インドネシアのビジネス環境

オンラインでの観葉植物販売ビジネスの可能性【インドネシア人の生活の都市型化に伴い潜在的需要は高い】


地方のインフラ整備と情報リテラシー教育による潜在的EC登録事業者の掘り起こし

インドネシアの人口2.7億人の6割近くの1.7億人がインターネットユーザーであり、その大半がスマホからYoutube、WhatsApp、Facebook、Instagramなどを利用しており、今年4月から新型コロナウィルス感染拡大を防ぐためのPSBB(大規模社会制限)下で自宅中心の生活様式になると、これまで店頭で購入していた食材などの生活必需品まで、オンラインで購入する機会が増えました。

ECサイトはTokopedia、Shopee、Bukalapak、Lazada、Blibliなどのオンラインマーケットプレイスが中心で、特に店頭に掲げられるShopeeの「Cash Back 30%」表示バナーの多さが目につき、僕も買い物の半分近くをShopeePayを通して行っているため、ポイントが異常に溜まっているのですが、特定のお店の商品を購入する際にに、ポイントを使ってはじめてディスカウントが受けられるという仕組みなので、実際にはほとんどメリットを享受しておりません。

業界最大手のTokpediaには2014年にソフトバンクが100億円以上の投資を行っており、登録事業者数は600万件に上っていましたが、コロナ禍の影響で店頭販売が落ち込んだことで、零細事業主がオンラインでの販売にシフトする流れから、登録事業者数が急激に増加しています。

Tokopedia、Bukalapak、Shopeeの取引額推移(DataBooksより

情報通信省(Kementerian Komunikasi dan Informatika=Kemkominfo)は、地方の4G利用のためのネットワークインフラ整備と併せて、零細事業主に対するデジタルリテラシー教育を、オンラインマーケットプレイス、モバイルプラットフォーム、銀行などと協力して行っており、これまで知られることのなかった地方の優れた特産品や、零細事業主が扱う価値の高い商材がオンライン上に載ることで、インドネシアの国内EC上での取引額は拡大していくものと予想されます。

将来性の高いオンラインでの観葉植物販売ビジネス

西ジャワのBogorやLembang、東ジャワのMalangは植物の一大栽培供給地として有名ですが、スマトラやカリマンタンの地方の村にも、市場での流通量の少ない品質の高い植物の栽培が行われており、これらの地方零細栽培事業主の商品は、都市部の主婦層を中心とした観葉植物愛好家のニーズにマッチしているため、観葉植物ビジネスはEC市場の潜在的拡大分野と言えるかと思います。

島内移動、島間移動にかかわらず、空輸の場合は最寄りの検疫所(Balai Karantina)で検疫証明書(KT12=Karantina Tumbuhan)を取得する必要あり、書類作成費用がRp.5,000で土質の検査等が別費用になるようですが、書類の中身を見るといいかげんな記述もみられるので、国内移動に関してはそれほど厳格な検疫はなされていないようです。

観葉植物の栽培を趣味とする主婦層は、月の消費額がRp.6jutaを超える上流層 (Upper Class)に分類される経済的に安定したクラスタであり、インドネシア人の生活が都市型になりアパート住まいが増えても、屋内栽培用の観葉植物の需要は伸びることが予想され、しかも今回のコロナ禍がむしろ追い風にすらなり、観葉植物の需要が高まったことが明らかです。

このように植物の生産者は最初は趣味で始めたものが、いつの間にか本業になっていたというケースが多く、以前Bogorで出会った栽培事業主は元は環境エンジニアだったものの、1997年の通貨危機で失職し、日銭を稼ぐために趣味で育てていた植物を売って食いつないでいくうちに、いつしかビニールハウス2つ所有する本業となり、しかも趣味からはじめただけあって、いまだに従業員は雇わず全部自分で世話をするので固定費がかからないという、理想的なビジネスを行っていました。

