インドネシアの場合、ビットコインは決済手段と注目されているというより、アルトコインと交換しながらビットコインで利益確定するための金融商品として意味合いが強いと思います。 インドネシア市場でのビジネスで重要な要素は価格とブランド、コネの3つと言われますが、必ずしもこれらを持ち合わせない日本人はどのように戦えばよいのか。これはインドネシアに関わり合いを持って仕事をする人にとっての共通の問題意識かと思います。 続きを見る
インドネシアのビジネス
中国政府がICO禁止措置というニュースの衝撃
昨日、中国でICO(Initial Coin Offering 新規仮想通貨公開)禁止という衝撃のニュースがTwitterやFacebookなどSNS界隈で賑わっています。
企業が株式市場を通さずにトークン(自社発行のビットコインのような暗号通貨)を発行して投資家から主にイーサリアム(ビットコイン以外の仮想通貨であるアルトコインの一つで、その他有名どころにリップルXRPがある)を集める融資活動ですが、よっぽど信頼できる会社が発行するトークンだとしても、かなりのハイリスクであることは間違いありません。
集めるだけ集めて何の商品も開発せずトークンの使い道がなくなったり、本来の自由な資金調達を可能にするというメリットを打ち消すほどの、投機バブルというデメリットを引き起こすなど、あの中国共産党をもってして「金融詐欺、ネズミ講」と言わせるくらいのものですから、中国人の商魂がどれだけ凄いかが判ります。
インドネシアでの暗号通貨(仮想通貨)の使い方
インドネシアの場合、ビットコインは決済手段と注目されているというより、アルトコインと交換しながらビットコインで利益確定するための金融商品として意味合いが強いと思います。
よく「インドネシアの暗号通貨市場が熱い」という日本の記事を見かけますが、体感として一般の人々の間でのビットコインへの関心がそれほど高いとは思えず、2017年9月現在まで有名どころのTokopediaやlazadaなどの主要オンラインモールでビットコイン決済に対応しているショップは見つかりませんでした。
オフラインの実店舗はどうかといえば、DIRECTORY BITCOINで「カフェ・レストラン」というくくりで見ると現在登録されているのは24件のみです。
取引所ごとのビットコインの販売価格差
自分の場合、日本の大手取引所CoincheckとインドネシアのBitcoin.co.idに口座を持っていますが、円換算するとBitcoin.co.idのほうが割高になります。

9月9日9:50時点でのBitcoin.co.idのBTCのルピア建て販売価格
ちょうど今現在のCoincheckの販売価格は1BTC=462,937円で、Bitcoin.co.idが1BTC=Rp.57,929,000ですから、ヤフーファイナンスのレート1円=121.972928で換算しても、1万円以上の差があります。
ということは日本で購入したビットコインを使ってインドネシアのショップで決済すればお得な感じもしますが、インドネシアでビットコイン決済可能なオンライン・オフラインショップは現在のところ非常に少なく、あっても商品価格が相対的に日本より割高に設定されているハイクラスのカフェやショップのみです。
決済でメリットがなければ金融取引としてはどうかと言えば、為替手数料(exchange fee)や送金費用(remittance expense)、為替リスク(foreign exchange risk)を考慮すると、このスプレッド(spread)を利用してbitcoin.co.idなどのインドネシアの取引所でBTCを売却する際にどれだけ優位に働くかは微妙なところです。
追記
そもそも2017年9月現在インドネシア政府がビットコイン決済を禁止しているようで、インドネシア国内でビットコイン決済可を表明しているショップやカフェでも、ビットコインからルピアに換算して行われ、会計帳簿上も機能通貨としてのルピア取引として記帳されていると思われます。