バリ島での住宅建築体験と成功のポイント

2011/03/19

バリ島住宅建築

バリ島ギアニャール県バトゥブランに、嫁はんが設計した図面のとおりに自宅を建築しました。土地面積600平米を取得したのが6月で、雨季に入る前に基礎工事をはじめ、最終的に入居完了しました。バリ島での住宅建築に際しては、土地取得時のトラブルや建築業者とのトラブルをよく耳にしますが、当時の経験から感じたこと、考えたことは、これからバリ島で夢のマイホーム建設を考えておられる方々にとって参考にしていただけると思います。

西ジャカルタの高層アパート

なぜインドネシアの不動産は魅力なのか? 住宅購入・建築・所有権・外国人規制まで

インドネシアでは外国人名義での不動産所有が認められていません。ジャカルタ周辺部では中間層の拡大により不動産価格が上昇しています。大手ディベロッパーが1,000万円から2,000万円のクラスターハウジングを開発しています。

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この記事でわかること

  • 2003年にバリ島ギアニャール県で自宅を建築し、2004年6月に入居しました。
  • 土地購入時には1アールあたり40jutaが予算の限界でしたが、交渉で33.5jutaに値下げしました。
  • インドネシアでは外国人が不動産を所有できないため、配偶者名義での所有が安心です。
  • 建築プロセスは見積もり通りに進まないことが多く、支払い条件は業者と話し合いで決めます。
  • プール製作はオーバーフロー方式を採用し、4x6mのプールに53jutaかかりました。

まずは土地探しから

バリ島の大手ローカル新聞Bali Postの『DIJUAL TANAH(土地売りたし)』を参考に、クロボカンやスミニャックなどの人気エリアを見て回りましたが、不動産の値上がりが激しく、選考対象にはなりませんでした。当初希望する土地のイメージは以下の通りです。

図面

  1. 500平米前後の広さ(海が見えれば最高)
  2. デンパサールからそれほど遠くないところ
  3. 治安面で安全なところ
  4. 外者が引っ越してきてもあまり人間関係で問題が起きなさそうなところ。

予算から考えると1アールあたり40juta(約50万円)が限界で、これ以上高くなると敷地面積を減らさざるを得ません。現実的には1アール40jutaで買える土地は、デンパサールからかなり離れた場所か、近くても道路がないなどの妥協が必要です。

事例:知人のインドネシア人にパヤンガン(Payangan、ウブドゥから車で北へ30分)なら1アール10jutaで買えると言われましたが、デンパサールやクタに行くには遠すぎます。最終的にギアニャール県バトゥブランの土地を選び、所有者の言値38jutaから33.5jutaまで値切って取引成立しました。

要点:土地購入はバリ島での住宅建設の成功に大きく影響します。慎重に選ばないと、後で後悔することになります。

選んだ土地は海は見えませんが、美しいライステラスが見えるコンプレックス内で、住人の多くがバリ島外から来た人達なので、人間関係のしがらみが少ないです。バリ島ではバンジャールという隣組組織での付き合いが難しいため、この点は重要です。

土地購入時のちょっとしたトラブル

土地を購入する過程で、バリ島特有の小さなトラブルが発生しました。当初、私たちはBali Postを通じて売り手のMさんと直接価格交渉をしていましたが、知人のバリ人K氏が親切にも交渉代理人を申し出ました。

K氏と私は長年家族ぐるみの友人関係を築いており、非常に信頼していました。しかし、Mさんによると、K氏は頻繁に電話をかけてきて、仲介コミッションを要求しているとのことでした。

事例:この土地を最初に紹介したのがK氏であれば、仲介コミッションの話も理解できますが、私たちは最初からMさんと直接取引しており、K氏の介入は筋が通りません。

要点:信頼していたK氏が不当な要求をしてきたことに驚きましたが、無関係のK氏を信用してしまった自分を反省すべきだと考えています。

土地の所有手続き

インドネシアでは外国人が不動産を所有することはできません。そのため、土地の所有方法は以下の3つの選択肢があります。

  1. 借地権(Hak Pakai)を利用する
  2. インドネシア人の名義を借りて所有権(Hak Milik)を取得する
  3. インドネシア人配偶者名義で所有権(Hak Milik)を取得する

土地をインドネシア人配偶者名義にするのは安心ですが、他人名義を借りると将来問題が発生することがあります。Notaris(公証人)で名義人が勝手に土地を売却できないように書類を作成することも可能ですが、その効力は不明です。

