南国を代表する色鮮やかな花を咲かせるインドネシアのブーゲンビリア

ブーゲンビリア

ブーゲンビリアが日本の歌の歌詞でよく登場する理由は、鮮やかな色彩の花がロマンティックな印象を与え、恋愛を描写するのに都合がよいからです。また南国を思わせる雰囲気から、戦時中のインドネシアの日本兵が、ブーゲンビリアの木の下で祖国を想うといった郷愁を誘う情景を連想させます。

日本人にとって何故か懐かしさと郷愁を誘うブーゲンビリア

ブーゲンビリア(Bougainvillea)は、南米のブラジル原産の美しいつる性植物であり、世界中で観賞用として広く栽培されており、インドネシアをはじめ熱帯地域や温暖な地中海性気候で最もよく育ちます。

ブーゲンビリアの特徴は、実際の花ではなく、周囲を包む鮮やかな色の苞(ほう=芽やつぼみを包んでいる小型の葉)であることで、これらの苞は、紫、ピンク、赤、オレンジ、白などのさまざまな色で、まるで花びらのように見えます。ただし一般的にはこれらを総称して花と呼ぶことが多いと思います。

ブーゲンビリアは日光を好み、乾燥にも強いため、栽培が非常に容易で、インドネシアのTOL(高速道路)の中央分離帯の植え込みなど、排気ガスまみれの灼熱地獄の環境でも十分育ち、剪定することによって場所と用途に応じた形状に調整することができます。

ブーゲンビリアブーゲンビリアは日本でも有名なので、曲名や歌詞に登場することが多く、私が好きな曲で言うと『さよなら人類(たま)』や『夢喰い少女(米津玄師)』、新し目だと『Bougainvillea(ヘブンバーンズレッド)』などです。

ブーゲンビリアが日本の歌の歌詞でよく登場する理由として、美しい花の鮮やかな色彩がロマンティックなイメージを持っており、恋愛や切ない思い出を描写する意図があります。

またその存在感自体が南国を思わせる雰囲気を持っており、第二次大戦中の南方作戦でインドネシアに進駐した日本兵が、ブーゲンビリアの木の下で祖国を想うといった懐かしさや郷愁を誘う情景を連想させます。

我が家でも2鉢のブーゲンビリアを栽培していますが、枝や茎には鋭い棘があるので、物理的に人や動物の侵入を防ぐ有刺鉄線の役目を果たしています。

インドネシアでブーゲンビリアを栽培する目的と意味

インドネシアでは、ブーゲンビリアは美しい花としてだけでなく、文化的な意味合いも持っており、繁栄、活力、そして美の象徴として広く認識され、その美しい色彩は、家や庭園を飾り立て、周囲の環境を活気づけ、その強さと生命力は、困難な状況においても生き抜く力を象徴します。

さらにブーゲンビリアは日光と乾燥を好み、インドネシアの気候に非常に適しており、熱帯の日差しと雨季にも耐えるため、庭や公共の場所、さらには道路沿いなど、様々な場所で広く栽培されています。

風水の観点から見ると、ブーゲンビリアはいくつかの意味や効果を持つと考えられています。

  1. 活力と繁栄
    ブーゲンビリアの鮮やかな色彩と生命力は、活気と繁栄を象徴します。風水では、色彩豊かな植物がポジティブなエネルギーを引き寄せ、生活やビジネスに活力をもたらすと信じられています。
  2. 富と成功
    ブーゲンビリアは豊かさと成功を象徴する植物としても知られています。その美しい花は、富と繁栄の象徴として広く認識されています。風水では、このような植物を育てることで、経済的な成功や豊かさを引き寄せると信じられています。
  3. 邪気払い
    ブーゲンビリアは、邪気を払う効果もあると考えられています。その強さと生命力は、悪いエネルギーを払い除け、家や庭園を清浄化し、穏やかな環境を促すと信じられています。
  4. 幸福と調和
    ブーゲンビリアの美しい花は、幸福と調和を象徴し、家庭や職場の雰囲気を明るくするとされています。風水では、このような植物を育てることで、家族や仲間との関係を深め、心地よい環境を創り出すことができるとされています。

総じて、ブーゲンビリアは風水的にはポジティブなエネルギーを持つ植物として位置付けられており、その美しい花や強さは、豊かさや成功を呼び込み、邪気を払い、幸福と調和をもたらすと信じられています。

インドネシアでのブーゲンビリア栽培の注意点

私のインドネシアでの植物栽培の経験上、ブーゲンビリアは放っておいても元気に成長する手間のかからない植物の代表格であり、十分に日光が浴びられる場所で適度な水を与えれば、成長が旺盛なので自然とあちこちに枝を伸ばす生命力の強い植物だと思います。

ただし鉢植えの場合、施肥しないと土壌が痩せてしまい茎と葉っぱだけになってしまうので、定期的にバランスのとれた肥料を与えたほうが、圧倒的にたくさんの色鮮やかな花を咲かせることができます。

またブーゲンビリアは他の観葉植物に比べて病害虫に強く、ハダニやカイガラムシといった植物の養分を吸い取るしつこい害虫は付きにくく、蛾の幼虫である毛虫が見つかったときに駆除する程度の管理で十分だと思います。