継続記録法では、商品を仕入れた際に商品勘定というB/S科目として計上し、出荷のたびに商品勘定をマイナスして在庫と会計上の商品勘定残高を一致させます。これに対して、三分法では仕入を費用勘定としてP/L科目に計上し、月末に仕入と月初在庫、月末棚卸評価額を売上原価に振り替えます。
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インドネシアの会計システム
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この記事でわかること
- 継続記録法では商品を出荷時に売上原価として費用化し、在庫と会計上の残高をリアルタイムで一致させます。
- 三分法では月末に仕入と在庫を売上原価に振り替え、月初在庫+仕入-月末在庫で売上原価を算出します。
- ERPシステムでは出荷基準で売上を計上し、Invoice発行時に売上債権を振り替えることが多いです。
- 特別損失は売上原価から控除することで、PL上で当月仕入れた分を把握できます。
- 低価法では原価管理システムで計算した単価と市況を考慮した時価の低い方で在庫を評価します。
業務システムが会計仕訳を発生させる流れ
業務システムにおける購買管理から一般会計への流れは、具体的な手順に従って進行します。以下にその流れを示します。
ERPシステムの場合
一部の業務システムでは、入荷処理後に仕入登録を行わず、インボイスに基づく債務登録を行い、仕訳生成と元帳へのポスティングを同時に行うことがあります。
会計システムの場合
会計システムの元帳(G/L)の場合
継続記録法(分記法):Perpetual method
ERPシステムでは、発生主義に基づき出荷基準で売上を計上し、同時に製品を売上原価(COGS)に振替えて費用化します。これにより、会計上の棚卸資産残高を継続的に把握し、売上に対する債権(A/R)はInvoice発行まで未実現勘定(A/R Accrued)に仮置きし、Invoice発行時にA/R AccruedをA/Rに振替(Re-class)する継続記録法(perpetual inventory method)を採用することが多いです。
継続記録法では、すべての出荷時に商品の原価を把握する必要があり、在庫評価額とG/Lの棚卸資産勘定残高をリアルタイムに同期させるため、在庫受払の評価金額は移動平均単価を使って評価するか、完全なロット管理による先入先出法(FIFO)を用います。この方法により、会計システムのG/L上でCOGS勘定とInventories勘定がリアルタイムに更新されます。
入荷時
- (借) Inventories 500,000 (貸) A/P Accrued 500,000
Invoice到着時
- (借) A/P Accrued 500,000 (貸) A/P 500,000
発生主義に基づき出荷時に売上を計上する出荷基準の場合は以下のようになります。
出荷時
- (借) A/R Accrued 600,000 (貸) Sales 600,000
Invoice発行時
- (借) A/R 600,000 (貸) A/R Accrued 600,000
- (借) COGS 500,000 (貸) Inventories 500,000
顧客で検収が終わった後にInvoiceを発行しSales計上する検収基準の場合は以下のようになります。
出荷時
- (借) Shipment clearing 600,000 (貸) Inventories 600,000
Invoice発行時
- (借) COGS 500,000 (貸) Shipment clearing 500,000
- (借) A/R 600,000 (貸) Sales 600,000
三分法(棚卸計算法):Periodic method
三分法は、月中の商品入荷を仕入勘定(Purchase)で費用計上し、月末の決算整理仕訳(Closing Journal)でOpening stock、Purchase、Closing stockを売上原価(COGS)勘定に集約する棚卸計算法(periodic inventory system)です。この方法では「月初在庫+仕入-月末在庫」の差額をCOGSとします。
入荷時
- (借) Purchase 500,000 (貸) A/P Accrued 500,000
Invoice到着時
