インドネシア人に見習いたいところ7選

2014/09/10

インドネシアの小学生

2030年にはGDPで日本を追い抜くといわれているインドネシアに住む人々は、総じて陽気で明るくてノリがいい性格の人が多いのですが、私の経験の範囲で「ここは見習いたい」と思う点を7つ挙げてみました。

インドネシア人

インドネシアの人々

インドネシアは2億6千万人の人口のうち4割がジャワ島に集中しており、300あると言われる民族の中でジャワ人が45%、スンダ人が15%を占め、総人口の9割がイスラム教徒であり、多民族他宗教のインドネシア人の求心力となるべく制定されたのがパンチャシラです。

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人前で臆せず堂々と話すところ

会議中に前に出てホワイトボードに書きながら、みんなの前でドヤ顔で説明することを厭わない、私の経験ではインドネシア人は仕切るのが大好きな人が多いと思います。これ日本人が非常に苦手とする能力だと思うので、最初インドネシアに来たときは新鮮な驚きでした。

またTVで見る政治家の演説の上手さは日本の比ではないと思います。古いところでは2代目大統領ハビビ氏、4代目グスドゥール氏、そしてジョコウィ政権で副大統領を務めたユスフ・カラ氏など、インドネシア語があまり理解できなくても、その人を引き付けるようなしゃべり方には引き込まれるものがあります。

堂々と英語で会話を試みようとするところ

インドネシア人は全般的に英語が堪能だと言うと、意外にも否定する日本人が結構いるのですが、一般人の英語レベルは逆立ちしても日本人はインネシア人に勝てないと思います。

日本人的には一般教養レベルではインドネシア人には負けないだろうと思いがちですが、英語の単語量、文法、そしてリスニングとヒアリング関しては、普通のインドネシア人のレベルは結構高く、タイやベトナムからインドネシアへスライドして駐在に来た方々からも、「インドネシア人は英語が通じるから助かる」という言葉を何度も聞きました。

インドネシアでは夏目漱石や森鴎外のような文豪が、外来語をインドネシア語に置き換える作業をしてくれなかったため、無理やり英語の波に飛び込む環境に入らざるを得ず、幸か不幸か現代インドネシア人の英語能力の高さに繋がっているのだと勝手に解釈しています。

先日も会社の運転手との何気ない会話の中で、Thamrin通りのUOBビルを見ながら

Gedung itu kelihatannya tidak simetrik. Arsiteknya tidak bagus.
(あのビルは左右均等じゃないねー、建築家は良くないよ。)

と言われて、シンメトリック(英語はsymmetric)という言葉についていけずあせりましたし、開けっ放しにしていた冷蔵庫に保存していた牛乳が意図せず発酵してしまったことを、按摩屋のお姉さんに身振り手振りで伝えようとしていたとき

Susunya sudah fermentasi, jadi yoghurt ya.
(牛乳が発酵してヨーグルトになっちゃったのね)

と、fermentation(発酵)という私が聞いたこともなかった英単語のインドネシア語形fermentasiという単語を、高卒のインドネシア人のお姉さんが普通に使いこなしていました。

まあこれは『アメリカでは幼い子供でも英語を喋っているのを見て驚く』に近い話かもしれませんが、インドネシア語の単語は日本語に比べて圧倒的に外来語が多く、これが英語学習に対する障壁を低くしていることは間違いなさそうです。

フィリピンみたいに半分英語圏みたいな国ならまだしも、インドネシアでの英語の立場は日本と同じく外国語必修科目でしかなく条件は日本と同じで、帰国子女や元英語圏の駐在員など特殊な経験のある人を除けば、圧倒的にインドネシア人のほうが英語力は高いと思います。

目を見て微笑むところ

ショップのSPG(セールスプロモーションガール)やウェイトレスはもちろんそうですが、工場の現場作業者の人達もすれ違いざまにこっちの顔を見て、目が合うと微笑んできます。

内気な私は、最初の頃はこの状況にとまどってしまい微笑み返しができず、今だに人とすれ違うとき、特に女性とすれ違うとき、目を見たら無礼(tidak sopan)なのか、見ないほうが傲慢(sombong)なのかちょっと悩みます。

