2003年にバリ島ギアニャール(Gianyar)県バトゥブラン(Batu Bulan)に嫁はんが設計した左の図面のとおりに自宅を建築しました。土地面積600平米(6アール)を@33.5jutax6=201juta(約245万円)で取得したのが2003年の6月で、雨季に入る10月前に基礎工事をはじめ最終的に入居完了したのが2004年6月です。
バリ島での住宅建築に際しては、土地取得時のトラブルや建築業者とのトラブルをよく耳にしますが、当時の経験から感じたこと、考えたことは、これからバリ島で夢のマイホーム建設を考えておられる方々にとって多少なりとも参考にしていただけると思います。
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インドネシアの不動産
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まずは土地探しから
Bali Postの「DIJUAL TANAH(土地売りたし)」の情報を元に、クロボカン、スミニャックなど当時の人気のエリアから土地を見てまわりましたが、さすがに不動産の値上がりが激しく選考対象にすらなりません。
当初希望する土地のイメージはだいたい以下のような感じでした。
- 500平米前後の広さ(海が見えれば最高)
- デンパサールからそれほど遠くないところ
- 治安面で安全なところ
- 外者が引っ越してきてもあまり人間関係で問題が起きなさそうなところ。
予算から考えると1アールあたり40juta(約50万円)くらいが精一杯で、これ以上高くなると敷地面積を減らさざるを得ないことになります。
現実的には1アール40jutaで買える土地となると、デンパサールからかなり離れたところか近いところでも土地の周りに道路がなかったりとかなんらかの妥協を強いられることになります。
知人のインドネシア人にパヤンガン(Payanganウブドゥから車で北へ30分くらい)なら1アール10jutaくらいで余裕で買えると言われましたが、日常の用事でデンパサールやクタに行くにはあまりにも遠すぎます。風光明媚でいいところなんですけどね。
いくつか候補を絞ったあと最終的に決めたのがギアニャール県バトゥブランの土地で、所有者の言値38jutaから2週間かけて最終的に33.5jutaまで値切ったところで取引成立です。
海は見えませんが美しいライステラスが見えるコンプレックス(区画住宅地)の中の土地で、コンプレックス内の住人の多くがバリ島外から来た人達なので、人間関係のしがらみは比較的小さくて済みます。
これは見落としがちな点ですが、バリ島は外国人やジャワ人などの外島人にとって、バンジャール(banjar)という隣組組織の中での付き合いが非常に難しいところで、これに悩まされている話を数多く聞きます。
今思うとバリ島での住宅建設は土地購入がうまくいけば、8割がた成功したと言っていいのではないでしょうか。
家を建てるための土地探しは最初の大きな難関で、金額的に大きな買い物ですからよく検討して決めないと、家が完成して引っ越した後で「こんなはずじゃなかった」と後悔することになります。
土地購入時のちょっとしたトラブル
土地を購入する過程でバリ島ならではの小さなトラブルがありました。
当初我々はBali Postを通じて直接売り手のMさんと価格交渉をしていたのですが、この過程で知人のバリ人K氏が親切にも(半ば強引に)交渉代理人をかって出ました。
K氏と私は3年以上家族ぐるみの友人関係を築いており、私の中では最も信用できるインドネシア人の一人でしたが、なんと売り手のMさんの話では、K氏は会社や携帯に頻繁に電話をかけてきて、執拗に仲介コミッションを要求しているとのことでした。
この土地をはじめに我々に紹介したのがK氏であれば、仲介コミッションの話もある程度筋の通る話ですが、我々は最初からMさんと直接取引きをしていたわけで、そこにK氏が入ってコミッションとは全く筋の通らない話です。
