インドネシアの宗教

イスラム教の犠牲祭の背景とキリスト教的解釈の違い【同じくユダヤ教から派生した宗教】


イスラムの祝日は毎年動く?

インドネシアにはイスラム関連の祝日が年に5回あり、「毎年イスラム関連の祝日はずれる」と教えられてから「イスラム暦は動いている」と勝手に勘違いしていた時期があったのですが、別に暦自体が動くわけではなくイスラム暦(ヒジュラ暦)の第1月の始まりと西暦の1月1日がずれている上に、1年の長さがイスラム暦が若干短いため、西暦をベースに考えるとイスラム暦の祝日ずれるというだけの話であり、イスラム暦ベースで生きている人からすれば祝日は固定です。

今年2020年の場合は8月20日(西暦)がイスラム暦1442年の1月1日元旦?に該当するわけですが、それにしても2つのカレンダーを頭の中でフォローアップし続けるには相当柔軟な頭をしていないと難しいと思うわけで、ムスリムの友人に秘訣を聞いてみたところ、一般のムスリムでも大きな祭日(ムハマッド昇天祭、イドゥル・フィトリ、イドゥル・アドハ、イスラム暦新年、ムハマッド降誕祭)とかしか意識していないとのことでした。

毎年イスラム教関連の大きな祝日が2回あり、そのうちの一つが毎年インドネシア人お楽しみの断食月明け大祭。イスラム暦では第9月のことをラマダン(Ramadan 断食月 )と呼んでおり、第10月の初日が断食月明け大祭であり、インドネシアではイード(アラビア語の英語表記でEid ul-Fitrから)とかイドルフィトリ(Idul fitri)とかレバラン(Lebaran)とか呼ばれます。

キリスト教とイスラム教では生贄にされそうになった人が違う

そして今月末の7月31日、イスラム暦の第12月の10日目が犠牲祭イード・アルアドハー(Eid ul-Adha)で、アブラハムがアラーの神への信仰を示すために長男のイシュマエルを生贄にしようとしたことを称える記念日らしいのですが、以前読んだ「旧約聖書 (まんがで読破) 」で犠牲にされていたのは異母兄弟である次男のイサクであり、同じユダヤ教から派生したカトリックとイスラム教(多数派であるスンニ派)で解釈が異なるようです。

旧約聖書の創世記の中では、蛇にそそのかされて禁断の果実を食べてしまったアダムとエヴァ(どっちが先に手をつけたのかは不明)がエデンの園から追放され、孫であるノアと家族が神の思し召しどおり動物達と一緒に方舟に乗って大洪水を免れ、ノアのひ孫であるアブラハムは人類救済のために神の啓示を人間に仲介する最初の預言者であるという解釈はユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの中での共通認識です。

そしてその長男イシュマエルはイスラム教では全てのアラブ人の先祖だと解釈されているくらいなので、インドネシア人ムスリムにIsmailやAbrahamという名前は多く、カトリックにはIsaac(Yusak)という名前が多く見られます。

一神教の考え方として現世で人間は罪を犯した罪人として神に対する贖罪のために生き、贖罪を果たしたものだけが天国へ行けるようで、具体的な贖罪方法の一つとしてイスラム教の場合はZakat Fitrahという米や麦などの生活食材、お金などを貧しい人々に喜捨する行為がありますが、年に一度の犠牲祭で喜捨されるのは羊か牛の生贄(Qurban)です。

犠牲祭の当日は朝から住宅地の路地とかで羊や牛がお勤めを果たすわけですが、ホラー映画すら一人で観ることができない僕としては、モノ好きな日本人から噴き出す血しぶきとか羊や牛が絶命する際の様子だとかを武勇伝のように聞かされるのが結構苦痛で、絞められたばかりの新鮮な生暖かい肉とかおすそ分けされて(されたことないけど)も全力で辞退するタイプです。





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