- (借) A/P Accrued 500,000 (貸) A/P 500,000
出荷時
- (借) A/R Accrued 600,000 (貸) Sales 600,000
Invoice発行時
- (借) A/R 600,000 (貸) A/R Accrued 600,000
在庫管理システム上では、数量は受払の都度増減し、購入品は移動平均法で単価をアップデートできますが、入荷した棚卸資産は仕入勘定に費用として積み上げられ、会計システム上のB/Sの棚卸資産価額は月末まで変化しません。工場経営に必要な情報は現在庫数量や債権債務の支払い予定であり、P/LやB/Sは月末に確定できれば十分です。
月中にG/L上の棚卸資産残高はアップデートせず、月末の実地棚卸で評価額を算出し、月初在庫と月末在庫をOpening stockとClosing stockというP/L科目を介して振替えることで、棚卸資産が在庫管理と会計との間で同期します。
売上原価に積上げる費用
工場会計では、棚卸資産の受払以外に、決算整理仕訳で振替伝票にてCOGSに振替えるのが以下の3つです。
- Freight in(CIF費用=仕入諸係)→Direct materialに付加
- Direct labor cost(直接労務費)
- FOH(製造間接費)
輸入申告書=PIB (Pemberitahuan Impor Barang)に含まれる関税(Bea Masuk)やPPh22、PPN、通関許可証=SPPB (Surat Persetujuan Pengeluaran Barang)など、の仕入に付随するCIF(Cost, Insurance and Freight)費用をCOGS勘定に振替えることで、最終的にCOGSを確定させ売上総利益(Gross profit)を算出します。
決算整理仕訳(Closing Journal)

固定資産減価償却仕訳
決算整理仕訳では、P/L科目のNet incomeへの振替えの前に、減価償却費を固定資産管理システムからインターフェイスしておく必要があります。具体的には、Fixed asset勘定科目ごとの償却仕訳を行います。
- (借) Depreciation (SGA) 3 (貸)Accumulated depreciation(マイナス資産) 3
SGAはSelling and Generally Administrative Expensesの略称です。
棚卸資産をOpening balanceとEnding balanceに振替
棚卸資産(材料・仕掛品・製品)については、月初繰越高と月末棚卸高の振替仕訳を行い、会計を在庫に同期させます。このOpening stock(期首商品棚卸高)とClosing stock(期末商品棚卸高)勘定はP/L勘定のコントラ勘定です。
- (借) Opening stock 20 (貸) Inventories 20
- (借) Inventories 30 (貸) Closing stock 30
仕入勘定は同じ費用勘定である売上原価勘定に振替
売上原価(COGS)勘定への振替仕訳を行い、COGS残高が当月売上原価となります。
- (借) COGS 20 (貸) Opening stock 20
- (借) COGS 30 (貸) Purchase Goods 30
- (借) Closing stock 30 (貸) COGS 30
P/L科目を全部振替(Re-class)
COGSも含めたすべてのP/L科目をNet income(Income summary)勘定に振替えます。インドネシアではTrial balanceという場合、一般的に残高試算表を指すことが多いですが、日本の会計担当者からは合計残高試算表を求められるケースがあります。
- 合計試算表:貸借にそれぞれの科目ごとの合計金額を表示
- 残高試算表:インドネシアで通常のT/B(バランスのみで片方の残高が0)
- 合計残高試算表:1と2の両方を別列で表示させたもの。
精算表は「T/B貸借列+B/S貸借列+P/L貸借列」から構成され、T/BからB/S項目とP/L項目を分離するClosing(決算)処理で作成しますが、一般的にインドネシアでは作成しません。
当期純利益を利益剰余金(Retained earning)に振替
実際にRetained earning勘定が毎月末登場するとは限らず、利益処分を行う期末のみに登場する場合が多いです。その場合、毎月のP/L上でNet profitはExpenseとIncomeの差額で表示され、B/S上でもNet profitという記載で資産の部に表示されます。

