バリ島会社設立・解散日記

2011/03/19

バリ島の家

インドネシアでローカル会社(国内資本投資会社=PMDN)を設立する場合、二名のインドネシア人役員が必要ですが、バリ島の場合はそのうちの一人がバリ人である必要がある必要があります。

日本で有限会社がなくなり1円から実質オーナー会社としての株式会社が設立可能になったのと同じように、インドネシアでもローカルCV(Commanditaire Vennootschap)がなくなりローカルPT(Perseroan Terbatas)のみ設立可能になりました。

※2001年から2007年まで運営していた会社に関する記事ですので、現在とは大分状況が異なることにご留意ください。

カキリマ

インドネシアの生活

ネットで何でも情報は収集できる時代ですが、他人からの情報は基本的に点でしかなく、点と点を繋げることは自分の頭の中でしかできません。また新しいアイデアを生み出したり複雑なことを考えるためには、過去の経験に基づく知識が頭に記憶されている必要があります。

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インターネット環境の準備

インドネシアで外国人が長期滞在するためには現地の法人のスポンサーが必要であり、スポンサーが見つからなければ自分で作るしかありません。

CV. DARIBALI NUSANTARAはうちの嫁はんを社長としたインドネシア資本有限会社(CV)であり、これがコスト的に最も割安な会社形態です。

2003年当時はインドネシアでもインターネットが急速に普及し始めた成長期にあり、『Web Based Business』を標榜してビジネスを始めようとする以上、会社の窓口であるウェブサイトは日本のお客様と仕事をしていく上での生命線であり、実際にほとんどの仕事はウェブサイトを通じていただいたものです。

先日「頻繁にダウンすることで有名なホスティング会社」などと書いてしまいましたが、インドサイトには昔の勤め先の会社のサイトや個人のサイトなどを通じて、かれこれ7年ほどお世話になっております。

ダウンしてもメールでクレームを送ればシカトされることもなく、早いときは即日、遅いときは1週間以内に対応してくれるという、未だに評価の難しい会社です。

残念ながら日本と違ってインドネシアにはホスティング専門会社はほとんどなく、腐ってもインドサイトは老舗の安心感というのはあります。

  • Basic Linux 500MB Rp. 1,100,000/年(税金10%込み)
  • Domain "daribali.com" Rp. 88,000/年(税金10%込み)

要はこのサイトを運営する固定費は年間Rp. 1,188,000であり、500MBというスペースを考えると日本で借りるよりも多少安いかもしれません。

最近はバリ島内にもホスティングサービス会社が出来ていますが、インドネシア国内回線事情を考慮に入れると日本からのアクセスを前提としたサイトの場合、やはりジャワ島の大都市のサーバーを利用したほうが気休め程度安心できるかもしれません。

  • Indosite(Web Hosting Provider)
    Graha Pratama BLD 6th, Jl, M.T. Haryono Kav. 15 Jakarta 12810
    Tel : 021-83793839
    Fax : 021-83793840

会社のウェブサイト開設にあたりインターネット環境を一新しました。そう、あのぼったくりで悪名高いTelkom Flexiでのダイアルアップ接続をやめて、Globalxtremというプロバイダーに加入しました。自宅の避雷針に取り付けたアンテナからルーターを経由してUTPケーブルでPCに繋ぎます。

(今回加入したサービスのスペック)

  • Set up Fee Rp. @Rp. 2,500,000
  • 接続スピード 32Kbps
  • Basic 100 hours Rp. 480,000/月
  • Overtime Rp. 6,420/時間
  • Max 2.5GB/月 add Rp.250/時間

要約すると「初期費用2.5jutaで月々48万ルピアの固定料金だが、月100時間越えたら一時間ごとに6,420ルピア追加料金かかりますよ、また月データ転送量が2.5ギガ超えたら1Mごとに250ルピア追加しますよ」というものです。

接続スピードは32Kbpsとダイアルアップと変わりませんが、Flexiよりも体感速度は速いです。何と言ってもFlexiには毎月月初の支払いで泣かされてきました(今月1.7juta先月2.2juta)ので、ネット接続中の精神的負担が革命的に軽くなりました。

なにせここ最近の嫁はんとの喧嘩の原因はネットばかりで「お前使いすぎじゃ~、いくら請求されるかわからんだろうが~」みたいな痴話喧嘩が絶えませんでした。

バリ島会社設立

天井の穴から屋根裏に上がります。私も屋根裏は大好きで思わずついていきたくなります。

バリ島会社解散

瓦を2個ほどずらして屋根の上に上がります。高いとこ苦手の私は下の景色が見えてしまうとダメなんですよね。

 

バリ島会社設立2

イマココ

バリ島会社設立日記

ノートPCで接続テストやってます。アンテナの向きを少しずつずらしながらベストな電波状態を探ります。デンパサールではなくサヌールのチェックポイントのほうが電波が良く1時間ほどかかって完了


おまけ2階から屋根上にケーブルを這わせる作業中、石のブロックが瓦を伝って落下。運悪く真下に私の軽自動車あり。

バリ島で会社設立手続き

まずバリ島で会社を作って移住するというのは結構簡単です。なぜなら当地には会社設立の手続きやビザの取得や各種政府機関への届け出など、いっさいがっさいの面倒な仕事を引き受けてくれる代理業者がうじゃうじゃいるからです。

ただ設立時の最大の問題は名義をどうするかということに尽きると思います。

PMA(外国資本会社)の場合は役員は外国人である自分でもなることができますが、日本からバリ島に来て日本人を探して「一緒に会社をやりましょう」というケースは稀ではないでしょうか?

