2020年から2021年にかけてのコロナ禍の影響で、インドネシアのビジネス形態も従来のフィールドセールスによる対面取引から、非対面取引を前提としたインサイドセールス重視型へとシフトしており、現に弊社のようなインドネシア在住の零細日系IT企業においてさえも、リード顧客に対する商談履歴の分析や、ウェビナー参加企業に対する商談化率アップのための効果的なフォロー施策の研究などを行うようになっています。
今後顧客の購買までの意思決定の比重がよりオンラインに移行し、インターネットを駆使して購買活動を進めていく潜在顧客の購買担当者に、役立つ情報を提供して結果的に自社の商品を選んでもらうためのバイヤーイネーブルメントの営業活動の比重が高まると思われます。
リアルで行われていたビジネスがデジタルシフトした非対面型、非接触型の社会では、対面でのプレゼンテーションの機会が減少することになり、それに代わる引き合い(お問い合わせ)獲得、リード(見込み顧客)獲得の手段としての情報の管理と有効活用が益々重要になっています。
現在B2CのWEBマーケティングは、Twitter (X)やInstagram、TikTok LiveなどのSNSが主流ですが、B2Bの場合は依然として自社サイトへの検索流入からのお問い合わせが有効リードに繋がることが多く、世界の全WEBサイトの38%がCMS(コンテンツマネージメントシステム)のWordPressで構築され、HTMLやCSSなどの知識のない人でも簡単に集客WEBサイトの構築が可能です。
WordPressがここまで世界中で採用されるようになった背景は、コンテンツを複数人で管理しやすい強力なダッシュボード(管理画面)が標準装備されており、ブログ機能を充実させるためのプラグインや、デザイナーではない素人でもプロのデザイナーが開発したSEO対応された美しいテーマを自由自在に着せ替えることが出来ることです。
その結果、画一的なデザインのサイトばかりになり、WEBがつまらなくなったという意見が出ることもありますが、WEBサイトがデザイン性を重視されたのは過去の話で、今のエンドユーザーはスタイリッシュで洗練されたUIよりも、なじみのある使いやすいUIで良質なコンテンツを読みたいという考えが主流になっていることはGoogleが提示する検索順位に影響を与える要素を見ても明らかです。
2000年代に私がバリ島から日本向けにインドネシア家具と雑貨のB2B集客WEBサイトを運営していた頃は、大量の類似ドメインからの被リンクによってドメインパワーを上げるブラックハットSEOによって、「バリ島 旅行」という検索ワードの結果がすべて一旅行社のサイトのページで埋まるということが起こっていました。
2012年に低品質コンテンツを排除するパンダアップデートと、低品質被リンクを排除するペンギンアップデートが実施され、2016年のWELQ問題が契機となったと言われる健康アップデートにより、お金や人生(健康や安全など)に大きく影響するものとGoogleが位置付けるYMYL(Your Money or Your Life)系アフィリエイトサイトが駆逐されました。
繰り返されるGoogleアップデートの末、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)が重視されるようになった結果、どれだけコンテンツが優れていてもSEO対策が完璧であっても、必ずしもビッグキーワードやミドルキーワードで上位表示させることは出来なくなっています。
2022年12月に更新されたGoogleの検索品質評価ガイドラインでは、旧E-A-Tに経験(Expericence)が加えられE-E-A-Tと呼ばれるようになり、旧E-A-T時代に感じていた『特定の権威性のある大きな組織が運営するサイトだけがSEOに強くなるのではないか』という懸念が、経験が評価基準に加えられたことで若干薄められるようになるものと好意的に受け取っています。
ここ数年のSEOでは特定のキーワードで個々のコンテンツを上位表示させるより、トピックごとのコンテンツ群をピラーページ(まとめ記事的なもの)を中心として内部リンクでクラスター化させることで、トピックに関する権威性を上げて上位表示を狙うという手法が主流ですが、2021年のGoogleアップデートではユーザー体験(UX)が重視されると言われており、これからの集客WEBサイトにはページスピードや使いやすさを評価するアルゴリズムへの対応が必要になってくると考えられます。
当ブログではインドネシアでWEBによる集客の必要性を感じているものの、具体的に何から手を付けたらいいのか分からないという方にとって、集客WEBサイト制作とは何かをイメージするための一助となるような記事を書いています。
インドネシアでの集客のためのサービスサイト構築
私は長年WEBサイト構築やブログ運営をやってきましたが、企業案件として集客サイト構築を行ってみて気づいたことは、SEOの技術的な施策を行うのはもちろん、それ以上にサイトで何を実現したいのか、どのようなサイトにしたいのかというコンセプトの確定が重要ということであり、コンセプトが確定すればその後のサイト設計もUI/UX設計も自然に決まってきます。
弊社サイトの場合、インドネシア関連のトピックごとに分類された記事群の上位にまとめ記事を配置し、基本的なキーワードでの検索結果で極力露出を狙ったサイト設計を行っておりますが、『仕事に無関係な内容の記事をどこまで書くべきか』という開設当初からの問題に対していまだに答えが見つかっておりません。
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インドネシアでの集客のためのサービスサイト構築
