生産スケジューラAsprovaは、オーダーリストまたは作業リスト生成フェーズの後に、コマンド実行フェーズでオーダ展開コマンドがBOMを参照しながら作業入力指図と作業出力指図を生成します。そして、オーダ割付/紐付けコマンドが作業使用指図を生成することで資源に対する割付を行います。
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インドネシアの生産スケジューラ
生産計画と負荷計画は密接に関連しており、数量ベースでの確認が求められる。PSI表を用いて生産数量、消費数量、在庫数量を対比することが重要。計画は実績と比較して進捗を確認し、在庫数量に基づく予測でリセットされる。
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この記事でわかること
- Asprovaはオーダ展開コマンドでBOMを参照し作業指図を生成します。
- オーダ割付/紐付けコマンドで資源に対する作業使用指図を生成します。
- オーダ展開時に自動補充機能で不足分の製造オーダを生成します。
- 割付解除は作業ステータスを未割付に戻し再スケジュールを可能にします。
- 資源評価には11種類の標準評価式があり、追加評価式も使用可能です。
計画作成の流れ
オーダリストまたは作業リスト生成フェーズ
Asprovaのオーダテーブルからオーダリストを生成するのがオーダ収集で、作業テーブルから作業リストを生成するのが作業収集です。これらは親の計画パラメタに保存されます。
- オーダ収集(Prepare for assignment):オーダテーブルからオーダリストに収集
- オーダ絞込み(Filter orders):オーダリストから絞込み
- 割付け解除(Unassign all):作業リストの作業を未割付
作業絞込みは親の計画パラメタの作業絞込み条件式に設定します。
- 作業収集(Upload operations):作業テーブルから作業リストに収集
- 作業絞込み(Filter operations):作業リストから絞込み
- 割付け解除(Unassign all):作業リストの作業を未割付
デフォルト計画パラメタでオーダ割付/紐付けコマンドの前に「作業収集」コマンドが必要ないのは、オーダ展開コマンドで生成された作業が、親のコマンドオブジェクトであるデフォルト計画パラメタの中の作業リストに既に格納されているためです。
コマンド実行フェーズ
オーダ展開(Explode orders)では、自動補充機能によってオーダリストを満たすように製造BOMを参照しながら、受注オーダの作業入力指図の不足分の製造オーダ(MPS)を補充オーダ(子)として生成し、MPSの作業入力指図の不足分の製造オーダを補充オーダ(孫)として生成します。
オーダリストに格納されている登録オーダと補充オーダに対して作業入力指図と作業出力指図が生成されます。オーダ間の紐付けは、自オーダの初工程作業(作業入力指図)と前工程のオーダの最終工程作業(作業出力指図)であり、自動補充で生成された補充オーダ、または製造BOMで繋がりのある製造オーダ同士が紐付けられます。
- BOMを参照し自動補充で補充オーダを生成
- オーダリストから作業リストを生成(作業入力指図と作業出力指図)
- オーダ間の紐付け
オーダ割付/紐付けにて、ディスパッチングルールと資源評価のプロパティを見ながら作業使用指図を生成し、作業リストから作業割付けします。仮割付で一旦すべての候補資源に割り付けた後、実割付で資源評価から最も評価の高い資源に割付け直します。
- オーダ割付/紐付け(Assign/peg orders)で作業リストから作業使用指図を生成し割付け
オーダ間の紐付がオーダ展開時とオーダ割付/紐付け時の2回行うのは、割付結果を元に再度紐付け直す必要が出るケース(在庫MINがある場合は在庫MIN分紐付けを左にずらす)があるからです。
割付解除の意味
オーダー展開で作業を生成し、オーダー割付・紐付けで作業を割付けた後、計画の手修正や実績入力が行われた場合、作業ステータスが「割付済み」のままでは再度リスケジュールしても結果は変わりません。オーダ展開コマンドは「割付済み」の作業には影響を与えないためです。