普通は「バリ島に移住しよう」と一大決心をするときは一人っきりの場合が多いと思います。バリに来ました、会社を設立したいと当地の代理業者に相談しました、ところが会社には「役員が必要なので探して来い」と冷たく言い放たれるのが普通だと思います。

ちなみに今年(2007年)から会社法が変わりPMA(外国資本株式外車)とPT(インドネシア資本株式会社)の垣根がなくなったようなので、そのあたりの事情は代理業者にちゃんと確認したほうが良いと思います。

私の場合は嫁はんがインドネシア人なので、自然の流れとして彼女が社長になり、もう一人の役員である相談役を誰にしようか、というところで悩むことになります。

ちなみに会社形態はCV(インドネシア資本有限会社)で、ただこれも会社法の変更によりCVでは外国人を雇う、つまり外国人へのビザの発行のスポンサーになれなくなったようなので要確認です。

ところで代理業者(エージェント)ですが、やはり大手で実績のあるところを選ぶほうが安心だと思います。

エージェントは各種政府機関にコネもしくは友人関係を持つ実働部隊を抱えており、彼らは外国人がイミグレでサインや指紋押捺するときなどに付き添うコーディネーターとなります。

コネとコミッションがモノをいうバリ島では、これらの実働部隊の質と量がエージェントの優劣に大きく影響してくるわけです。

最初に結構簡単なんて書いた割りにはごちゃごちゃした内容になりましたが、実際にバリ島で会社を設立するには、簡単なものほど困難が伴うという禅問答のような世界が広がっています。

さて、突然ですが監査役(コミサリス)を誰にしようか、と悩んでいても話が進まないので、強引ですがデンパサールのレノンに借りた家のオーナーさんにお願いしちゃいました。

「お願いしちゃいました」などと軽く書いていますが、一般的にはココが一番危険なところで、安易に他人を会社の役員に据えることはやめたほうがいいと思います。

私の場合は幸運にもこの人から何かしらの要求を受けたり、会社乗っ取りの企てをされたりすることはありませんでしたが、バリ島ではこの手の安易な役員選定のために起こった悪い噂をよく耳にします。

要は「今はいい人でも明日もいい人とは限らない」という言葉を肝に銘じよ、ということ。ちなみに役員のサインは会社設立時にも解散時にも必要になりますので、以後連絡がつかなくなる人物を勧誘するのはやめましょう。

役員がそろえば後は簡単、エージェントと一緒にノタリス(公証人・行政書士)に行って書類を作ってもらいます。このあたりは エージェントがキチンと段取りしてくれますので問題ないでしょう。

会社が正式に発足すれば外国人である私の滞在許可、労働許可、などなどの手続きが可能になり、要は会社を設立するということは外国人のスポンサーができるということです。

前にも書きましたがバリ島での会社設立のポイントは役員の名義、これに尽きると思います。会社作って滞在許可(KITAS)をとれば、とりあえずは1年間は放っておいても猶予期間としてお咎めはありません。

さて、会社を設立して1年間は猶予期間として税務処理の面でもあまりうるさく言われないというエージェントのアドバイスに従い、うちも1年間は放ったらかしにしていました。

ただできれば最初から会計の経験のある従業員を雇うなり、コンサルタントを雇うなりしたほうがいいと思います。

当地で外国人が生活する上で、形式上だけでも定められた規則にきちんと従ってますよ、と体裁を整えておくことは非常に重要だと思います。

規則を守れといいながら、そういえば私自身も車の免許が切れて3ヶ月ほど放ったらかしにしています。路上で検問に引っかかると間違いなく罰金というか袖の下を要求されるので早めに済ませたほうがいいのですが、いかんせん家から交通警察所が遠くて。こんな私に「規則を守れ」なんて言う資格はまったくありません。

バリ島で会社解散手続き

会社は作ったらちゃんと壊しましょう。外国人が働いている会社を税務署がそのまま放っておくはずがありません。下手すると追徴課税とられますので、会社を作ったときのエージェントに解散したい旨、相談しましょう。

手続きに必要なのは会社設立時の書類(AKTAとかSIUPとか)と社長と相談役のKTPのコピーで、作ったときと同じようにノタリスに行ってサインをします。

相談役をその辺に偶然居たインドネシア人に依頼したために、連絡がつかなかったり、サインするから金くれ、とか言われたりするという話も聞いたことがありますので、設立時の名義人は最後まで重要なポイントになります。

ちなみにCV(100%インドネシア資本有限会社)の場合、正式に解散手続きをとるのに500万ルピアかかりました。また解散手続きが済んだら、新聞に「弊社は何月何日に正式に解散しました」といった告知を出さなければいけないそうですが、面倒なので僕はやっていません。