インボイスと出荷伝票の関係

会計システム

インボイスと出荷伝票の関係【輸出ではパッキングリストと船荷証券も必要】


パッキングリストと納品書とインボイスの関係

日本は2021年から軽減税率導入に伴う税務処理の明確化のために、現状の帳簿方式からインボイス方式に切り替えるようです。

インボイス方式のメリットはインボイスに商品ごとの適用税率や税額の明示が義務化され、事業者が保管するインボイスのコピーが納税対象取引の証拠として明確になるので、税金の徴収漏れが少なくなります。

インドネシア国内取引において出荷伝票(Delivery Order=D/O)はモノの納品書であり、お客が現物との照合のために使用しますが金額は表記されません。

一方でインボイスはカネの請求書であり、本来であればD/Oとセットで出荷時に配達されるべきものですが、インドネシアでは納品が先で請求が後になるケースがほとんどであるため、D/Oはコピーを渡し、インボイス発送時にはD/Oの原本を添付します。

よくありがちな失敗ですが、客先にインボイスを持っていくときD/Oの原本はまだ経理が保管したままでコピーを持参してしまった場合、先方からインボイスの受け取り拒否を食らいます。

また日本から材料を輸入、またはインドネシアから輸出する場合、乙仲業者(Forwarder)に提出されるコンテナの内容明細としてパッキングリストが必要になり、D/Oはインボイスと合わせてFedexとかDHLとかで別送され、船荷より先に到着します。

船荷証券(B/L)とサレンダードB/Lと貨物到着案内書(Arrival Notice)の関係

バリ島で家具の輸出やっていたとき、カーゴ会社が梱包・パッキングリストの作成・船会社への船荷証券(Bill of Landing=B/L)の発行申請代行までAll in Oneでやってくれましたので非常に楽でした。

2005年頃は、日本の主要港向けならK-LINEの20フィートコンテナと代行手続き込み込みで、$1300くらいが最安値だったと思います。

B/Lはインドネシア側で船会社が貨物の引き受けを証明するもので、日本側での受け取りに必須なんですが、バリ島からの家具のシッピングで問題になるのはこのB/Lにまつわる事案です。

カーゴ会社から僕への請求はスタッフィング(コンテナ積み込み)前に決済されるので、カネ貰った後のフォローはおろそかになるのが人間の性。

船会社へのB/L発行フォローが遅れると、お客さんから「日本の船会社からArrival Notice来たのにインドネシア側からB/Lまだ送られてきてませんけど・・・」とこっちにメールが来て冷や汗を書きます。

通常であれば船会社がインドネシア側で発行したB/Lは、カーゴ会社からお客さんに直接発送されるのですが、B/Lの到着前に船が到着してしまうのが普通です。

その結果、船の荷揚港到着後もコンテナの引き取りができず、お客さん側に倉庫保管料の負担をかけてしまったことは1度や2度ではありません。

そういうときはカーゴ会社に対して「船会社がB/L発行したらすぐにサレンダードにして」と頼みます。通常のB/Lの手続きの場合は、

  1. スラバヤの船会社がB/L発行:スタート
  2. スラバヤの船会社からバリ島のカーゴ会社にB/L原本を発送:n+2日
  3. バリ島のカーゴ会社から日本のお客にB/L原本を発送:n+5日

というように5営業日ほどかかりますが、サレンダードにするとインドネシア側でB/Lを船会社に裏書(Balik nama)することで「荷物は間違いなくお客さんのものですよ」と証明されたことになります。

  1. スラバヤの船会社がB/L発行:スタート
  2. サレンダード処理:n日
  3. スラバヤの船会社がFAXでバリ島のカーゴ会社にサレンダードB/Lを送信:n日
  4. バリ島のカーゴ会社から日本のお客にFAXでサレンダードB/Lを送信:n日

貨物の引取りにB/Lの到着が間に合わない場合でも、B/Lの原本なしで発行即日荷物の引き取りが可能になります。

この処理をサレンダードB/L(Surrendered B/L)とかテレックスリリース(Telex Release)とか呼んでいました。

ドキュメント紐付きが切れる要因

さて、国内取引のシステム業務フローに戻りますが、ドキュメント(伝票)がすべて1対1に対応する場合、以下のように無駄のないフローになります。

  1. 受注登録で受注番号が採番される。
  2. 発注登録時に受注番号を選択することで受注情報を呼び出す。
  3. 入荷登録時に発注番号を選択することで発注情報を呼び出す。
  4. 出荷登録時に入荷番号を選択することで入荷情報を呼び出す。
  5. インボイス時に出荷番号を選択することで出荷情報を呼び出す。
  6. 決済登録時インボイス番号を選択することでインボイス情報を呼び出す。