最初この話を聞いたとき正直信じられない、いや信じたくないというのが本音でした。まさかあのK氏が、、、家族ぐるみでいい友人関係を築いていたと思っていたあの温厚なK氏が、、、人間不信に陥りそうな気分でした。
しかし時間が経つにつれ、甘い蜜にはいろんな昆虫が引き寄せられるように、今回の話にもK氏が思わず引き寄せられたのだと思いますし、逆にいうと無関係のK氏を無防備に信用して土地取引の相談をしてしまった自分を反省すべきだと考えています。
土地の所有手続き
インドネシアでは外国人は不動産の所有はできませんので、方法は以下の3種類のいずれかになると思われます。
- 所有権(Hak Milik)ではなく借地権(Hak Pakai=定期借地権付き住宅)にする
- 他人のインドネシア人の名義を借りて所有権(Hak Milik)にする
- インドネシア人配偶者名義の所有権(Hak Milik)にする
土地はインドネシア人の嫁はん名義になっているので安心ですが、安易に赤の他人のインドネシア人の名義を借りると将来問題が発生する事例が多いようです。
ノタリスにて名義人が勝手に土地を売り飛ばせないように書類を作成することもできますが、実際の効力がどの程度のものなのかはわかりません。
配偶者がインドネシア人男性の場合、ご主人名義で普通に土地の所有は可能だと思いますが、配偶者が女性の場合には、奥さん名義で土地を所有する場合に制限がでてきます。
結婚前に(ノタリスによると結婚後ではダメだそうです。)に「婚前契約書(Perjanjian Perkawinan)」を作成し、その中で土地の権利は100%インドネシア人女性配偶者のものという財産分離所有に関する誓約(Pisah harta)を行い、国に届ける必要があります。
これがないと結婚後1年以内に土地を手放さなければならない義務が発生し、これを履行しないと不動産価格の50%を国に没収されても仕方がないそうです。
このような強制執行の事情はどこまで本当かよくわかりませんが、「婚前契約書」では不動産以外にも車や衣服など資産の夫婦間での所有権を明確にしています。
Bali Postに「土地売りたし」広告を出していたのは、ジャワ島出身でバリ島で旅行会社を営むMさんで、爆弾テロ以降の不景気のあおりでカーゴ会社の経営が悪化し、土地を担保に銀行からお金を借りていました。
つまり当時土地の権利書は銀行に押さえられており、支払い合計201juta(33.5jutax6a)のうち半額を、ノタリス(行政書士のようなもの)同席のもとで銀行にてMさんに支払い、その場で領収書をきってもらいました。
土地に関するお金の受け渡しはノタリスの目の前で行うのは大事で、Mさんはその場で銀行への借金を返済し、土地の権利書を取り戻しました。
その権利書をノタリスに渡し、名義変更後に残金支払いと権利書の受け渡しをノタリス事務所で行う約束をしました。
約束日当日、ノタリス事務所にて残金を支払い名義変更された権利書を受け取り、この時点で初めて土地が自分の手に入ったことになり晴れて煮るなり焼くなり好きにすることができます。
住宅建築の見積もり
これは今回の建築過程で建築業者から出された見積り(計10枚)と支払い履歴です。
見積りはおおまかながら建築の各ステージごとに分かれています。建築士の話によると施工主の財政状況のが悪化した場合にキリのよいところで作業をストップできるようにするためだそうです。
実際に完成までの予算がつかなくても途中まで仕上げて、お金が溜まるのをまって何年も放置しておくことがよくあるそうです。そういえばバリ島の街中で建築途中の家をよくみかけます。
支払いの基本は見積り時に半額、終了後に半額になりますが、建築プロセスは必ずしも見積りどおりに切り分けできないため、建築業者と施工主との話し合いで支払い条件が決められるようです。
見積り記載金額は名目上ですが、材料や作業費用などの実費が掲載され、今回は合計金額の10%を建築業者へのマージンとして支払うことになっています。
ただ材料購入等に際しての領収書は見せてもらえないため、見積り記載金額は建築関連の雑誌等にある市場価格を参考に確認します。
