インドネシアでの引渡しに伴う契約書 【取引契約で必ず作成される公式案内Berita Acara】

インドネシアでの引渡しに伴う契約書

インドネシアの不動産


土地売買契約書のレベル

インドネシアでアパートを購入する場合、正式な売買契約書が作成されて法的に所有権が管理会社から購入者に移転する前に、ユニットが完成した時点で引渡しの公式案内(Berita Acara Serah Terima)と一緒に部屋の鍵を受け取ります。

不動産売買では土地証書(Sertifikat Tanah)の名義変更する際に、土地に関する契約書を作成する公証人(Pejabat Pembuat Akta Tanah=PPAT )である行政書士(Notaris)に土地譲渡書証(Akta Jual Beli)を作成してもらい、所有権の移転を証明しますが、それ以前に売り手と買い手の間で取引が成立した時点で、買い手が売り手に契約金(Tanda Jadi)または頭金(Uang Muka)を払うと同時に予約契約書(Perjanjian Pengikatan Jual Beli=PPJB)を作成します。

先日2012年型AvanzaをMobil88(アストラグループの中古車ディーラー)に査定してもらった後、売却価格は同意したものの、新車の納品まで車がないと困るので、引渡しは納品後となったのですが、このとき担当者は「PPJBを作ろう」と言ってきました。

要はPPJBは買い手と売り手の間でNotarisを介さずに作成する契約書なので、不動産取引以外の金額の大きい取引では作成されることがあるようで、仮に作成すればMobil88は僕に頭金を支払い、先方の都合で「買うの止める」となっても僕は頭金を返す義務はありません。

  1. Perjanjian Pengikatan Jual Beli (PPJB)
    売買契約書で売り手と買い手の間で結ぶ非公式の(Akta non otentik)予約契約書。
  2. Pengikatan Jual Beli (PJB)
    NotarisがAJB作成前に作成する予約契約書
  3. Akta Jual Beli (AJB)
    Notarisが作成する公式の土地譲渡書証

AJBの原本は2通作成され、1通はNotarisで保管され、もう1通は土地管理局(Kantor Pertanahan)に登記(土地や建物の「状況」と「権利関係」を 国の機関である法務局に届出し記録すること)または名義変更するために送られます。

売り手と買い手には土地譲渡証書のコピー(Salinan Akta=Copy of the Deed)が渡されます。

買い手にとって所有している証拠が大事であるのと同じように、売り手に取っても所有権を手放した証拠は、法的責任がないことを証明する書類であり、税務的にも必要になる可能性があります。

ちなみにMangga DuaのKIOSを売却した際には、KIOSの権利義務の譲渡に関する合意書(Perjanjian Pengalihan Hak dan Kewajiban atas Kios)を管理事務所から発行してもらいましたが、これがAJBに該当します。

引渡しの公式案内(Berita Acara Serah Terima)

10年程前にMangga DuaのKIOSを購入したのですが(2016年に売却済み)、当時支払いを全額済ませた後に、鍵の引渡し(Serah Terima Kunci)を管理オフィスで受けました。

アパートや建売住宅を購入する際も同じですが、公式な書類上の手続きとは別に、支払い条件の合意をもって部屋の引渡しが行われますが、これがSerah Terima Kunciであり、このときの引渡証書をBerita Acara Serah Terima(BAST)といいます。

基本的なインドネシア語ですが、日常的に使用される意味とは少し違う意味で使われるため、日本人的にはとまどう言葉です。

  • Berita⇒news(ニュース)ではなくannouncement(案内)の意味
  • Acara⇒schedule(イベント・予定)ではなくkeresmian(公式)の意味
    ここまでで公式案内の意味
  • Serah⇒handover(引渡)
  • Terima⇒acceptance(受領)
    ただしserah terimaで「引渡」という熟語なので全体で「引渡の公式案内」という意味

インドネシアのシステムインテグレーション(情報システム構築)に関する契約書では、開発ソフトウェアと各種ドキュメントの検収は、委託側から受託側にBerita Acara Serah Terimaを発行することによって完了します。