株価操作なんてインドネシアでは当たり前 【馴合売買と終値関与】

2015/11/27

株価

インドネシア株の難しさは、管理画面上の含み益を出しても、利確のタイミングでシステムエラーが出たり売り注文が入れられないなど、相場以外にも何か目に見えない不思議な力との戦いがあることであり、日本では禁じられている馴合売買と終値関与などは普通に行われているようです。

スナヤン競技場(Gelora Bung Karno)

インドネシアの政治・経済・社会

日本人のインドネシアについてのイメージはバラエティ番組で活躍するデヴィ・スカルノ元大統領夫人の知名度に依存する程度のものから、東南アジア最大の人口を抱える潜在的経済発展が見込める国という認識に変遷しています。

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インドネシア株取引の苦い思い出

かつてリーマンショック時にインドネシア株で新型Kijang Inova1台分くらい損して以来、市場関連のニュースへの興味はすっかり失せてしまいましたが、ここ数日の旧村上ファンドの元代表による株価操作のニュースは興味深く見ております。

インドネシアでオンライントレーディングを開始するにあたって最初に口座開設したのがSarijayaという証券会社であり、これがまた口座開設後わずか半年で倒産するという計ったようなタイミングの悪さで、インドネシア株に関してはセンスだけでなく運もなかったように思います。

預けていた口座資金約40jutaは消滅し、集団訴訟団のミーティングにも参加しましたが、「裁判継続するからいくら払え」「あといくら払うと裁判勝てる」みたいな被害者が被害者を騙すという醜い構図が透けて見えるようになったため、これ以上傷を広げないように関係者との縁を完全に切りました。

次の証券会社として選んだIndopremiaはipot(Indopremia Online Trading)というオンライントレーディングソフトが非常に使いやすいと定評のある会社であり、うちの嫁さんは市場が開く朝9時から夕方4時までずっとPCの前で我慢比べしていました。

テクニカル一辺倒でファンダメンタルに全く興味がないというのは日本語学科出身という経歴が関係しているのか分かりませんが、勝ったときは速攻でBBメッセンジャーで連絡が来るのですが、連絡がない日はだいたい負けているので、帰宅したあと2人そろってため息大会になります。

ASTRAとかANTAMとかTELKOMとかの価格変動が小さいblue chipと呼ばれる優良銘柄よりも、価格変動が極端に激しくマネーゲームの対象となる仕手株はGorengan(揚げ物)と呼ばれていまして、株に興味を持って市場に参入する個人投資家のほとんどは短期決戦ですから、だいたいが怪しいgorenganを狙いにいき撃沈されます。

だいたい市場がクローズする4時直前が決戦の時なんですが、このときに限って突然オンライントレーディングがハングアップしたり、約定したのに無効になっていたりとおかしな動きがあります。

当たり前ですが、株はアプリの管理画面に含み益があるだけでは意味がなく、売ってはじめて利益が確定するので(もっと言えば所得税納税後)、終了間際の高値のタイミングで怪奇現象みたいなことが起こると「見えない敵」と一人で戦っているような気分になり、精神的に消耗していきます。

インドネシア株式市場に潜む見えない敵

この「見えない敵」のことをbandarとか呼んでいましたが、時には理不尽に価格を吊り上げ、時には無情に暴落させ、そして時には「動かざること山の如し」、大量の買い注文に支えられた銘柄を、個人投資家や小規模の投機筋が食いついた後に、一気に売り抜けて買い注文の取り消しにより大暴落。

最終的にMPV車1台分くらい損したところで撤退しました・・・。

その後TrimegahやPrudentialのRaksa Dana(投資信託)に手を出したりしていましたが、大した成果もなく、それ以前に面白みが感じられなかったので金融商品から一切手を引いてしまいました。

で、ここ数日話題になっている株価操作ですが、もともと株価は売り注文と買い注文により変動するものであり、単純に言えば市場に出た大量の売り注文を買う注文がたくさん入れば、他の投資家達は「俺も俺も」と続くことで株価が上がります。

ただこれを意図的にやると証券取引等監視委員会に睨まれるわけであり、今回は

  1. 同じ証券会社の口座で
  2. 同じグループ会社の人間が
  3. 大量の売り注文を入れてから
  4. PTS(時間外取引市場)で同じ価格で買い戻した

という馴合売買(売主と買主が共謀して、第三者に誤解を生じさせる目的をもって、同時期に同価格で、売りと買いの注文を行う権利の移転を目的としない売買)と終値関与(特定の銘柄の終値を引上げ・引下げ・固定することなどを目的として、立会終了間際に発注し、約定させるような取引)のコラボみたいな方法みたいで、これってインドネシア株ではBiasa(普通に)で行なわれている取引だと思うんですが、いちおうグレーな部分を規制する法律はあるようです。

ただインドネシアでは約束の時間もJam Karet(ゴムのように伸び縮みする時間)するだけあって、法律の解釈の適用範囲も適当に伸び縮みするんでしょうね。