事例:配偶者がインドネシア人男性の場合、普通に土地を所有できますが、女性の場合は制限があります。結婚前に「婚前契約書(Perjanjian Perkawinan)」を作成し、財産分離所有に関する誓約(Pisah harta)を行い国に届ける必要があります。これがないと結婚後1年以内に土地を手放さなければならず、履行しないと不動産価格の50%が没収される可能性があります。

要点:婚前契約書は不動産以外の資産の所有権も明確にします。

土地売却の事例として、バリ島で旅行会社を営むMさんが不景気の影響で土地を担保に銀行から借金をしていました。土地の権利書は銀行に差し押さえられており、支払いはNotaris同席のもとで行われました。Mさんは借金を返済し、土地の権利書を取り戻しました。

その後、権利書をNotarisに渡し、名義変更後に残金支払いと権利書の受け渡しをNotaris事務所で行いました。これで土地が正式に自分のものとなり、自由に使用できるようになりました。

ジャカルタのコタトゥア地区

インドネシア不動産の権利と投資の実際

HakMilikはインドネシア国籍者のみが持つことができます。HakGunaBangunanは30年有効で20年延長可能です。HakPakaiは外国人名義での不動産所有が可能です。

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住宅建築の見積もり

これは今回の建築過程で建築業者から出された見積り(計10枚)と支払い履歴です。見積りは建築の各ステージごとに分かれており、施工主の財政状況が悪化した場合に作業をストップできるようにするためです。

事例:実際に完成までの予算がつかなくても途中まで仕上げて、お金が溜まるのを待って何年も放置しておくことがよくあります。バリ島の街中で建築途中の家をよく見かけます。

要点:建築プロセスは必ずしも見積りどおりに進まないため、支払い条件は建築業者と施工主との話し合いで決められます。

バリ島住宅建築6

見積り記載金額は名目上で、材料や作業費用などの実費が掲載され、今回は合計金額の10%を建築業者へのマージンとして支払います。材料購入等に際しての領収書は見せてもらえないため、見積り記載金額は建築関連の雑誌等にある市場価格を参考に確認します。

これ以外の見積り方法として1平米あたりの建築費用を出されることもあり、小奇麗な家を建てるには1平米あたり1.5jutaが必要です。

建築工事着工

住宅建築工程は8ヶ月間です。一般的に住宅建築は4月から11月までの乾季が適しているそうですが、借家契約満了に合わせて自宅を完成させるスケジュールで着工しました。

最初に始まるのは外塀の基礎工事(pondasi)とブロック積みです。建築資材を運び込む出入り口は開けておきますが、隣の敷地との境界を明確にし、資材の盗難を防ぐために南北両側と川側の外塀の基礎工事を始めました。

事例:写真のコンクリートブロック(batako)の外側には川が流れています。川の景色を取り入れることも考えましたが、川を挟んで鶏処理場があるため、この景色を消すために3m近くの高い塀を組むことにしました。基礎部分は50cm程の深さの溝を掘り、大きめの石(batu kosong)を詰め込みコンクリートで固めます。5m置きくらいに鉄筋の集合を芯にした柱が設置され、柱の間にはbatakoを積み上げコンクリートで接着します。

要点:外塀の基礎工事は境界の明確化と資材の盗難防止を目的に行われ、景観や周囲の施設に応じた設計が求められます。

バリ島住宅建築7

バナナやパパイヤの木が生い茂る荒地を見たときは、本当に人が住める家になるのか心配しました。積み上げたブロックの水平を保つために、糸を張って水滴を垂らすという昔ながらの作業が行われ、父が「昔、俺も現場でこれやったことあるよ」と懐かしそうに話していたことを思い出します。

職人さんたちはシンガラジャ出身の人が多く、現場の横に掘っ立て小屋を立て住み込みで工事を行います。ゴミは敷地内に穴を掘って埋めるか焼却し、食事は自炊でまかない兼作業員のおばさんがいます。電気と水が整備されるまでは隣の家に毎月30万ルピアほどお礼を払って借ります。建築士兼建築責任者の見積もり金額には職人さんにかかる費用が含まれているので、施工主が気を使わなくて良いです。

