マルチ商法と情報商材ビジネス

本記事のポイント

ネットワークビジネスが違法とみなされる可能性があるのは、一般論で評価した場合に、売っている商材の価値が不当に高い、営業トークが実態と乖離している、始めるときに不当な会員費を取られるなどです。

オフラインのマルチ商法による被害金額は大きいですが、連鎖のスピードは遅く、被害の範囲は親族や友人などの関係者に限定されます。

一方でオンラインの情報商材が連鎖性を持つ場合、個々の被害金額は小さいですが、インターネット上に生産性のない情報商材サイトのクローンが氾濫することによる社会全体の経済的損失は計り知れません。

ネット上に氾濫する情報商材ビジネス

現在ではネット上でいろんな形の情報商材を販売するサイトが氾濫していますが、架空の成功体験やフォトショップで加工した口座残高を掲載するなど、金儲けのためには手段を選ばないものが多く、実際に生産性のある情報商材を販売するサイトの割合ってホント低いんじゃないかと思うわけです。

人間基本は怠け者であり、誰しも「楽して儲ける」という発想に飛びつき易いので、そこにうまく付け込んだ情報商材販売業者がネズミ講並にどんどんクローンを増やすので、ネット上に架空の儲け話が氾濫している状況です。

ネット上の商材ビジネスでは一般消費者よりもむしろ「楽して儲けたい」人のほうがカモにされやすい。ある意味「B to C」というより「ビジネスを始めたい消費者」という意味では「B to B」に近いと思います。

布団販売マルチ商法集団の巣窟でバイトした思い出

話がそれますが、僕は学生時代に新宿南口の某喫茶店チェーンでバイトしておりまして、ここがマルチ商法集団とヤ○ザのたまり場という、学生の社会経験の場としては少し刺激が強すぎる環境でした。

夕方になると頭の良さそうなマルチの元締め1人と幹部数人が来て、夜7時くらいになるとキレイな美人局のオネーサンがそぞろやってきて、店内は非常にキャラの濃い客で一杯になります。

ここに真面目そうな会社員が一人でおづおづ入ってくるものだから、毎日見ていればカモが来たことは自動ドアが開いた瞬間に判ります。

彼らの商材はマルチ商法の王道である健康布団。今はさすがに布団じゃあダマされないかもしれませんが、マルチの特徴は対象顧客に「一緒に儲けよう」と仕向けるところで、そのためには気分を盛り上げるための環境が非常に重要。

それはもうTKファミリー並みの(古い)アットホームな楽しいサークル的雰囲気を放ちまくってます。

特に女の子に免疫のない人だったらいろんな妄想を膨らませた挙句簡単に落ちると思われ、気づいたときにはTKファミリー参加会員費として布団を家族分買わされたり、関係ない浄水器を自宅に設置させられたりします。

そして頭冷やして自分を振り返る心の余裕が出来た頃には「自分も楽しい時間を過ごしたから」とか無理やり納得させたり「自分も友人を勧誘したから同じ」とかいう罪悪感から泣き寝入り、結局儲かるのは先の元締めと幹部だけなんでしょうね。

ネットワークビジネスの合法と違法の境目

ただ「一緒に儲けよう」という連鎖販売性自体はそれが違法なのかどうかグレーな部分があり、これを杓子定規に違法だと決めつけたらコミッションビジネスとかネットワークビジネスすら成立しなくなる危険があり、これはインターネット市場の発展の大きな阻害要因となりうるし、そもそも時代に合わないでしょう。

違法とみなされる可能性が高いものの特徴として

  1. 売っている商材の価値が不当に高い。
  2. 営業トークが実態と乖離している
  3. 始めるときに不当な会員費を取られる

などが挙げられますが、これらも個人の主観では何とでも判断できるので、あくまでも「一般論で評価した場合」という条件がつきます。

じゃあ「一般論ってどんな基準なの?」と問われれば、それはもう「大人の判断」としか答えようがありません。

結局のところ商材ビジネスもマルチ商法も「適度な範囲内で」は見逃してあげるという、Relevant range(適合範囲)があるということ。

オフラインとオンラインの連鎖スピードの差

それでは被害者という視点から見ると、布団販売のマルチ商法の場合は商材や入会費の金額の支払いのために親族にまで迷惑がかかるケースがあり、下手すると自己破産の危険はあるとはいえ、オフラインでの関係で拡散されるため連鎖のスピードは遅く、被害の範囲は関係者限定で比較的狭くなります。

一方ネット上の情報商材を買わされた場合、金額はまあ自己責任の範囲で尻拭いできるケースがほとんどなので一見社会的な影響は小さそうですが、それが連鎖性を持つ商材である場合にはオンライン上で時間も場所も選ばず被害が拡大し、しかも優秀なネズミの子供が生まれると倍々速で孫ネズミを増殖させます。

そうなるとインターネット上に生産性のない情報が氾濫し、無関係な人々の経済活動に影響を及ぼします。日本のネット人口7000万人全員の情報検索スピードが0.1秒でも落ちた場合の経済損失の額はネズミ講の被害額どころではないと推測されます。

マルチ商法まがいの情報商材は、買った本人が知らない間に加害者になってしまう危険があり、しかもその社会的悪影響をどうしても過小評価してしまいがちです。