これ以外の見積り方法として1平米あたりの建築費用を出されることもあるそうです。この場合、ある程度小奇麗な家を建てようと思ったら1平米あたり1.5jutaは見ておく必要があるそうです。
建築工事着工
住宅建築工程は2003年10月から2004年5月までの8ヶ月間です。
一般的に住宅建築は4月から11月までの乾季が適しているそうなのですが、当時借家(デンパサールRenon地区 敷地400平米 4ベッドルーム 30juta/年)で契約満了のタイミングにあわせるように自宅を完成させるスケジュールで着工しました。
着工して最初にはじまるのは外塀の基礎工事(pondasi)とブロック積みです。
建築資材などを運び込む出入り口は開けておきますが、隣の敷地との境界をはっきりさせるためと資材の盗難を防ぐ意味で南北両側と川側の外塀の基礎工事をはじめました。
写真のコンクリートブロック(batako)の外側には川が流れています。川の景色をうまく取り入れることも考えたのですが、川を挟んで鶏処理場があるためこの景色を消すため3m近くの高い塀を組むことにしました。
バナナやパパイヤ(左の細長い幹)の木がうっそうと生い茂る荒地を見たときは本当に人が住める家になるのか心配しました。
ちなみに基礎部分は50cm程の深さの溝を掘り、大きめの石(batu kosong)を詰め込みコンクリートで固めて生きます。
5m置きくらいに鉄筋の集合を芯にした柱が設置され、柱の間にはbatakoを積み上げコンクリートで接着していきます。
積み上げたブロックの水平を保つために、糸を張って水滴を垂らすという昔ながらの作業がなされており、バリ島に遊びに来た父が「昔、俺も現場でこれやったことあるよ」なんて懐かしそうに話していたことを思い出します。
日本の外塀の工程は分かりませんが、見た感じ作りが結構大雑把で大地震が来たらヤバイのではと素人目ですが心配してしまいます。
職人さんたちはシンガラジャ出身の人が多く、現場の横に掘っ立て小屋を立て住み込みの工事になります。
期間中に発生したゴミはすべて敷地内に穴を掘って埋めるか焼却するかします(中央の黒い部分)。
食事はほとんど自炊でまかない兼作業員のおばさんが一人います。電気と水が整備されるまでは隣の家に毎月30万ルピアほどお礼を払って借ります。
建築士兼建築責任者の見積もり金額はすべて職人さんにかかる費用が含まれているので、ある意味施工主が気を使わなくて良いので楽です。
建物の基礎工事がはじまりました。この土地は10年以上前に川岸の田んぼを埋め立てられたものなので、基礎は埋め立て前の本来の土壌部分まで溝を掘る必要があります。
構造建築開始
建物の床部分(10mx10m)に沿って掘られた溝に大きな石と砂を詰め込み、家の床となる高さまで堤防のように積み上げていき、コンクリートで固めます。
そして四方を堤防で囲われた内部に砂を詰め込み上からプレスして、最後はコンクリートで固めて土台の出来上がりです。
柱は鉄筋の集合を木枠で囲み、上からコンクリートを流し込み、乾いたところで木枠をはずして出来上がりです。
写真には木枠と支え棒が見られます。 土台と柱を組み上げていく工程をstruktur(構造)と言います。
2階部分へのコンクリートの流し込み作業
柱が固まったら2階部分に鉄筋とコンクリートで床を作る工程です。
この工程はコンクリートの固まり方にムラが出ないようにノンストップで行う必要があり、早朝から夕方までかけてコンクリートの流し込み作業が行われました。
道が狭くミキサー車が入れないため、コンクリートを下で捏ねてバケツリレーで流し込むと いう人海戦術です。
まだ階段がついていないためはしごで上に上って撮影させてもらいました。これまで掘っ立て小屋住まいだった職人さん達は、2階の床付け工程終了後に建物の1階部分に引っ越すことになります。
竹の支柱がいたるところにあって移動しにくいでしょうが、雨漏りの心配をしなくてよいので少しは住み心地が良くなるのかもしれません。
床面積324平米(2階建て一棟と1階建て一棟の合計)の構造建築(屋根部分を除く)を終了するまでにおよそ350jutaかかり、今後屋根と壁や天井をつけるのにおよそ100juta(木組みや瓦すべて込みで)かかる計算です。