建物の基礎工事が始まりました。この土地は10年以上前に川岸の田んぼを埋め立てたもので、基礎は埋め立て前の本来の土壌部分まで溝を掘る必要があります。

構造建築開始

建物の床部分(10mx10m)に沿って掘られた溝に大きな石と砂を詰め込み、家の床となる高さまで堤防のように積み上げていき、コンクリートで固めます。四方を堤防で囲われた内部に砂を詰め込み、上からプレスして、最後はコンクリートで固めて土台の出来上がりです。

事例:柱は鉄筋の集合を木枠で囲み、上からコンクリートを流し込み、乾いたところで木枠をはずして出来上がりです。写真には木枠と支え棒が見られます。

要点:土台と柱を組み上げていく工程をstruktur(構造)と言います。

2階部分へのコンクリートの流し込み作業

柱が固まった後、2階部分に鉄筋とコンクリートで床を作る工程です。この工程はコンクリートの固まり方にムラが出ないようにノンストップで行う必要があり、早朝から夕方までかけてコンクリートの流し込み作業が行われました。

道が狭くミキサー車が入れないため、コンクリートを下で捏ねてバケツリレーで流し込むという人海戦術です。

事例:まだ階段がついていないためはしごで上に上って撮影させてもらいました。これまで掘っ立て小屋住まいだった職人さん達は、2階の床付け工程終了後に建物の1階部分に引っ越すことになります。竹の支柱がいたるところにあって移動しにくいでしょうが、雨漏りの心配をしなくてよいので少しは住み心地が良くなるのかもしれません。

要点:狭い道のためミキサー車が使えず、人力での作業が必要でした。職人たちは工程の進行に伴い住居を移動し、住環境が改善される見込みです。

床面積324平米(2階建て一棟と1階建て一棟の合計)の構造建築(屋根部分を除く)を終了するまでにおよそ350jutaかかり、今後屋根と壁や天井をつけるのにおよそ100juta(木組みや瓦すべて込みで)かかる計算です。

バリ島では女性が肉体労働を行います。市場で荷物を運ぶのも女性だし、道路工事で石や砂利を運ぶのも女性です。ジャワ島の人にしてみればとても考えられないことのようですが、これも地域の固有の習慣なのだと思います。

写真のおばさんは職人さんたちのまかない作り兼作業員のおばさんです。我々はいつも夕方に進捗状況をチェックに行くのですが、いつもおいしそうな夕食の匂いが立ち込めていました。敷地にはバナナの木がたくさんありますので皿は必要ありません。シンプルな食事ですが、バナナの葉っぱに包まれたこのおばさんの作る料理はとてもおいしそうでした。

屋根付け作業

構造建築が完了し、屋根をつける工程に入りました。木造部分には主にbingkiraiという木を使用しています。屋根の瓦を設置する作業は、雨漏りのチェックが可能な雨季が適しているかもしれません。

事例:屋根がつけられると住宅の全体像がつかめるようになり、現場を見に行くのが楽しみになりました。瓦は既製の防水塗装されたものは割高なので、Rp.37,800/平米のものを職人さんに防水塗装(費用はRp.5,600/平米)してもらい、比較的割安に済ませました。価格はピンからキリまでありますが、雨漏りのリスクやメンテナンスを考えると、大き目の質の良いものを選ぶのが賢明です。

要点:屋根の瓦選びは、価格だけでなく品質やメンテナンス性を考慮することが重要です。

後は天井と窓、ドアをつければ住宅としての形が整います。フィニッシングの工程に2ヶ月を見積もり、6月のはじめには入居できそうです。

建物の壁はbatu bata(赤レンガ)を積み上げてコンクリで固め、plesteranとacianという防水工程を経てペンキで塗装します。レンガ1平米あたりRp.53,900(作業費やコンクリを含む)、plesteran1平米あたりRp.20,289、acian1平米あたりRp.7,598の計算でした。

井戸堀り作業と電気系統のインストール

井戸掘り専門の職人さんたちが地面に鉄パイプを打ち込み、泥や水を排出する作業を行いました。今回は40mの深さまで掘り、きれいな水が豊富にくみ上げられるようになりました。地下水くみ上げ式(air sumur)で2階の屋根の上のtangki air(タンク)に水をため、水道管に流します。タンク側とポンプ側にotomatis(自動制御装置)が設置され、タンクの中の水が一定量以下になると自動的にポンプが水をくみ上げます。

