インドネシア時事問題

インドネシアの景気後退期での経済活動再開【ベトナムとの生産拠点の誘致競争】

インドネシアは1999年以降、四半期ベースのGDP成長率で初のマイナス

コロナ禍により各州政府が実施した行動制限や企業活動の縮小の影響で消費や投資が減少し、インドネシアは1999年以降、四半期ベースで初めてのマイナス成長を記録し、これはスリ財務大臣(Sri Mulyani)が事前に予測していたマイナス5.08%を上回るマイナス幅でした。

2020年第四半期GDP成長率は前年比5.32%マイナス、コロナによる移動制限が最大の原因。
景気対策として6、7月と政策金利を下げたので今は低金利。
一方で通貨危機時はドルとの固定相場維持のための高金利政策、更にIMFに高金利を約束させられた結果、定期は年利30%以上というとんでもない水準だった。 twitter.com/yamazou/status…

インドネシアの不景気の話になると1998年の通貨危機を起点とする不景気と比較されますが、当時はヘッジファンドの空売り(現物なしの売り契約を入れること)でインドネシアの外貨準備が底をつき、ルピア相場暴落に繋がったことが起点であり、今回は通貨も金利も比較的安定している中での経済活動の一時的停止に伴う不景気ですので、教科書どおりの中央銀行による金利を下げる景気浮揚策や、移動制限による影響が大きかった旅行産業や運輸産業を支援するためのキャンペーンなどが実施されていくことになります。

景気低迷時の金利の動き【アジア通貨危機で上がってコロナ禍で下がる理由】

 

5か月間も国内外からの観光客の受け入れを中断していたバリ島では、7月31日から移動開始の14日前までに発行されたPCR検査の陰性証明書の持参を条件に国内観光客の受け入れが再開されており、9月11日からは海外からの観光客の受け入れが再開される予定です。

現在PCR検査はインドネシアの病院で3.5juta以上とチケット代以上に高額なようですので、当面バリ島旅行できるのは富裕層に限定されそうですが、2018年度の統計ではバリ島への観光客全体の6割以上を占めていた、国内観光客の受け入れ再開は観光産業にとって朗報です。

ベトナムとインドネシアの投資環境

2003年のSARS、2005年の鳥インフルエンザ、2009年の豚インフルエンザ、そして2020年の新型コロナウィルス、最近ではブニヤウィルスで7人死亡というニュースが流れており、わけのわからないウィルスを次から次への発生させるわ、インドネシア人船員遺体を海中投棄するわ、ガラパゴス島沖ではフカヒレ狙いの漁業船団が押し寄せるわ、Black Lived Matterに乗じたデモの暴徒化を中国領事館が扇動するわ、アメリカや日本に得体の知れない種を送り付けるわ、これだけ世界中を騒がせればさすがに産業の脱中国化の動きは加速せざるを得ないわけで、各国の製造業が移転先としてインドネシアはタイ、ベトナムなどと誘致合戦を行っています。

ポストコロナ禍のインドネシアの経済発展の見通し【製造業の脱中国化の受け皿というチャンス】

 

今後の発展性を考えると最大のライバルはベトナムになることが予想されますが、ベトナムはマレー半島にあり近隣国へのアクセスが容易という地の利に加えて、ベトナム北部は中国の王朝の支配を受けることが長かった影響で、漢字や儒教などの中国文化圏に属するわけで、これにインドネシアが勝つにはそれ以上の投資環境の魅力をアピールする必要があります。

製造業の脱中国の受け皿としてベトナムが選ばれてインドネシアがパスされるのは賃金割高、土地割高、投資手続が複雑という3つの理由から。インドネシアも中部ジャワのBatangに工業団地造ったりオムニバス法で投資しやすくなるよう努力はしているようですが。
money.kompas.com/read/2020/08/0…

インドネシアの平均土地価格である1平米あたりRp. 317万は、タイのRp. 303万、ベトナムのRp. 127万に比べてはるかに割高であり、賃金水準もタイとほぼ同じであるもののベトナムよりもはるかに割高であるため、誘致競争に勝つために各国ともに土地と最低賃金が安い地方県に、工業団地を整備する動きは共通しています。

インドネシア政府は労務コストや土地価格の割安感が、海外企業にとって魅力ある投資環境の重要な要素であると考え、誘致先の最重要候補地として中部ジャワのBatang工業団地を推薦していますが、地図上で見ると国際貿易港であるスマランに近く、メーキングインドネシア4.0の中で提示されている北部ジャワ自動車産業ベルト構想の重要な拠点になる予定です。

インドネシアの産業の川下化と製造業の高度化【インダストリー4.0への取り組み】

 

中部ジャワのBatang

投資家にとってインドネシアの最大の魅力は「今後も成長が続く分厚い国内消費市場」であることは間違いないと思いますが、2019年のベトナムの人口も9,621万人と一億人に迫る勢いで、既に巨大な国内市場を形成しつつあり、海外投資の誘致競争においてもインドネシアは内需頼みではいられない状況になっています。

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