葉の切れ目や穴から幸運の光を通すと言われるモンステラ

2020/10/14

モンステラ

モンステラは中南米原産のサトイモ科のツル性の植物で、葉の切れ目や穴から幸運の光を通すと言われます。花言葉は「うれしい便り」「壮大な計画」「深い関係」など極めて縁起の良いもので、風水的にも幸運や金運をもたらすものと言われ、インドネシアでも人気があります。

コロナ禍の中でニュージーランドで高額取引されて一躍注目を浴びたモンステラ

4月から始まったジャカルタのPSBB(大規模社会制限)下で、自宅待機を余儀なくされたインドネシア人の間で、アグラオネマやアンスリウムなどの観葉植物の人気が高まり、Tokopediaやインスタグラムを通して売買するオンライン観葉植物ビジネスが盛んになりました。

アンスリウム

仏炎苞から伸びる肉穂花序が特徴的なインドネシアのアンスリウム

仏炎苞(ぶつえんほう)から伸びる肉穂花序(にくすいかじょ)が特徴的なアンスリウムですが、インドネシアで人気が高い品種はKuping Gajah(象の耳)やLidah Gajah(象の舌)と呼ばれる大きな葉っぱの種類です。

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9月初めには、インドネシアでよく目にするモンステラ(Monstera)がニュージーランドで8,150ドルという高額で取引されたというニュースが各メディア上で大きく報道され、このニュースを機に一攫千金を狙った観葉植物ビジネスを始めたインドネシア人が多くいたのは容易に想像できます。

モンステラの名前は、8月にニュージーランドの観葉植物取引でvarigated minimaという種別が史上最高額の8,150ドルで売買されたことで有名になった。本来ツル科の植物であり、うちの近所の大木に巻き付いて自生するモンステラは3m以上の高さになる。

モンステラは中南米原産のサトイモ科モンステラ属のツル性の植物であり、名前の語源はラテン語で奇怪を意味する「monstrum」で、その名のとおりモンスターが手を広げたように見えますが、花言葉は「うれしい便り」「壮大な計画」「深い関係」など極めて縁起の良いもので、風水的にも幸運や金運をもたらすものと言われています。

ハート型がかわいいヒメモンステラ。語源であるモンスターのような奇怪な形が特徴的だが、海外で人気が高いことが話題となり、コロナ禍の中での収入源としてオンライン上で観葉植物ビジネスを始めたインドネシア人は多い。

ちなみにサトイモ科の植物としてはモンステラの他にもアロカシア(アロカシア属=クワズイモ属)やアンスリウム(アンスリウム属)など、インドネシアでおなじみの観葉植物が属しています。

アロカシア

大きな葉に熱帯特有の生命力が感じられるインドネシアのアロカシア

大きな葉っぱが空気を浄化し運気をアップする東南アジアの代表的植物であるアロカシアは、道路脇や公園などに熱帯気候の景観を作る上で欠かせない植物です。

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昔に比べてインドネシアで手軽に入手出来て海外で高額で売れる可能性のある商材を探すのが困難になった現在、観葉植物は数少ない輸出による高利益が期待できるインドネシア産の優良商材であり、雨季と乾季に分かれる熱帯地域で原生するモンステラの栽培環境としてインドネシアは適していることから、国内の大都市圏や海外からの需要と、西ジャワや東ジャワ、カリマンタン島、スマトラ島などの地方都市からの供給が益々増えて、市場が拡大していくものと思われます。

インドネシアではJanda Bolong(穴の空いた未亡人)と呼ばれるマドカズラ

最近インドネシアのメディア上で紹介されるようになったモンステラ属のマドカズラ(Monstera adansonii)は、緑と黄の葉っぱに穴が開いていることから「スイスチーズ」と呼ばれることもあり、インドネシアではJanda Bolong(穴空き未亡人)というセクハラまがいの名前で呼ばれています。

コロナ禍の中で自宅で過ごすインドネシアの間で人気の観葉植物モンステラの一種Janda bolong、直訳すると「穴の空いた未亡人」という微妙な名前だが価格が上がっているらしい。もちろんうちのは安物です。

マドカズラは葉っぱに窓のような穴が空いた葛(かずら=つる草の総称)ですから、他のモンステラと同様に支柱に巻きつきながら上に成長していきますが、直射日光に弱いので間接光が当たるくらいの日陰で、土の表面が若干乾いたタイミングで水まきしてあげるくらいで丁度良い、インドネシアで栽培する限りにおいては手間のかからない植物です。