そのため、一旦割付解除を行い、作業のステータスを「未割付」に戻してから、オーダ展開やオーダ割付/紐付けを行い、更新を反映させたスケジュールを作成します。割付解除は、実績を削除するのではなく、入力された実績に基づいて再度割付けを行うために必要です。
- オーダ展開でオーダリスト中のオーダの作業の割付フラグが「割付済み」であれば作業は生成されないため、オーダ展開の前に必ず割付解除が必要です。
- オーダ割付・紐付けで作業使用指図が生成され、ステータスが「割付済み」の作業が出来上がります。
- 作業に対して実績数量や実績取得日を入力しても、入力しただけではスケジュールは動きません。
- 作業収集と作業絞込で作業リストを生成し、割付解除により作業のステータスを「未割付」に戻します。
- オーダ割付・紐付けにより、入力した実績を反映させたスケジュールが作成されます。
オーダ・作業・タスク・指図の関係
完全受注生産MTO(Make to Order)では、確定受注の出荷スケジュールがそのまま所要(基準生産計画MPS)となります。これに対し、見込み生産MTS(Make to Stock)の場合は、確定受注を元にMRPの所要を別途インポートする必要があります。これにより、オーダ、作業、タスク、指図の関係が明確になります。
オーダは顧客からの注文を指し、作業はそのオーダを実現するための具体的なプロセスです。タスクは作業をさらに細分化したもので、指図はそのタスクを実行するための指示を含みます。これらの要素が連携することで、効率的な生産スケジュールが実現されます。

事例:例えば、ある製造業では、オーダが入るとまず作業計画が立てられ、次に各作業がタスクに分解されます。そして、指図が発行され、作業者はそれに従って生産を進めます。このプロセスにより、段取りや金型の制約を考慮しつつ、効率的な生産が可能になります。
要点:オーダ、作業、タスク、指図の関係を明確にすることで、効率的な生産スケジュールの実現が可能です。
全体バックワードの後、フォワードで割付直し
バックワードで割り付けた作業の開始日時を基に、フォワードで朝一から割付け直します。複合計画パラメタでは「オーダリストからオーダ展開して作業作成」「作業リストを絞込み作業割付を行う」という子計画パラメタの階層構造をあわせる必要があります。

StartOfNextDay(ME.製造開始日時,0)の意味は「製造開始日時の0日後(NextDay)の開始(Start)」、つまり割り付いている作業の製造開始日時の始業時刻を返します。これは「バックワードで割り付けた作業全体をフォワードで割付直すが、始業時刻より前に割りついてはダメ=その日の朝一番から割り付ける」ということです。
ちなみにStartOfNextMonthなら「製造開始日時の0ヶ月後の開始」となり月初日になります。また、朝一で開始するが体操時間15分間バッファを置きたい場合は、AdvanceAlongResourceWorkingTime(ME.主資源,StartOfNextDay(ME.製造開始日時,0),15M)のようにずらします。
フォワードで割り付け直すときは、バックワードで割り付けた作業のうち開始日時の早いものから順番に割り付けていきます。

全体フォワードの後、前工程のみバックワード
生産工程においてボトルネックが存在する場合、フォワード割付を行うと前工程で待ち時間が発生することがあります。このような状況では、前工程のみをバックワードで割付直すことが効果的です。具体的には、作業絞込み機能を用いて前工程の作業に絞り込み、割付解除を行います。これにより、後工程の作業が誤って割付解除されることを防ぎます。
この方法は、特にAPSやMRPを利用した生産スケジューリングにおいて有効です。有限負荷や無限負荷の計画を立てる際にも、段取りや金型、作業者制約を考慮しつつ、効率的な生産計画を実現するための重要な手法となります。

スケジューラのオーダ間の紐付き
