インドネシアのスマトラ島南部に位置するランプン産のコーヒーは、知名度は低いものの、独特のアロマと酸味控えめのビターテイストが特徴です。コーヒーの実から生豆への精製過程では、風味を強く残しつつ全体の均一性を保つことが求められます。
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インドネシアのコーヒー文化と産地別スペシャルティ豆の魅力とは?
インドネシアのコーヒーはオランダ植民地時代に輸出目的で持ち込まれました。スペシャルティコーヒーは高原地帯で栽培され、風味が異なります。UCC上島コーヒーのマンデリンやキーコーヒーのトラジャは有名です。
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この記事でわかること
- ランプン産コーヒーは独特のアロマと酸味控えめのビターテイストが特徴です。
- スマトラ島はインドネシアのコーヒー生産量の7割を占めています。
- クラカタウ火山はインドネシアの火山活動の象徴的存在です。
- クラカタウスチールはインドネシア最大の製鉄所で、ポスコと合弁でクラカタウ・ポスコ製鉄所を設立しました。
- スマトラ式製法は果肉を除去し、パーチメントも除去して乾燥させる方法です。
ランプン州とクラカタウ火山:スンダ海峡に広がる火山地帯と出稼ぎ文化の背景

スマトラ島の最南端に位置するランプン州は、ジャカルタから120kmほど西にあるメラク(Merak)の港からフェリーで約2時間で到着するバカウヘニ港(Bakauheni)を持ちます。この近さから、ジャカルタへの出稼ぎ者が多く、私の経験では、按摩屋やカラオケ屋さんのお姉さんの出身がスマトラ島であれば高い確率でランプンの人です。
スンダ海峡にはクラカタウ(Krakatau)という成層火山があり、1883年の大噴火では大気中に灰やすすが撒き散らされ、世界中で鮮やかな夕焼けが見られたという逸話があります。1927年の噴火でアナック・クラカタウ(Anak Kerakatau)が誕生し、2023年12月にも大きな噴火を起こしました。インドネシアは世界で三番目の火山国と言われ、クラカタウは特に活動が活発な火山の一つです。
プレートテクトニクス理論によれば、日本列島が北米プレートの縁に位置し、日本海溝に太平洋プレートが沈み込むことで地震や火山活動が活発であるのと同様に、インドネシアはユーラシアプレートの縁に位置し、スンダ海溝にオーストラリアプレートが沈み込むことで地震や火山活動が活発です。
事例:クラカタウの噴火は、地球規模での気象現象に影響を与え、歴史的にも重要な出来事として記録されています。
要点:ランプン州は地理的条件からジャカルタへの出稼ぎが盛んであり、クラカタウ火山はインドネシアの火山活動の象徴的存在です。
インドネシアの国営製鉄会社クラカタウスチール
インドネシアでクラカタウと言えば、ジャワ島西端バンテン州のチレゴンにある国営製鉄会社クラカタウスチール(PT Krakatau Steel)が思い浮かびます。ここはインドネシア最大の製鉄所で、Tol Merak-Jakartaの最終出口メラクの手前に位置しています。
以前、鋼材をスリット加工するコイルセンターの方から、製鉄所で鋼材のロールが製造される工程について説明を受けました。工程は以下の通りです。
- 溶鉱炉で鉄を溶かして銑鉄を作る
- ⇒転炉で銑鉄から不純物を取り除いて鋼鉄にする
- ⇒鋳造で固体にする
- ⇒圧延で伸ばしてコイルにする
クラカタウスチールは、日本の新日鉄住金や韓国のポスコが得意とする付加価値の高い圧延工程の技術を持っていませんでした。そのため、2013年12月にポスコと合弁でクラカタウ・ポスコ製鉄所(PT.KRAKATAU POSCO)を設立しました。しかし、2014年には2回の爆発事故が発生し、鉄の粉塵や洗浄冷却水の排出による環境汚染が問題となりました。
アロマ豊かで酸味控えめ|ランプン産コーヒーの特徴と他産地との違い

スマトラ島はインドネシアのコーヒー生産量の7割を占めています。Aceh Gayo、Mandheling、Blue Batak、Minang Solokなどの有名な産地ブランドに比べ、ランプン産のコーヒーは地味な印象があるかもしれません。しかし、ランプン産コーヒーは独特のアロマが強く、酸味が控えめで、多少のビターテイストを加えた飲みやすいコーヒーです。
風味の傾向
- 香り ★★
- 苦み ★★
- 酸み ★
- コク ★★
- 甘み ★★
ナチュラル式、ウォッシュド式、ハニー製法、スマトラ式の違い

コーヒー豆の精製方法には、いくつかの異なる手法があります。ナチュラル式はコーヒーの実をそのまま乾燥させてから果肉を除去する方法で、水をあまり使わない乾燥式です。ウォッシュド式は果肉を除去し、洗浄してパーチメントを残した状態で乾燥させる水洗式です。ハニー製法は表皮だけを除去し、ヌメヌメのまま乾燥させる方法です。スマトラ島では、果肉を除去して洗浄した後、パーチメントも除去し、むき出しの生豆のまま乾燥させるスマトラ式製法が行われています。
インドネシア各地のコーヒーの風味を語る際、精製方法によってコーヒーの実独自の風味をどのように豆に残すかが重要です。ナチュラル式は果肉の風味が最も残りますが、均一性を保つのが難しいです。ウォッシュド式はすっきりクリーンな味で均一性が保ちやすいですが、大量の水を排出します。ハニー製法は風味を残しつつ均一性を保てますが、アリ被害により歩留まり率が低いというトレードオフがあります。
手間がかかる割に歩留まり率も低いハニー製法やスマトラ式製法で精製されたコーヒー豆は、店頭で販売される際にPOP(商品説明カード)にその精製方法が記載され、精製工程での付加価値としてアピールされることが多いです。