インドネシアのバタック族のマンデリン・リントンのコーヒーは、UCC上島コーヒーが農園を開いたことで有名になりました。このコーヒーは、マンデリンが持つ強烈なボディに、若干まろやかさと甘みを加えた上品な味わいがします。
-
-
インドネシアのコーヒー文化と産地別スペシャルティ豆の魅力とは?
インドネシアのコーヒーはオランダ植民地時代に輸出目的で持ち込まれました。スペシャルティコーヒーは高原地帯で栽培され、風味が異なります。UCC上島コーヒーのマンデリンやキーコーヒーのトラジャは有名です。
続きを見る
この記事でわかること
- マンデリン・リントンはインドネシアの高級コーヒーで、UCC上島珈琲が農園を開いたことで知られています。
- バタック族はインドネシアの少数民族で、独自の文化や宗教を持ち、豚肉料理LAPOが有名です。
- リントン・ブルーバタックはマンデリン・バタック族が栽培する最高グレードのコーヒーで、流通量が少ないです。
- マンデリン・リントンは濃厚なボディとまろやかな甘みが特徴で、食後のお口直しに最適です。
- ジャカルタのGIYANTI COFFEE ROASTERYでは、ブルーバタックを楽しむことができ、観光客にも人気です。
バタック族とは?インドネシア少数民族の文化・宗教・食生活
インドネシアで『バタック人』と聞くと、無骨で荒々しいイメージを持つ人が多いことは否定できません。例えば、ジャカルタのオフィスでバタック出身の人がいると「彼はバタック人だよ」と言われることがあり、これは気性が激しいことで有名なことを暗に示しています。逆に、バタック出身の女の子の場合は「実はバタック人」というギャップが誉め言葉になることもあります。

以前、私が搭乗したエア・アジアの国内線で、客室乗務員が「当機の後部にお座りのお客様をお世話させていただきますのは、バタック人のNoviです」と紹介されると、乗客から一斉に笑いが起こりました。このことからも、インドネシア人がバタック人にどのようなイメージを持っているかが理解できると思います。
イスラム教徒のジャワ人など多数派民族から見ると、バタック人は「犬を食べる異教徒(カトリック)」という固定観念があります。バタック人の女の子にとっては、いじられる材料になりやすいようですが、インドネシア人は異教徒や異民族との共生に慣れており、私自身は一線を越えたいじめや誹謗中傷に発展した事例を聞いたことはありません。
事例:インドネシアのスーパーで豚肉含有製品はB2(BaBi)コーナーに集約されています。犬の隠語はB1でバタック語のBiangから来ているようです。さすがにスーパーにB1はありませんが、Kali Malang沿いのLAPO屋(バタックの豚肉料理)で「B1とB2あります」と一括りにされた看板を見て複雑な気持ちになりました。

バタック料理の代表的な豚肉料理LAPOには、サンバル・アンダリマン(Sambal Andaliman)という鮮やかな緑のペースト状サンバルが付いています。痺れるような辛さで頭皮が汗だくになりますが、豚チャーシューに非常に合う辛さで絶品です。
バタック族のマンデリン系の種族であるマンデリン・バタック族(Mandailing Batak)がトバ湖南のリントン・ニフタ地区(Lintong Nihuta)の農園で栽培するコーヒーのうち、精製工程を改良を重ねた最高グレードのものがリントン・ブルーバタック(Lintong Blue Batak)という銘柄で出荷されています。このリントン・ブルーバタックは、アラビカ種の中でも歴史が古く改良が加えられていないティピカ種(Tipika)という純血種であるため、病気に弱く収穫量が少ないため、流通量自体が少なくジャカルタのカフェでもめったにお目にかかれません。
事例:弊社所在地のブカシ地区はイスラム人口比率が高く比較的保守的な土地柄ですが、大手ディベロッパーによる職住一体型コンセプトの新興開発地区では、豚肉料理や酒屋の看板を大通り沿いにも見かけるようになり、緩やかなイスラム大国と評されるインドネシアの時代の流れを感じます。

世界最大のイスラム教徒人口を有するインドネシアで、ビールを飲みながらバタックの豚肉料理を食べられるというのは、多宗教多民族の人々がお互いを尊重し合うことで初めて成立するわけで、これは世界の紛争や差別問題の解決の姿を先取りしているのではないかとすら思えます。
マンデリン・リントンの魅力とは?甘みとコクが際立つ高級インドネシア産コーヒー
マンデリン・リントンは、インドネシア産の高級コーヒーとして知られています。特に、マンデリン独特の濃厚なボディと香りに、まろやかさと甘みを加えた上品な味わいが特徴です。UCC上島珈琲がこの地域に農園を開き、日本にその美味しさを広めたことでも知られています。多くの分が高級品として輸出されています。

マンデリン・リントンの風味はバランスが取れており、深いコクに加えて少々の甘味と微量の酸味があります。食後のお口直しとして最適なぜいたくなコーヒーです。インドネシアのコーヒーは各地で個性があり、『食後のお口直しならマンデリン・リントン』『油っこい食事の後は酸味強めのトラジャ』『甘いお菓子に合わせるならアチェ・ガヨ』など、状況に応じて飲み分けられるのが魅力です。
風味の傾向
ジャカルタで最も有名なカフェの一つであるGIYANTI COFFEE ROASTERYがあるスラバヤ通りは、ユーミンの1981年5月に発売されたアルバム「水の中のASIA」に収録された「スラバヤ通りの妹へ」の舞台としても知られています。
-
-
インドネシアのコーヒー産地と風味の多様性
インドネシアは世界第3位のコーヒー生産国で、スマトラ島が生産の70%を占めます。インドネシアのコーヒーは90%がロブスタ種で、アラビカ種は10%に過ぎません。インドネシアのコーヒーは産地ごとに異なる風味を持ち、特にアラビカ種は高地で栽…
続きを見る
事例:リントン・マンデリンの中でも、マンデリン系バタック族によって栽培されるブルーバタックは、ジャカルタのGIYANTI COFFEE ROASTERYで楽しむことができます。店内は観光客で賑わっていますが、ブルーバタックはマンデリン特有の強いボディに、しっとりとした甘いフレーバーがあり、思わず自宅用に豆を購入しました。
- 香り ★★★
- 苦み ★★
- 酸み ★
- コク ★★★
- 甘み ★★