インドネシア政治・経済・社会

ジャカルタの新しい生活様式への適応期間【外出自粛で溜まったフラストレーションが引き起こした自転車ブーム】

ジャカルタの新しい生活様式への適応期間【外出自粛で溜まったフラストレーションが引き起こした自転車ブーム】

ジャカルタの新しい生活様式への適応期間中には、大規模社会制限PSBBによる外出自粛で溜まったフラストレーションが引き起こした自転車ブームが起きており、土日の朝夕の道路にはサイクリング中の自転車集団が至る所に見られます。

インドネシアの政治・経済・社会まとめ
インドネシアの政治・経済・社会まとめ

日本人のインドネシアについてのイメージはバラエティ番組で活躍するデヴィ・スカルノ元大統領夫人の知名度に依存する程度のものから、東南アジア最大の人口を抱える潜在的経済発展が見込める国という認識に変遷しており、ビジネスという観点から押さえておくべき政治・経済・社会について記事を書いています。

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ニューノーマル適応期間のカーフリーデー

ジャカルタでは6月に入ってPSBB(大規模社会制限)が段階的に解除されており、約2か月間の外出自粛で溜まりに溜まったフラストレーションを発散させるかのように、先週21日の日曜日に再開されたカーフリーデー(CFD、インドネシア語でHBKB=Hari Bebas Kendaraan Bermotor)にジャカルタ市民が大挙して押し寄せ、あまりの群衆による密に危機感を感じたのか、ジャカルタ州政府は今日28日の日曜日のタムリン通りからスディルマン通りのカーフリーデーを禁止にして、代わりに密が分散されるよう市内32箇所に歩行者天国区域を設定する作戦に出ました。

1日あたりの感染者数はいまだに右肩上がり

非常に前向きで良いアイデアだと思うのですが、実際のところ歩行者天国になっていないにもかかわらず、結構な人々がホテルインドネシア前広場(Bundaran HI)に集まってしまい、顎マスクのまま距離間取らずに座り込んでおしゃべりしている人々を、交通局Dishub(Dinas Perhubungan)、公務員警察Satpol PP(Satuan Polisi Pamong Praja)、警察Polisi、軍TNIなどが注意して回ったようです。

インドネシアのコロナ対策は、国家防災庁(BNPB=Badan Nasional Penanggulangan Bencana)の元陸軍特殊部隊(コパスス)司令官であるドニ・モナルド長官(Doni Monardo)が本部長を務めるコロナ対策本部(Gugus Tugas Percepatan Penanganan COVID-19 コロナウイルス病の緩和を加速するためのインドネシア政府の取り組みを調整および監督するタスクフォース)が中心となって行われていますが、メディアへの広報としてバティックシャツが渋い広報官のアフマッド・ユリアント氏(Achmad Yurianto)と、元ミス・インターナショナルのインドネシア代表にまでなった美人女医のレイサ氏(Dr. Reisa Broto Asmoro)のコンビが、感染状況や対策についての発表をしており、この国民に対する広報のやり方は、日本がインドネシアに見習うべき点だと思います。

報道官のユリアント氏と広報官のDr.レイサ

Dr.レイサによると、新しい生活様式への適応期間(kondisi adaptasi kebiasaan baru)において、運動不足は免疫力を低下(menurunkan imunitas)させ感染リスク(risiko terinfeksi)を高めるので、適度な運動(olahraga dalam intensitas sedang)で免疫力を高める(meningkatkan imunitas)ことが大事だが、激しい高強度インターバルトレーニング(latihan dengan intensitas tinggi)は逆に免疫力を低下させるとのことですが、公共の場で運動する場合の注意点を以下のように提示しています。

  1. 移動しない運動の場合
    公共の場で行うベストな運動は移動しない運動(エアロビとか?)だが、周囲に人が居る場合は平行に向かい合わず(sejajar dengan orang lain)最低2mの距離を保つ。
  2. ウォーキングの場合
    前のウォーカーと5mの距離を保つ。
  3. ジョギングの場合
    前のランナーと10mの距離を保つ。
  4. サイクリングの場合
    前のバイカーと20mの距離を保つ。要は移動速度に比例して物理的距離が長くなるということ。
  5. 運動後の入浴と道具の消毒
    入浴して清潔な服に着替える前に、何かに触れたり家族と接触したりしないこと、運動で使った道具を消毒すること。

空前の自転車ブーム到来

ちょうど昨晩、スナヤンからスディルマン通り付近を車で通ったとき、ジャカルタは一昔前の中国みたいになってしまったのかと思うくらい自転車の数が多く、しかも徒党を組んで気が大きくなっているのか、車道の真ん中まではみ出ても平気な顔で、傍若無人に進行妨害するので運転は非常に気を使いました。

ブカシの住宅街でも朝夕は自転車に乗る人が増えました。

PSBB期間中に運動の必要性を認識したインドネシア人の間で、何故か自転車ブームに火がついたようで、平時は1台売れるか売れないかくらいだった街の自転車屋の売上が、1日40jutaにまで跳ね上がったという、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」コロナ禍でも景気の良いニュースが報じられました。

実はPSBB期間中にうちもACE Hardwareに自転車を見に行ったのですが、2juta以下くらいのお手頃価格の自転車のほとんどにSOLD OUTの札が付いており驚いたものですが、ほとんどの車種が前傾姿勢で運転するスポーティなモデルであり、個人的には走行中に安定感があり、Indomaretに買い物に行くのに便利なカゴが付いた日本のママチャリが欲しいのですが、いまだにインドネシアでは見たことがありません。

ジャカルタ州交通局は、増え続ける二輪四輪車から排出される排気ガスによる大気汚染を軽減するために、数年前から自転車の利用を推進すべく、既にスナヤン周辺には自転車専用路線(jalur sepeda)を設置していますが、今回はスディルマン通りとタムリン通りの一番左側のレーンに自転車用路線を設置したことにより、将来的にこの地域の自転車利用者は10倍になることを見込んでいます。

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