インドネシアのビジネス

中小企業の差別化戦略

革新的な自社製品を持たなくても、面倒でコストがかかり誰もやりたがらない仕事を敢えてやるだけで差別化は達成できるわけで、新たな差別化の方法を生み出しながら、環境の変化に合わせて事業戦略を柔軟に適合させていくのがビジネスの基本だと考えます。

逆張りによる差別化の方法

弊社はインドネシアの製造業という絞られた業界にITサービスを提供しているのですが、営業活動はコールセンター経由のテレアポ、ダイレクトメール、セミナーによる集客などのアウトバウンド、そしてこのブログへのお問い合わせというインバウンドの2つです。

近年業界によってはSNSマーケティングが主流となりつつあるようですが、個人のTwitterやFacebook経由でこれまで何度か仕事のお話をいただいたことはあるものの、案件にまでなったことはありません。

SNS全盛とはいえ、ほとんどの業界はいまだ必死に電話するかメール書くかセミナーやるかしているんじゃないのかな。なんかインバウンドだけでOKみたいに思われてたみたいで、首がもげるほど不同意してしまった。

インドネシアは昨年4月頃から1年半以上の間、コロナ禍のためZOOMやTeamsを通した非対面のミーティングが増え、当初は渋滞による移動コストを考慮すると、ビジネスがオンライン中心へ移行することに対して肯定的な意見が多かったと思います。

しかし弊社のケースでは結果的にオンライン中心の商談では仕事が取りにくくなっており、アプリPeduliLindungiによるワクチン接種証明書の提示を条件に、外来客を受け入れる企業が増えている中で、極力直接訪問して対面で話をするよう心掛けています。

いまや時代はオンライン、でも初対面がZOOMとか次に繋がったためしがないんですけど。非対面のまま成約とか違う世界線上にあるのかな。

結局はコロナ禍以前と状況は同じ、渋滞による移動コストを受け入れることにはなるのですが、正しいかどうかは別として、移動コストを嫌う風潮の中では自分の移動はコストと考えないのは、ある意味差別化になるとも言えるわけです。

性能や価格で差別化しにくい業界でも、単純に逆張りすれば、有効かどうかは別として簡単に差別化できるんだよなあ。

他社が在庫リスクを嫌うから敢えて在庫を持つ、利幅が薄い割に工数が多いため敬遠される仕事を敢えてやる、渋滞で時間と体力を消耗しガソリン代やドライバー代がかかるため敬遠される移動を敢えて積極的に受け入れるなどが逆張りによる差別化です。

コスト計算とオフバランス資産【オンライン化が進むほどオフラインでの差別化が可能になる】

渋滞の中現場を訪問する行為はライバルが「渋滞が酷いから訪問は止めよう」と考えることに対する差別化になりうる。金銭的な見返りだけでなく、新しい技術の習得や実績のためなど、満足度や期待値といったオフバランスの資産にどれだけ価値を見出し蓄積できるかどうかが重要。

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ブレないことと柔軟性があることの関係

「軸はブレずにそれでいて柔軟性を持て」というのは、意味が分かるようで分からない言葉で、企業の場合であれば企業理念はブレずに、環境の変化に応じて、ビジネスモデルや事業戦略は柔軟性を持たせるということかと思います。


一言で言えば目標を達成するためなら手段は変化してもよいということなんでしょうが、一個人が脱サラする際には壮大な企業理念ありきというよりも、どのように収益を上げていくかというビジネスモデルがある程度明確になり、食べていける目処がついた時点で小さく起業するパターンがほとんどではないでしょうか?

例えば弊社の場合「現場の努力を会社の競争力に変えることで地域経済の活性化と付加価値化に貢献する。」という企業理念がありますが、それ以前に独立して食べていくためのビジネスモデルがあり、そもそも収益を出して食べていけなければ目標の達成など出来ません。

収益を出すためにいかに売上を上げるかは、革新的な絶対的価値を持つ製品を生み出せる場合は別として、サラリーマン時代に培ったコネがあるとか、業界内で基盤のしっかりした企業とコラボするとかが多いですが、面倒だったり難易度が高かったりするため誰も手を出さない分野を得意分野とすることで、相対的価値を生み出すという戦略もありえるわけです。

インドネシアではワクチン接種率が進んだこと(2021年10月現在1回以上接種35.3%、2回以上接種20.5%)で1日の死者数も新規陽性者数も激減している中で、1年半に及ぶ活動制限下でのオンライン中心としたビジネスから、どの程度までコロナ禍以前まで戻すかという調整期間に入っています。

インドネシアには弊社も含めて6,400万件の中小零細業者UMKM(Usaha Mikro Kecil dan Menengah)が存在すると言われており、コロナ禍下で飲食業やサービス業を中心に事業閉鎖の話を聞くたびに気が重くなる日々ですが、暇な時間が増え将来の先行きに不安を感じながらも、規模は小さくともブレてはいけない理念や戦略を再確認する機会になりました。

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