バリ島では女性が肉体労働を行います。市場で荷物を運ぶのも女性だし、道路工事で石や砂利を運ぶのも女性です。ジャワ島の人にしてみればとても考えられないことのようですが、これも地域の固有の習慣なのだと思います。
写真のおばさんは職人さんたちのまかない作り兼作業員のおばさんです。我々はいつも夕方に進捗状況をチェックに行くのですが、いつもおいしそうな夕食の匂いが立ち込めていました。
敷地にはバナナの木がたくさんありますので皿は必要ありません。シンプルな食事ですが、バナナの葉っぱに包まれたこのおばさんの作る料理はとてもおいしそうでした。
屋根付け作業
構造建築が一通り完了し屋根をつける工程に入りました。木造部分の木はほとんどがbingkiraiという木を使います。
屋根の瓦を設置する作業は雨漏りのチェックが可能な雨季のほうが適しているのかもしれません。屋根がつけられて初めて住宅の全体像がつかめるようになり、現場を見に行くのが楽しみにり、ほとんど毎日足を運ぶようになりました。
後は天井と窓、ドアをつければとりあえず住宅としての格好はつきます。フィニッシングの工程に2ヶ月見積もって、6月のはじめには入居できそうな感じになりました。
瓦は既製の防水塗装されたものは割高なので、Rp.37,800/平米のものを職人さんに防水塗装(費用はRp.5,600/平米)してもらい比較的割安に済みました。
価格はピンからキリまでありますが、後々の雨漏りのリスクやメンテナンスを考えると、大き目の質の良いものを選んだほうが賢明だと思います。小さめの安い瓦もありますが、強度が弱いため屋根に上って作業すると結構簡単に割ってしまいます。
建物の壁はbatu bata(赤レンガ)を積み上げてコンクリで固め、plesteranとacianという防水工程を経てはじめてペンキで塗装することができます。
ちなみにレンガ1平米あたりRp.53,900(作業費やコンクリを含む)、plesteran1平米あたりRp.20,289、acian1平米あたりRp.7,598の計算でした。残念ながらこの辺の価格は高いのか安いのかよく分からずじまいでした。
井戸堀り作業と電気系統のインストール
写真は井戸掘り専門の職人さんたちが地面に鉄パイプを打ち込み、泥や水を排出している作業です。今回は40mの深さまで掘りましたので、きれいな水が豊富にくみ上げられるようになりました。この井戸掘り作業で皆泥だらけになりお祭りのように楽しく作業をしていたのが印象に残っています。
地下水くみ上げ式(air sumur)で2階の屋根の上のtangki air(タンク)に水をため、水道管に流します。
タンク側とポンプ側にotomatis(自動制御装置)が設置され、タンクの中の水が一定量以下になると自動的にポンプが水をくみ上げ、常にタンクの水を空にしないよう制御します。
1.5立米のタンクが2.3juta、井戸掘り作業が1.8jutaでお湯と水の水道管などすべての水まわり一式の費用が15jutaくらいでした。
お湯は屋根の上に9jutaかけてソーラーヒータ装置を設置しました。晴れの日には太陽熱を利用し、曇りや雨の日には自動的に電動にチェンジする仕組みです。
この時期に電気設備がインストールされ、とりあえず水と電気が自給できるようになったため、お隣さんにお世話になる必要もなくなりました。
5500Wの比較的大きめの電気系統一式(ランプは含まず)の導入費用が15jutaくらいでした。
話は変わりますがバリ島も政府が供給する水道(air PAM)が大分普及するようになりましたが、水に塩素(kaporit)の匂いが強いので自宅のアクアリウムで魚を飼育したい方はair sumurのほうが苦労しません。
PAMの水にいきなり魚を入れると下手すると死んでしまうため、中性剤を入れたり1週間ほど水を空水槽でろ過したりと面倒な作業が必要になります。air sumurならいきなり魚をドボンと投入しても平気です。
フィニッシング工程
住宅建築も半年近く経ちました。屋根がついて家の概観がはっきりしてくると後は窓とドア、そして床のタイルと天井をつけてフィニッシングに入る段階です。