三分法と継続記録法の最大の違い
月末在庫の差引による売上原価の確定や、出荷時に継続的に売上原価を更新する方法に関わらず、P/L上の売上原価の表記は次のように表現されます。
システム会計では、材料費、製造原価、売上原価を計算する際、売上原価勘定や仕入勘定に月初、当月入庫、月末残を集約せず、G/Lのデータを直接収集し、計算結果をこの書式に合わせてP/Lに反映しています。
当月末に残った在庫は、Closing Journal(決算整理仕訳)で行った在庫振替仕訳のClosing stockを使用し、在庫に残って費用化していない部分を控除しています。
- (借) Opening stock (貸) 商品
- (借) 商品 (貸) Closing stock
三分法では商品の入荷は仕入勘定で処理され、商品勘定は在庫振替時のみ登場しますが、継続記録法では商品勘定の動きで継続的に在庫額を把握するため、仕入勘定やOpening stock、Closing stockという勘定は使用しません。商品の払出が記録されるのが三分法との最大の違いです。
継続的に商品の動きを記録するシステムでは、三分法で売上原価を計算しないにもかかわらず、P/L上の売上原価算出部分では三分法的な書き方をするため、混乱が生じることがあります。
三分法での特別損失処理
月末締め処理
- (借) Opening stock 100 (貸) 商品 100
- (借) 商品 120 (貸) Closing stock 120
P/L上の売上原価算出部分には現在以下のように記載されています。
商品不良を特別損失計上し仕入から差し引く
三分法では売上原価は仕入勘定の動きで計算されるため、引き落とすのは仕入勘定であり、商品勘定は決算整理仕訳の在庫振替時以外では使用されません。
- (借) 特別損失 5 (貸) 仕入 5
ありがちな勘違いは「実務としては特別損失分の商品を月末在庫から取り出して廃棄するのだから、上記式の月末120から商品5を引き落とす。あれっ、売上原価に計上されてしまったけど、後で特別損失で二重計上されちゃうんじゃないの?」というものです。
物理的には「不良品倉庫に残っている月末在庫からモノを取り出して廃棄する」のですが、商品不良分も仕入計上した時点で当月仕入費用に計上されてしまっているので「費用計上しない分は仕入から控除(仕入なかったことにする)」するか、または「売上原価から控除する」必要があります。
仕入勘定から差し引いても悪くはないのですが、この場合には仕入れなかったことにするわけですから、本当は当月いくら仕入れていたのかわからなくなります。ちなみに特別損失処理計上を、締め処理前にやっても締め処理後にやっても、P/L上の売上原価への影響は同じです。
商品不良を特別損失計上し売上原価から控除する
P/L上の売上原価算出部分に、他勘定振替勘定で売上原価から控除していることを明確にします。
- (借) 特別損失 5 (貸) 製品他勘定振替 5
結果は同じですが、間接的に売上原価を控除することにより、PL上で本来当月仕入れた分が把握できます。
継続記録法での特別損失処理
月末締め処理
継続記録法では、商品の動きが常に記録されます。月初の在庫が100であった場合、当月中に仕入と払出が繰り返され、月末在庫は120になります。
商品不良を特別損失計上し商品から差し引く
- (借) 特別損失 5 (貸) 商品 5
P/L上では、特別損失により商品払出が追加され、月末在庫が120になったことを示します。月末在庫は売上原価から費用計上しない部分を控除しているため、月末在庫から商品を引くと費用が二重計上されます。
この場合、当月の仕入額が不明になります。
商品不良を特別損失計上し売上原価から控除する
P/L上の売上原価算出部分で、他勘定振替勘定を用いて売上原価から控除していることを明確にします。
- (借) 特別損失 5 (貸) 製品他勘定振替 5
廃棄・在庫調整・試作品・社内消費に基づく出庫実績
生産管理システムの出庫実績に基づく原価振替には、製造原価内での振替や売上原価から販管費への振替があります。材料や仕掛品の仕損費は製造原価から控除します。製造原価内での振替なので、この仕訳がなくとも製造原価自体の金額は変わりません。
- (借) 仕損費 (貸) 仕掛品他勘定振替
