インドネシアでサービスを展開する海外EC事業者は、支払いがアメリカのサーバーを通してアメリカ法人になされるため、インドネシアで付加価値税(PPN)を支払っていないと指摘されています。インドネシア国内で売上を計上する以上、その会社は恒久的法人(BUT=Bentuk Usaha Tetap)であり、課税事業主(PKP)として納税の義務が発生することになります。
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インドネシアで働く・ビジネスする人のための税金の知識|会計・システム・実務対応まで
PPNは末端消費者が実質負担し、名目12%改定後も通常取引は実質11%相当の計算がある。個人所得税PPh21は超過累進で、NET契約ではグロスアップ方式が使われることが多い。源泉は総合課税(PPh23等)と分離課税(PPh4-2等)に…
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この記事でわかること
- インドネシアでは、年間売上高が48億ルピア以上の企業はPKP登録が義務付けられています。
- 日本の消費税とインドネシアの付加価値税(PPN)は、最終消費者が11%を負担する点で共通しています。
- インドネシアは60か国以上と租税協定を締結しており、居住者証明書を提出することで免税または減免を受けることができます。
- 2020年10月1日から、28の海外デジタルサービス会社が強制徴収事業者WAPUに指定され、付加価値税の納税義務が発生しました。
- インドネシアでは、重要な経済的存在の基準を満たすEC事業者にはETT(Electronic Transaction Tax)が課税されます。
日本の消費税とインドネシア付加価値税(PPN)の違いと共通点
日本の消費税は消費者が負担し、店側に徴収と納税義務があります。一方、インドネシアの付加価値税(PPN)はサプライチェーン上の企業が徴収と納税義務を持ちますが、最終消費者が11%を負担する点では共通しています。
事例:駄菓子屋は卸問屋から仕入れる際に消費税11%を支払いますが、年間売上高が1,000万円未満なら納税せずに売上として計上できます。これにより、消費税分を懐に入れても法律上問題はありません。
要点:日本では小規模事業者が消費税を納税せずに済む場合があります。
インドネシアでは、税務伝票Faktur Pajakを発行し、付加価値税PPNを納める企業をPKPと呼び、年間売上高が48億ルピア以上の企業はPKP登録が義務付けられています。
事例:弊社はPKP登録を避けるために売上を分散させていますが、顧客である日系製造業がPKP企業としか取引しないため、登録が必要です。
要点:インドネシアでは、顧客の方針によりPKP登録が必要な場合があります。
また、鉱物資源や基本必需品、医療、金融、教育などのサービスは付加価値税が課税されません。
インドネシアにおける海外EC事業者と付加価値税PPNの課税根拠
付加価値税(PPN)はインドネシアで納税すべきという見解
インドネシア国内利用者から契約料を稼ぐNetflixやZOOMなどの海外EC事業者は、自国で法人所得税を納税している可能性が高く、租税協定の観点からインドネシア側に現地法人がない場合にはPPhを納税させるのは難しいかもしれません。これはFacebookやTwitterなどの広告決済でも同様で、オンラインのクレジットカード決済がアメリカのサーバーを通して行われると、インドネシア側での売上計上が把握しにくいという問題があります。
事例:租税協定は所得税の二重課税の回避、国際的な脱税の防止を目的に国家間で締結され、インドネシアは世界60か国以上と租税協定を締結しています。居住者証明書(DGT)を税務署に提出することで、インドネシア側で免税または減免を受けることができます。
要点:租税協定により、インドネシアでの所得税課税が回避される場合があります。
しかしB2Cビジネスにおいて、最終消費者への売上時に発生するPPN(付加価値税)は、日本の消費税と同様の意味を持ち、動画ストリーミング契約料金の11%をインドネシア国税に納税すべきという理屈が成立します。また、租税協定の適用で所得税を課せない場合でも、重要な経済的存在の基準を満たすEC事業者にはETT(Electronic Transaction Tax)が課税されます。
- Peredaran bruto konsolidasi grup usaha sampai dengan jumlah tertentu. (一定金額以上の連結売上を計上する場合)
- Penjualan di Indonesia sampai dengan jumlah tertentu. (一定金額以上のインドネシア国内での売上がある場合)
- Pengguna aktif media digital di Indonesia sampai dengan jumlah tertentu. (一定数以上のインドネシア国内での契約者数を持つ場合)
DPR(国民評議間)に提出された「税オムニバス(法草案PERPPU-1)」では、PE扱いできない海外EC事業者でも「重要な経済的存在」であればETTを課税するとされ、政令Nomor 48 /PMK.03/2020では「重要な経済的所在」もPE認定し、インドネシア国内の代理人を付加価値税徴収者(Pemungut PPN)としてPPNを徴収するとされました。
海外EC事業者が付加価値税PPNを払わないことの問題
インドネシア国内に現地法人を持たず、海外のサーバーを通してインドネシア居住者から電子商取引で売上を上げる海外企業に対する付加価値税(PPN)と所得税(PPh)をいかに課税するかは以前から問題になっていました。インドネシア国内で事業を行う場所を表す概念であるPE(恒久的施設)は、法人または個人事業主として所在地証明書を登録している場所であり、営業許可書または事業基本番号に紐づく納税者登録番号を元に納税しますが、NPWPを持っていない海外企業に対してどのように課税するかという問題です。
インドネシア国内に現地法人はないが、国内売上が大きいNetflixやAmazonなど海外のEC会社もPEとして扱われ、インドネシア国内の代理人を通してPPNを支払う義務があり、財務大臣の指定を受けた国外の販売者、国外のサービス提供者、国外の電子システムを通じた取引の運営者は、契約者から支払われた11%分の管理、税務署への納付および申告のために、インドネシア国内の代理人を付加価値税徴収者として任命することができます。
当時のジャカルタ特別州知事アホック氏が、同じようにインドネシアへの納税がされていなかったUberやFacebookに対して「インドネシアで売上を上げるんだったら現地法人を作れ」と「税金泥棒」呼ばわりしましたが、現地法人がなくてもPE扱いされ、インドネシア国内の代理人を通じて納税がされなければ、国内通信からブロックされることになります。
海外EC事業者に対する課税方法
海外のデジタルサービス会社28社(Facebook、Twitter、ZOOM、Shopeeなど)が強制徴収事業者WAPUに指定され、付加価値税の納税義務が発生し、あわせて海外からオンラインマーケットプレイスを通じて、インドネシアに物やサービスを販売する事業者の付加価値税も、オンラインマーケットプレイス側がVAT徴収役として国税に直接納税することになりました。
Shopeeを通して商品を販売する海外事業主に対して、Shopeeが付加価値税11%の徴収者となり、Shopeeが国税DJPに納税します。28の海外デジタルサービス会社(Amazon, Facebookなど)が課税事業者WAPUに指定されています。
VAT徴収役に指定されているのは、政府機関や国有企業BUMNなどであり、例えば弊社のような課税事業者PKPが政府機関に対して売上を上げる際のInvoiceには、付加価値税を乗せず政府機関側が国税に直接納税します。
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