「現地に根を下ろしたビジネス」ができているかどうかは、インドネシアの風習や商習慣の中で、さまざまな場面で登場するインドネシア人と、国籍や職業にとらわれず、一人の人間として関わり合いを持てるかどうかで判断されます。自分自身の振る舞いが重要な要素となります。
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インドネシアのビジネス事情まとめ|進出・継続・IT・市場戦略
現地適合(品質×価格)が本国ブランドの優位より効きやすい。無印良品は2021年5月末にインドネシア全店舗を閉鎖し、低価格帯で模倣品に近い商品構成の中国系小売が多店舗展開した局面がある。かつては日本人が資本とアイデアを提供し、インドネシ…
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この記事でわかること
- インドネシアでのビジネス成功は、現地の風習や商習慣を理解し、一人の人間として関係を築くことが重要です。
- 独立起業は困難が伴いますが、自分自身の成長と成功の可能性を信じることが大切です。
- 現地に根を下ろすビジネスとは、具体的な行動よりも、現地の人々との関係性の中で自分自身の振る舞いが問われます。
- 感情の変動は理屈で制御でき、ポジティブな考え方がビジネスの成功に繋がります。
- インドネシアでの運転や日常生活を通じて、現地の人々と対等な立場で関わることが求められます。
独立起業の苦労と勇気:現地で再確認したビジネスマインドの本質
オフィス近くの中華系インドネシア人の御姐さんがオーナーのBakso屋で食事をしたときのことです。この店には何度も訪れており、私が外国人であることもバレているようです。レバラン休み明けで客が私一人だったこともあり、御姐さんから話しかけられました。
「いつ日本からインドネシアに来たのか?」「きっかけは何だったのか?」「何の仕事をしているのか?」など、次々と質問されました。私は「最初は会社勤めをしていたが、独立してITの仕事をしている」と答えると、マナド出身でブカシに15年住んでいるという御姐さんは「それはいい、あなたは勇気がある人だ、素晴らしい」と褒めてくれました。普段あまり褒められることがないので、少し心地悪く感じつつも、本音を漏らしてしまいました。
すると御姐さんは一呼吸置いて、私を諭し始めました。
御姐さんがBakso屋を始める前の生い立ちは聞けませんでしたが、私がインドネシアに来た頃は『屋台引き』から始めて成功した中華系インドネシア人と出会う機会が多かったと記憶しています。
御姐さんは私より年下だと思いますが、「間違っている」と否定され、「大成功するかも」と激励されてすがすがしい思いになりました。よく考えると、これは私がインドネシアに来る前に考えていたことそのものを再確認しただけでした。
新卒として日本で仕事をしていた頃から、自分で創り出した仕事で食べていけるようになりたいというのは根源的欲求で、社会人経験を積む中で『こうやったらきっとうまくいくだろう』という考えが確立され、それをIT会社という形でテストしている状況です。その瞬間では悩みや苦労を感じていても、大きな文脈の中では苦労を苦労と思ったことはないように記憶しています。
インドネシア国内の四輪販売低迷の影響で、売上が上がらず気分が低迷気味でしたが、考え方次第で気分はいかようにでも変えられることに気づきました。感情の振れは理屈でねじ伏せることが出来るのです。
事例:インドネシアでの独立起業を通じて、現地の人々との交流から得た励ましと再確認した自身のビジネスマインド。
要点:どんなに小さくても自分で始めたビジネスは、自分自身が成長させることで大きな成功を収める可能性があります。
「現地に根を下ろすビジネス」とは何か?その漠然とした疑問
仕事も生活もジャカルタから西ブカシ(Bekasi Barat)のスマレコン(Summarecon)に移してから半年が経ちました。個人的にはこの「スマレコン」という響きが気に入っています。
もともと西ブカシにオフィスと住居を借りた理由は、仕事上お付き合いしているCibitung、Cikarang、Karawang方面の工業団地のお客さんに「ジャカルタに比べてブカシは工業団地まで近いですから、何かあったらすぐに飛んできますよ」とフットワークの軽さをアピールしたかったからです。
しかし、Jl. Tol Jakarta-CikampekでのLRT(Light Rail Transit 軽量軌道交通)とTol二階建て(elevated toll road)工事の影響で、工業団地方面への移動が楽になるわけでもなく、ジャカルタのアパート住まいの時とさほど変わらず、毎日4~6時間は車の運転で消耗しています。
渋滞ポイントは工事の進捗に伴い東へ少しずつ移動していきます。
ともかく西ブカシにオフィスを置いたことで、お客さんからは「現地に根を下ろしたビジネスをされているんですね」と言われるようになりました。
しかし、その言葉をいただいても、「現地に根を下ろしたビジネス」とは何か、そもそも「現地に根を下ろす」とはどういうことなのか、漠然としたもやもや感が残ります。
事例:「現地に根を下ろす」という言葉は、インドネシア人を雇用する、インドネシアの原材料を使う、日常的にインドネシア料理を食べるなど、具体的な事例を持って説明することが難しいのです。
自分の内面と向き合う「現地に根を下ろすビジネス」の本質
スタートアップの初期段階では、営業・技術・経理・購買などを一人でこなす力が求められます。大きな組織の一員として働いていた時には対面で話す機会のなかった現地の人々と、現地の慣習の中で話をしたり交渉したりする場面が頻繁に出てきます。
例えば、ジャカルタ近郊の工業団地にある日系企業に営業に行くには車が必要ですが、運転技術が高く会社に対してロイヤリティの高いインドネシア人ドライバーを見つけるのは難しいです。結果として、自分で運転することになります。
インドネシアで車を運転することは、インドネシア人ドライバーと対等の立場になることを意味します。ウィンカーを使わずに急ハンドルで割り込み、あおり運転をするドライバーを後部座席から眺める立場から、今度はそれをやられる立場になるのです。
工業団地の客先に到着すると、セキュリティから「Dari mana?(おまえ誰?)」「Mau ketemu siapa?(誰に会いに来た?)」「Sudah ada janji?(アポ取ってるのか?)」といった質問を受けます。これはセキュリティが車のドライバーに対して階級意識を持っているからです。
- ハンドルを握っている人間=サプライヤーのドライバー=自分より身分の低い人間
私自身、日本人としてインドネシア人からちやほやされることに慣れているため、渋滞の道路で強引な割り込みをされたりすると、心の奥に隠していた「優越感」や「階級意識」が表に出てきます。
- 人間はプライドを傷つけられたときに本性が出る。
「現地に根を下ろしたビジネス」が出来ているかどうかは、ビジネスの方法論ではなく、現地でビジネスをする私自身の振る舞いによって判定されるものです。
- インドネシアの風習や商習慣の中で、国籍や職業のバイアスを受けず、一人の人間として関わり合いを持てるかということ
これは自然に身につくものではなく、意識しないと出来ない振る舞いです。そのとき私が戦うべき相手は未熟な自分自身の心であり、まさしく敵は自分の中にいるのです。
事例:ある日、現地の商談で相手の文化を理解せずに自分のやり方を押し通そうとした結果、交渉が難航しました。この経験から、相手の文化を尊重することの重要性を学びました。
要点:異文化の中で成功するためには、相手の文化や習慣を理解し、尊重する姿勢が不可欠です。