生産年齢人口が従属人口の2倍以上ある人口ボーナス状態が2030年まで続くインドネシアの未来のポテンシャルを体感したければ、スターバックスに集まる将来の経済成長を支える若いビジネスマン達を観察することをお勧めします。 インドネシアのコーヒー 「インドネシアのコーヒー」と聞いて思い浮かぶのはオランダ植民地時代に持ち込まれたコーヒーノキを起源とするプランテーション、北回帰線と南回帰線の間に東西に連なるコーヒー栽培に適した地理的風土、多数の高原地帯で栽培され風味も味わいも異なるご当地コーヒーなどです。 続きを見る
スタバに集まる次世代のスタートアップ達
自分はこのブログを通じて、いかにインドネシアのスタバが最高かということを訴え続けており、インドネシア経済の潜在能力を体感したければスタバに行くことを推奨しています。
2億4千万人という世界第4位の人口を持つインドネシアは、人口構造も綺麗なピラミッド型で、2030年頃まで人口ボーナス(15~64歳の生産年齢人口が、0~14歳と65歳以上の従属人口の2倍以上ある状態)が続くと言われており、働き手1人あたり2.3人の高齢者を支える日本からすると、うらやましいくらいのバラ色の経済成長が見込まれます。
また外国からのVC(ベンチャーキャピタル)による投資活動が活発に行なわれているのは、東南アジアの中でもスマホアプリやEコマース分野での有望なスタートアップが多い証であり、PCよりも手軽に買えて扱えるモバイルファーストの国民性が、毎年50%以上のEC産業の成長を支えています。
スタバにはこういう活気ある市場で次の成功を夢見る若いお姉さんやお兄さん達がそぞろ集まってきて、Mac book開いてビジネスプランを練っている訳です。まあ実際は遊んでいる人も多いでしょうけど。
勝手にコンセント使っても盗電にならないインドネシア
日本ではカフェで勝手に許可なくスマホのチャージすると盗電になり、下手すると警察沙汰になるみたいですが、インドネシアではカフェやレストランで電源取るのは、空が青いのと同じくらい当たり前のことであり、日中のスタバはノートPC開いた学生やビジネスマンに占拠されて、電源確保のための椅子取りゲームが大変です。
インドネシアで盗電(Curi listrik)と呼ばれるものは、工場やビルが分電盤を改造して摘発されるというような悪質なものから、個人が電柱から勝手に電線を引こうとして感電死、とか笑えないニュースまでありますが、 盗電によるPLN(Perusahaan Listrik Negara)の年間損失額はRp. 1.5 Trilyun(1.5兆ルピア=約120億円)というとんでもない額になっています。
盗電で一番メジャーなのは、PLNから設置された10A対応のサーキットブレーカー(Miniature Circuit Breaker 略称MCB)を20A対応のものに変えて、一般的な230Vの電圧環境での電力(daya listrik)を2300Wから4600Wに倍増させ、その分メータ(kWh meter)が回らないようにジャンパー線の配線を変えて回転を遅くするという結構手が込んだやり方です。
カフェにあるコンセントをあたりまえのように使えるというのは、店側からするとコンセントを設置することで客が来る一方で、コーヒー一杯で長時間粘られると回転率が落ちるというジレンマがあるはずなので、インドネシアのカフェも日本みたいに電源利用を規制するようになり、それも時代の流れとしてあきらめざるを得ない日がいずれ来るのかもしれません。
インドネシアのスタバが最高だと思う理由
日本に滅多に帰国しないので日本のスタバの状況は詳しくありませんが、出張者の話を聞く限り日本よりもインドネシアのスタバのほうがプロモの種類と回数が多くラッキーだということは間違いないようです。
日本人はまじめなのでプロモをかけなくてもお金払うということなんでしょうが、自分の場合は日本に帰国した際にもインドネシアのメンバーカードは使えないし、電源も好き勝手に自由に取れない、下手すると盗電呼ばわりされるとなると、インドネシアのスタバのサービスに慣れてしまった今、日本でスタバに行く理由はありません。
以前はインドネシアのスタバの最小サイズはTallサイズなので、日本にShortサイズがあることがうらやましい(1回で飲むブラックコーヒーの適量はShortサイズだと思う)と思っていましたが、よく考えると240ccのshortサイズと360ccのTallサイズの価格差が40円程度だったらshortはかなりの割高になります。