1.5立米のタンクが2.3juta、井戸掘り作業が1.8jutaで、水まわり一式の費用は15jutaくらいでした。お湯は屋根の上に9jutaかけてソーラーヒータ装置を設置し、晴れの日には太陽熱を利用し、曇りや雨の日には自動的に電動にチェンジします。この時期に電気設備がインストールされ、水と電気が自給できるようになりました。

5500Wの比較的大きめの電気系統一式の導入費用が15jutaくらいでした。バリ島も政府が供給する水道(air PAM)が普及していますが、水に塩素(kaporit)の匂いが強いため、アクアリウムで魚を飼育する方はair sumurのほうが適しています。PAMの水に魚を入れると死んでしまうことがあるため、中性剤を入れたり水をろ過する作業が必要です。air sumurなら魚をすぐに投入しても問題ありません。

フィニッシング工程

住宅建築も半年近く経ち、屋根がついて家の概観がはっきりしてきました。次のステップは窓とドアの取り付け、床のタイル、天井の設置といったフィニッシング工程です。前の借家では木製の窓枠が雨風で歪み、開閉が難しくなったため、今回はアルミサッシを選びました。費用は木枠の5割増しです。

事例:リビングには蚊の侵入を防ぐため網戸をつけましたが、ネズミにかじられ穴だらけになりました。網戸は少し高価ですが、鉄網を使うことで蚊もネズミも防げます。

要点:耐久性を考慮した素材選びが重要です。

床のタイルはCeramic製、Granit製、大理石の3種類があります。大理石はメンテナンスが大変なので、Ceramicより多少割高で高級感のあるGranitを使用しました(Rp.71,000/平米、作業費込み)。

Plafon(天井)はGypsum(Rp.23,000/平米、作業費込み)を使用し、天井と壁を白に塗装(Rp.12,700/平米)して清潔感のある仕上がりにしました。

洗面台・キッチンなど備品の購入と設置

建物が完成したら、洗面台やキッチン、便器、蛇口、シャワー、ランプなどの備品を揃える必要があります。これらのアイテムは自分で選び、設置のみを依頼する部分です。

  • キッチンセット17.5juta(HalMar製)

    事例:自作すれば5jutaほどで済むのですが、前の家で自作したキッチンは扉の開閉がぎこちなくなり、隙間からアリやゴキブリが侵入しました。建築費以外で最も高額な買い物がキッチンセットです。

  • 洗面台

    事例:1.5juta(1台)・4.9juta(1台)・3.1juta(2台)。家が大きいと洗面台も多く必要で、比較的上質なものを選びましたが、選択肢は多く、安く済ませることも可能です。

  • 便器1.5juta(3台)

    事例:TOTOのスタンダードなモデルを選びました。

  • バスタブ2.7juta(1台)

    事例:キッチンセットに予算を使ったため、バスタブは比較的安価なものを選びました。

これらの購入は高額になるため、予算との調整が必要です。特にキッチンセットは妥協できない部分でした。

その他、ドアの取っ手、外塀用のペンキ、飾り窓、石像、石パネル、ランプ、台所の壁用タイル、ソファなどでおよそ80jutaの支出になりました。

写真はテラソ素材のバスタブを製作している工程で、3.3jutaかかっています。最初にベニア板で型枠を作り、レンガで土台を作り、コンクリートを流し込み、最後にテラソ素材で仕上げます。この作業は専門業者に依頼します。

プール製作工程

プール製作工程には、一般的な方式とオーバーフロー方式の2通りがあります。今回は費用が割安なオーバーフロー方式を採用しました。水を片側からあふれさせ排水溝に落とし、ポンプ室のバランシングタンクに流し込むこの方式は、フォーシーズンのVillaでも採用されています。

事例:最初にBatako(コンクリートブロック)で土台と外枠を組み上げ、鉄筋を芯にして木枠を作りコンクリートを流し込みます。コンクリート流し込み作業は一日で終わらせ、乾燥後に防水加工を施し、天然の石のタイルを貼って仕上げます。プール内部にはBatu Hijau、デッキにはBatu Candiを使用しました。

要点:コンクリートの流し込みは一日で完了させる必要があり、乾燥後に防水加工とタイル貼りを行います。

4x6mのプール製作費用は合計53jutaでした。完成後、職人たちはこのプールで水浴びをするようになり、引っ越し前に水を取り替えるように指示しました。