原価管理と予算管理のシステム比較と実践知識

2014/12/07

原価管理と予算管理のシステム比較を構造化した図解

標準原価では、製品生産予定とBOMから予定生産数量を計算します。そして、予定生産数量と標準原価作業能率マスタから予定直接作業時間を算出します。さらに、製造間接費予算と予定生産数量から配賦率を求め、直接労務費予算と予定直接作業時間から賃率を計算します。

インドネシアの原価管理における標準原価・実際原価と勘定の流れを構造化した図解

インドネシアの原価管理システム

インドネシアのマスプロダクション型工場では総合原価計算を採用。個別受注生産工場では個別原価計算を採用。IoTを用いた実績データで配賦ルールを設定。

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この記事でわかること

  • 標準原価は製品生産予定とBOMから予定生産数量を計算します。
  • 予算原価は直接材料費、直接労務費、製造間接費に分けて計算します。
  • 会計システムでは部門単位で予算を設定し、P/LやB/Sと比較します。
  • インドネシアでは人件費が安く、機械の減価償却費が大きなコストです。
  • プロジェクトの原価管理では資材、外注、その他の3グループで調整します。

原価管理システムの予算原価(品目単位)

予算とは、あらかじめ計算するという意味で、売上と費用の予定見積もり金額を算出し、利益を予測します。経理の仕事で重要な作業が決算と予算であり、決算は会社が1年間の営業活動を終えた後に行い、予算策定は会社が1年間の営業活動を始める前に行います。

実際原価とは実際製品製造原価であり、標準原価とは標準製品製造原価、予算原価とは予算製品製造原価です。製品製造原価は直接材料費、直接労務費、製造間接費にグループ分けされ、総平均単価と配賦費用の積上げ方式で計算するか、三分法で機能的に計算します。

原価管理システムでは、直接材料費は計算された総平均単価を投入実績に掛けて算出します。直接労務費は製造部門直下に配賦され、製造間接費は間接部門から直接部門に一次配賦され、以上の集計結果が製品(仕掛品)に按分されます。標準原価と実際原価の差異については、直接材料費は価格差異と数量差異、直接労務費は賃率差異と作業時間差異に分解し、原価差異分析を行います。

価格差異

標準原価計算用のマスタ値(標準購入単価・賃率・能率・配賦率)を予算原価計算用の引数に置き換えることで、予定直接材料費と予定直接労務費が算出されます。

  • 標準購入単価⇒予定購入単価(購入予定テーブル)←マスタ値
  • 標準使用数量⇒予定投入数量(投入予定テーブル)←自動計算

予定投入数量(投入予定テーブル)は予定生産数量(生産予定テーブル)とBOMから自動計算されます。

  • 標準賃率(1分あたりいくら)⇒予定賃率(予定配賦費用・配賦率テーブル)
  • 標準能率(1個あたり何分)⇒予定能率(予定直接作業時間テーブル)

実際原価計算用の生産実績の引数を予算原価用の引数に置き換えることで予算原価計算を行います。

  • 生産実績⇒予定生産数量(生産予定テーブル)

さらに売上予定数量を売上予定テーブルにセットし、売上予算を算出することで売上総利益を予測できます。原価管理システムにて、予算売上と予算製品製造原価を算出し、実績(実際原価計算結果)との予実管理を行います。

  • 売上実績⇒予定売上数量(売上予定テーブル)

会計システムの予算管理(部門単位・勘定科目単位)

会計システムと原価管理システムのマスタデータにおける大きな違いは、品目マスタの有無です。会計システムには品目マスタがないため、元帳(G/L)から取引を品目単位に集計するには品目情報が必要です。これが会計システムの予算管理と原価管理システムの予算管理の違いに現れます。

原価管理システムでは、品目単位の予算原価計算機能がありますが、会計システムの予算管理は部門ごとの予算を損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)の項目単位に設定します。これにより、会社全体の予算が自動集計され、決算後のP/L・B/Sの数字と比較する予実管理機能を持ちます。

部門単位で予実管理を行うためには、決算後に会計システムのG/LデータのP/L・B/S項目を部門単位に集計できるよう、部門の設定が必要です。

会計システムの予算管理

日本では企業にとって最大の経費は人件費であることが多いですが、インドネシアでは人件費が安いため、機械の減価償却費が最大のコストであったり、材料が原価の大半を占めるケースもあります。

プロジェクトの予算管理

長期間に渡るプロジェクトでは、資材費や外注費、その他経費は仕掛品勘定または建設仮勘定に振替えられ、「売上の立たない資産」として管理されます。プロジェクトの見積もり作成時点でこれらの原価見積もりが存在しますが、インドネシアではインフレや予測不可能な追加コストにより、当初の見積もり原価を超過することが多いです。

そのため、原価項目を資材、外注、その他の3グループに分け、全体で帳尻を合わせることで当初の見積もり利益を守ります。見積もり原価は受注登録時に確定しているため、プロジェクトコスト管理機能(Job Costing)を用いて、プロジェクト単位で見積もり原価を登録し、工期中に発生する資材購入やサブコンのサービスのための発注書(P/O)発行を通じて原価の予実管理を行います。

よくある質問|原価管理と予算管理の基礎

本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。

標準原価と実際原価の違いは何ですか?

標準原価とは標準製品製造原価を指し、予定された条件下での製造原価を示します。一方、実際原価は実際に発生した製品製造原価です。これらの差異を分析することで、原価管理の精度を高めることができます。

原価管理システムと会計システムの違いは何ですか?

原価管理システムは品目単位での予算原価計算機能を持ち、製品製造原価を詳細に管理します。一方、会計システムは部門単位での予算管理を行い、損益計算書や貸借対照表の項目単位で予実管理を行います。

プロジェクトの予算管理で注意すべき点は何ですか?

プロジェクトの予算管理では、資材費や外注費を仕掛品勘定として管理し、見積もり原価を超過しないようにすることが重要です。インフレや予測不可能な追加コストに備え、原価項目をグループ分けして全体で帳尻を合わせることが求められます。