標準原価計算では、変動費である直接材料費だけでなく、直接労務費や製造間接費も変動費のように扱います。材料費は価格差異と数量差異、労務費は賃率差異と作業時間差異、間接費は能率差異、操業度差異、予算差異に分析されます。
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インドネシアの原価管理システム
インドネシアのマスプロダクション型工場では総合原価計算を採用。個別受注生産工場では個別原価計算を採用。IoTを用いた実績データで配賦ルールを設定。
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この記事でわかること
- 標準原価計算では直接材料費、直接労務費、製造間接費を変動費として扱います。
- 直接材料費の差異は価格差異と数量差異に分けられます。
- 直接労務費の差異は賃率差異と作業時間差異に分類されます。
- 製造間接費の差異には能率差異、操業度差異、予算差異があります。
- 実績原価計算では標準材料単価と実績投入数量を用いて原価を計算します。
実際原価計算と標準原価計算の差異分析
標準原価では直接労務費や製造間接費も変動費のように計算する
製造原価は大きく分けて直接材料費(モノ)、直接労務費(人)、製造間接費(機械)にカテゴリ分けされます。変動費の大半は直接材料費や外注加工費で占められますが、機械の光熱費や特定品の発送費用、仕入諸掛など製造間接費の一部として製造変動費(直接経費)が含まれます。

変動費である直接材料費だけでなく、固定費である直接労務費や製造間接費も、標準原価を計算するために変動費のような式で表現されます。
- 直接材料費=単価x数量
- 直接労務費=賃率x工数
- 製造間接費=配賦率x稼動時間
直接材料費(モノ)
生産管理システムは品目マスタ、BOM(部品構成表)、単価マスタなどのマスタ情報をベースとして機能しますが、日常の現場では必ずしもマスタの定義どおりには動いていません。
BOMに基づく材料の必要量より現場での材料の投入実績が多くなったり、スクラップが発生し計画どおりの生産実績が上がらなかったり、P/O(Purchase Order 発注書)発行時の購入価格がネゴのおかげで購買単価マスタベースの価格より安く済んだり、マスタ情報と現場の実績には差異が出ます。

- 価格差異=(実際購入単価-標準購入単価)x実際数量
- 数量差異=(実際数量-標準数量)x標準購入単価
実務上の帳票フォーマットはこんな感じになります。

直接労務費(人)
直接労務費の場合は、作業日報で作業手順ごとの実績作業時間(activity)を収集し、実際直接労務費÷実績作業時間で求められる実際賃率に対する標準賃率(配賦率)の差に起因する差異が賃率差異(Allocation rate difference)で、作業時間の差に起因する差異が作業時間差異(Activity difference)です。

- 賃率差異=(実際賃率-標準賃率)x実際作業時間
実際賃率=実際直接労務費÷実績作業時間 - 作業時間差異=(実際作業時間-標準作業時間)x標準賃率
実務上の帳票フォーマットはこんな感じになります。

実績作業時間(直接工数)は直接部門単位(コストセンター)単位に集計できますが、品目別の直接工数(1個あたり何分)を算出するためには、事前にマスタに設定した標準工数(Standard activity)と製造数量により按分します。
- 品目別直接工数合計=部門別直接工数合計x{(標準工数x製造実績数量)/SUM(標準工数x製造実績数量)}
1個あたりの直接労務費を「工数x賃率」で算出するという発想は、発注側が受注側に対して外注加工費の目安として提示するために使用されますが、製品あたりの労務費を算出する際にも使用されます。
製造間接費(機械)
製造原価の変動費の大半は直接材料費や外注加工費で占められますが、厳密に言うと機械を動かすための光熱費は変動費に分類すべきであり、製造間接費は製造変動費と製造固定費に分けられます。

基準操業時間(フル操業時間)と実績操業時間の差が操業度差異時間であり、標準固定費単価を掛けて金額換算したものが操業度差異になり、機械負荷(Load)が能力(Capacity)に満たない場合の損失を表します。


実績原価計算と標準原価計算の差異
実績原価計算では、直接材料費合計は「標準材料単価x実績投入数量」、製造間接費合計は「標準単価(時間)x実績作業時間」で計算されます。この結果、製品と中間品の単価をリアルタイムで計算(速報原価)でき、会計システム連動型ERPパッケージでは継続記録法で仕訳を起こし、在庫評価額を常に把握できるようになっています。
標準原価での材料費は「標準使用量=子必要量(BOM)x生産数量」とし、標準購入単価(購買単価マスタ)x標準使用量で計算しますが、実績原価では標準購入単価(購買単価マスタ)x実際使用量になります。
例えば、1製品あたり4個のボルトを使う製品を100個生産する場合、標準原価では標準購入単価x4個x100個ですが、実績原価の場合は標準購入単価x(4個x100個+NG分)になります。つまり、実績原価と標準原価の間には価格差異は発生しませんが、数量差異が標準購入単価x差異分発生します。
また、標準原価での労務費は標準賃率x標準作業時間ですが、実績原価では標準賃率x実際作業時間(標準作業時間+ロス時間)になります。これにより、賃率差異は発生しませんが、作業時間差異が発生します。
よくある質問|標準原価と実際原価
差異分析の前提でよく聞かれる点です。
標準原価と実際原価の役割の違いは?
標準は計画・評価の物差し、実際は発生の集計です。差が差異であり、同じ粒度で比較できる設計が必要です。
差異分析で最初に見るべきものは?
数量差異と価格(単価)差異の切り分けです。原因が購買・歩留まり・稼働のどこにあるかを分ける入口になります。
システム上で両方を持つ意味は?
評価と実績を別軸で持てるため、月次で「計画どおりか/どこがずれたか」を業務と会計の両方から追えます。