製造原価確定後の製品の廃棄損は売上原価から控除します。この仕訳がないと売上原価が過大計上され、売上総利益が過少になりますが、営業利益は変わりません。
- (借) 製品廃棄損 (貸) 製品他勘定振替
試作品は販売費として売上原価から控除します。この仕訳がないと売上原価が過大計上され、売上総利益が過少になりますが、営業利益は同じです。
- (借) 販管費 (貸) 製品他勘定振替
社員の賄い用の場合、一般管理費を売上原価から控除します。この仕訳がないと売上原価が過大計上され、売上総利益が過少になりますが、営業利益は同じです。
- (借) 一般管理費 (貸) 製品他勘定振替
冶具の場合は資産計上しますが、この仕訳がないと売上原価が過大計上され、売上総利益が過少になりますが、営業利益は同じです。
- (借) 資産 (貸) 製品他勘定振替
システム在庫と実地棚卸数量の棚差の扱い
「月初仕掛品+当月製造費用-月末仕掛品」で当月製造原価を確定する方針の場合、月末の棚卸に基づく出庫実績から会計上で原価振替仕訳を行う必要はありません。なぜなら「月末仕掛品」は実地棚卸数量に基づく金額であり、棚差は三分法の結果である当月製造原価に自動的に含まれるからです。
この場合、棚差分の製造原価が過大になり、売上原価が過大になり、売上総利益が過少になります(営業利益は同じです)。棚差を棚卸減耗損(販管費)に計上する場合は、売上原価から控除します。他勘定振替を通して製品月末評価額に減耗分をプラスすることで、間接的に売上原価から減耗分を控除します。
- (借) 棚卸減耗損 (貸) 製品他勘定振替
材料の棚差を製造原価内の製造間接費に振替える場合は以下の仕訳を発生させますが、製造原価総額に変動はありません。
- (借) 製造間接費 (貸) 仕掛品他勘定振替
輸入申告書PIB(Pemberihauan Impor Barang)の費用や物品搬出承認書SPPB(Surat Persetuhuhan Penerimaan Barang)の費用などの仕入諸係を製造原価に配賦します。この仕訳がないと製造原価が過少になり、売上原価が過少になり、売上総利益が過大計上されます(営業利益は同じです)。
- (借) PIB (貸) A/P
- (借) 製造原価 (貸) PIB
低価法による在庫評価替えに伴う仕訳
原価管理システムで計算した総平均単価と、市況を考慮した時価のどちらか低い方で在庫を評価する際に発生する損益仕訳について説明します。著しい陳腐化の場合は棚卸評価損として販管費に計上し、盗難や火事など通常考えられない理由で生じた場合は特別損失として営業外費用に計上します。この仕訳がないと、材料や仕掛品の場合は製造原価が過大になり、製品の場合は売上原価が過大になります。
- (借) 棚卸評価損 (貸) 仕掛品他勘定振替
- (借) 特別損失 (貸) 製品他勘定振替
市況等を考慮した実勢値を評価単価マスタに設定し、総平均単価よりも低ければ差額を評価損として計上し、評価単価を月末在庫の評価に適用します。高ければ総平均単価を適用し、この場合の評価損は0です。
- 月末評価単価マスタに市況を考慮した実勢値を設定します。
- 実勢値と原価計算結果の月末評価単価の差である評価損を計算します。
- 評価替処理タイプマスタの切捨フラグをオンにし、計算結果をコピーすることで、翌月の月初在庫は評価損を費用計上し評価額を下げて繰り越します。
継続記録法(Perpetual Method)と三分法(Periodic Method)の在庫評価
三分法では、仕入時に仕入勘定(費用勘定)に計上し、月末に月初在庫と月末在庫を振替え、各々のコントラ勘定(Opening StockとClosing Stock)と仕入勘定を売上原価勘定(Cost Of Goods Sold)に振替えることで売上原価を算出します。しかし、インドネシアでは仕入時に資産勘定(材料・商品)に計上し、月末に消費した分(売れた分)だけ標準原価を元に算出した製造原価(売上原価)に振替えるケースが多いです。
- 在庫受払が会計仕訳を生成する(継続記録法)の特徴
- 常時在庫評価額を維持する必要があり、先入先出法(FIFO)や移動平均法は適用可能ですが、総平均法は適用できません。
- リアルタイム入力が前提で、受払の順番を入れ替えると正しい評価額で計算されません。
- 受払の都度、在庫と製造原価と売上原価が正しく計算され、P/Lが自動生成されます。
- 在庫受払が会計仕訳を生成しない(棚卸評価法)の特徴
