2030年にはGDPで日本を追い抜くといわれているインドネシアに住む人々は総じて陽気で明るい性格の人が多いのですが、僕の経験の範囲で「これは見習いたい」と思う点を挙げてみました。
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インドネシアの人々
インドネシアは2億6千万人の人口のうち4割がジャワ島に集中しており、300あると言われる民族の中でジャワ人が45%、スンダ人が15%を占め、総人口の9割がイスラム教徒であり、多民族他宗教のインドネシア人の求心力となるべく制定されたのがパンチャシラです。
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みんなの前で話すのが上手いところ
会議中に前に出てホワイトボードに書きながらみんなの前でドヤ顔で説明することを厭わない、要は仕切るのが大好きです。
これ日本人が非常に苦手とする能力だと思うので、最初インドネシアに来たときは新鮮な驚きでした。
またTVで見る政治家の演説の上手さは日本の比ではないと思います。
古いところでは2代目大統領ハビビ氏、4代目グスドゥール氏、そして次の副大統領のユスフ・カラ氏とか、内容があまり理解できなくても人を引き付けるようなしゃべり方をします。
英語ウマイところ
これを否定する日本人が結構いるのには意外ですが、一般人の英語レベルって逆立ちしたって日本人はインネシア人に勝てないですよね?
日本人的には一般教養レベルではインドネシア人には負けないだろうと思いがちですが、英語の知識に関しては普通のインドネシア人のレベルは結構高いです。
インドネシア語の場合は、夏目漱石や森鴎外のような文豪が、外来語をインドネシア語に置き換える作業をしてくれなかったため、無理やり英語の波に飛び込む環境に入らざるを得ず、幸か不幸か現代インドネシア人の英語能力の高さに繋がっているのだと勝手に解釈しています。
昨日も会社の運転手との何気ない会話の中で、Thamrin通りのUOBビルを見ながら
- Gedung itu kelihatannya tidak simetrik. Arsiteknya tidak bagus.
あのビルは左右均等じゃないねー、建築家は良くないよ。
と言われて、一瞬シンメトリックという言葉についていけずあせりました。
吉野屋のお会計(Kasir)だって、マンガドゥア(Mangga Dua)のSPG(セールスプロモーションガール)だって流暢に英語をしゃべります。
フィリピンみたいに半分英語圏みたいな国ならまだしも、インドネシアでの英語の立場は日本と同じく外国語必修科目でしかなく条件は日本と同じです。
うちの嫁はんは「英語は苦手」と言ってますが、映画もyoutubeも普通に英語で見るし、外国人モデルと普通に英語で与太話や恋バナしています。
もちろん日本人でも英語ウマイ人いますが、過去に英語圏に駐在経験のある人とかでしょう。
同じ一般人の土壌で勝負した場合、インドネシア人のほうが圧倒的にウマイと思います。
目を見て微笑むところ
ショップのSPG(セールスプロモーションガール)やウェイトレスはもちろんそうですが、工場の現場作業者の人達もすれ違いざまにこっちの顔を見て、目が合うと微笑んできます。
内気な僕は最初の頃はこの状況にとまどってしまい、微笑み返しができませんでした。
今だに人とすれ違うとき、特に女性とすれ違うとき、目を見たら無礼(tidak sopan)なのか、見ないほうが傲慢(sombong)なのかちょっと悩みます。
これはすばらしい見習うべきしぐさだと思うのですが、残念なことに高学歴、ハイクラスになるほどそっけなくなる傾向があります。
特に中国系インドネシア人は比較的伏し目がち、目をそらすと思います。
政治に関心が高いところ
民主化してまもないインドネシアですが、今回がKKN(汚職・談合・縁故主義)排除の本格的な民主的選挙ともいわれましたが、みんな大統領が代わることで本気で生活が良くなることを期待しており、冷めた人が少なかったと感じました。
客先に会社の車で行くとき、運ちゃんの眠気覚ましとしては政治の話題を振るようにしています。もう待ってましたとばかりに論評してくれますので、その間は僕は適当に相槌を打ちながらウトウトできます。
姿勢がいいところ
日本人はうつむき加減の斜め下目線で歩く人が多いと思います。
「ガンつける」とかいう表現があるように、日本人は基本他人と目を合わせることを好ましくないと考えると思いますが、インドネシア人は正面向いている人が圧倒的に多いです。
エレベーターの中でもモールの中でもまっすぐ前を向いている、だからこっちが正面向いて相手の顔を見ると相手と視線が合う確立が非常に高いです。
こんな状況で日本で微笑んだりしたら、下手すると通報されるんじゃないでしょうか。
気さくなところ
僕は在住日本人の中では、スタバ滞留時間が長い人トップ30くらいに入る自信がありますが、どこの店員とも普通に世間話をします。
このインドネシアで普通のことが日本では普通じゃないですよね?
これはインドネシア語が日本語よりもよりフラットで、相手との壁を作りにくいからじゃないかと考えています。
言語や環境が人間の行動やしぐさに及ぼす影響は非常に大きいと思います。
サロンにおかま(bencong)が多いのは女性を相手にする機会が多いからだと思うし、タイにニューハーフが多いのはタイ語独特のなよなよ感が男性を女性化させる力を持っているからだと勝手に推測しています。
国に誇りを持っているところ
サッカーインドネシア代表の試合があるときや独立記念日が近いときに国を意識するのはわかりますが、自国に対してKKN(Korupsi汚職・Kolusi談合・Nepotisme縁故主義)や貧富の差など負の側面が多いことを認識していながらも、国の未来の発展を願う気持ち、そしてインドネシア人であることに皆が皆誇りを持っているところは本当に羨ましいです。
右も左も考え方は異なるとはいえ、国を愛する気持ちが強いのは同じであるところは、ある意味日本に比べて非常に健全だと思います。
さっきDim Sum屋で嫁はんと夜飯食べたんですが、会計済ませた後テーブルでまったりしていたらKasirのお姉さんがやってきて
- さっきおつりいくらありました?1万ルピア足りなかったはずです。
って言って戻しに来ました。
僕は支払いが1万ルピア足りなかったものと思ってカバンから財布取り出したくらいで、口からお礼の言葉が出てくるまで3秒くらいかかりました。
おおげさかもしれませんが、こんなささいな出来事のおかげで益々インドネシアが好きになりました。