前の借家で木製の窓枠は雨風にあたり歪みが生じて、開閉が難しくなるので今回はアルミサッシを使います。費用的には木枠の5割増しほどになります。
リビングには蚊の侵入を防ぐため網戸をつけましたが、その後ネズミにかじられ現在穴だらけです。網戸は少し値段が高いですが鉄網を使ったほうが蚊もネズミも防げてよいと思います。
Plafon(天井)はGypsum(Rp.23,000/平米 作業費込み)を使用し、天井も壁も白に塗装(Rp.12,700/平米)統一したため全体的に清潔感のある仕上がりになりました。
洗面台・キッチンなど備品の購入と設置
箱(建物)を作ったら中身(洗面台・便器・キッチン・蛇口・シャワー・ランプ)などを揃えなければ引越しができません。
これらのアイテムは建築責任者に依頼するのではなく自分で選んで設置のみ依頼する部分です。
- キッチンセット17.5juta(HalMar製)
自作すれば5jutaくらいと安く済む訳ですが、ここは嫁はんが妥協できない部分でした。前の家では自作の立付け式キッチンで、何年か経つと扉の開閉がぎこちなくなり、小さなすきまができてアリやゴキブリ、ネズミまで侵入してきました。建築費以外で最も高い買い物がキッチンセットです。 - 洗面台
1.5juta(1台)・4.9juta(1台)・3.1juta(2台)
家が大きいと洗面台もたくさん必要になるため結構大きな支出になります。比較的上質のものを選びましたが、選択肢は幅広いため安く済ませることもできる部分です。 - 便器1.5juta(3台)
TOTOのスタンダードなモデルです。 - バスタブ2.7juta(1台)
キッチンセットでお金を使ったためバスタブは比較的安めのものを選びました。
当然ながら高い買い物になり嫁はんにとっては非常に楽しい工程な訳ですが、楽しいながらも予算との突合せで頭を悩ませ嫁はんに妥協をお願いするのも結構大変です。
その他ドアの取っ手、外塀用のペンキ、飾り窓、石像、石パネル、ランプ、台所の壁用タイル、ソファなどなど建築費以外でおよそ80jutaの買い物になりました。
写真は外でお風呂に入るためのテラソ素材のバスタブを製作している工程で3.3jutaかかっています。
最初にベニア板でバスタブの型枠を作り、レンガで土台をつくり型枠に沿ってコンクリートを流し込み、最後にテラソ素材でフィニッシングします。この作業は専門の業者さんに依頼します。
プール製作工程
いよいよお楽しみのプール製作工程です。
作り方は大まかに2通り、水を水底からフィルターに通し側面からプール内に戻す一般的な方式と、水を片側からあふれさせ排水溝に落として、プールの横にあるポンプ室のバランシングタンクに流し込む比較的新しい方式(オーバーフロー方式)で、費用が割安な後者をとりました。
水があふれ落ちる様子はプールの外から見ていても清清しいものでフォーシーズンのVillaなんかはこの方式を採用しています。
最初にBatako(コンクリートブロック)で土台と外枠を組み上げ、鉄筋を芯にして木枠を作りコンクリートを流し込み固めます。
コンクリート流し込み作業は固まりにムラをなくすため一日で終わらせなければなりません。完璧に乾燥するのを待って防水加工を施し、天然の石のタイルを貼ってフィニッシングを行います。
プール内部にはBatu Hijau(緑青っぽい石でインドネシアの建築では一般的に使用される)、デッキにはBatu Candiを使用しました。
ちなみにタイルを天然の石を使った場合は、一般的な陶器のタイルを使った場合に比べて水温が低く、乾季の寒い時期には水温が20度近くまで下がり、とてもプールで泳ぐ気分にはなれません。
陶器タイルの場合はどうかよくわかりませんが、自然の雰囲気を出すため天然の石タイルにこだわりました。
4x6mの小さめのプールの製作費用は合計53jutaでした。プールが完成して水がためられてからは職人さんたちはこのプールでMandi(水浴び=要は汗臭い体を洗うこと)するようになり、嫁はんは引っ越す前にプールの水を全部取り替えるように建築現場監督に念を押すのでした。