MRPの所要量展開において、製造オーダと購買オーダが生成されるのはスケジューラでも同様です。オーダは入力指図、使用指図、出力指図から構成される作業を生成し、同一オーダ内では自工程作業の出力指図と後工程作業の入力指図を紐付けます。オーダ間の紐付きでは、自オーダの最終工程の出力指図と後オーダの初工程の入力指図を紐付けます。
この機能は、スケジューラ特有の「オーダに順番を付けて並べる=オーダ同士を紐付けて資源に割り付ける」という目的を実現するためのものです。オーダ(MPS)からオーダリストを生成し、オーダリストから作業リストを生成します。オーダ納期のFIFOで紐付けを行いますが、材料在庫のあるオーダから先に紐付けて割り付けるなど、ソート式を記述することで順番を操作することも可能です。
スケジューリングロジックの大まかな流れは以下の2通りあります。この中でオーダ間の紐付けは「オーダ展開」と「オーダ割付/紐付け」で2回行われます。
- オーダ収集⇒オーダ絞込⇒割付解除⇒オーダ展開⇒オーダ割付/紐付け
- オーダテーブルからオーダを収集し、親の計画パラメタにオーダリストを生成
- 作業を生成し、親の計画パラメタに作業リストを生成
- 作業収集⇒作業絞込⇒割付解除⇒オーダ割付/紐付け
- 作業テーブルから作業を収集し、親の計画パラメタに作業リストを生成
これは製造BOMにある在庫MINを考慮したスケジュールを作成する際に、在庫MINを参照するのがオーダ割付/紐付け時であることからです。
- オーダ展開時にオーダの紐付け(原料の過不足はこの時点で判明する)
- オーダ割付/紐付け時に製造BOMの在庫MINを参照して紐付け直し
このように、2段階の処理ロジックが存在します。
紐付けオブジェクトテーブルと作業テーブル
リスケジュールの結果として生成されるオーダは、紐付けオブジェクトクラスによって作業同士が紐付けられ、出力指図と入力指図の紐付きとして、紐付けオブジェクトテーブル(Peg table)に実体化されています。オーダ展開の中では、まずオーダから作業(入力指図と出力指図)を生成し、次に紐付オブジェクトで紐付けを行います。この処理は品目ごとに作業入力指図と作業出力指図のリストを用意し、そのリストをソートして順に紐付けていく形で実行されます。
- オーダから作業(入力指図と出力指図)を生成
- 紐付オブジェクトで紐付け
品目クラスの「紐付け時作業入力指図ソート式」「紐付け時作業出力指図ソート式」は、リストのソート方法を指定し、オーダの納期のFIFOで行われる紐付け順番を変更できます。紐付けオブジェクトテーブルは作業出力指図と作業入力指図のマッピングの集合体であり、オーダごとに1対Nに紐付く材料や仕掛品を参照するのに適しています。一方、作業テーブルは作業使用指図により割付られた資源ごとに作業を集計するのに適しています。
計画は川下から実績は川上から
オーダーが1対1に紐付く場合、ロットまとめが無効になるのは、工程ごとにロットサイズが異なるため、オーダーの紐付きが1対Nにならざるを得ないからです。受注に基づく計画に対して製造し実績を上げないと、現場が独自の裁量で生産を行い、営業と製造が分断されてしまいます。これはバリ島での家具製作の実体験に基づいて力説したことがあります(計画と実績をリンクさせる製造指図の必要性)。この場合、予定に満たない実績との差異が発生します。
バリ島での家具製作のような受注生産では、差異分をシッピング前になんとしてでも製作して受注数量を満たす必要があります。しかし、受注に基づいて作成した繰り返し生産の計画に対する遅れは、必ずしもオーダー単位で挽回する必要はなく、遅れのまま完了させて後ろのオーダーで救援させることもあります。
MRPとスケジューラの違いは、無限能力山積みと有限能力山崩しの違いですが、計画に対する実績の差異の扱いという点で見た場合、MRPは基準生産計画の数量ありきで、製造オーダーの数量は基準生産計画の数量を満たすように決まります。一方、スケジューラは実績に合わせて後工程のオーダー数量を自動調整する機能があります。