これはすばらしい見習うべきしぐさだと思うのですが、残念なことに高学歴、ハイクラスになるほどそっけなくなる傾向があり、特に中国系インドネシア人は比較的伏し目がち、目をそらす傾向があるように感じます。

政治に関心が高いところ

2004年の大統領直接選挙で選出されたユドヨノ大統領、通称SBYの時代から、インドネシアの民主化は始まったと言われますが、2014年のジョコウィ氏人気に沸いた大統領選挙こそが、KKN(汚職・談合・縁故主義)排除の本格的な民主的選挙ともいわれ、国民の多くが大統領が代わることで本気で生活が良くなることを期待していました。

私は客先に会社の車で行くとき、運転手の眠気覚ましとしては政治の話題を振るようにしているのですが、もう待ってましたとばかりに唾を飛ばす勢いで各大統領候補の良し悪しを論評してくれますので、その間は私は適当に相槌を打ちながらウトウトすることができます。

姿勢がいいところ

日本人はうつむき加減の斜め下目線で歩く人が多いのは、「ガンつける」という表現があるように、基本他人と目を合わせることを好ましくないと考えるからだと思いますが、インドネシア人は『ながらスマホ』している人以外は、正面向いて歩いている人が圧倒的に多いです。

エレベーターの中でもモールの中でもまっすぐ前を向いている、だからこっちが正面向いて相手の顔を見ると相手と視線が合う確立が非常に高く、仮に相手が知り合いで先に微笑みかけてくれた場合には、勇気を持って微笑み返さないと、次に同じ状況になったときに相手から微笑みかけてくれることはありません。二度目はないのです。

こんな状況で日本で微笑んだりしたら、相手が女性だった場合には下手すると通報されるんじゃないでしょうか。

気さくでノリがいいところ

私はインドネシア在住日本人の中では、スタバ滞留時間が長い人トップ10くらいに入る自信がありますが、どこの店員とも普通に世間話をします。このインドネシアで普通のことが日本では普通じゃないですよね?

これは日本に比べてインドネシアではパーソナルスペースが狭いためであり、それはインドネシア語が日本語よりもよりフラットで、相手との壁を作りにくい言語であるところから自然に形成されていった民族的気質ではないかと考えています。

欧米、南米、その他東南アジア諸国に駐在経験のある人がインドネシアが一番住みやすいと言うのは意外だった。一番の理由が人の良さ、コンビニの店員と気さくに会話できる国なんてないだろ、タイでもなかったと言っていた。

言語や環境が人間の行動やしぐさに及ぼす影響は非常に大きいと思います。

サロンにおかま(bencong)が多いのは女性を相手にする機会が多いからだと思うし、タイにニューハーフが多いのはタイ語独特のなよなよ感が男性を女性化させる力を持っているからだと勝手に推測しています。

国に誇りを持っているところ

サッカーインドネシア代表(King GarudaとかKing Indoの愛称で呼ばれる)の試合があるときや独立記念日が近いときに国を意識するのはわかりますが、自国に対してKKN(Korupsi汚職・Kolusi談合・Nepotisme縁故主義)や貧富の差など負の側面が多いことを認識していながらも、国の未来の発展を願う気持ち、そしてインドネシア人であることに皆が皆誇りを持っているところは本当に羨ましいです。

外国人にあれこれ言われることを嫌い、心の底からガチで『インドネシア最高!』と思っている人に出会うと若干引いてしまうところがあるのですが、右も左も考え方は異なるとはいえ、国を愛する気持ちが強いのは同じであるところは、ある意味日本に比べて非常に健全だと思います。

以上7つが私が日頃からインドネシア人に見習いたいと感じているところになりますが、先日嫁はんと近所のレストランで食事をし、会計済ませた後テーブルでまったりしていたところレジ(Kasir)のお姉さんがやってきて

さっきおつりいくらありました?1万ルピア足りなかったはずです。

って言って戻しに来ました。

私は逆に支払いが1万ルピア足りなかったものと思って、カバンから財布取り出しそうになったくらいで、口からお礼の言葉が出てくるまで3秒くらいかかりました。

おおげさかもしれませんが、こんな些細な出来事のおかげで益々インドネシアが好きになりました。