コーヒー大国インドネシアでコーヒーは一日何杯まで飲んでいいのか?

2019/09/08

コーヒー大国インドネシア

コーヒーはカフェイン作用によるリラックス効果や脳の活性化、肝機能や腎機能の修復と活性化、アンチエージング効果やうつ病の予防効果もあることは間違いないようですが、飲みすぎることによる弊害については多くの学説があります。

インドネシアにはアメリカンコーヒーはない

日本でドリップコーヒーをお湯で割った薄めのコーヒーをアメリカンコーヒーと呼びますので、同じノリでインドネシアでアメリカンを注文したら、超濃いコーヒーが出て唖然とした経験がある人は自分だけでないはず。

それ、たぶんアメリカーノです。

アメリカーノ(americano)は、深煎り微細挽きした豆を、沸騰水で加圧抽出したエスプレッソをお湯で薄めたものなので、店によって薄め具合が異なるとはいえ、自分の経験から言えばインドネシアのアメリカーノは、普通のドリップと差別化するために、エスプレッソそのままに近い濃厚な状態で出てきます。

もう10年近く前の話ですが、スタバでドリップ(brewed coffee)を注文するも、ドリップマシンの準備がまだ出来ていない、でもアメリカーノならあるよ、と言われ仕方なくアメリカーノを飲んだとき、どうも普段飲んでいるドリップよりも濃厚だし値段も若干高いではないですか。

当時アメリカンは薄いコーヒーと信じていた自分は、店員のお姉さんに「アメリカーノってドリップよりも当然薄いんだよね」と確認したところ「アメリカーノはドリップコーヒーよりストロングなのよ」と言われ、このときはじめてアメリカンとアメリカーノは別物だと知りました。

これは天津の天津丼、ナポリのナポリタン、長崎トルコライス(これは食べたことない)に通じるものがあり、アメリカンコーヒーもおそらく和製英語メニューで、本場アメリカでもアメリカンコーヒーは通じないものと思われます。

コーヒーの効用と弊害

インドネシアでアメリカーノを注文すると、店によってはほぼエスプレッソに近い濃さのコーヒーが通常カップで出てくるわけで、昼に飲んだとしてもその夜は高い確率で目が冴えて寝つきが悪くなります。

コーヒーはカフェイン作用によるリラックス効果や脳の活性化、肝機能や腎機能の修復と活性化、アンチエージング効果やうつ病の予防効果もあることは間違いないようですが、飲みすぎることによる弊害については、令和の今でも学説がコロコロ変わります。

1日に飲んでも支障のない分量はカップ3杯という説もあれば5杯と主張する人もいますし、そもそもカフェインは筋肉を硬くすることで腰痛や肩こりを助長し、カルシウム排出効果により骨が弱くなるという説も唱えられています。

自分は毎日普通に6~7杯のブラックコーヒーを飲むのですが、インドネシア人にこれを言うとだいたい「体に悪いよ」「一日3杯までにしときな」とかしたり顔で言われます。

人のカフェイン摂取を心配する前に、キミらが飲んでいる砂糖たっぷりの甘々のコーヒーのほうが、よっぽどdiabetes(糖尿病)のリスクが高いだろうとも思います。

  • 結局コーヒーは一日何杯までなら飲んでもいいのか?

この問いに対しては未だ諸学説が入り混じり、これといった定説が固まっていないのが現状ですが、自分の場合コーヒーを飲むことの弊害としては、夜遅くコーヒーを飲むことでトイレに行く回数が増え、結果として睡眠が途切れることで寝不足になることくらいです。

ただカフェインの持つ利尿効果は侮れないので、渋滞の酷いジャカルタ市内やTOL(高速道路)に入る前は、トイレに行くのを我慢することで膀胱炎にならないように、極力コーヒーは飲まないようにしています。

余談ですが、インスタントコーヒーのNESCAFEには間違いなくデトックス効果が感じられ、NESCAFEをブラックで飲むと圧倒的にお通じが良くなり便秘気味のときに都合が良いです。

残念ながらKapal Apiでは効果がないのですが、サービスオフィスの無料インスタントコーヒーを毎日飲みまくっている自分の経験則であり、何の化学的根拠もありません。

インドネシアは高品質アラビカ種が国内でも普通に流通するようになりましたが、NESCAFEやKAPAL APIなどインスタントの味も悪くないと思います。製造元であるPT Nestle IndonesiaとPT Santos Jaya Abadi両方とも東カラワンのSurya Cipta工業団地内にあり、工場の近くはコーヒーの良い香り漂っています。

カフェイン中毒とカフェイン依存症

自分は朝食時に必ずコーヒーを飲むのですが、寝坊して朝食抜きの場合、お昼前にはだいたい体がコーヒーを渇望しているのを感じ、夕方まで一杯も飲めない場合には明らかに集中力が散漫になり、若干の頭痛を引き起こすことすらあります。

「それカフェイン中毒じゃないの」と言われるのですが、カフェイン中毒は一度に大量のカフェインを摂取したときに発生する脈拍数の増加、呼吸数の増加、胸痛、めまい、興奮など急性のものを指し、自分のようにコーヒーがないとソワソワ落ち着かなくなるのはカフェイン依存症と言ったほうが近いと思います。

これは急性アルコール中毒とアルコール依存症の関係と同じものだと考えられますが、カフェインが切れると手が震えだすとか、発汗して幻覚が見えるとかいう危ない症状は事例としてないようなので、同じレベルで考えるほど深刻には考えておりません。

だいたいカフェインはコーヒーだけでなくインドネシアのTeh(お茶)にも日本の緑茶にも含まれているので、人のコーヒーの飲みすぎを指摘する前に自分のカフェイン過剰摂取を気にしてろ、とも思うわけです。

ただ残念なことに、コーヒー一杯分の豆約10gに含まれるカフェインの量は100mg前後、一方でTeh一杯分の葉っは約5gに含まれるカフェイン量は30mgと、3倍以上もコーヒーのほうがカフェイン量が多いため、カフェイン依存症になる確率が高いのはやはりコーヒー派のようです。