業務システムごとに異なる原価計算方法

原価管理システム

業務システムごとに異なる原価計算方法【継続記録法システムでは実績原価、三分法システムでは実際原価と標準原価】


業務システムの原価計算機能について

インドネシアでよく導入されるMicrosoft DynamicsやSage Accpacなどの業務システム(ERP)は、生産実績や投入実績が計上される際に会計仕訳を自動生成する継続記録法を採用しています。

この場合、直接材料費である変動費は先入先出法または移動平均法で取得された単価に、投入実績数量を掛けた結果を直接材料費として計上します。

また直接労務費や製造間接費などの固定費も、標準値としての配賦率を部品構成表(BOM)に設定し、実績工数や実績稼働時間を掛けた結果を直接労務費や製造間接費として計上します。

そして月末に確定する実際発生額との差額を、当月製造原価分(直接労務費と製造間接費)と月末在庫にマニュアルで按分する必要があります。

このようにリアルタイムに在庫と会計が連動する速報性を重視する原価計算方法は本来は実績原価計算と呼ばれるものですが、運用の現場では標準原価を採用していると言われることが多いです。

一方で生産実績や投入実績の計上時に会計仕訳を発生させず、月初在庫と当月発生費用から月末在庫の差し引きで製造原価を算出する三分法を採用するシステムでは、総平均法で算出される変動費単価に、固定費の実際発生額をコストセンター別に集計し、実際直接作業時間または実際製造数量のコストセンター別集計値で割って実際賃率(または実際配賦率)を算出し、積み上げ計算を行います。

  • 1個あたり実際直接労務費=実際配賦率(実際賃率)x能率(実際工数)
  • 1個あたり実際製造間接費=実際配賦率

標準原価計算の場合、製品生産予定数をBOM展開することで材料所要量を算出し、マスタ値である材料単価を掛けることで製品の変動費単価を算出します。

コストセンター別に集計された固定費予算を、BOM時間展開により算出された予定直接作業時間または予定製造数量のコストセンター別集計値で割ることで標準賃率(または標準配賦率)を計算します。

  • 1個あたり標準直接労務費=標準配賦率(標準賃率)x能率(標準工数)
  • 1個あたり標準製造間接費=標準配賦率

製品の費目別原価の算出方法

第一工程、第二工程、第三工程という3つの製造工程を経て生産される製品の製造原価が、原価計算方法ごとにどのように原価費目別に積み上げられるかをまとめています。

継続記録法のシステムでは、リアルタイムに原価計算を行う実績原価計算、三分法のシステムでは会計月締処理の終了後にバッチで実行される実際原価計算と、翌期の製品生産予定と固定費予算を元に、管理会計の一環として実行される標準原価計算を想定しています。

原価費目 計算方法 計算手順 内訳
直接労務費 継続記録法
BOMの品目別賃率x実績工数
三分法(実際・標準)
会計仕訳金額・予算金額を工程直課に配賦計算
実際

工程別に集計された直接労務費を実際直接作業時間で割ることで賃率を算出。

標準

1.製品生産予定からBOM展開で生産予定数を算出し、能率をかけて(時間展開計算)予定直接作業時間を算出。
2.工程(コストセンター)別に集計された直接労務費予算を予定直接作業時間で割ることで賃率を算出。

第三工程直接労務費

第二工程直接労務費

第一工程直接労務費

製造間接費 継続記録法
BOMの品目別配賦率x実績工数
三分法(実際・標準)
会計仕訳金額・予算金額をコストセンター(部門・ライン・製品グループ)に一次配賦後、コストセンターから配賦計算
実際

1.実際直接作業時間をコストセンター別に集計した合計値を一次配賦比率とする。

2.コストセンターの製造間接費を直接作業時間または製造数量で割ることで配賦率を計算。

標準

1.製品生産予定からBOM展開で生産予定数を算出し、能率をかけて(時間展開計算)予定直接作業時間を算出。
2.予定直接作業時間をコストセンター別に集計した合計値を一次配賦比率とする。
3.コストセンターの製造間接費予算を予定直接作業時間または予定製造数量で割ることで配賦率を計算。

第三工程製造間接費

第二工程製造間接費

第一工程製造間接費

減価償却費 継続記録法
BOMの品目別配賦率x実績稼働時間
三分法(実際・標準)
会計仕訳金額・予算金額をライン直課に配賦計算
実際

ライン別に集計された製造間接費を実際機械稼働時間で割ることで配賦率を算出。

標準

1.製品生産予定からBOM展開で生産予定数を算出し、能率をかけて(時間展開計算)予定直接作業時間を算出。
2.ライン(コストセンター)別に集計された製造間接費を予定稼働時間で割ることで配賦率を算出。

第三工程機械減価償却費

第二工程機械原価償却費

第一工程機械減価償却費

直接材料費 継続記録法
移動平均法で計算される最新の材料単価x投入実績
三分法(実際・標準)
月末に算出する総平均単価またはBOM展開で算出される製品あたり使用数に標準材料単価を掛けて算出
実際

所要量は投入実績と生産実績の親子関係から取得される。

標準

所要量はBOMの親子関係の中での子必要量から取得される。

第一工程直接材料費

一次配賦とは間接部門の固定費やライン共通費を、直接作業時間や人員数などで、部門やラインなどのコストセンターに按分することで、コストセンターに集計された固定費を、直接作業時間や製造数量で割ることで配賦率(賃率)が算出されます。

具体的には配賦率とは1分あたりの直接労務費または製品1個あたりの製造間接費や減価償却費になります。





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