また観葉植物ビジネスは新商品の開発が比較的しやすく、椰子の実の盆栽のように低コストの材料で自然の造形を生かした美しさを引き出すことで、価値を創造するという、学歴や資本力よりも職人的センスが問われ、加えて植物が空気中の化学物質を吸収し酸素を排出するというエコに訴えやすいというメリットもあります。

以上から観葉植物のオンライン販売は将来性の高いビジネスであるという考える理由をまとめると以下のとおりになります。

  1. ECサイトを通して販売する環境がある。
  2. 地方の零細事業をオンライン化するという国家戦略にかなったビジネス。
  3. 国内であれば検疫や物流の問題は小さい。
  4. 都市部には上流層を中心とした十分な潜在的需要がある。
  5. 趣味からビジネスに繋がりやすい。
  6. 学歴や資本を必要とせず職人資質が問われ新商品開発がしやすい。
  7. エコに訴えやすく時代に合ったビジネス。





おすすめ記事一覧

大統領選挙で考えたギャップにハマるということ 1

ギャップにキュンとするというのは人間の本能みたいなもので、ジョコウィの私利私欲のない素朴なおじさん像と、その実強力なリーダーシップを発揮する実務派という内面が、一見普通の人だが実はスゴイというギャップ好きのインドネシア人に大ウケして、大衆は一種の集団催眠状態にあるようです。

情報の質のレベル 2

見える化された結果を共有化することで問題点が共通認識されますが、共有化が進むことで情報の持つ希少価値が薄れて困る人間がいる場合、有益な情報を独占することでポジションを高めようという政治力が働きます。

インドネシアのスタバの店員にありがたい人生の教訓を教わった件 3

いつものスタバでいつものアイスコーヒーを注文していると、だいたいなじみの店員が「今日は珍しい時間に来たねー」とか「今日もいつものアイスでいいのかなー」とか馴れ馴れしくフレンドリーに話しかけてきます。

宗教によって異なる「死んだらどうなる」の考え方 4

キリスト教もイスラム教もともにユダヤ教から派生した宗教であり、それぞれイエス・キリスト(本人が神)またはアッラーという唯一無二の神を信じます。

株価操作なんてインドネシア株では当たり前 5

株価は売り注文と買い注文により変動し、大量の売り注文を買う注文がたくさん入れば、他の投資家達は「俺も俺も」と続くことで株価が上がります。

心臓に毛が生えたインドネシア人のずうずうしい転職活動を応援してみた 6

インドネシア人は秘密の話は誰かに暴露しないと精神の安定を保てない人が多いため、内緒の話に情報の希少性は少なく信憑性も低いことが多いので、「ここだけの話」という枕詞付きで聞かされる話は話半分に聞いておいたほうがいいかもしれません。

日系企業のインドネシアでの存在意義 7

今のまま日本の人口減が続けば、内需は縮小の一途をたどるわけで、そうなると日本国内市場だけで生き残るのは難しいと判断する国内企業が、海外市場に活路を見出そうとするのは必然です。

チャンスはあるが勝てる分野を見つけるのが難しい 8

実際にインドネシアに住んでみて、自分で動いて人と話しをして、現地の事情を少しずつ理解していくにつれて、インドネシアで起業することが意外と手強いことに気づき、その難しさの原因は、高い送料と関税であったりローカル企業との競争であったり、就労ビザ(IMTA)や外国人技能開発基金(DPKK)などのランニングコストの高さであったりします。

インドネシアのシステムインテグレーション業界 9

先日JETRO(日本貿易振興機構)さんと、インドネシアの中小企業のIT投資について意見交換させていただく機会をいただいたのですが、そこで「システム投資のコストメリットはどのように説明できるのか」という、システムインテグレーターの存在価値にも関わる重要な問題提起がありました。

肉体と精神と心と魂 10

「Body and Soul」といえば、昨日の内閣改造に伴う人事で内閣府政務官に内定した自民党の今井絵理子参議院員がメンバーだったSPEEDのデビュー曲であり、インドネシアの老舗女性ファッションブランド名でもあります。