もし受注管理または出荷管理で売上登録がされるシステムであれば、会計でのインボイス登録がスキップされ、この場合A/R発生のタイミングは売上登録時になります。

また製造元から直送出荷されるとドロップシッピングになり、入荷と出荷がスキップされます。

通常は受注と発注は紐付きませんが、非製造業(商社など)の場合、取引の基本が発注が受注に基づいて行なわれるケースがあります。

それでも業務フローの中ではドキュメントの紐付きに影響する要素は確実に存在します。

  1. 発注
    -受注前の見込み発注
    -在庫分は発注せず引当
    -複数の受注分をまとめて発注
  2. 入荷
  3. 出荷
    -分納
    -打切
    -返品
    -複数受注(発注)分をまとめて出荷(入荷)
    -受注前に在庫からサンプル出荷(入荷)
  4. インボイス(A/R)
    -複数出荷分をまとめてインボイス(月まとめ)

これらをカバーする機能を業務システムに実装することは可能ですが、システムが複雑になるというトレードオフの関係があります。





おすすめ記事一覧

大統領選挙で考えたギャップにハマるということ 1

ギャップにキュンとするというのは人間の本能みたいなもので、ジョコウィの私利私欲のない素朴なおじさん像と、その実強力なリーダーシップを発揮する実務派という内面が、一見普通の人だが実はスゴイというギャップ好きのインドネシア人に大ウケして、大衆は一種の集団催眠状態にあるようです。

情報の質のレベル 2

見える化された結果を共有化することで問題点が共通認識されますが、共有化が進むことで情報の持つ希少価値が薄れて困る人間がいる場合、有益な情報を独占することでポジションを高めようという政治力が働きます。

3

日本人がインドネシアに来ると、インドネシア人ののんびり加減にイライラするというのは昔からよく聞く話で、インドネシア在住日本人にとってのバイブル的小説である深田祐介著「ガルーダ商人」の中でも、インドネシア宗教省の高官が日本人とインドネシア人を自宅に招待する際に、インドネシア人向けの招待状には、遅刻することを前提にパーティ開始時間を三十分早く書いておくという記述があるほどです。

宗教によって異なる「死んだらどうなる」の考え方 4

キリスト教もイスラム教もともにユダヤ教から派生した宗教であり、それぞれイエス・キリスト(本人が神)またはアッラーという唯一無二の神を信じます。

株価操作なんてインドネシア株では当たり前 5

株価は売り注文と買い注文により変動し、大量の売り注文を買う注文がたくさん入れば、他の投資家達は「俺も俺も」と続くことで株価が上がります。

心臓に毛が生えたインドネシア人のずうずうしい転職活動を応援してみた 6

インドネシア人は秘密の話は誰かに暴露しないと精神の安定を保てない人が多いため、内緒の話に情報の希少性は少なく信憑性も低いことが多いので、「ここだけの話」という枕詞付きで聞かされる話は話半分に聞いておいたほうがいいかもしれません。

日系企業のインドネシアでの存在意義 7

今のまま日本の人口減が続けば、内需は縮小の一途をたどるわけで、そうなると日本国内市場だけで生き残るのは難しいと判断する国内企業が、海外市場に活路を見出そうとするのは必然です。

チャンスはあるが勝てる分野を見つけるのが難しい 8

実際にインドネシアに住んでみて、自分で動いて人と話しをして、現地の事情を少しずつ理解していくにつれて、インドネシアで起業することが意外と手強いことに気づき、その難しさの原因は、高い送料と関税であったりローカル企業との競争であったり、就労ビザ(IMTA)や外国人技能開発基金(DPKK)などのランニングコストの高さであったりします。

インドネシアのシステムインテグレーション業界 9

先日JETRO(日本貿易振興機構)さんと、インドネシアの中小企業のIT投資について意見交換させていただく機会をいただいたのですが、そこで「システム投資のコストメリットはどのように説明できるのか」という、システムインテグレーターの存在価値にも関わる重要な問題提起がありました。

