中小零細業者にとって、スマホ決済の利点は決済時間の短縮やお釣りが不要なことです。また、取引履歴が自動的に記録されるため、帳簿管理が容易になります。さらに、売上を貯金するために銀行に行かずに済むことも大きな利点です。GoPayはインドネシア全土でマイクロビジネスパートナーを増やそうとしています。
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インドネシアのビジネス事情まとめ|進出・継続・IT・市場戦略
現地適合(品質×価格)が本国ブランドの優位より効きやすい。無印良品は2021年5月末にインドネシア全店舗を閉鎖し、低価格帯で模倣品に近い商品構成の中国系小売が多店舗展開した局面がある。かつては日本人が資本とアイデアを提供し、インドネシ…
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この記事でわかること
- インドネシアでは2020年5月時点でスマホアプリ型電子マネーが47種類存在します。
- GoPayはインドネシア全土でマイクロビジネスパートナーを増やそうとしています。
- 2019年に最も利用されたスマホアプリ型電子マネーはGoPayです。
- インドネシアの銀行口座保有率は49%ですが、スマートフォン普及率は60%を超えています。
- インドネシアの電子マネー取引額は2019年第4四半期に241.2%の成長率を記録しました。
インドネシアの電子マネー事情:チップ型 vs スマホアプリ型の普及状況とは?
インドネシア中央銀行(Bank Indonesia)から許認可を受けている電子マネーは、Mandiri e-moneyやBCA Flazzなどのチップベースの非接触ICカード型が13種類、GoPayやOVOなどサーバーベースのスマホアプリ型が47種類あります。
Bank Indonesiaから許認可を受けている電子マネーは、e-TollカードやBCA Flashなどの非接触ICカード(チップベース)が13種類、GoPayやOVOなどスマホアプリ(サーバーベース)が47種類もある。
日本のPayPayは口座自動引落や大手銀行のモバイルアプリでのチャージが可能ですが、インドネシアのGoPayは口座自動引落はできないものの、モバイルアプリやAlfamartでトップアップが可能です。非接触ICカード型のe-moneyやFlazzもコンビニやスマホキャリアの代理店でトップアップできるため、銀行口座を持たない人が多いインドネシアで広く普及しています。
インドネシアで最も頻繁に利用されたスマホアプリ型電子マネーは、GoJeKの各種サービスの決済に統合されているGoPayで、次がGrabBikeの決済で使えるOVO、Bukalapakの決済手段として開発されたDANA、TelkomのLinkAjaが続きます。
私はこの4大決済アプリに加えてShoppePayを利用しており、BCA mobileからトップアップする際には通常管理費用Rp.1,000がかかりますが、DanaとShopeePayは無料です。これは利用者を増やし、GoPayとOVOのシェアを侵食する目的もあるでしょう。GoJekがGoLifeを閉鎖し、輸送、食料配達、電子マネーに選択集中する事業戦略に転換したことから、BukalapakやShopeeのビジネスモデルは利益率が高いと考えられます。
インドネシアにおける電子マネーの進化と主要スマホ決済サービスの特徴
インドネシアでは、スマホアプリ型電子マネーがGoFoodやGrabFood、Shopeeなどの「アプリケーションプラットフォーム」での決済手段として成長してきました。これに対し、日本のPayPayのような電子マネーは、現金やクレジットカードを電子決済に置き換える「オープンプラットフォーム」として浸透しています。
OVOとDanaはアプリケーション外で利用可能なオープンな環境での決済手段として加盟店を増やし、シェアを拡大しようとしています。私の仕事のパートナーが経営する小さな文房具店にもOVO決済システムの営業が来ましたが、小中学生が主な客層であるため、電子マネーの利用は少ないようです。
インドネシアのスマホアプリ型電子決済サービスの中核事業
- GoPay⇒GoFood加盟店での電子決済・バイタク・食料デリバリー
- OVO⇒GrabFood加盟店での電子決済・バイタク・食料デリバリー・加盟店外での電子決済
- Dana⇒加盟店外での電子決済
- ShopeePay⇒加盟店外での電子決済・オンラインマーケットプレイス(Shopee)
- LinkAja⇒Telkom(スマホ)やPLN(電気料金)、Indihome(高速通信回線プロバイダー)
