インドネシアに猫が多いのはイスラム教と関係あるのか?

2019/06/04

猫

インドネシアではイスラム教の開祖であるムハンマドが猫好きだったことから猫が多いと言われますが、実際には単に野良猫が勝手に増えているだけと言われました。一方で犬は不浄な動物なので唾液がついた身体は、土をこすり付けることで洗浄するようです。

インドネシアに猫が多いのはイスラム教は無関係?

日本人が猫を好きな理由は「かわいいから」と言われてしまえばそれまでなんですが、そもそもインドネシアには野良猫が多い。

ジャカルタに住んでいたときもアパートやコンビニ周辺も猫だらけだったし、現在の西ブカシの自宅周辺にもたくさんの猫が住んでおり、縄張りの関係で玄関前の椅子で寝るのはいつも決まった猫です。

自宅前に勝手に住み着いている猫です。

自宅前に勝手に住み着いている猫です。

インドネシアのようなイスラム教徒の多い国ではイスラム教の開祖であるムハンマド(中学の歴史の授業ではマホメットと習った記憶が・・・)が猫大好きだったことから猫が多いと言われますが、さっきブカシ在住のジルバブ女子に聞いたところそんなの関係ない、蚊と同じく知らないところで勝手に増えているだけ、とあっさり否定されました。違うのかよ。

確かに屋外のカフェやワルンで、野良猫が食べ物をねだって椅子に這い上がってこようものなら、猫の習性としてネズミとかゴキブリなどを捕まえるのが好きなことを知っているジルバブ女子達は、悲鳴を上げて全力で追っ払っていることのほうが多く、ニャーというかわいい声にほだされて、よしよしと頭を撫でてあげるのは日本人くらいのような気がします。

それにしても日本人は本当に猫好きが多く、自分の場合ジャカルタ在住日本人が多く集まるコミュニティで猫のことを悪く言おうものなら極悪人扱いされるんじゃなかろうかという不安があるので、極力猫の話題には触れないようにしています。

朝出かけるときコイツをどかすのに苦労します。

朝出かけるときコイツをどかすのに苦労します。

自分は猫が特段好きでも嫌いでもありませんが、ジャカルタから西ブカシの一軒家に引っ越してから、野良猫が家の中に入って来たがるのを拒むこともなく、好き勝手に出入りを許可していたら、家中足跡だらけになりソファの上でおしっこされたのを最後に完全室内立ち入り禁止にしました。

毎朝出かけるときに車の上で寝ている猫をどかそうすればニャーニャー抵抗するし、扉を開けた隙間に無理やり頭を突っ込んで侵入しようとするのを遮れば逆ギレして引っ掻くし、丸くなって寝ている頭を撫でてあげようとすれば噛み付いてくるし、1年間毎日野良猫とコントを演じているような感じですが全く懐いていません。

日本ではペットとして飼われている猫の数が犬の数を上回っているようですが、かわいいとか癒されるとかいう理由だけで、何で世の中にこんなに多くの猫好きがいるのか、両足のスネが猫の引っ掻き傷だらけの自分としては、正直さっぱり理解できません。

犬の唾液はイスラムにとって不浄?

一方でジャカルタで野良犬を見かけるのは非常に稀なのは、イスラム教で犬のよだれが不浄なものだと考えられていることと無関係ではなく、以前ヒンドゥ教が主流のバリ島に住んでいたとき、ジャカルタから嫁はんのイスラム教徒の友人が遊びに来て、うちの犬達に舐められまくってパニックになり、慌てて庭に下りて土をかき集めはじめたことがあります。

毎日犬達と遊んでいました。

毎日犬達と遊んでいました。

当時イスラム教の詳しいことはよく知りませんでしたが、イスラム教徒にとって不浄な犬の唾液がついた身体は、土をこすり付けることで洗浄するということをそのとき初めて知りました。

バリ島とは違ってジャカルタで野良犬をほとんど見ないのは、明らかにイスラム教の影響がありますが、最近はジャカルタの中心部でもゴールデンレトリバーやサモエドなどの大型犬を散歩させる世話係のお兄さんの姿を見かけますので、中国の都心部のように金持ちのステータスとして高級な大型犬を飼うのが、ジャカルタでも普通になっているのかもしれません。

自分は完全に犬派なんですが、唯一猫がいることのありがたみを感じるのは、屋根に上ってネズミを駆逐してくれること。バリ島の家でも犬達はネズミを追いかけてくれましたが、如何せん犬は高いところに上れないので屋根裏で活動するネズミに対してはどうしようもありません。

当時は嫌な異臭がするたびに、自分が屋根裏に登ってネズミの死骸を掃除するという気が重くなる仕事がありましたが、ありがたいことに今の家ではネズミの姿をほとんど見かけることはありません。

※2024年にイスラム色の強い北ブカシに引っ越してから気づいたのですが、毎朝のように猫への『餌やりおばさん/おじさん』が出現し、野良猫達が仲良くキャットフードを食べている光景に出くわします。宗教的な善行の一環なのか、単に腹を空かせた野良猫への同情心なのかは分かりませんが、イスラム教徒は猫好きという理論の裏付けにはなるかもしれません。