BlackBerry端末が世界で一番売れまくったインドネシア

2014/08/31

Blackberry

BlackBerryの真骨頂は物理キーボードによるキーの打ち易さであり、即レス主義の人間にとって、買い物袋を下げたまま片手でメールの返信ができることは非常に重要です。

カキリマ

インドネシアの生活

ネットで何でも情報は収集できる時代ですが、他人からの情報は基本的に点でしかなく、点と点を繋げることは自分の頭の中でしかできません。また新しいアイデアを生み出したり複雑なことを考えるためには、過去の経験に基づく知識が頭に記憶されている必要があります。

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BlackBerry全盛期からAndroid端末に駆逐されるまで

カナダのブラックベリー社が開発し、インドネシアで一世風靡したブラックベリー端末は、2013年にブラックベリーOSの開発は中止されAndroidへ移行し、2016年9月に中国のTCL集団にライセンス譲渡されましたが、2020年8月をもってライセンス契約は終了しています。

今考えるとインドネシアはブラックベリー利用者比率が60%を超える世界でも特殊なスマホ市場が形成されていたのであり、ブラックベリーメッセンジャーが使えないと仕事や日常生活に支障をきたす状況でした。そして2014年頃からWhatsAppユーザーがチラホラ散見されるようになり、急速にAndroidベースの端末に駆逐されていきました。

2014年、インドネシアのスマホ市場が、長年一強体制を築いてきたBlackBerryからAndroidへ移行せんとしていた時代で、私もついに防水のSony Xperiaファブレットが気になりだして、街のガジェット屋に寄り道するようになったのですが、長年使っていたBlackBerry 9900 Boldが好きすぎて、どうしてもAndroid端末に移行する踏ん切りがつきませんでした。

Blackberry 9900 Bold

Blackberry 9900 Bold

私は仕事でもプライベートでも常時ノートPCを持ち歩いているので、長い文章を書くときは必ずPCを開きますし、Messageへの返信やちょっとしたメモには、ポケットからスッとBlackBerryを取り出して、右手親指で物理キーボードをタイプするのが好きで、スマホやファブレット、ましてはタブレットが活躍する場面を想像できずにいました。

しかし時は既にインドネシアでも完全にAndroidスマホ、タブレット、ファブレットが主流になりつつあり、既にBlackBerryは身売りされる将来が予測されていました。

インドネシア人のとってのコミュニケーションのデファクトスタンダードであったBBM(BlackBerry Messanger)が、Androidとiphoneアプリ化された時点が、インドネシアでのBlackBerry凋落の始まりだったかと思いますが、私にとってはLINEの音声会話ができない(Q10では可能)のと、Skypeアプリがない(これもQ10用にはある)のがBlackBerryの致命的欠点となりました。

当時、日本のお客さんとの業務連絡のためにLINEを使うことになり、渋々SmartfrenのAndroid端末を練習機として80万ルピアで買いましたが、BlackBerry派の私もFacebookやTwitterのAndroidアプリが使い易いことは認めざるを得ませんでした。

もうこれ以上斜陽の黄昏が感じられるBlackBerryに多くを期待するのは無理だったのかもしれませんが、当時の私の愛機BlackBerry9900 Boldの上を行くモデルがなかなか発売されませんでした(ポルシェモデルは高すぎた!)。

BlackBerryはセクシーな端末だった。

BlackBerry9900はキーボードの打ち易さもさることながら、微妙な親指ずらし加減でアイコン間移動、メールのスクロールを超快適に実現したタッチパッドこそが真髄だと思うのですが、物理キーボードモデルでOS10搭載のQ10には、そのタッチパッドがなかったのは私にとっては大きなマイナスポイントでした。

「即レス至上主義」の人間にとってBlackBerryはすごくセクシーな端末であり、それはBlackBerry使っているとき自分に酔えるところであり、西部劇のガンマンの「抜き打ち」に近いです。

  1. ポケットからBlackberryを抜く(拳銃をホルスターから抜くイメージ 笑)
  2. Flip coverを親指で弾いて開くと同時に自動で新着Messageが開く
  3. 「L」押して全員に返信

このワン、ツー、スリーの一連の動きは、やっちゃいけないけど「歩きスマホ」のときが一番絵になり、物理キーボードだから片手で何でもOK、大文字小文字変換、英語日本語変換(片手の場合はメニューから)、片手なので買い物袋をたくさん持っていても操作できるし、信号待ち中にPolisi(警察官)が居ないのを確認した上で即レスも可能。

BlackBerryの標準アプリの魅力は無駄を極限までそぎ落としたシンプルさであり、TwitterやFacebookの読み易さはAndroidのほうが上でも、情報の取捨選択スピードは圧倒的にBlackBerryアプリのほうが早く、PCでメール書くのは添付ファイル作成時くらいで、それ以外ではほとんどBlackBerry9900で返信していました。

