バリ島自宅売却日記 【インドネシアでも不動産の売却は大変】

2011/03/19

バリ島のフィラ

2003年にバリ島に土地を購入し住宅を建築したものの、家具や雑貨を輸出する仕事に将来性が期待できず、ジャカルタで人生の再スタートを切るために、思い切って売却することに決めました。ただバリ島の景気が上向かず不動産市場は完全な買い手市場であり、売却するのに1年以上かかりました。

西ジャカルタの高層アパート

インドネシアの不動産

インドネシアは不動産価格暴騰を防止するために外国人名義での所有権を認めていませんが、近年の国内中間層の拡大に伴う不動産需要の高まりによりジャカルタ周辺部の不動産価格は値上がりを続けています。

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家を売るのも大変だ

2006年現在、自宅を売却すべく買い手を捜していますが、いかんせんバリ島の不動産市場は完全な買い手市場で、どこの不動産屋に行っても景気のいい話は聞きません。

借家の需要は常にあるようですが、買うとなると金額が金額なだけにそうそう買い手がみつかりません。不動産屋に頼ってばかりではらちがあかないので、週1でBali Postに広告を出しています。

しかしかかってくる電話のうち9割は「また後で電話する」といったきり2度とかかってきません。中には同じように家を売却しようとしている人間による「偵察電話」もあります。

新聞広告を出すとわけのわからないSMSが届くようになり、最も多いのが「うちのサイトに広告載せませんか、費用は・・・・」といったもの。

まあそういうビジネスをやっていたら誰でも考えることだろうし、仕方がないあきらめ即刻メッセージを削除します。またずうずうしいヤツになると「私も今家を売りたいと思っているので協力してくれ。コミッションは・・・」とビジネスを持ちかけてくるツワモノもいます。

まあこれをSMSでやられる分には我慢できますが、「今日何時に家を見に来る」と約束までしておいて、実際来て話をしてみると「俺の土地と交換しないか」とか 持ちかけてくるヤツ。

こういう輩は本当に勘弁してほしい。来るっていうからせっかく家を綺麗に掃除したのに・・・・嫁さんと2人脱力してソファに寝込むパ ターンです。

同じく多いのが詐欺SMS。これは文面がワンパターンなので非常に分かりやすく、本当にだます気あるの?と小一時 間問い詰めたくなるようなものばかり。

「あなたの家の買い手が見つかった。この番号に電話して欲しい。」というもの。物件も見ずに、しかも買い主が直接電話をしないのはどう考えてもおかしいと普通思います。

相手をだましてやろうという人間はどこか気後れするものらしく、ほとんどの場合会話を交わす必要のないSMSで来ますが、これまで2件電話による直接攻撃も受けたことがあり「バリ島に引っ越すので家を探し ている。とにかく急いでいるのでラストプライスはいくらか教えて欲しい」。

この場合こちらの提示するラストプライスを相手はあっさり飲みますが、この時点で怪しいことこの上なく、この後に相手がたたみかけてくる言葉によって100%詐欺かどうかが確定します。

「他の人にとられないように前金を払いたいので口座を教えてくれ!」。昨年末、最初にこの手の電話を受けたとき、恥ずかしながら口座番号を教えてしまいました。

そうすると相手は「今急いで ATMから振り込むから待ってくれ」と来て、5分後「今振り込んだからATMで確認してくれ」。そう、この詐欺常習犯にとってまず相手をATMの前 に立たせること、これが重要なのです。

この後相手は言葉巧みに特定の口座にお金を送金させようとします。催眠術を使うらしく、この方法で引っかかる詐欺事件が毎日のように新聞に載っています。

幸い私の場合、インターネットバンキングを使っているので、送金する場合のセキュリティはなかなか厳しく、そう簡単に 相手の誘導にのって送金することはできない、というより口座に前金が入金されておらず、「ATMに行って残高をチェックしてくれ」と言われた時点で気づきました。

そして、残りの1割、つまり10件に1件がまじめな購入希望者(と思われる)電話になりますが、新聞広告1回あたり9万ルピアかかるので10回だすと90万ルピア。結構な金額で、はっきり言ってかなり痛い出費です。

今日、その1割にあたる(と思われる)人が家を見に来たわけですが、まあ手応えはあるようなないような・・・まああまり期待せずに引き続き新聞広告を出していくつもりです。「あわてる乞食はもらいが少ない」と言いますし、長期戦覚悟でおいおいやっていきます。

バリ島の不動産市場の景況

バリ島に去年2007年にサファリパークがオープンし、自宅から車で20分ほどの近さなので動物好きな私にとってはなんともうれしい限りです。今年中にはイルカと一緒に泳げるプールが完成するそうです。