肉体と精神と心と魂 10

「Body and Soul」といえば、昨日の内閣改造に伴う人事で内閣府政務官に内定した自民党の今井絵理子参議院員がメンバーだったSPEEDのデビュー曲であり、インドネシアの老舗女性ファッションブランド名でもあります。

ジャカルタのラーメン市場 11

僕がインドネシアに初めて来たのが1997年10月、インドネシア語は分からないし、仕事は辛いし、周囲の人間は理不尽だし、一時期日本に帰りたくて仕方がない時期がありましたが、当時自分をかろうじてインドネシアに繋ぎ止める心の支えとなっていたのが、協栄プリンスビル(今のWisma Keiai)の日本食レストラン「五右衛門」であり、ここでキムチラーメンを食べることが唯一の楽しみと言っても過言ではありませんでした。

ブランド力、技術力、資金力の3要素 12

1998年のジャカルタ暴動後、ルピアが暴落し海外からのドル建て債務を抱えた国内企業が利子の支払いに苦しんでいた頃、僕は外貨が獲得できるインドネシアでの新しいビジネスを探していました。

日本とインドネシアの間でのタイムマシン経営が通じなくなっている件 13

先進国と後進国との間にある流行のタイムラグを利用して、先進国での成功例を後進国で実践するビジネスモデルをタイムマシン経営といいますが、インターネットの普及に伴い情報がフラット化してしまい、モノと情報のタイムラグが限りなく小さくなった今、先駆者である中小零細同業他社が乱立し市場が出来上がったところに、後発の大手が参入し先発零細を駆逐していく、という典型的な負けパターンにはまります。

サリナデパートとマクドナルド 14

本日5月10日を最後にインドネシアのマクドナルド第1号店であるサリナデパート店(Sarinah)が閉店になりますが、ジャカルタのショッピングモールが新しいコンセプトでモダンにリニューアルされ続ける中で、僕がインドネシアに来たばかりの20数年前には、若者の待ち合わせ場所の定番でもあったサリナデパートやブロックMのパサラヤ(Pasaraya)などは完全に時代に取り残されてしまいました。

不景気の歴史 15

僕がインドネシアに来てからこれまで何度か経済不況を見てきましたが、今回の新型コロナウィルスの感染拡大により、間違いなく景気後退しますので、数年後にはこれがコロナショックとかコロナ不況とか呼ばれるようになるのかもしれません。

日本のバブル経済崩壊後とインドネシアの通貨危機後 16

自分が大学に入学したのがバブル経済末期の1991年、土地も株価もMAX爆上げして、三菱地所がアメリカの象徴であるロックフェラーセンタービルを買収し、ジュリアナ東京でワンレンボディコン(登美丘高校ダンス部のバブリーダンスみたいなやつ)のお姉さん達が扇子振って踊っている時期でした。

内需と外需の自国経済に及ぼす影響 17

公共事業投資を行っても、お金が企業内や個人の貯蓄に滞留してしまい国内消費が増えないのが日本の状況であり、国内消費は増えても消費材の輸入品比率が高く、国内資産が海外に流出しているのがインドネシアの状況です。

2019年の総選挙を前にインドネシア政治史のおさらい 18

来年の大統領選挙(Pemilu Pilpres Pileg Indonesia 2019)に向けての選挙運動(Kampanye)を解禁するにあたり、投票用紙に印字される順番はジョコウィ現職大統領・マフル副大統領候補組が1番、プラボウォ大統領候補・サンディアガウノ副大統領候補組が2番と決まりました。

コーヒーをもっと楽しくもっと美味しく 19

インドネシアは北回帰線と南回帰線をはさむコーヒーベルトに位置するコーヒー栽培に適した国で、1602年の東インド会社の進出を契機にオランダの植民地支配が300年以上続き、その間アラビカ種のコーヒーが持ち込まれ、気候のいい高原地帯で栽培が開始されました。

インドネシア人の悪魔祓い 20

人間誰しも自分の中に悪魔が潜んでおり、それが何らかのきっかけで表面に出て来るという考え方自体には、背景に宗教が有るか無いかの違いだけで、基本的に理解できる話であり、それを信じるか信じないかは別として、そういう考えがあることを認めることは大切なことだと思います。

-会計システム

© 2020 バテラハイシステム Powered by STINGER