MRPは「プッシュ式」と言われるように、大元になる製品の完成日ベースの基準生産計画が前提条件であり、実績に応じた計画数量の事後調整は効きませんが、スケジューラは事後の実績に合わせて計画数量を自動調整することが可能です。これは川下(受注)から生成された製造オーダー数量を、川上(初工程)から実績入力することで上書きしていくと言えます。
これが可能な理由は2つあります。スケジューラには所要(基準生産計画=MPS)に対するオーダーの生成(自動補充)の仕方を、MRPのようなロットまとめで生成する方法以外に、受注からの紐付きを維持したまま、1対1で製造オーダーを生成する製番管理のMRP機能があり、オーダーが1対1に紐付くことにより、実績数量により後工程の計画数量を調整します。
もう一つの理由はスケジューラの実績は作業単位に入れられますが、すべての作業は数量固定レベルを持っており(実績の入力・修正が作業とオーダのステータスに与える影響)、実績の入った数量固定レベルの高い作業が、同一オーダー内の前後作業の数量を決めます。これはマスタの構成を1製品複数工程(1オーダー複数作業)にした場合に機能します。
1対1紐付けとロットまとめの矛盾
スケジューラのマスタの作り方は大きく以下の2種類に分かれます。
- 1品目1工程(1オーダー1作業)
- 1品目複数工程(1オーダー複数作業)
生産管理システムでは実績をオーダー(製造指図)単位で入力しますが、スケジューラでは通常、工程展開した作業単位で実績を入れます。マスタを1品目1工程に設定すると1オーダー1作業が生成され、結果的に実績入力単位が一致します。
仕掛品の在庫を考慮するかどうかは、仕掛品の自動補充設定の有無によります。マスタの作り方とは無関係です。前工程の実績を後工程の計画数量に反映させるには、1品目複数工程で同一オーダ内で作業が紐付いている場合か、1品目1工程で自動補充が1対1の場合です。
自動補充が1対Nの場合、前工程の計画数量を満たすように後工程の別オーダと紐付くため、実績で計画数量を上書きできません。前工程の実績数量を後工程の計画数量に反映させるのは、フォワード計画作成時にのみ有効です。

1対1に紐付けることは、前後どちらかの工程のロットサイズに合わせることを意味し、この場合ロットサイズの設定が無効化されます。異なるロットサイズを設定すると1対Nに紐付かざるを得ず、実績数量で前後工程を修正する考え方は成立しません。
予実差異を後工程の計画数量に反映させるには、オーダーが他の受注に紐付かないことが前提です。
最適化の指標
スケジューリングロジックのコア機能は、オーダから作業を生成し、資源へ割り付けることです。これらはオーダ展開とオーダ割付/紐付けの2つのコマンドで実現されます。
1.オーダ展開
- 作業(作業入力指図・作業出力指図)を生成します。
- 自動補充で入力指図の不足分のオーダを生成します。
- オーダ初工程の入力指図と前工程のオーダ最終工程の出力指図を紐付けます。
2.オーダ割付/紐付け
- 仮割付け:マスタ使用指図・ディスパッチングルールを使用します。
- 資源評価:11種類の標準評価式+追加評価式を用います。
- 実割付けを行います。
最適化の指標としては、稼働率やリードタイムの改善が一般的です。これを達成するための調整パラメータとして、以下が考えられます。
- 資源評価(代替資源の選択)
- 割付方向(ボトルネック中心TOC)
- 作業分割(待ち時間削減)
- 重なり方法(待ち時間削減)
- 作業の順番(段取り回数削減・内段取りの外段取化・材料のある作業を優先)
最適化の方針は工場によって異なりますが、これらのパラメータを調整することで、スケジュール作成時の作業の割付き方に傾向を与え、独自の最適化されたスケジュールを作成します。
資源評価で作業の資源への割付方法を調整
オーダ割付や紐付けの過程で、資源への仮割付けに基づいて資源評価を行い、実際の割付けを行います。
製造BOMの資源優先度のみを適用
割付資源プロパティで「優先資源」を選択することで、製造BOMの資源優先度が最大の資源にのみ割り付けられます。通常は「評価値最大資源」が選ばれます。
資源優先度最大の資源が一杯なら代替資源に割り付く