2008年現在、バリ島は不動産売買が盛んで土地、建物ともに相場は右肩上がりです。この傾向はあと5年は続くと見られ(不動産屋さんの話)、今からバリ島にフィラを建設して自分で住んだとしても、将来売却する場合にそれほどマイナスにはならない、もしくは土地価格が上がれば大きな売却益を得られる可能性もあります。

最近のトレンドはクロボカンからチャングー、タバナン方面のエリアで大手資本による高級フィラが続々と建設されています。

土地は販売面積が広いほど単位面積の価格は下がります。前方に海、後方に田園風景という絶好のロケーションの土地でも、まとまった面積(1ヘクタールとか)で買えば1アールあたりの価格はかなり割安になりまます。

大手資本は広い土地を買い、それを分割して分譲フィラを建てて販売するわけですね。しかも建物を建設する前に購入者を募り資金を集めますので、金利による機会損失も最小化できます。リスクも大きいと思いますが、やっぱ資金力があるというのはうらやましいものです。

日本、韓国、台湾など東アジアの国やオーストラリア、シンガポールなどから、バリ島にフィラを建てのんびり暮らしたいという人々が今後益々増えてくると思います。

外国人は所有権では土地の所有はできませんが、不動産会社では借地権や使用権を利用して適切な不動産の「所有」の方法をアドバイスしてくれます。バリ島で土地や家を買う場合は、できれば不動産会社を通すほうが安全です。

自宅を売却するために新聞やフリーペパーに広告を出すと、エージェントと称する人物が次々と電話を掛けてきて、友人が家を探しているので売れたら5%コミッションちょうだい、という感じでビジネスを持ちかけてきます。

1年間でたくさんの「エージェント」からこの手の話を持ちかけられましたが、結局まともな話はほとんどありませんでした。

親戚や友人に頼まれて家を探している、という話は非常に信憑性が薄いと思います。いわば伝言ゲームみたいなもので、実際には家が欲しいがお金がないとか、家を探すのは今住んでいる家が売れてからとか、現実的な話は1件もありませんでした。毎回約束時間までに家中を大掃除する家主としてはたまったものではありません。

不動産屋との契約条件

30Mar04自宅の洗濯場はミズオオトカゲ(biawakと呼ばれる)にとって住み心地が良いらしく、追い出してもまたすぐに戻ってくるため、かわいそうだとは思いながらも捕獲して処理していました。

それでも次々に新しいのが住み着き、屋根裏にネズミやら鳥やら引っ張り込むのには参りました。このミズオオトカゲは身のこなしが早 く、人を見ると砂埃を上げながら猛スピードで逃げるので、一応猟犬種であるうちの犬が競い合って捕獲することになります。体長80cmほどのトカゲを仕留めて、なかなか口から離そうとしません。

不動産屋を通して家を売る場合の条件として2つあります。

オープン

複数の不動産屋さんに販売委託するので、不動産屋にとっては早い者勝ちということになります。売り手にとっては一見ありがたいシステムですが、実際にはオープン契約で真剣に動いてくれる不動産屋はほとんどいません。

広告費をかけたのに他の不動産屋に売られてしまったら損になりますからね。契約時に2.5%のコミッションを確保できるエクスクルーシブ契約の客の物件を中心に不動産屋は営業します。

エクスクルーシブ

カタカナで書くとちょっとマヌケですが、他の不動産屋を通して家が売れた場合にはコミッション5%の半分を不動産屋で2.5%ずつ分け合う、というのが建前なのですが、実際には売主がその2.5%も負担することになると思います。

つまり合計7.5%のコミッションを支払うことになります。不動産屋にとっても依頼主の家を売るためには広告費用や管理費用がかかるため、他の不動産屋に売られてしまい、かかったコスト分の損をすることを防ぐ意味合いがあるようです。

ただエクスクルーシブ契約するには不動産屋が物件に魅力を感じないと難しいので、やはり最初に家を建てるときの場所の選定と間取りや材質などが重要になります。

さらに立地が9割、建物が1割くらいの比率で不動産屋は立地重視の傾向があります。まあ考えてみれば物件を探すとき、買い手はまず最初にエリア限定でくることが多いので、家を建てる場合には少し高くても土地にお金をかけたほうがのちのち苦労が少ないと思います。

建物はお金が入ってから少しずつリフォームしていけば良いですが、土地は引越しようがありませんので。

売り手としてはまず最初に信頼できる不動産屋を選定し、担当者とのコミュニケーションが円滑になり、信頼関係を気づくことができれば最高。

担当者が真剣に売ろうと動いてくれるかどうかは、最後は人間関係だと思います。1年間売れずに苦労した結論がこれです。