製造指図は、受注情報に基づく生産計画を製造現場にブレイクダウンする上で重要な役割を果たします。製造指図に対して実績を入力することは、生産管理システムの運用上の最大の難関であり、システム導入の成否を判断する大きな基準となります。
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インドネシアの生産スケジューラ
生産計画と負荷計画は密接に関連しており、数量ベースでの確認が求められる。PSI表を用いて生産数量、消費数量、在庫数量を対比することが重要。計画は実績と比較して進捗を確認し、在庫数量に基づく予測でリセットされる。
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この記事でわかること
- 製造指図は受注情報に基づく生産計画を製造現場にブレイクダウンする役割を果たします。
- 製造実績の入力は生産管理システム運用の最大の難関です。
- 中部ジャワの家具製作工場では、木材の材料手配が製作側の都合で行われることがあります。
- 生産管理システム導入済みでもMRP未使用のケースが多く、計画外製造指図が手間となります。
- 多品種少量生産では受注数量が安定せず、納期遅れのリスクが高まります。
バリ島時代の思い出
以前、バリ島で家具製作と輸出の仕事をしていた時のことです。お得意様からの定期的な受注オーダーや、レストランやカフェの開店・改装に伴う特注オーダーに基づき、中部ジャワのJeparaにある家具製作工場を持つ会社のバリ島営業所に発注書を出していました。
受注生産のため、進捗確認や新規見積もり依頼が頻繁に入り、納期回答に対応する必要がありました。進捗状況は受注に対する製作実績の割合を示しますが、家具製作の初工程には木材を乾燥させるオーブン工程があり、製作側である程度ロットをまとめてバッチ処理されます。
インドネシア人の中でも中部ジャワの人は特におおらかな性格で、同じ納期指定でキャビネットを発注していても、製作側の独自裁量でまとめやすい品目単位で翌月の未発注分のバタビアチェア用の木材を強引に突っ込んでくることがあります。
- 日本のお客様(発注側)⇒バリ島の弊社(受注側)⇒バリ島の家具会社営業所(営業側)⇒家具会社中部ジャワ工場(製作側)
さらに、製作側の都合に合わせて勝手に木材の材料手配が行われ、直近の納期分に必要なチーク材が十分確保されておらず、納期の遅い発注分のマホガニー材が確保されていることもあります。これにより、ある日突然、チーク材の価格が上がったため見積もり金額が上がったという連絡を受けることになります。
- チーク材の価格が上がったので見積もり金額が上がったYO
木材価格の上昇は見積もり金額を圧迫しますが、非常に高品質の家具を良心的価格で製作してくれる唯一の工場なので、強く言えないのです。この流れの中で、家具会社のバリ島営業所が製作側のオーブン工程に、品目と納期を考慮した受注に紐付いた製作指図を出していれば、製作側は製作指図を元に材料手配を行い、オーブン工程で適切なロットまとめが行われたはずです。
後工程は流れ作業で自動的に回りますので、私はお客の受注に対する進捗回答が容易になったはずです。発注書が製作側からすると間接的な指示でしかないため、自分の裁量で材料準備やオーブンまとめを決めてしまうのと同じように、生産計画からブレイクダウンされた製造指図がないと製造側は現場の裁量で製造しがちです。
営業側から生産管理部を経ずに製造現場直結で情報が流れる弊害だと思いますが、今となって思えばいい経験でした。これが製造指図の重要性を実体験した身近な例ですが、受注に基づく計画に対して製造しないと、受注と製造が結びつかないのです。これがないと工場の最大の使命である「品質の高い製品を納期遅れせず出荷すること」に悪影響を及ぼします。
生産計画と生産実績のリンク
受注情報を受け取った後、それを生産計画や製造指図に落とし込み、製造実績を入力する流れをシームレスにシステム上で運用することは、生産管理システム導入における最大の難関です。現実の業務では、生産計画から生産実績まで意識せずに運用されていることが多いですが、システム化する際には生産計画というクラスの実体である製造指図を介在させ、製造指図に実績を入力する必要があります。
- 受注(システム)⇒計画(システム)⇒製造指図(システム)⇒製造実績(システム)⇒出荷(システム)
- 受注(システム)⇒計画(Excel)⇒製造指図(Excel)⇒計画外製造実績(システム)⇒出荷(システム)
工場では生産管理システムを導入済みであっても、MRPは未使用のケースが多く、計画外製造指図から工程ごとに1つずつ製造指図をマニュアルで登録する必要があります。
この方法は運用としては分かりやすいですが、指図を簡単に発行できる仕組みがないと工数がかかり、生産管理部としてもシステムで指図を工程ごとに1つずつマニュアルで発行するのは手間ですし、製造現場でも製造指図に対して実績を入れるのは負担です。
ここで両者の思惑が一致し、生産管理部は製造現場から上がってくる日報を見ながら計画外製造実績でシステムに直接実績入力したほうが手っ取り早いということになります。
基本的には生産管理部がExcelで作成した計画に基づいて製造を行い、日またはシフトごとに日報が上がってきます。毎月の受注数量が安定していれば出荷には大きな問題はないかもしれません。しかし、多品種少量生産で受注数量が安定しない場合、納期遅れのリスクが高まります。
- 受注と製造の紐付きを管理するのが難しい。⇒進捗・納期回答が難しい。
- 製造指図が現場で軽視され、独自裁量で月次生産計画の帳尻を合わせがち。⇒生産管理と製造現場の乖離
- そのため設備能力計画が現場に反映されない。⇒生産設備のやり繰りが難しくなる。
以上が「生産計画があまり重要視されていないのではないか」と感じる理由であり、製造指図は受注情報に基づく生産計画を製造現場にブレイクダウンする上で重要な意味を持つことを強調したい理由です。
よくある質問|製造指図と生産管理の課題
本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。
製造指図はなぜ重要ですか?
製造指図は受注情報に基づく生産計画を製造現場にブレイクダウンするために重要です。これがないと、受注と製造が結びつかず、納期遅れや品質低下のリスクが高まります。
生産管理システムの運用上の最大の難関は何ですか?
生産管理システムの運用上の最大の難関は、製造指図に対して実績を入力することです。これがシステム導入の成否を判断する大きな基準となります。
現実の生産管理システム運用の問題点は何ですか?
現実の運用では、生産計画から生産実績までがシステム化されておらず、Excelを使った手作業が多いです。これにより、計画外製造指図の登録や実績入力が手間となり、製造現場と生産管理部の乖離が生じます。