集客のためのサービスサイト構築では、そこで実現したい基本的理念であるコンセプトを確定してからサイト設計を行いますが、これは起業時に企業理念を確定し、ビジネスモデルを文章化していく流れと同じです。
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インドネシアで収益化を目的としたブログ運営が難しい理由
在住者目線で書かれるインドネシア関連情報サイトでは、大きな検索ボリュームを期待できないことが最大のネックであり、要は刺激的な日常生活から書くネタは無尽蔵にあったとしてもそれに対する需要が少ないことが、収益化に繋がらず継続のモチベーションを削いでいく元凶となっています。
インドネシアでビジネスとしてブログサイト運営を行う場合、サイトの収益化よりも『流入数が少ないなかでもポジションを取るマーケティング的運用』を意識する必要がありますが、本来ブログを書くという行為はリード獲得のためのSEO的側面と、経験やアイデアを記録・整理する日記・備忘録的側面がありますので、継続のモチベーションを維持するためには両方をバランスさせる必要があると考えます。
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インドネシアで収益化を目的としたブログ運営が難しい理由
インドネシアでWEBサイトやブログを立ち上げる目的はさまざまですが、検索キーワードのボリュームが少ないという理由で継続のモチベーションを下げないためには、PV数やコンバージョン率という定量的な指標以外に、在住者とのコミュニケーションのためとか、頭の中が整理されてスッキリするからというような定性的な評価基準があれば続きやすいです。
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インドネシアで感じた検索エンジンとアルゴリズムの変遷
完全にマーケティング施策としてSEOに振り切って記事を書いたほうがよいのか、インドネシアでの経験に基づいた考えを表明し日記・備忘録的要素を入れたほうがよいのか、答えが出ないまま10年以上当サイトを運営しておりますが、自動生成AIにより記事が大量生産される時代においては、ある程度個人の経験や意見を前面に出してオリジナリティの高い記事を書く方が良いという考えに傾きつつあります。
度重なるGoogleアルゴリズムの変更によって、今回上位表示されていたサイトが次回圏外に飛ばされることも普通に起こる状況ですが、SEO施策結果を定量的に数値化されることに慣れている人にとっては、ネトゲやソシャゲでステージをクリアする感覚で上位表示させるために研究し創意工夫すること自体を楽しめるのかもしれません。 インドネシアで感じた検索エンジンとアルゴリズムの変遷 2000年代に入り、WEBサイトの爆発的増加により検索エンジンはディレクトリ型からロボット型が主流となり、度重なるアルゴリズムのアップデートによりSEO(検索エンジン最適化)対策は難しくなっていますが、Googleが目指すところは読者満足度の高いサイトを上位表示させることで検索エンジン自体の満足度を高めることです。 続きを見る
インドネシアでの多地域・多言語WEBサイトの作成方法
インドネシア国内のインドネシア人向けた情報発信を目的とした多言語WEBサイトの構築の場合、お客様に取得していただくドメインは、ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)である「.com」を推奨しており、Googleサーチコンソールにおける地域と言語設定に基づいたターゲット ユーザーの設定の重要度の変化にかかわらず、インドネシア国内から検索してもらえるようなサイト設計とコンテンツ作成が重要になるはずです。 インドネシアでの多地域・多言語WEBサイトの作成方法 多言語サイトのページを言語別に特定の地域にターゲニングするには、ドメインとしてジェネリックトップドメインを選び、言語コードのサブディレクトリでURLを分け、hreflang属性に言語コードを指定し、GoogleサーチコンソールのインターナショナルターゲティングでURLと国をマッピングします。 続きを見る
生成AIがインドネシアでのB2Bコンテンツマーケティングに与える影響
2012年頃、コンテンツマーケティングがSEOで評価され、インドネシアで良質なWEBサイトを立ち上げれば零細企業でも大企業と対等に戦えると考えたものですが、2016年のWELQ問題で権威性が重視されるようになり、私のコンテンツ製作に対する情熱は薄れてしまいました。
インドネシアの日系製造業向けB2B営業では、オンラインの100記事よりオフラインの紹介が有効で、WEBマーケティングの意義に疑問を抱くようになりましたが、ブログやSNSで認知度が上がり、潜在層が顕在化する際にリード獲得に繋がる可能性に気づきました
一方で、SNSや動画が主流となり、生成AIの普及でGoogle検索が衰退すれば、コンテンツ製作へのモチベーションが低下しがちですが、生成AIは情報収集と比較を自動化し、上位表示されないサイトは対象外となるリスクがあります。
今の状況で、コンテンツ制作を情報整理と捉え直しつつ、インドネシアの将来性に賭けるものの、日系製造業というニッチ市場での戦いは精神的消耗が大きく、5~10年後のIT需要爆発への投資と信じるしかないのかもしれません。 生成AIがインドネシアでのB2Bコンテンツマーケティングへ与える影響 人間がGoogle検索で上位表示されているリストから、WEBサイトのリンクを辿り、調べて得た情報を比較検討し総合的に判断するというプロセスを、高速で自動的するのが生成AIの動きである以上、今後もインドネシアでのB2Bコンテンツマーケティングは有効であると考えます。 続きを見る