ジャカルタのラーメン市場 11

僕がインドネシアに初めて来たのが1997年10月、インドネシア語は分からないし、仕事は辛いし、周囲の人間は理不尽だし、一時期日本に帰りたくて仕方がない時期がありましたが、当時自分をかろうじてインドネシアに繋ぎ止める心の支えとなっていたのが、協栄プリンスビル(今のWisma Keiai)の日本食レストラン「五右衛門」であり、ここでキムチラーメンを食べることが唯一の楽しみと言っても過言ではありませんでした。

ブランド力、技術力、資金力の3要素 12

1998年のジャカルタ暴動後、ルピアが暴落し海外からのドル建て債務を抱えた国内企業が利子の支払いに苦しんでいた頃、僕は外貨が獲得できるインドネシアでの新しいビジネスを探していました。

日本とインドネシアの間でのタイムマシン経営が通じなくなっている件 13

先進国と後進国との間にある流行のタイムラグを利用して、先進国での成功例を後進国で実践するビジネスモデルをタイムマシン経営といいますが、インターネットの普及に伴い情報がフラット化してしまい、モノと情報のタイムラグが限りなく小さくなった今、先駆者である中小零細同業他社が乱立し市場が出来上がったところに、後発の大手が参入し先発零細を駆逐していく、という典型的な負けパターンにはまります。

サリナデパートとマクドナルド 14

本日5月10日を最後にインドネシアのマクドナルド第1号店であるサリナデパート店(Sarinah)が閉店になりますが、ジャカルタのショッピングモールが新しいコンセプトでモダンにリニューアルされ続ける中で、僕がインドネシアに来たばかりの20数年前には、若者の待ち合わせ場所の定番でもあったサリナデパートやブロックMのパサラヤ(Pasaraya)などは完全に時代に取り残されてしまいました。

不景気の歴史 15

僕がインドネシアに来てからこれまで何度か経済不況を見てきましたが、今回の新型コロナウィルスの感染拡大により、間違いなく景気後退しますので、数年後にはこれがコロナショックとかコロナ不況とか呼ばれるようになるのかもしれません。

日本のバブル経済崩壊後とインドネシアの通貨危機後 16

自分が大学に入学したのがバブル経済末期の1991年、土地も株価もMAX爆上げして、三菱地所がアメリカの象徴であるロックフェラーセンタービルを買収し、ジュリアナ東京でワンレンボディコン(登美丘高校ダンス部のバブリーダンスみたいなやつ)のお姉さん達が扇子振って踊っている時期でした。

内需と外需の自国経済に及ぼす影響 17

公共事業投資を行っても、お金が企業内や個人の貯蓄に滞留してしまい国内消費が増えないのが日本の状況であり、国内消費は増えても消費材の輸入品比率が高く、国内資産が海外に流出しているのがインドネシアの状況です。

2019年の総選挙を前にインドネシア政治史のおさらい 18

来年の大統領選挙(Pemilu Pilpres Pileg Indonesia 2019)に向けての選挙運動(Kampanye)を解禁するにあたり、投票用紙に印字される順番はジョコウィ現職大統領・マフル副大統領候補組が1番、プラボウォ大統領候補・サンディアガウノ副大統領候補組が2番と決まりました。

コーヒーをもっと楽しくもっと美味しく 19

インドネシアは北回帰線と南回帰線をはさむコーヒーベルトに位置するコーヒー栽培に適した国で、1602年の東インド会社の進出を契機にオランダの植民地支配が300年以上続き、その間アラビカ種のコーヒーが持ち込まれ、気候のいい高原地帯で栽培が開始されました。

インドネシア人の悪魔祓い 20

人間誰しも自分の中に悪魔が潜んでおり、それが何らかのきっかけで表面に出て来るという考え方自体には、背景に宗教が有るか無いかの違いだけで、基本的に理解できる話であり、それを信じるか信じないかは別として、そういう考えがあることを認めることは大切なことだと思います。

-インドネシアのビジネス環境

© 2020 バテラハイシステム Powered by STINGER