資源評価の重み「重み-資源優先度」に1を設定することで、資源優先度が最大の資源に優先的に割り付き、一杯の場合は代替資源に割り付けられます。
負荷平準化割付け
資源評価の重み「重み-負荷平準化」に1を設定することで、代替資源にも均等に割り付けられます。
追加評価式で作業の資源への割付方法を調整
資源評価と追加評価式
資源評価には標準で11種類のプロパティがあり、資源ごとに評価方法を変えて作業を割付けることは可能ですが、出力品目ごとに評価方法を替えて作業を資源に割り付けることはできません。
- 重み-負荷平準化
- 重み-段取り時間最小化
- 重み-資源優先度
- 重み-待ち時間最小化
- 重み-納期遅れ最小化
- 重み-製造時間最小化
- 重み-同一オーダ優先
- 重み-同一品目優先
11種類の資源評価で対応できない条件設定が必要な場合は、追加評価式を用いて標準の資源評価とあわせて使用できますが、追加評価式が呼ばれるときにはまだ作業が割り付いていないので、仮割付けの結果に基づいて追加評価を行なうためには、必ず以下のMEのTentAssignではじまる割付評価式を用いる必要があります。
- 評価時-マスタ使用指図(me.TentAssignCurrUseBomInst)
- 評価時-対象作業(me.TentAssignCurrOper)
- 評価時-右作業(me.TentAssignRightOper)
- 評価時-左作業(me.TentAssignLeftOper)
- 評価時-対象資源(me.TentAssignCurrRes)
評価時の対象作業が製品51096-BZ010の仕掛品(親品目の中に51096-BZ010を含むプレス品)である場合は、ResourceLoadで計算した負荷率を平準化するように割付け(資源評価の「重み-負荷平準化」と同じ)、それ以外の作業の場合は資源優先度(資源評価の「重み-資源優先度」と同じ)を参照します。
- IF(CheckAllContents_Or(ME.評価時-対象作業.主産物品目.'親品目(再帰)','==','51096-BZ010'),ResourceLoad(ME.評価時-対象資源,PROJECT.割付け開始日時,PROJECT.割付け終了日時), ME.評価時-マスタ使用指図.資源優先度)
- CheckAllContents_Or : プロパティの全てのデータ(単・複)をある条件を基にORチェック
- ResourceLoad : 資源から負荷率を計算
左側の作業の仕様1が同じなら優先してその資源に割付け
左作業と自作業が同じ仕様1なら1で、そうでないなら0になるように資源評価を行い、左側の作業の仕様1が同じであれば優先してその資源に割付けるようにします。
- 1*IF(GetApplicableSpec(1,ME.評価時-対象作業)==GetApplicableSpec(1,ME.評価時-左作業),1,0)
- GetApplicableSpec : 第一引数が仕様(仕様1)、第二引数が作業を指定すると、その作業の仕様1の値を返す。左作業と自作業の仕様1が一致しなかった場合は「重み-負荷平準化」を考慮するよう1を設定する。
工程間の重なり方
工程間の重なり方は、前工程と後工程の関係をどのように設定するかにより異なります。重なり方法や重なりMINは、後工程に設定し、作業がロット分割されない場合はESまたはSSEEを設定します。SSEE (Start-Start End-End)は、前工程と後工程の開始と終了を関連付け、後工程が早く終わる場合に使用します。
- SSEE (Start-Start End-End)は前工程と後工程の開始と終了を関連付けますが、後工程が早く終わる場合に使用します。

- EES(End-Each-Start)は、後工程が分割(Each)されているとき、前工程の途中から作業開始します。

事例:例えば、EESを使用することで、前工程が終了する前に後工程を開始できるため、全体の生産時間を短縮できます。
要点:工程間の重なりを適切に設定することで、生産効率を向上させることが可能です。
MEからの参照とPROJECTからの参照の違い
