インドネシア製造業の出荷管理とピッキングリストの役割

2016/10/08

インドネシア製造業の出荷管理とピッキングリストの役割を構造化した図解

インドネシアの製造業では、出荷時に登録済みの出荷指示書一覧の品目ロット明細行を出荷単位に束ねたものがピッキングリストです。このリストは、現品が受注登録時の品目ロットと一致しているかどうかを照合するために使用され、出荷指示番号(ヘッダー)と品目ロット番号(明細)で構成され出荷実績が計上されます。

インドネシアの生産管理システムと製造業DXの関係を構造化した図解

インドネシアの生産管理システム

製造業の至上命題は生産性向上と納期遵守です。製造原価、売上原価、販売管理費の違いを理解することが重要です。勘定連絡図は製造業の原価計算に役立ちます。

続きを見る

この記事でわかること

  • インドネシアの製造業では、出荷指示書一覧を基にピッキングリストを作成し、出荷単位で品目ロットを確認します。
  • 出庫依頼伝票は、製造スタッフと出庫担当者の責任を明確にし、盗難リスクを低減するために重要です。
  • 出庫依頼の入力時に出庫理由を登録することで、システムの汎用性を高め、様々な出庫指図に対応します。
  • ピッキングリストは、出荷指示NOや品目コードなどの情報を基に、出荷未完了分を管理し、正確な仕分け作業を支援します。
  • インドネシアから日本への輸出では、パッキングリストや原産地証明書が必要で、船荷証券を基に貨物を引き取ります。

インドネシアの工場で払出時に発行される出庫依頼伝票

以前、製造業のお客さんから「在庫管理システムのみを導入したい」という依頼を受けたことがあります。この際、単に入出庫の受払機能だけでは現状のExcel管理と大差がないため、システムから出庫依頼を入力し、伝票を発行できるようにすることが重要です。

インドネシアでは、鉄の板材や棒材は転売が容易で、製造スタッフが自由に材料を持ち出せると盗難のリスクが高まります。そのため、使う人と出庫する人の責任を伝票を通して明確に分けることが、月末の棚差を減らすことに繋がります。

倉庫スタッフは夜勤時にはいないため、製造スタッフは夕方のうちに出庫依頼伝票を提出し、夜勤で使う材料分を出庫してもらうルールがあります。これにより、製造スタッフが勝手に材料を持ち出すことを防ぐ目的があります。

さらに、出庫依頼の入力時に出庫理由をシステムに登録させることで、製造払出のための出庫指図、外注払出のための出庫指図、出荷指図、倉庫間移動のための移送指図、廃棄指図など、幅広い用途で使えるように汎用性を持たせることができます。

インドネシアの工場で出荷単位に現品チェックするためのピッキングリスト

業務で発生する在庫の移動の種類

インドネシアの工場では、出荷のための出庫作業は特に重要です。通常、出荷する製品は倉庫からまとめて取り出し、出荷エリアに積み上げます。この際、出荷作業単位で作成されたピッキングリストと現品が一致しているかを確認します。

販売管理システムの出荷機能では、受注情報に基づいて出荷指示を入力し、出荷指示の明細を仕分け単位にまとめたものがピッキングリストとなります。例えば、日本向けの輸出のために40フィートコンテナ1個に積み込む製品にピッキングリストNOを付番し、出荷エリアに置かれた製品をスキャンして照合します。照合結果がOKであれば、出荷完了登録を行います。

ピッキングリストの明細行には、発行済み出荷指示一覧のうち、出荷未完了分の情報が記載されます。キーとなる情報は以下の通りです。

  1. 出荷指示NO←システムから取得
  2. 品目コード←システムから取得
  3. ロットNO←システムから取得
  4. ピッキングリストNO←出荷完了登録(出荷実績)を上げたい出荷指図明細に対して新たに付番

出荷指示情報のステータスには、出荷未完了、一部出荷済み、出荷完了済みなどが混在しています。出荷指示NOが異なる明細情報をピッキングリストNOで束ね直すため、出荷指図明細情報にピッキングリストNOが必要です。

ピッキングリスト
現品ラベルの品目ロット情報がバーコード化されている場合、ピッキングリストをハンディターミナルに事前にインポートし、現品ラベルのバーコードをスキャンするだけで品目ロットを照合できます。これにより、仕分け作業が正確に行われます。

受注登録から出荷指示、ピッキングによる出荷実績計上までの明細行は品目(ロット)単位に登録されていますが、実際にトラックやコンテナに積み込む際には、破損防止のための梱包作業により複数品目が梱包単位にまとめられ、梱包一覧をパッキングリストとして船会社に提出する必要があります。

インドネシアから日本へコンテナを送る場合、船会社は荷送人(Shipper)からInvoiceとパッキングリスト、原産地証明書COO(Certificate Of Origin)を受け取ると船荷証券(Bill of Landing)を発行します。インドネシアの荷送人から船荷証券を受け取った日本の荷受人(Consignee)は、貨物到着案内書(Arrival Notice)到着後に貨物を引き取ることができます。

インドネシアの船荷証券とインボイス方式の関係を構造化した図解

インドネシアの船荷証券とインボイス方式の関係

BillofLandingはインドネシアの船会社が発行し、貨物の引き受けを証明します。日本では2021年からインボイス方式が導入され、税務処理が明確化されました。インドネシアでは納品書はモノの納品書であり、インボイスは金銭の請求書です。

続きを見る

ハンディターミナルによる出庫システムを開発する際には、ピッキングリストは仕分け作業が正確に行われるために使用されますが、システムへの出荷実績自体は出荷指図単位で計上されることを意識する必要があります。

よくある質問|インドネシア製造業の出荷管理

本稿の内容に沿って、繰り返し出る問いを短く整理します。

ピッキングリストとは何ですか?

ピッキングリストは、出荷指示書一覧の品目ロット明細行を出荷単位に束ねたもので、現品が受注登録時の品目ロットと一致しているかを照合するために使用されます。出荷指示番号と品目ロット番号で構成され、出荷実績が計上されます。

インドネシアの工場で出庫依頼伝票が重要な理由は何ですか?

出庫依頼伝票は、材料の盗難リスクを減らし、使う人と出庫する人の責任を明確にするために重要です。特に夜勤時に倉庫スタッフがいないため、製造スタッフは夕方のうちに出庫依頼伝票を提出し、夜勤で使う材料分を出庫してもらうルールがあります。

インドネシアから日本への輸出時に必要な書類は何ですか?

インドネシアから日本へコンテナを送る際には、船会社は荷送人からInvoice、パッキングリスト、原産地証明書COOを受け取ります。これにより、船荷証券が発行され、日本の荷受人は貨物到着案内書到着後に貨物を引き取ることができます。