インドネシアのビジネス環境

オンラインでの観葉植物販売ビジネスの可能性【インドネシア人の生活の都市型化に伴い潜在的需要は高い】

地方のインフラ整備と情報リテラシー教育による潜在的EC登録事業者の掘り起こし

インドネシアの人口2.7億人の6割近くの1.7億人がインターネットユーザーであり、その大半がスマホからYoutube、WhatsApp、Facebook、Instagramなどを利用しており、今年4月から新型コロナウィルス感染拡大を防ぐためのPSBB(大規模社会制限)下で自宅中心の生活様式になると、これまで店頭で購入していた食材などの生活必需品まで、オンラインで購入する機会が増えました。

2019年8月以降、1年未満の期間でTokopediaの登録業者数が230万件増加。600万人に到達するのに10年かかったがコロナ禍の影響で中小零細業者数がオンライン販売に切り替えた影響。全国の4G未接続の14%の村のインフラ整備が2022年までに終われば市場拡大の余地は大きい。

ECサイトはTokopedia、Shopee、Bukalapak、Lazada、Blibliなどのオンラインマーケットプレイスが中心で、特に店頭に掲げられるShopeeの「Cash Back 30%」表示バナーの多さが目につき、僕も買い物の半分近くをShopeePayを通して行っているため、ポイントが異常に溜まっており、次の買い物時にはポイントを使ってディスカウントが受けられます。

国営企業Telkomが運営するblanja.comの閉鎖【事業方針の路線変更を行うピボット戦略】

インドネシアテレコムはオンラインマーケットプレイスを閉鎖し、零細業者のEコマース参加を推進し業種の垣根を越えて社会の課題を解決するビジネスエコシステム構築のためのプラットフォーム開発に注力するという事業方針の路線変更を行うピボット戦略を取りました。

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業界最大手のTokpediaには2014年にソフトバンクが100億円以上の投資を行っており、登録事業者数は600万件に上っていましたが、コロナ禍の影響で店頭販売が落ち込んだことで、零細事業主がオンラインでの販売にシフトする流れから、登録事業者数が急激に増加しています。

Tokopedia、Bukalapak、Shopeeの取引額推移(DataBooksより

情報通信省(Kementerian Komunikasi dan Informatika=Kemkominfo)は、地方の4G利用のためのネットワークインフラ整備と併せて、零細事業主に対するデジタルリテラシー教育を、オンラインマーケットプレイス、モバイルプラットフォーム、銀行などと協力して行っており、これまで知られることのなかった地方の優れた特産品や、零細事業主が扱う価値の高い商材がオンライン上に載ることで、インドネシアの国内EC上での取引額は拡大していくものと予想されます。

将来性の高いオンラインでの観葉植物販売ビジネス

西ジャワのBogorやLembang、東ジャワのMalangは植物の一大栽培供給地として有名ですが、スマトラやカリマンタンの地方の村にも、市場での流通量の少ない品質の高い植物の栽培が行われており、これらの地方零細栽培事業主の商品は、都市部の主婦層を中心とした観葉植物愛好家のニーズにマッチしているため、観葉植物ビジネスはEC市場の潜在的拡大分野と言えるかと思います。

ジョクジャから空輸されてきた植物。島間だけでなく島内での空輸にも検疫が必要で、荷送人は検疫所(Balai Karantina)で検疫証明書(KT12=Karantina Tumbuhan)を取得し、費用は国家非税金収入PNBP(Penerimaan Negara Bukan Pajak)として国庫に入るが、形骸化しているのか中の情報はいいかげん。

島内移動、島間移動にかかわらず、空輸の場合は最寄りの検疫所(Balai Karantina)で検疫証明書(KT12=Karantina Tumbuhan)を取得する必要あり、書類作成費用がRp.5,000で土質の検査等が別費用になるようですが、書類の中身を見るといいかげんな記述もみられるので、国内移動に関してはそれほど厳格な検疫はなされていないようです。

こんな時間にポンティアナックから食虫植物が到着。国内でも植物の島間移動には検疫証明書(KT12)が必要。

観葉植物の栽培を趣味とする主婦層は、月の消費額がRp.6jutaを超える上流層 (Upper Class)に分類される経済的に安定したクラスタであり、インドネシア人の生活が都市型になりアパート住まいが増えても、屋内栽培用の観葉植物の需要は伸びることが予想され、しかも今回のコロナ禍がむしろ追い風にすらなり、観葉植物の需要が高まったことが明らかです。

マディウンの銀行員が趣味で育てていたアグラオネマをインスタにアップロードした当初の3週間の売上が2juta、コロナ禍後に主婦層の購入者が増加し、価格が3倍に値上がりしたことで今ではRp.20juta/月の売上。観葉植物ビジネスやっている人は最初は趣味から入るケースが多い。

このように植物の生産者は最初は趣味で始めたものが、いつの間にか本業になっていたというケースが多く、以前Bogorで出会った栽培事業主は元は環境エンジニアだったものの、1997年の通貨危機で失職し、日銭を稼ぐために趣味で育てていた植物を売って食いつないでいくうちに、いつしかビニールハウス2つ所有する本業となり、しかも趣味からはじめただけあって、いまだに従業員は雇わず全部自分で世話をするので固定費がかからないという、理想的なビジネスを行っていました。

また観葉植物ビジネスは新商品の開発が比較的しやすく、椰子の実の盆栽のように低コストの材料で自然の造形を生かした美しさを引き出すことで、価値を創造するという、学歴や資本力よりも職人的センスが問われ、加えて植物が空気中の化学物質を吸収し酸素を排出するというエコに訴えやすいというメリットもあります。

北アチェのバッグ制作を生業とする村はコロナの影響で注文が減り、村の失業者が増加しnarkobaの温床になる前に、西ジャワのLembangで学んだ椰子の実盆栽作りを始め、Rp.15万からRp.3jutaまでの価格で販売。盆栽用に一番良いというkelapa gadingが椰子の種類だと初めて知った。

以上から観葉植物のオンライン販売は将来性の高いビジネスであるという考える理由をまとめると以下のとおりになります。

  1. ECサイトを通して販売する環境がある。
  2. 地方の零細事業をオンライン化するという国家戦略にかなったビジネス。
  3. 国内であれば検疫や物流の問題は小さい。
  4. 都市部には上流層を中心とした十分な潜在的需要がある。
  5. 趣味からビジネスに繋がりやすい。
  6. 学歴や資本を必要とせず職人資質が問われ新商品開発がしやすい。
  7. エコに訴えやすく時代に合ったビジネス。
インドネシアのビジネスまとめ

インドネシア市場でのビジネスで重要な要素は価格とブランド、コネの3つと言われますが、必ずしもこれらを持ち合わせない日本人はどのように戦えばよいのかということは、インドネシアに関わり合いを持って仕事をする人にとっての共通の問題意識かと思います。

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