業務システムで困っているインドネシアの日系企業様への提言【見えない・合わない・繋がらないの3点セットをどう改善するか】

社内業務のやり方に影響する要素は何か

インドネシアで長いこと業務システムの仕事をやっておりますが、日系企業のお客さんとの会話の中で出てくる業務システムの問題は、おおよそ以下の3つに集約されます。

  • 業務の流れの中で流動するモノがどの出荷に繋がるのか見えない
  • 業務に合わないシステムに無理やり業務を合わせようとすると結局多くのExcel管理が介在するようになる。
  • 部門間・部署間の業務フローが繋がらないためにシステム外の無駄な調整が多い。

社内業務のすべては会社のお金の入りの源泉である売上(出荷)とお金の出の源泉である購買に繋がるわけでで、この見えない・合わない・繋がらないという3点セットにより、業務効率が低下するだけでなく、社員の売上コスト意識の低下に繋がります。

会社の事業は市場のニーズに対して何を提供するかで決まり、その事業のために顧客や仕入先とどう付き合うか、社内のスタッフがどう関係するかで社内業務のやり方が決まります。

いろんな要因で社内業務のやり方が決まっていく具体的な例として以下のようなものがあげられます。

  1. 顧客の数が増える一方でオーダの単位数が小さくなると、現場でどのオーダのための生産をしているのか見えなくなり納期回答ができない。
  2. 製品ライフサイクルが短命化し、需要予測が難しくなると、受注に必要なだけ発注、必要なだけ生産しないとデッドストック化する。
  3. 2を考えすぎて在庫が少なすぎるとライン停止で生産性を落とし納期遅れする。
  4. 多品種少量化で小ロットが生産ラインを流れると、共用ラインを増やし稼働率を上げるためには、受注との紐付きが見えないと余計な生産をしてしまう。
  5. インドネシアは仕入先、外注の力が強く、正確な需要予測に基づいて十分に余裕を持ったリードタイムで発注する必要がある。
  6. インドネシアは現地調達率が低く、輸入材のショートは致命傷になる。

業務システムのはこの社内業務のやり方によって定義されるべきものであり、いろんな要因で決まった社内業務のやり方を、システム化するために変更するというのは、良く言えば標準化、悪く言えば朝令暮改になるわけです。




Excel文化が花咲くインドネシアの社内業務をシステム化するには

SAPやMicrosoft Dynamicsなど大手パッケージソフトウェアに実装される標準業務フローは、パッケージベンダーの長年のノウハウの集積であり、これに合わないやり方をしている業務があること自体おかしいのであって、ユーザーはシステムのフローに業務を合わせることが、業務効率改善への最短の道であるという考えが、日本で業務システムの導入を検討する際には一般的ではないでしょうか。

これはサプライチェーンの中で顧客と仕入先との間のモノが契約どおりに円滑に流れ、取引に関する情報がすべてシステムに反映され、自社の意思決定がシステムに蓄積された情報を演繹的に解析することによって実現可能な環境下において有効な選択肢の一つであると言えます。

しかしインドネシアのように、社内の意思決定が個人や部署の政治的意図によって押し切られたり、サプライチェーンの制約が原因で顧客・仕入先・外注先との商慣習が複雑化するような環境では、社内業務のやり方は独自の文化に染まっていき、関係者それぞれが一番やりやすいやり方を模索した結果、部分最適の集合体になりやすい。

これらの部分最適同士を繋ぎ合わせるための補修剤としてExcelが重宝されるのであって、社内業務全体としてはExcelによる継ぎ接ぎが目立つとはいえ、全体最適を志向したものになっているわけです。

このようなインドネシアの日系企業の業務のやりかたをシステム化しようとすれば、Excelで継ぎ接ぎして連携し合う業務のやり方の中から、本当に必要な要件をとりまとめた上で、システムを業務に合わせて実装するほうが理にかなっているのです。

重要なところなのでもう一度言いますが、サプライチェーン上でモノが円滑に流れ、取引に関するすべての情報がシステムに反映されるような環境であれば、大手パッケージソフトウェアの導入がベストプラクティス(ある結果を得るのに最も効率のよい技法)である可能性もありますが、インドネシアのようにそうでない環境の場合には、ひたすら要件をとりまとめ地道にシステムに実装していったほうが、結果として目に見えた改善結果を出しやすいのです。

  1. 汎用パッケージソフトでは対応できなかった社内業務のためにカスタマイズしたシステムを使うことで業務効率が向上した。
  2. 受注オーダの納期や数量の変更に対して短時間で計画変更ができるようになり、高い精度で計画を維持できるようになった。
  3. 工程実績管理が現場の大画面モニター上で見えるようになった。
  4. 倉庫の入出庫管理をハンディターミナルで行うことで、在庫管理システムに簡単に自動連携できるようになった。
  5. 現場を流動するロットに受注番号付きの現品票を貼付することで、現品とシステム在庫の繋がりが見えるようになった。
  6. 1週間かかっていた月次生産計画の作成が3時間で終わるようになった。
  7. 受注と購買が連動することにより今月必要な原材料が明確になり、在庫切れによるライン停止がなくなった。
  8. Excelでは作れなかったオーダの色まとめ、仕様まとめ、曜日まとめの複雑な生産計画が短時間で作れるようになった。
  9. 需要予測の精度が上がることで余分な生産がなくなり工程内在庫が削減された。

このようにインドネシアでは、業務にシステムを合わせて開発導入することによって、社内業務の効率は格段に改善する余地があると思います。

インドネシアに合った業務システムとは【宣伝】

以上のようにインドネシアの見えない・合わない・繋がらない問題を改善するためには、独自の社内文化で形成された業務のやりかたの中から重要な要件をとりまとめ、地道にシステムで実装していくしかないわけです。

しかしこれらをゼロからスクラッチ開発(すべての要素を個別に最初から開発)するよりも、業務システムとしての共通機能、例えばユーザー権限管理、マスタデータ管理、ExcelやCSV形式からのエクスポートまたはインポート、受払取引の管理、締処理などは標準化することができるわけです。

左図のように弊社バッテラでは管理機能を業務テンプレートHanaFirst、計画部分をスケジューラーAsprovaで実装しており、これがシステム業界20年以上、私やまぞうがインドネシアで日系企業様に提案できるベストプラクティスです。

業務改善という目的を実現するための手段の1つがシステムであり、システム化によってデータ入力の効率化と正確性の向上と見える化・共有化・体系化による情報の有効活用が実現されれば、現場からの情報が会社の競争力を生み出します。

システム導入による目に見える効果を生み出すために、お客様の要件を十分ヒアリングした上で、今の業務がどれだけ良くなったか、どんな新しい成果が出たかにこだわったシステムのご提案をいたします。