- 三分法で売上原価を算出します。
- Opening Stock勘定とClosing Stock勘定(P/Lのコントラ勘定)で会計を在庫に同期します。
- Opening stock勘定とClosing stock勘定と仕入勘定を売上原価勘定に振替えて売上原価を算出します。
- P/L科目残高をすべてNet Income勘定に振替えて売上総利益を算出します。
- 総平均法が適用可能です。
- 月末に評価額が決まるので、月中の在庫数量がマイナスになっても問題ありません。
- 月中でもMonth-To-Date(月初から今日まで)としての総平均単価で在庫評価は可能ですが、会計上は月末時点の総平均単価が適用されます。
- 三分法で売上原価を算出します。
- 両者に共通する特徴
- 先入先出法は入荷時が仕入計上であることが大前提です。
- CIF費用のインボイス金額を仕入インボイスに賦課する必要があります。
ちなみにMonth-To-Date(MTD)は「当月初から今日まで」で、Year-To-Date(YTD)は「年度初から今日まで」を意味します。
在庫管理における数量と金額という二面性

在庫管理には数量と金額という二面性があります。数量は入荷時点で倉庫に記録されますが、金額はインボイス到着後の仕入計上時点で決定されます。このため、入荷と仕入計上のタイミングが異なると、出庫の評価額が決まらないことがあります。
先入先出法(FIFO)や移動平均法は、出庫時に評価単価が決定していなければ成立しない在庫評価方法です。総平均法(月次)では、評価単価が決定するのは月内のすべての入荷金額が判明する月末時点ですが、実際には翌月初にすべての入荷インボイスが到着します。

- 入荷時にダミー仕入計上を行い、在庫を使用可能にします。インボイス番号にD/O番号を入力し、月まとめインボイスと照合後、D/O番号をインボイス番号に修正します。
- 入荷時
(借) Purchase (貸) A/P Accrued - インボイス到着時
(借) A/P Accrued (貸) A/P
(借) VAT-In Prepaid
金額が確定するのは月まとめインボイス到着時点です。インボイスの金額がP/Oの金額と異なる場合は、仕入金額と債務金額の修正が必要です。
- 入荷時
- 月まとめインボイス到着時に、月内の入荷分すべてを同一インボイスNOで初回入荷日を仕入計上日とし、月内の出庫実績をまとめてインポートします。
製造業の一般的な勘定連絡図
製造業における勘定連絡図を理解することは、財務分析において重要です。損益計算書(P/L)では、「売上-売上原価」が売上総利益を示し、売上原価(COGS)は「月初製品+当月製造原価-(他勘定振替+月末製品)」で計算されます。当月製造原価(COGM)は「月初仕掛品+当月製造費用-月末仕掛品」であり、当月製造費用は「材料費+製造労務費+製造経費」で構成されます。
売上総利益から販管費を差し引くと営業利益が得られ、さらに営業外収益費用を考慮すると経常利益が算出されます。

会計システムによる三分法(Periodic Method)
三分法における資産勘定の動きは、月初繰越高をOpening stockという費用コントラ勘定に振替え、実地棚卸に基づいて月末在庫残をClosing stockという費用コントラ勘定に振替えることから始まります。これにより、製造原価勘定で仕入、製造経費(FOH)、労務費(Labor cost)と共に三分法仕訳を行い、売上原価を確定させる方法です。
このプロセスは、Hanafirst会計システムを利用することで自動化され、効率的に行うことが可能です。自動仕訳機能により、仕訳の手間を大幅に削減し、期間ロック機能でデータの整合性を保ちます。

在庫管理システムによる三分法
在庫管理システムでは、移動平均単価を随時アップデートし、月末にシステムが在庫残高更新処理(Balance Update)を行うことで評価額を確定します。さらに、月末にバッチ処理で総平均単価を算出し、同様に在庫残高更新処理を通じて評価額を確定し、会計システムに棚卸在庫評価額をインターフェイスします。
このプロセスは、非製造業向けERPシステムで採用される仕組みです。しかし、購入品自体の原価以外にかかる仕入諸係等を考慮した評価単価をシステムで計算するのは難しい場合があります。
原価管理システムによる三分法
材料や購入部品は総平均単価で計算されます。