現在実行中のインスタンスからではなく、外部から特定の品目オブジェクトや資源オブジェクトを参照したい場合、Projectを基点に子オブジェクトで参照します。
品目テーブルのカレントオブジェクトの子オブジェクト(工程)の最終オブジェクトのキーであるCodeプロパティの値、つまり最終工程コードを表示します。
- ME.子オブジェクト[0]
Itemテーブルオブジェクトの最初のオブジェクト(キープロパティであるCodeがProductA)の子オブジェクト(工程)の最終オブジェクトを表示します。
- Project.子オブジェクト['Item'].子オブジェクト[1].子オブジェクト[0]
- Project.子オブジェクト['Item'].子オブジェクト['ProductA'].子オブジェクト[0]

オブジェクトは連想配列型で、PROJECTから品目レコードを参照する際は、インデックス(数字)またはCodeプロパティの値で指定し、プロパティ値を参照します。一般の配列と異なり、配列の添え字は[1]から始まり[0]は最後のプロパティ値を表します。
特定の資源Material CalcをProjectから参照
Projectオブジェクトの子オブジェクトである資源テーブルの中で、Codeプロパティの値がMaterial Calcである資源オブジェクトを参照します。
特定の資源の稼働時間に沿って指定された日時から指定された時間だけ進んだ日時を取得します。
- AdvanceAlongResourceWorkingTime(PROJECT.子オブジェクト['Resource'].子オブジェクト['Material Calc'],ME.末端親オーダ[1].納期,(-1)*(ME.品目.'Material LT'-ME.品目.ProcessLT))
- AdvanceAlongResourceWorkingTime(特定の資源, 指定日時, 進める時間)
計画基準日をProjectから取得
指定された資源のある時間帯の稼働日数を取得します。
- GetWorkingDays(StartOfNextMonth(PROJECT.計画基準日時,0),StartOfNextMonth(PROJECT.計画基準日時,1),ME.受注予定オブジェクト[1].カレンダ参照資源,24H)
- GetWorkingDays(開始日, 終了日, 特定の資源, 1日の時間数)
ちなみに受注予定オブジェクトは配列型で以下のようなオブジェクトが格納されています。
- 受注予定オブジェクト[1] : 品目
- 受注予定オブジェクト[2] : 顧客
- 受注予定オブジェクト[3] : 種別
- 受注予定オブジェクト[4] : 数量
表示式と表示逆変換式
仮想プロパティ式はカレントオブジェクト内の他プロパティを参照しますが、表示式はカレントオブジェクトの自プロパティに対する表示変換です。表示式で時刻を固定するとRead Onlyになり、表示逆変換式を使うことで表示式を設定したプロパティをRead writeにできます。
INPUTは表示式を設定しているプロパティの値そのもので、文字列に変換されます。
この場合、FindNumberL(INPUT,1)で数値に変換します。これは、INPUTが指す文字列(値)の1番目の数値を意味します。
オーダ数量を千の位でカンマ区切り
- 表示式:Format(ME.Qty,'#,###')
- 表示逆変換式:FindNumberL(INPUT,1)
納期の時刻を23:59:59にする
- 表示式:DateF(GetYearPart(ME.最遅終了日時),GetMonthPart(ME.最遅終了日時),GetDayPart(ME.最遅終了日時),23,59,59)
- 表示逆変換式:DateF(FindNumberL(INPUT,1),FindNumberL(INPUT,2),FindNumberL(INPUT,3),23,59,59)
仮想プロパティ式と仮想プロパティ逆変換式
MEとHOLDERはカレントオブジェクトを指しますが、MEで参照するとRead only(利用者オブジェクト)になり、HOLDERで参照するとRead write(所有者オブジェクト)になります。