インドネシアでは、銀行口座保有率が49%にとどまる一方で、スマートフォン普及率は60%を超えています。このため、銀行口座を持たない消費者層に対して、アプリケーション以外のオープンプラットフォームとしての電子決済サービスは、今後も市場を広げる余地があります。
配車アプリの発展と共に成長した電子マネー
インドネシアでスマホから配車アプリが本格的に利用できるようになったのは、アメリカのUberが進出してからです。その後、バイクタクシーのGrabRideが登場し、国産のGoJekアプリが「どこまで乗っても1万ルピア」キャンペーンで一気に知名度を拡大しました。
事例:道端で客待ちするオジェック(Ojek)は運賃交渉が煩わしく、ブルーバードタクシーは料金が高く夕方の帰宅ラッシュ時には捕まりづらいという欠点がありました。GoJekは登録済のドライバーをスマホアプリからオーダーでき、お釣りの心配も不要で、超格安でドアトゥドアのサービスを提供しました。
要点:GoJekは利用者にとって移動手段の革命的サービスとなり、ドライバーにとっても収入向上の機会を提供しました。
その後、GoJekは第三四半期に黒字化し、輸送、食料配達、電子マネーを強化する「選択と集中」戦略に転じています。これを支えるのがGoPayやOVOといった電子決済サービスであり、インドネシアの電子マネー取引額は過去3年間増加し続け、成長率は241.2%に達しました。
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GOJEKとGrabが変えたジャカルタの生活と経済
GOJEKは2016年8月に5.5億ドルの資金調達に成功しました。GOJEKのドライバーは14ポイントで100,000ルピアのボーナスを得ています。不正ボーナス獲得の手口はGPS追跡機能で防止されています。
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インドネシアで急成長する電子マネー市場とGoPay・OVOの普及背景
インドネシアでの電子マネー利用は、小売店での支払い(28%)、GoJekとGrabによるオンライン輸送予約(27%)、食事のデリバリー予約(20%)が主な取引です。私の場合、TokopediaやShopeeでのEC決済(15%)や請求書の支払い(7%)で利用することが多いです。
事例:日本のSuicaに似たインドネシアの電子マネーとして、Bank MandiriとIndomaretのe-moneyやBCA Flazzがあります。高速道路でのキャッシュレス化が進み、モールやオフィスビルの駐車場でもキャッシュレス化が進行中です。残高不足で決済できないと、後続車からクラクションを鳴らされることもあります。
要点:インドネシアでは電子マネーの普及が進んでおり、特に交通や駐車場でのキャッシュレス化が顕著です。
日本のPayPayに相当するGoPayやOVOは、ディスカウントやキャッシュバックキャンペーンが普及の一因です。非接触決済・キャッシュレスが広がりやすい状況では紙幣や硬貨を避ける傾向があり、スマホ決済の利用が増加しています。
事例:露店や中小零細業者にとって、スマホ決済は決済時間の短縮やお釣りの準備不要、取引履歴の自動記録による帳簿管理の利便性があります。GoPayは中小零細自営業者への出張説明会を頻繁に行い、マイクロビジネスパートナーを増やしています。
Gojekの生活支援サービスが閉鎖から復活へ:GoCleanとGoMassageの事業戦略の変遷
配車大手Gojek社は、外出制限や接触制限の影響を受け、GoCleanとGoMassageを閉鎖し、社員の約9%に相当する430名を解雇すると発表しました。サービス閉鎖の理由は、近距離と物理的接触でのサービスが制限され、利用が低下したためです。
事例:私はアイロン掛けが苦手で、2時間わずかRp.90,000という価格でGoCleanを利用していました。GoLife事業の縮小は始まり、GoGlam、GoFix、GoAuto、GoDaily、GoLaundryなどが廃止され、GoMassageとGoCleanのみが残っていました。
要点:GoLife事業の縮小は、サービスの需要低下と長期戦略に合わないことが原因です。
普通のインドネシア人が手っ取り早く仕事を得られるのが掃除やマッサージであり、SNS上でも多くの利用者からの閉鎖を惜しむ声がありました。外出制限が緩んだあとには、需要と供給が見込まれるため、別のオンラインサービスが参入する可能性があります。
GoCleanがGoServiceとして再びGojekのアプリに登場しています。GoLifeの元創業者が立ち上げたPinhome社が提供するクリーニングサービスをGojekと協業契約を結び、GojekのアプリにGoServiceとして提供しています。
Gojekの中核事業に迫る:配車・フードデリバリー・電子マネーへの集中戦略