そして日本のスタバと比べてインドネシアのスタバの大きな特徴の一つは、プロモの種類と回数がやたらと多いことであり、だいたいスタバの前を通りかかって、朝一とかいつもは空いている時間に客が並んでいたらなんかプロモやってるなと判ります。
それくらいプロモを打ち出す戦略はインドネシアで効果を挙げており、提供するサービスを細分化して、あらゆるニーズを取りこぼさないようにしようとすることが、インドネシアのサービス業の常道になっているのかもしれません。
プロモーションの数が多いインドネシアのスタバ
なかには日本のスタバにもあるかもしれませんが、ざっとインドネシアのスタバの特典を挙げてみます。
- タンブラーやテルモスtermos(水筒)持参で割引
これは日本にもあるサービスで、通常の日ではタンブラー持参で、ドリップコーヒーTallサイズRp.21,000がRp.18,000(14.3%オフ)なります。 - タンブラーズデイ(TUMBLER’S DAY):毎月22日
4月22日のアースデイEarth Day (地球の日)にあわせて、毎月22日をタンブラーズデイとしてコーヒー飲みながら地球環境について考えようという意図らしく、毎月22日にはスタバに行列が出来るので、スタバの前を通って今日が22日であることに気づいたりするくらいのプロモの効果を挙げており、人間数万ルピアのためにこんなに人が集まるもんだと行列を見るたびに感心します。スタバオリジナルのタンブラーやテルモス以外でもディスカウントが効きますが、タンブラーズデイにはスタバのタンブラーでないと半額になりませんので注意が必要。 - メンバーカード読み取り機のトラブルでダウンサイズ価格
スタバメンバーカードで支払う際に、読み取り機が故障していた場合、お詫びのしるしにダウンサイズした価格になりますので、TallサイズRp.21,000がShortサイズRp.18,500になります。ちなみにタンブラー持参で読み取り機が壊れていた場合、TallサイズではなくShortサイズの価格Rp.18,500からRp.3,000引きでRp.15,500となり、かなりのお得感が得られます。 - アンケート系(1杯無料)
スタバのサイトにアクセスして、レシートに書いてある番号を入力してアンケートに答えると一杯無料になるサービスは日本でもあるかと思います。 - 選挙系プロモ
今月4月19日はPILKADA(PemILihan KepAla DAerah)ですが、インドネシアの選挙会場では二重投票防止のため、インクの瓶に指を浸して投票済みの目印としますが、今回のジャカルタ州知事の決戦投票や大統領選挙など大規模な選挙の投票率の向上に一役買うために、投票済みのインクの目印のある人に特別割引を設定します。但し時間帯限定の指定がある場合があるので注意が必要。 - 記念日系プロモ
8月17日の独立記念日、スタバの誕生日HUT(Hari Ulang Tahun)、BCA銀行の誕生日などには、その近辺の数日間は半額もしくは60%引きになります。 - アースマンス(Earth Month):4月
4月はタンブラーまたはマグカップ持参者は、通常はドリップコーヒーが14.3%オフになりますが、スタバメンバーカード保有者に限って30%オフのRp.15,400という非常に懐に優しい価格になります。 - ハッピーアワー:毎月15日の3時~7時
全飲み物と食べ物が半額になりますがスタバメンバーカード保有者に限ります。 - 他サービスとのコラボ系プロモ:不定期
- BCAのクレジットカードで支払うとフリーアップサイズでTallサイズがGrandサイズになりますが、インドネシアの銀行のクレジットカードを持っていない自分には縁のない話です
- LineアプリのクーポンでBuy 1 Get 1サービスがたまにあります。
携帯キャリアーの通話&データ通信プランの複雑な価格体系なんかもそうですが、インドネシアの消費者人口が多く、個人の経済事情や家庭環境に応じて広く浅くサービスを展開するほうが、専門性を追求する戦略よりも儲かるから「専門店のサービス」よりも「ファミレス系のサービス」になっていかざるをえないのかもしれません。
いつも気さくなスタバの店員
いつものスタバでいつものアイスコーヒーを注文していると、だいたいなじみの店員が「今日は珍しい時間に来たねー」とか「今日もいつものアイスでいいのかなー」とか馴れ馴れしくフレンドリーに話しかけてきます。
ところが昨日はちょっとひねりを加えてきました。
- 今日は低血圧の具合はどうですか?
