況が改善される見込みがなければ「PSBBからの移行期間(masa PSBB transisi)」という現在の位置付けから、元の「社会的制限」に再強化する可能性も示唆しています。

そんな先の見えない状況下で、最近はSNS上でインドネシア人による「ブラウニーの販売始めました」「レンタル自転車始めました」という、副業プロモーションを頻繁に目にするようになりました。

以前は副業で「携帯電話売ってます」「アボカド売ってます」とか聞くたびに、インドネシア人って本当に生活力が強いなあと感心していたけど、最近は「車5台でレンタカーやってます」「日本人にアパートの部屋貸してます」とかスケールの大きい話を普通に聞くようになって時代が変わったなあと思う。 twitter.com/yamazou/status…

日本もインドネシアも従業員10人以上雇用する会社は就業規則(PP=Peraturan Perusahaan)の作成が必要であり、日本の場合は厚生労働省がひな形として公表している「モデル就業規則」の中の「許可なく他社の業務に従事しない」という記述が副業は好ましくないという雰囲気を醸造していましたが、2018年1月から働き方改革の一貫として、副業に関する規定を追加したことで副業を解禁する民間企業が増えました。

一方でインドネシアの場合は会社勤めしているインドネシア人でもほとんどが副業を持っていると言っても過言ではなく、「インドネシア人は給料が安いのに何で家とか車とか買えるんだ?」という昔からある在住日本人の酒の席での鉄板ネタに対して、考えられる理由はインドネシアには相続税や贈与税がないため親からの資産の授受が容易に行われること、そして会社からの収入以外に副業からの収入があるケースが多いことです。

インドネシアのGDP成長率は2019年までは5%程度を維持しており、最低賃金はここ10年でほぼ4倍にまで上昇し、車や不動産といった高額な資産に対する購買意欲は日本人を凌駕するほどになりましたが、2020年の第1四半期のGDP成長率は前年同期比2.97%に減速しており、今年一杯は消費市場は冷え込む見通しで、企業の業績悪化が続く中では会社からの給料に頼ってばかりはいられないインドネシア人の副業熱は益々熱くなっていくものと思われます。

近年税務署による個人所得に対する監視が厳しくなっているとはいえ、所得税に対する意識はまだまだ低いため、副業からの売上はほぼイコール収入となるのはインドネシアならではのメリットであり、コロナ禍でも何とか日銭を稼いで生き延びようというインドネシア人の生活力の強さは、日本人が真摯に見習うべき点だと思います。

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