GoJekは、FacebookやPayPalから資金調達を行った直後で、株主の意向が反映された可能性があります。GoLifeとフードコートサービスのGoFood Festivalが閉鎖され、ライバルのGrabも非中核事業で5%(360人)削減しています。インドネシアのオンラインアプリビジネスは、経済的な困難を生き残るために選択と集中戦略を進めています。
GoJekが集中する3つの中核事業は、いずれもインドネシアの成長産業であり、特に電子マネーは多くのライバルが国内市場で競争しています。
GoJek中核事業のライバル
- 輸送:transportasi (GoRide・GoCar・GoSend)⇔Grab
- 食料配達:pesan antar makanan (GoFood) ⇔Grab
- 電子マネー:uang elektronik (GoPay)⇔OVO / Dana / ShopeePay / LinkAja / Moka(Gojekに買収済)
「選択と集中」といえば、ゼネラル・エレクトリック(GE)社のCEOジャック・ウェルチの著書「ウィニング – 勝利の経営」が有名です。GE社は世界で1位か2位になれる事業に注力し、飛躍的な成長を遂げました。この戦略には事業価値の最大化とコスト削減のメリットがある一方、長期的需要やライバル他社の成長速度を見誤ると損失が大きいというデメリットがあります。
Uberが撤退し、Grabとの二強の争いとなったインドネシア市場で、GoJekはドライバーや車両に対する健康・安全対策に力を入れています。安全性を高めることで利用者からの信頼を積み上げ、他社との差別化を図っています。
バイクタクシーではソーシャルディスタンシングが難しいため、GoRideドライバーは背中にシールドを背負い、利用者はマスクとヘルメットの持参が推奨されています。アプリ上でドライバーの体温をチェックでき、GoCarでは車の清掃と消毒の状況を表す清潔度を確認できます。
外出制限期の外出自粛により、配送サービスのGoSendは80%、日用品の買い物サービスであるGoShopは2倍以上増加しました。GoJekは安全な運用サービス基準を徹底させるため、すべてのサービスにドライバーの体温チェックと清潔度チェックをアプリから参照できるようにする予定です。
インドネシアで拡大するクラウドキッチン市場|Grab KitchenとGoFood Kitchenの戦略比較
クラウドキッチンは、スマホアプリで注文を受け、デリバリーを行う飲食ビジネスです。インドネシアでは、Grab Kitchenが40店舗を展開し、先行しています。一方、GoFood Kitchenは、Rebel FoodsのノウハウとGoJekのビッグデータを活用し、20店舗で追いかけています。
事例:Grab Kitchenは、インドネシアの主要5都市で展開し、立地戦略を重視しています。GoFood Kitchenは、GoFood Festivalの閉鎖に伴い立ち上げられ、スペースレンタル料を取らずに売上からの手数料制を採用しています。
要点:クラウドキッチンの成功には、立地戦略とビジネスモデルの選択が重要です。
クラウドキッチンの場所の選定基準
- 配送距離を考慮してパートナーが消費者により近い場所に存在できること
- 1か所の集合キッチンで周辺の消費者のニーズにより多く対応できること
インドネシアのクラウドキッチンが変える飲食業の未来|GoFood KitchenとGrab Kitchenのビジネスモデルと成長戦略
飲食店の出店において「立地」は重要な要素ですが、GoFood KitchenやGrab Kitchenのパートナーになることで、GoJekやGrabが選定した戦略的な場所に出店できます。これにより、パートナーは料理の味や衛生面で勝負できるアドバンテージがあります。
クラウドキッチンのメリット
- 基本的な設備が整っており、賃料や改修コストが削減される。
- デリバリーに特化し、既存の配送手段を利用できるため運用コストが削減される。
- 賃料の前払いがない。
- スマホアプリでの迅速なオーダーと配送が可能で、リピート客を獲得しやすい。
- 他都市への拡大出店時にも最適な場所が保証される。
欧米では家庭で料理をする傾向がありますが、インドネシアでは外から注文することに抵抗が少ないため、オンデマンドサービスが成長する可能性が高いです。
事例:インドネシアでは、AFIやIndonesian Idolのように一般人が成功するストーリーが人気です。GoFoodやGrabが地方の郷土料理を作る人材を発掘する企画を出せば、全国的に盛り上がる可能性があります。
要点:クラウドキッチンは飲食業界を活性化し、少ない資本でビジネスを始める機会を提供する自立支援の可能性を持っています。