僕の経験では、インドネシア人が低血圧の人間に対して言うアドバイスは「サテカンビン(ヤギの焼き鳥)を一杯食べろ」という無責任極まりないものか、または「Sangobion(低血圧の有名な薬)を飲め」とかありきたりのものかの二択です。
ただコイツ、見た目はチャラそうなんですが、何故かまともなこと言いました。
- セロリとかブロッコリーとか鉄分豊富な野菜をたくさん食べて、きっちり運動して睡眠を十分にとりなYO
いやまあ確かにオマエに言われるまでもなくそのとおりなんだろうけど、なんか悔しいので思わず抵抗しました。
- Teorinya Mudah, Tapi Prakteknya susah(理屈では簡単だが実際やるのは難しいよ)
ところがこのチャラい店員は、想定外のこんな言葉を返してきました。
- Belajar teori di sekolah pesing, tapi Prakteknya gampang.(学校で理論を勉強するのは頭が痛いけどやってみると簡単なもんだYO)
なるほど、その発想はなかったYO。
要は「実行するまでいろいろ理屈をつけるから難しく感じるのであって、やってみると以外と簡単」と言うことを言いたかったのだと思いますが、いいこと教えられました。
納得したので、今度はきちんとお礼を言ってあげました。
- ありがとう、君のおかげで一個賢くなったよ
ところがこの一言でコイツ気分を良くしたのか調子に乗って余計なことまで言い出します。
- エッチするのもそうだろ、口でよさを説明しても分からないけどやってみると超簡単だYO
いやまあ確かにおっしゃるとおりなんだろうけど、お前それ鉄板ネタっぽいけど女性客にやったらセクハラで問題になるんじゃね。
そういえばコイツ先月サッカーフランス代表でレアルマドリードのベンゼマ選手の髪型マネして、それまでの長めの髪を短髪にしたんですが、同じような下(しも)のノリで髪型をディスってやろうかと思いました。
- そういえばベンゼマは同僚のエッチ動画脅迫で逮捕されちゃったねー
まあここで角を立てても何の得もしないし、傷つけたら恨まれそうなので止めときましたけど。
スタバで働く日本語学科出身の女の子
Grand IndonesiaのEast mall 3階のスタバで7時の3in1(スディルマン通りなどの主要道路は特定の時間帯に1台の車に3人以上乗っていなければならないという交通規制)開けを待つのですが、いつものようにアイスコーヒー注文したら、初めて見る店員の娘に日本語で返されました。
- ショウショウオマチクダサイ
どうやら日本語学科出身らしい。ここは場所柄日本人が多いから学校で専攻した日本語が生かせる店舗に配属されてよかったね。
スタバのスタッフは各店舗をローテーションされますので、タムリンのBIIの地下のショップにいた娘が突然居なくなり寂しいなあ、と思っていた矢先にスティアブディ店ですぐに再会したり、昨日までRest area19kmにいた娘が今日から59kmの店舗に配属されて再会したりします。
- ハーイ、今日から私この店舗に配属になったのョー
こんなこと言われても、全く違和感ないので何のことか一瞬分からないということもありました。
僕は毎朝オフィスに出社しているのかスタバに出社しているのか分からないような生活をしていますので、オフィスから最短距離のスタバにたどたどしい日本語を操る店員が配属されたということで、また一つ楽しみが増えました。
ジャカルタで飲めるマニュアルブリューイングによるコーヒー
現在ジャカルタのカフェではマニュアルブリューイングでシングルオリジンのコーヒーを飲ませるのが流行りつつありますが、これまで先進国への一次産品の輸出で経済を支えてきたインドネシアが、経済成長に伴う中間層の拡大により、世界に誇れる国内産のコーヒー産地で栽培した高品質のコーヒーを、ようやく自分で味わう余裕が出てきたということであり、喜ばしい限りです。
インドネシアでは食品から電気製品まで、品質は常にImpor(輸入品)がLokal(国内品)を凌駕しており、ローカルという言葉の響きに自虐的ニュアンスすら感じられることが多いわけですが、コーヒーに関してはインドネシア人が「今日は贅沢してローカル産を飲もうか」と言えるようになる日が来ればいいと思います。