たぶんBlackBerryは日本では完全なイロモノ、いわば変態端末扱いされていたかと思いますが、BlackBerryが存在意義を持つとすれば、スマホユーザーが求める快適性ではなく、スピードを求めるニーズをつかむことであり、BlackBerryにはスマホ化せずにクラシックなスタイルで進化していって欲しいと切に願っていました。

BlackBerry端末からAndroid端末に移行して最初にやりたかったスマートウオッチとの連動

私は平日は屋外にいることが多く、周囲の雑音に消されて着信のコールを聞き逃すことへの苦情が絶えないので、手元からの振動とリングトーンでコールを知らせてくれるスマートウォッチをlazada.co.idでRp96,000(一応Rp.450,000からの79%Discount)で買ってみました。

lazadaからU8ウォッチ最安値モデルを注文

OEM(Original Equipment Manufacturing)は他社ブランド製品の製造販売、または他社製品の自社ブランドでの製造販売であり、例としてトヨタAvanzaをダイハツがXeniaとして製造販売しています。

lazadaからU8ウォッチ最安値モデルを注文

U8ウォッチのOEM品の中の最安値でした。

lazadaとかTokopediaとかeleveniaとかで見ると、U8ウォッチはOnixとかCognosとかU WatchとかI-ONeとかいろんなブランドでOEM販売されており、価格もディスカウント率もまちまちですが、どうせ機能に大差はないだろうと判断し、最安値のuNiQueというブランドを選びました。

昼飯1回分くらいの値段ですが、当時流行りのHuawai WatchとかモトローラのMoto360とか数万円するモデルと、機能的には大差なかったと思います。

発送リードタイムが2営業日半というなかなかのlazadaの対応、しかも送料無料というのが嬉しい。TIKIとかLTEHAみたいな割安宅配便で送られてくるのかと思いきや、LAZADA EXPRESSっていう自社グループの宅配便で来ました。

箱と取説の手作り感がいかにもOEMっぽさを醸し出していますが、なんせRp.96,000ですからこれから先何が起こっても許せるレベルです。

なにはともあれU8ウォッチの充電しながら、スマホとのペアリングやスマホへの通知をU8ウォッチ側に表示させるためのBT Notificationアプリをインストールします。

BT Notificationアプリをスマホにインストールする

BT Notification(Android側からスマートウオッチにアクセスするアプリ)からスマホのAccessibility settingにアクセスし、BT NotificationのNotification appから通知を受けるアプリの選択を行い、SMS ServiceやCall serviceをすべてオンにしておけば、スマホで発生するほとんどのイベントのタイミングで、U8ウォッチ側に何らかの通知が届くようになります。

  1. Accessibility setting : Androidの「ユーザー補助」画面の設定
  2. Notification service : 通知をするのでオン
  3. Notification app : 通知させたいアプリをオン(とりあえず全部オン)
  4. Blocked app : ブロックしたいアプリをオン
  5. SMS service : SMSの通知をしたいのでオン
  6. Call service : コールの通知をしたいのでオン
  7. Show connection status : 接続状況を表示したいのでオン
  8. Always send notification : 常時通知を受け取りたいのでオン

Bluetoothペアリング(Pairing)が確立されれば、U8ウォッチからスマホの音楽プレーヤーを起動したり、カメラを起動してシャッターを押したりできるようになり、ここにきてようやくBlackBerryにはできなかったことがAndroidならできるという期待感が湧きました。

U8ウォッチを使ってみて出てきた気になる点

U8ウォッチを使ってみて出てきた気になる点

日本語表示もOK

嫁さんからのLINEの通知がこんな感じで日本語で表示されて、当時はなんとなくIoTの最先端を走っている気分を味わえました。電話の着信時にはU8ウォッチのリングトーンが鳴るので、スマホを開かずしてU8ウォッチのラウドスピーカーごしに会話ができます。

ここまででも本体価格Rp.96,000の元を取っておつりが出るくらいですが、さすがに使っているうちに気になる点がポツポツではじめてきました。

  1. ラウドスピーカー越しの会話は回りに筒抜けであり、屋内ではちょっと気が引ける。
    ただしこれはU8ウォッチの問題ではない。
  2. LINE, BBM, Skype, Whatsup, SMSの通知が画面表示のみで音やバイブレーションが出ない。
    U8ウォッチの設定は音声+バイブレーションになっているが両方とも効かず、電話の着信時は音声のみ鳴る。
    設定の問題なのか、OEMの安価バージョンにはもともとバイブレーションの機能が省略されているのか不明。
  3. メッセージへの返信ができない。
    U8ウォッチの小さなスクリーンから返信することはないので大きな問題ではない。

当たり前ですが、当時のスマートウォッチはスマホがないとただの安っぽい腕時計でしかないので、スマホを机に置いたままトイレに行ってもBluetoothのカバーエリアを越えると着信は取れません。

また製品オリジナルのゴム製の安っぽいベルトにどうしても愛着が湧かないので、Thamrin City Mallの3階の時計屋でRp.120,000のベルトに交換してもらいました。ベルトのほうが時計よりも高いというのはさておき、一気に高級感が出て腕にしっくりとはまるようになりました。