総平均単価に生産実績数量を掛けることで、品目単位(仕掛品・製品)の直接材料費を算出します。労務費や製造間接費などの固定費は、試算表(T/B)残高を間接部門からコストセンター(直接部門や製品グループなど)まで集計してから、コストセンター直課で品目按分します。
三分法により帰納的に材料消費高、製造原価、売上原価を算出するのではなく、原価管理システムでは総平均法で当月材料単価を算出し材料消費高を計算します。一方で固定費は発生額を帰納的に直接工数で按分することにより、製品の直接材料費に積上げられ、「製品単価x売上実績数量」にてCOGSを算出するところに違いがあります。
製造間接費を部門配賦し、元帳(G/L)で部門別損益を把握したい場合は、間接労務費勘定を成形部門用と加工部門用に分割して、マニュアルで振替(re-class)仕訳を行なう必要がありますが、費用計上時に部門コードを入力する必要があります。
- (借) 間接労務費 10,000 (貸) 当座預金 10,000
原価管理システム上で配賦計算結果に基づき振替仕訳を行なう場合
- (借) 間接労務費(成形) 40,000 (貸) 間接労務費 40,000
- (借) 間接労務費(加工) 60,000 (貸) 間接労務費 60,000
生産管理システムによる継続記録法(Perpetual Method)
実際原価計算では、月末に総平均単価から直接材料費を算出し、直接労務費や間接費はG/L(一般会計)から集計した当月発生費用を、作業時間や出来高で配賦します。しかし、企業会計の現場では迅速なスピード会計が求められるため、原価計算基準の実際原価計算では予定配賦が認められています。
直接材料費単価は移動平均法で随時更新し、固定費は標準単価を品目マスタまたは部品構成表(BOM)に持たせます。材料の投入実績により、資産勘定である材料を費用勘定である材料消費高に振替え、材料費と固定費をコントラ勘定を通して仕掛品に振替えます。これにより、リアルタイムに投入と生産の受払仕訳を生成し、棚卸資産の動きを会計上のB/Sに反映します。
固定費は月末に確定するため、製品評価額は「材料使用額(移動平均)+標準固定費」となり、月末に実際固定費発生額との差異の調整仕訳が必要です。出荷の都度、製品を売上原価に振替えることで、月中でも在庫とP/LとB/Sがシンクロします。
材料消費分を資産勘定である材料から直接減らすのではなく、コントラ勘定である材料消費コントラ勘定を使うのは、月末に材料消費高の残高をG/Lから取得するためです。
1.購買入力にて入荷分の棚卸資産(材料)が実績計上されます。
- (借) R/M 10 (貸) A/P 10
2.投入実績にて材料を材料費に振替えます。このとき材料評価額を決定する材料単価は移動平均単価です。
- (借) Material Cost 10 (貸) R/M 10
3.生産実績から当期製造費用をコントラ勘定にて振替えます。その際に発生する固定費は月末に実際原価が確定するまでの間、BOMにセットしてある標準単価を使用します。この場合、マイナス費用のコントラ勘定に先に計上されます。
- (借) WIP 10 (貸) Material Cost-Offset 10
- (借) WIP 5 (貸) FOH-Offset (Cost credit) 5
- (借) WIP 30 (貸) Labor Cost-Offset (Cost credit) 30
4.仕掛品投入分を製造原価へ振替えます。
- (借) COGM 45 (貸) WIP 45
5.製造原価コントラで製品へ振替(re-class)します。
- (借) F/G 45 (貸) COGM-Offset 45
6.売上登録により出荷分の棚卸資産(F/G)が売上原価に振替えられます。
- (借) COGS 45 (貸) F/G 45
7.固定費の差異を製品(月末棚卸高)と売上原価とに数量按分し算入します。
- (借) F/G 0.2 (貸) FOH-Offset 1
- (借) COGS 0.8
よくある質問|継続記録法と三分法
在庫会計の基本の切り分けです。
継続記録法の利点は?
入出庫の都度在庫が更新され、リアルタイムに近い残高管理がしやすい点です。
三分法が向く場面は?
期末に仕入・繰越・売上原価を整理する運用が中心のときです。システムでは継続記録寄りでも勘定の見せ方で三分法的な整理を併用できます。
導入時の決め手は?
現場の入出庫頻度と、月次で求められる在庫精度です。

