インドネシアのビジネス

オフショア拠点としてのインドネシア国内におけるニアショアリング

2021/10/24


日本の慢性的なIT技術者不足から、エンジニア単価が上昇しつつあり、増え続ける需要に対応するには海外人材の活用なしでは難しく、インドネシアもオフショア開発拠点としての候補に挙げられます。

高度技術人材の地方都市への分散化により、インドネシアで開発管理を行う上位者にとって、益々リモートを前提としたマネージメントスキルが求められます。

オフショア開発拠点としてのインドネシア

コロナ禍下の今年に入って、AWS上でのLaravelを使ったPHPによるWEBアプリケーション開発プロジェクトの中で、インドネシア側のエンジニアのマネージメントを行う機会があり、インドネシア人エンジニアだけでなく日本人のエンジニアともお付き合いする機会が増えました。

経験値の高い日本人のエンジニアと、20代前半のイケイケの若手インドネシア人の間に居る立場として、技術力の問題以前にインドネシアならではの民族と宗教で育まれた気質が、プロジェクトの進捗に与える影響がいかに大きいかを痛感しています。

贔屓なしで日本のIT技術者は超レベル高いし、品質や納期に対するマインドセットは比較にすらならない。日本国内が人材不足で技術者のガラパゴス市場みたいに見えて本当にもったいないと思う。

— やまぞう(@yamazou)Sun Oct 17 10:15:57 +0000 2021

インドネシアで20年以上インドネシア人技術者と仕事をしているので慣れてはいたつもりですが、コロナ禍の影響のためほぼフルリモートでのマネージメントは初めての経験で、コロナウィルス感染による長期離脱、肉親の病気、大雨による回線不良など、さまざまな理由で音信不通になるという、リモートならではの見えない敵との闘いに神経を擦り減らされました。

3日ほど音信不通だった技術者から、一家全員黒魔術にかけられた、という連絡が来ました。

— やまぞう(@yamazou)Thu Sep 30 02:22:04 +0000 2021

今から10年近く前の2012年に、インドネシアの人件費の上昇と技術力が比例せず、インドネシアにおけるオフショア開発は、中国やベトナムに比べてメリットが少ないと考え、将来的にIT人材市場は国内回帰し、インドネシアでのオフショア開発の機会は縮小していくものと予測していました。

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オフショア開発は先進国の会社が人件費の安い海外に開発委託することであり、2014年の名目GDPは日本が世界第4位、インドネシアが第16位ですが、2024年にはインドネシアが日本を逆転するとも言われています。

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ただし最近は日本のIT業界は慢性的な人手不足で、エンジニア単価が上昇しつつあり、今後増え続ける需要に対して日本国内でのエンジニア不足は解消される見込みはないため、必然的に海外でのオフショアによるフルリモートのプロジェクトが増えていくものと予想されます。

長期デフレの日本に対して、インドネシアの技術者単価が上がり続ける状況下では、オフショアのメリットがないと思っていたが、ここ最近の日本の単価上昇傾向を見ると、コスト面だけで言えば当地での開発拠点化も十分成立するんじゃなかろうか。

— やまぞう(@yamazou)Sun Oct 24 10:05:18 +0000 2021

経済発展著しい東南アジアはインフレ率も右肩上がりなので、必然的にオフショア拠点としてのコスト上昇は避けられないところですが、ベトナムのような国策としてオフショア開発に力を入れている国や、ラオス・カンボジアといったコスト的に割安な国々に対して、インドネシアが競争優位性を発揮するとすれば、エンジニアを束ねる上位者のマネージメントスキル向上による差別化と、国内での単価の低い地域へのニアショアリングによるコストダウンしかないと思うのです。

国策でオフショア支援しているベトナムや、コストが更に安いラオスやカンボジアより優位性を保つには、上位者のマネージメントスキルを上げて、地方の技術者をフルリモートで雇用するしかないのでは?但し大雨、親族が病気(たくさん居る)、泥棒など様々な理由で音信不通のリスクが高まる。

— やまぞう(@yamazou)Wed Oct 27 14:14:25 +0000 2021

地方都市におけるニアショア開発

ジャカルタの活動制限は10月18日にレベル3からレベル2に緩和された上で11月1日まで延長され、必須(esensial)分野と重要(kritikal)分野に属さない一般企業では、依然として社員の出社は50%に制限されており、在宅勤務が1年半以上も続いたことで良くも悪くも業務のリモート化が進み、人材の地方への分散化が進んでいます。

多民族社会であるインドネシアには、親元を離れることが好ましくないとされる民族もあり、これまで様々な民族のインドネシア人と一緒に仕事をしてきた経験の範囲で言えば、西ジャワのスンダ人エンジニアは、ことあるごとに理由を付けて田舎に帰省するため、ジャカルタに戻る日がズレこむことが多く、マネージメント泣かせの傾向がありました(もちろんそれを補って余りある技術力を持つ人も居る)。

IT技術によって製造業の生産性と品質を向上させ、経済成長率を現在の5%から6~7%まで押し上げることを目標としたメーキングインドネシア4.0の柱の一つに、高度技能人材育成による国内産業の付加価値化がありますが、約18,000の島々が東西5,100kmに渡って広がる巨大な島嶼国家において、バランスの取れた地域の持続可能な発展は重要な課題であり、2024年から開始される予定のカリマンタン島への首都機能移転は、地域経済間の格差是正に向けて大きな意味を持ちます。

ジャカルタの賃金も物価も抑えが効かなくなっているので、今後中部ジャワや東ジャワへの国内ニアショア業務受託ビジネスが増えるのではないだろうか。

— やまぞう(@yamazou)Sat Oct 16 12:10:39 +0000 2021

ジャカルタ特別州や工業団地が位置するブカシ県やカラワン県の最低賃金が、中部ジャワや西ジャワ州の一部より2倍近く高い現状では、インドネシア国内でのニアショア(開発業務を部分的もしくは全部を、比較的近い距離の場所にある企業に外注すること)化が進むことが予想され、上位者にとってはリモートを前提としたエンジニアのマネージメントスキルが益々求められることになります。


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