- HOLDER(カレントオブジェクト)
- ME(カレントオブジェクト)
- OTHER(2つのプロパティの値を比較するプロパティでMEの相方となるオブジェクト)
オーダテーブルのユーザ定義プロパティに文字列「100個」と入力し、逆変換式で入力した文字列の数字部分FindNumberL(INPUT,1)をオーダ数量にコピー「HOLDER.オーダ数量」させることができます。

同一オブジェクト内の2つのプロパティを比較するMEとOTHER
同一オブジェクト内の2つのレコード(オブジェクト)のプロパティの値を比較する際には、MEとOTHERを使用します。これにより、特定の条件に基づいてデータを効率的に処理することが可能です。例えば、品目の紐付け条件式プロパティで、オーダの仕様1が同じであれば紐付けるという条件を設定する場合、以下のように記述します。
- ME.オーダ.仕様1==OTHER.オーダ.仕様1
このように、MEとOTHERを活用することで、オブジェクト間のプロパティ比較を簡潔に行うことができます。これにより、データの整合性を保ちながら、効率的なデータ管理が実現します。
最小・最大・総和を求める内部関数の第一引数を指すTARGET
TARGETは内部関数Max, MaxIF, Sum, SumIFの第一引数にオブジェクトを指定し、第二引数以降でTARGETを指定することで、第一引数のオブジェクトを指します。これにより、特定の条件に基づいた最小値、最大値、または総和を効率的に計算できます。
条件付き総和SUMIF
TARGETは受注予定表オブジェクトです。受注予定表が内示のとき、その数量の合計を取得します。
- SumIF(ME.'親品目(再帰)'.受注予定オブジェクト,TARGET.種別=='内示',TARGET.数量)
条件付き最大MAXIF
TARGETはオーダーオブジェクトです。オーダテーブルの工程番号が22のとき、オーダテーブルのTMP FIN DATEの最大値を取得します。
- MaxIF('Order',TARGET.'No Process'==22,TARGET.'TMP FIN DATE')
総和SUM
TARGETはこの品目を使用しているオーダです。オーダーテーブルのオーダ数量の合計を品目ごとに求めます。
0日後、0週後、0月後の開始日時を指すStartOfNextDay(Week, Month)
ディスパッチングを行う際、日まとめ、週まとめ、月まとめを効率的に実現するために、納期から0日後(0週後、0月後)の開始日時を設定します。これにより、同じ日(週、月)にある作業をまとめることが可能です。
- 日まとめ: StartOfNextDay(ME.オーダ.納期,0) ⇒ 0日先の最初なので今日の割付開始日
- 週まとめ: StartOfNextWeek(ME.オーダ.納期,0) ⇒ 0週先の初日なので今週初日
- 月まとめ: StartOfNextMonth(ME.オーダ.納期,0) ⇒ 0月先の初日なので当月初日
よくある質問|Asprovaによる生産スケジューリング
本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。
Asprovaのオーダ展開とは何ですか?
Asprovaのオーダ展開は、オーダリストを満たすために製造BOMを参照しながら、受注オーダの作業入力指図の不足分を補充オーダとして生成するプロセスです。これにより、オーダ間の紐付けが行われ、効率的な生産スケジュールが実現されます。
オーダ割付/紐付けの目的は何ですか?
オーダ割付/紐付けの目的は、ディスパッチングルールと資源評価のプロパティを見ながら作業使用指図を生成し、作業リストから作業を資源に割付けることです。これにより、最適な資源に作業を割り付けることで生産効率を向上させます。
割付解除はなぜ必要ですか?
割付解除は、計画の手修正や実績入力が行われた場合に、作業ステータスを「未割付」に戻すために必要です。これにより、オーダ展開やオーダ割付/紐付けを再度行い、最新の実績を反映させたスケジュールを作成することが可能になります。


