トラジャコーヒーの魅力と日本での普及の歴史

2017/05/28

コーヒーチェリー

インドネシアのトラジャ(Toraja)のコーヒーは、強烈なボディと酸味を併せ持つ香りの豊かさで知られています。キーコーヒーが農園を開き、トアルコ(TOraja ARabika COffee)トラジャブランドを開発したことで、日本でもなじみ深いブランドとなりました。

インドネシアのコーヒー文化と産地別スペシャルティ豆の特徴を示す構造化した図解

インドネシアのコーヒー文化と産地別スペシャルティ豆の魅力とは?

インドネシアのコーヒーはオランダ植民地時代に輸出目的で持ち込まれました。スペシャルティコーヒーは高原地帯で栽培され、風味が異なります。UCC上島コーヒーのマンデリンやキーコーヒーのトラジャは有名です。

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この記事でわかること

  • トラジャコーヒーはインドネシアのスラウェシ島で栽培され、強烈な香りと酸味が特徴です。
  • キーコーヒーはトラジャコーヒーを日本に広めるためにウマ地区に農園と精製工場を設立しました。
  • カフェトラジャではサイフォン式でコーヒーを抽出し、理科の実験のようなプロセスが楽しめます。
  • トラジャコーヒーは標高1,200m以上の山岳地帯で栽培される大粒のコーヒーチェリーから作られます。
  • トラジャコーヒーの銘柄にはトラジャ・ウマやトラジャ・カロシなどがあり、サイフォンで淹れるのが最適です。

ブロックMの名店「カフェトラジャ」|日本人に親しまれたサイフォン式コーヒーの魅力

ジャカルタのブロックMにあるパサラヤ(Pasaraya)は、ショッピングモールの増加により寂れた感がありますが、5階の民芸品売り場の奥にあるカフェトラジャ(Kafe Toraja)は、依然として存在しています。かつてはインドネシア語を学びながら、カラオケ屋のお姉さんと待ち合わせをする日本人のたまり場でした。

スラウェシ島
スラウェシ島

カフェトラジャの名物は、目の前でサイフォン式で淹れてくれるトラジャコーヒーです。アルコールランプで熱されて発生した蒸気圧で水が上昇し、ランプの火を消したあとに、コーヒーの粉と一体化した黒い液体が下に落ちていくプロセスを見るのが楽しいです。コーヒー自体の味は二の次という感じでした。

1960年代生まれの方々からは、まだコーヒーを抽出する機械が普及していなかった時代に、喫茶店のコーヒーと言えばサイフォンが当たり前だったという話を聞きました。当時の喫茶店では、味の均一性を保つのが難しいコーヒーを、初心者バイトでも美味しく淹れるためにサイフォンは便利な器具だったようです。

カフェトラジャ(Kafe Toraja)では理科の実験のようにサイフォンでコーヒーを抽出します。強烈なボディに切り裂くような酸味があり、空き腹時にはお湯で割ったほうがいいかもしれません。

スラウェシ島は山岳地帯が多く、「トラジャ」という言葉はブギス族の言葉で「高地の人々」を意味します。コーヒー農園があるタナトラジャ県は赤道直下に位置し、日本のキーコーヒー(Key Coffee)が高地のウマ地区(Uma)に農園と精製工場を整備し、トアルコ(TOraja ARabika COffee)トラジャコーヒーというブランドで日本に広めたのは有名です。

キーコーヒーは、パサラヤの地下1階フードコート横に、厨房をカウンター席で四方から囲むような対面販売のショップを開いていました。日本と同じコーヒーがインドネシアでも飲めるとあって、夜のブロックMに繰り出す前にここでコーヒーを飲んで時間をつぶす日本人のたまり場でした。

カラオケ屋の営業のお姉さんが出現してくるので、私もよく世間話と下ネタを通してインドネシア語を勉強しましたが、赴任したばかりの日本人が『夜のブロックM大学』でインドネシア語を学んだつもりになると、基礎が固まらず効率が悪いので、最初は家庭教師をつけるか語学学校に通うかして、体系立ったカリキュラムを元にインドネシア語を勉強したほうがいいと思います。

ちなみにキーコーヒーのライバルであるUCC上島珈琲は、スマトラ島北部のリントン地区の農園からマンデリンコーヒーを日本に広めたことで知られています。

バタック族

インドネシアのバタック族とマンデリン・リントンの魅力

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強烈な香りと酸味が魅力|トラジャコーヒーの特徴と産地ごとの味わい方

サイフォン式で抽出する際の香りを楽しみたいインドネシアのトラジャ(TORAJA)のコーヒー
トラジャの伝統的家屋トンコナン(Tongkonan)

インドネシアのコーヒーとしては、アチェ・ガヨ、マンデリンと並ぶ名の知れたスペシャルティコーヒーのブランドであり、赤道直下の標高1,200m以上の山岳地帯で栽培される、大粒のコーヒーチェリーから精製されるコーヒーです。トラジャコーヒーは、コーヒー独特のアロマが強烈で酸味も強く、空き腹の状態で飲むと胃がキツくなる感じがするので、ケーキや和菓子を食べながら飲むのに最適です。

風味の傾向

  1. 香り ★★★
  2. 苦み ★
  3. 酸み ★★★
  4. コク ★★
  5. 甘み ★

トラジャコーヒーの銘柄には、日本のキーコーヒーの農園があるウマ地区の名前がついたトラジャ・ウマ、コーヒーの集積地であるカロシ村の名前を冠したトラジャ・カロシ、高地サパン地区で生産されるトラジャ・サパンなどがあります。いずれも強烈な香りと重厚なボディが特徴的で、サイフォンで淹れるのが最適です。

2024年4月にスラウェシ島北部に位置するルアン島のルアン火山が大噴火を起こしました。プレートテクトニクス理論の観点から、大陸プレートの下に海洋プレートが潜りこむことで火山活動が誘発され、噴火により粒子が細かく保水性の高い火山灰層が形成されました。これにより、タナトラジャをはじめとするインドネシア全土が世界的なコーヒーの産地となったのです。

事例:インドネシアを代表するコーヒーチェーン店ExcelsoでランテカルアのKalosi Torajaを楽しむことができます。酸味が強くサイフォンで抽出すると酸っぱく感じるので、個人的にはフレンチプレスで上から圧縮して下から苦味ごと湧き上がる感じが好きです。