バリ島サヌールでの強盗事件の記録から

2015/10/09

インドネシアの警察

2004年から2007年までバリ島のサヌールでブティックを開いたのですが、営業後3ヶ月目にお隣さんの両替所に強盗が入り死人が出まして、そのときはじめて知った事実が、以前この店のある場所にも3回強盗が入っていたということです。

強盗・泥棒・スリのインドネシア語

2015年現在、僕はジャカルタでまじめに仕事していますが、10年前は仕事しているのか遊んでいるのか判らないくらい、楽しくのほほんと暮らしていました。これでしっかり食べていけたんですからある意味凄いです。

強盗のことをインドネシア語でrampokと言い、pencuriとかmalingとか言うとしれっとバッグやバイクを盗み取る泥棒イメージに近く、人ごみで財布や携帯電話をかすめとるいわゆるスリはpencopetと言います。

僕はジャカルタで2回泥棒が現行犯で捕まる現場に出会ったことがありますが、2回とも「マリーン」って言っていましたので、日本のベタな唐草模様の風呂敷を抱えた泥棒のイメージとしてはmalingが一番近いのだと思います。

バリ島のサヌールでブティックをやってた時、お隣さんの両替所に強盗が入りまして、そのときの様子をexciteブログに綴っておりましたので転載します。

強盗事件発生(exciteブログより転載)

今日の午後(注 2006年3月12日)、たまたま強盗にやられたばかりの両替所で警察が現場検証やってました。入り口に「立ち入り禁止」と書いた黄色いテープを貼ってなんだか刑事ドラマのワンシーンのようだったので思わず写真を撮ってしまいました。困ったことにこの両替所の3軒隣にうちのブティックがあったりします。

うちのスタッフの話では、まず最初に銃声1発、何の騒ぎかよくわからないまま無視して仕事続けてたら、そのうち外に人ごみが出来て、ここでようやくお隣さんが強盗にやられたことに気付いたたそうです。何でも刃物を持った男がバイクに乗って逃走してたとか、怖ぇー。

明日のBali Postで詳細が判ると思いますが、撃たれた人のご無事を祈るばかりです。

こんな事件が起これば、これまで顔をあわせても挨拶程度だったお隣さんとも、ついついこの件について「怖いねー」とか「うちも気をつけなくっちゃね」とか話込んでしまうわけですが、ここで偶然にも重大なる事実が発覚してしまった訳です。

今、うちのブティックが入っている店舗、去年の12月から借りて3ヶ月経つわけですが、うちが借りる前はブランドバッグのレプリカ(違法コピー品)を売っている小奇麗なブティックだったらしいのですが、何と2年間に2回も強盗に押し込まれているというではありませんか。

オーナーさん、そんなこと契約するとき一言も言ってくれなかったよ。不安がるスタッフ2人(女子)には、まあ強盗が再度来店したら抵抗せずおとなしく売上金を渡すよう指示したところですが、どうも2人とも明日にでも辞めそうな予感がしてちょっと私も不安です。

下の写真は容疑者(tersangka)、被害者(korban)、目撃者(saksi)と書かれた白い札を首から下げて事件の再現検証を行っているところです。写真のバイクに乗った犯人役の男性は拳銃を握っています。

この両替所Central Kutaはクタに本店があるバリ島でも有数の両替店で、レートがいいので日本から遊びに来た友人が両替するときにいつも推薦する店です。

事件の顛末ですが、2006年3月11日午後14時過ぎ、クタの本店から現金輸送車が150jutaのキャッシュを運びこんだ直後に事件は起きました。現場に居たのは女性の店員2人のみ。

警察官を名乗る男1人がバイクに乗って店内に入り、「この店がテロリストの標的にされていることが判明した。店の現金をすべて一箇所に集めるように」と指示を出しました(注 2002年のテロ事件の後でまだ敏感な時期でした)。

男は警察官の服装をしていたため、店員の1人は現金を集める作業をはじめましたが、もう一人は電話で本店に確認をいれようと受話器を取ろうとしました。

そこで男は電話線をナイフで切断し、集まった現金をすべて渡すように脅しましたが、女性店員はこれに応じず、もみ合いになったそうです。手を何度も切りつけられて現金を奪われましたが、逃走しようとする男になおも追いすがり、この際に腹部を刺されてしまいました。

今日はうちのスタッフには、強盗に入られたときは抵抗せず速やかにすべての現金を渡すように指示したところですが、お隣さんで強盗殺人は起きるし、今居るこの店舗でも過去2回強盗にやられているし、普段は安全に感じられるバリ島でも身近に犯罪があることを身にしみて感じた事件でした。