僕がインドネシアに来たばかりの頃、Blok Mパサラヤ(Pasaraya)5階のトラジャカフェ(Toraja Kafe)では、インドネシア語を勉強しながら、サイフォン式コーヒーを飲んでいる日本人と高い確率で遭遇しましたが、日本でも飲んだことがなかったサイフォンを使ってこんなに気軽にコーヒーが飲めるなんて贅沢な国だ、と感激したのを今でも覚えています。
僕にとって初マニュアルブリューイングはこの化学室で実験している気分を味わえるサイフォン式だったのですが、現在ジャカルタのカフェで淹れるマニュアルブリューイングのほとんどがペーパードリップ式であり、ベトナムコーヒーを注文すれば滴り落ちる黒い滴に心を洗われるベトナムドリップ式になり、上からレバーをギュッと押すと床下からムニュッと黒いコーヒーが湧き出てくる瞬間が快感なフレンチプレス式で出すカフェも稀にあります。
エアロプレス式コーヒーメーカー器具購入
さて、アパート近所のスタバGrand Indonesia西館店の陳列棚にエアロプレス器具が置いてあるのは前々から知っていましたが、自分のコーヒーの好みが濃厚なビター系から酸味(Acidity)のあるフルーティ系に確実に変遷しつつある今、エアロプレス式(AeroPress)がどうしても必要という結論に達し、後で嫁さんに何と説明するかも考えず衝動買いしてしまいました。
エアロプレス器具自体は60万ルピアなんですが、スタバメンバーカードで買うと250gのwhole Bean(焙煎してまだミルまたはグラインダーしてない豆)パックがもれなくついてくるということで、メンバーカードにTop-up(金額補給)してから購入することで、前から飲みたかったColombiaのMedium Roast 250gパックを無料ゲットしました。
今回はエアロプレス器具の寸評するために、自分的には「コーヒーの印象を直球ど真ん中で伝える」キリッとした味わいが売りのPapua Wamenaの中煎り豆を、いつもどおりの中挽きで付属のスクープ(プラスティックの深めの大さじ)1.5杯分用意しました。
エアロプレス器具の使い方を簡単に説明するとこんな感じ。
- チャンバー Chamber(室:この場合注射器のボディ)からプランジャーPlunger(注射器のピストン部分)を押し出して、キャップ(網目状の底蓋)にペーパーフィルタを置いてして、チャンバーの底にセットし直す。
- チャンバーをマグカップの上に立てて載せ、挽き立てのPapua Wamenaの粉を入れて、底が平らになるよう揺する。
- チャンバーにお湯を注ぎ10秒ほどかき混ぜるが、お湯がマグカップの量を超えないよう注意。
- プランジャーを差込み、ゆっくりとプレスしていく。
つまりコーヒーの味わいに変化をつける要素としては、お湯の温度と注ぎ方、注いだ後にどれだけ寝かせるか、プレスの速度の3箇所になり、豆の種類や挽き方等まで考慮すると、順列組み合わせの公式からしても大変なバリエーションが発生することになり「最高の一杯」を追求するためには非常に奥の深い世界が広がっていることが判ります。
で、肝心の味のほうですが、はっきりしているのはいつも淹れている機械式のコーヒーメーカーに比べて「すっきり」した味わいで、昨日飲んだ西スマトラのSolok産やエチオピアなどアフリカ系のようなフルーティー系の味わいを最大限に引き出すのに適している、というかそのためにエアロプレス器具を買ったようなものなので、目論見どおりと言えると思います。
エアロプレス式はハンドドリップ式の中でも手軽に飲めて後片付けも簡単、と評されることが多いですが、低血圧で朝一は頭が回っていない自分に、限られた時間の中でチャンバーに適量のお湯を注ぎ、飲んだ後プランジャーを引き抜いてコーヒー粉をフィルタごと捨てて洗う、といった作業をこなせるかどうかは微妙かも。
エアロプレスの器具の中で最も痛みやすいのはプランジャーの先についているゴム製のシール部分なので、使った後はプランジャーをシールが圧縮されない位置までチャンバーに完全に押し込んだ状態で保管すると長持ちすると説明書に書いてあります。