WEBサイトの爆発的増加により検索エンジンはディレクトリ型からロボット型が主流となり、度重なるアルゴリズムのアップデートによりSEO(検索エンジン最適化)対策は難しくなっていますが、Googleが目指すところは読者満足度の高いサイトを上位表示させることで検索エンジン自体の満足度を高めることです。
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インドネシアのSEO集客サイト
インドネシアでもブログやサイト構築に利用されるWordPressは世界の全WEBサイトの38%、CMS(コンテンツマネージメントシステム)市場では63%を占める圧倒的なシェアを誇っており、HTMLやCSSなどの知識のない人でも簡単に集客WEBサイトの構築が可能です。
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ディレクトリ型からロボット型に検索エンジンが変わった時代
1995年、東京のIT会社の新卒1年目の時に、インド音楽情報サイトを立ち上げるために、秋葉原でWindows3.1搭載のIBM Aptivaを購入し、IBMホームページビルダーをインストールし、当時ベッコアメ、リムネットと並ぶ独立系3大プロバイダの1つだったインターネットWINのホスティングサービスを契約しました。
残念ながらこの初代WEBサイトのURLを完全に忘れてしまい(「~」チルダ付きのサブディレクトリだったはず)、インターネットアーカイブInternet Archiveでも発見できていないのですが、当時の先輩プログラマーからURLを教えろと言われたものの秘密にしていたときに言われた言葉を今でも覚えています。
当時のYAHOO! JAPANは人海戦術で手動登録するディレクトリ型で、アメリカの本家YAHOO!がロボット型検索エンジンを採用したのが1996年と言われていますので、この先輩はITトレンドの最先端を追っていたことになります。
1997年10月にジャカルタに来て家具と雑貨ビジネスを開始し、バリ島に引っ越してから本格的に日本向けのB2Bサイトの運営を開始したのが2000年6月で、ホームページビルダーで作成したHTML形式のWEBサイトでした。
当時設置したCGIのアクセスカウンターには、同一IPからの同日のアクセス重複を防ぐ機能がついていた記憶があるので、訪問者数は今でいうUU(ユニークユーザー)に近いと思いますが、一日当たり平均150PV(ページビュー)として月間3,000PVくらいだったとしても、日本の家具屋、雑貨屋、レストラン経営者、建材屋などから頻繁にお問い合わせをいただいており、CVR(コンバージョン率)は意外と高かったことになります。
このCVRの高さの理由は、日本にインドネシアの家具や雑貨を扱う卸売業者が少なかったことや、バリ島から家具や雑貨などの商材を日本に発送するサイトを運営する会社が少なかったことで「日本在住の家具や雑貨の実店舗オーナーやネットショップ運営者」というペルソナに高い確率でリーチしていたからであり、やがて商社による日本への商材の大量輸送によって卸価格が下落すると、世間のネットユーザーの増加に伴いPV数は増えるものの、CVRは下がっていきました。
2000年~2005年頃の日本語検索は、ディレクトリ型のYAHOOからロボット型のGoogleに移行しつつあり、当時北陸から定期的に買い付けのためにバリ島を訪問される飲食店経営のお客さんからエーハチネットのCPA(成果報酬型)広告について教えてもらったのもちょうどその頃でしたが、残念ながら当時はアフィリエイトの概念も仕組みも全く理解できませんでした。
被リンクSEO全盛時代
当時のGoogleで「バリ島 旅行会社」で検索すると、1ページ目が特定の旅行会社が運営する類似ドメインで独占されていたのをよく覚えていますが、これが後にブラックハットSEOと呼ばれるもので、今でこそGoogleアルゴリズムのペナルティ対象となっていますが、2000年代前半に大量の類似ドメインからの被リンクでドメインパワー(ドメインが受ける検索エンジンからの評価)を上げることで、多くの観光客を呼び込み事業を拡大したこの会社は先見の明があったと思います。
当時は「SEO=被リンク数」と言っても過言ではなく、WEBサイトの多くには「リンク集」なるページが設置されるのが一般的で、ネットショップのオーナーさんから相互リンク依頼のメールをたくさんいただき、僕もサイトの下部にリンク集のスペースを設けていました。
今考えるとこのリンク集こそが紙媒体のメディアとWEBの決定的違いであり、クリックするだけでリンク先のネットショップのサイトに遷移(トランスファー)できるというのは、HTTP(ハイパーテキストトランスファープロトコル)がテキストで構成される紙媒体メディアに比べて「ハイパー」である所以であり、WEBの本質を生かしたページ機能だと思います。
ドメインパワーのある大手企業のWEBサイトやポータル系サイトが有料ディレクトリ登録サービスを提供するようになり、特にYahoo!ビジネスエクスプレスはWEB上で戦うためには登録必須のディレクトリと言われていましたので、上記2サイトともに審査料52,500円(必ずしも登録されるとは限らないがだいたい登録されると言われていた)を払いディレクトリ登録してもらいましたが、効果がどれほどあったのかを定量的に測ることはできませんでした。
2004年11月に会社のWEBサイトをHTML形式からCMS(コンテンツマネージメントシステム)の先駆け的存在Movable Typeを使ったブログ型に変更するという大きな決断をしていますが、これは当時からコンテンツSEOの重要性を意識していたわけではなく、情報を毎日更新し訪問者を飽きさせないサイト作りをしようと考えたからです。
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インドネシアで収益化を目的としたブログ運営が難しい理由
インドネシアでWEBサイトやブログを立ち上げる目的はさまざまですが、検索キーワードのボリュームが少ないという理由で継続のモチベーションを下げないためには、PV数やコンバージョン率という定量的な指標以外に、頭の中が整理されてスッキリするからというような定性的な評価基準が重要になります。
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当時の僕はまだWordPressの存在を知りませんでしたが、アメリカのCMS市場では既にWordPressがMovable Typeを逆転するほどの勢いがあったのは、WordPressがGoogle検索のアルゴリズムに好まれる内部施策が施しやすい設計思想になっていたことが大きな要因の一つです。
YAHOO! JAPANは検索エンジンの独自開発を止めて2010年にGoogleの検索エンジンを採用しており、Googleアルゴリズムが2012年の「ペンギンアップデート」で、有料被リンクをペナルティ対象としたことで、有料ディレクトリ登録サービスのビジネスモデルが完全に破綻することになり、有料ディレクトリ登録サービスであるYahoo!ビジネスエクスプレスは2017年にサービスを終了しました。
Googleアップデートによる検索アルゴリズムの変更
2012年の「ペンギンアップデート」では、自作自演の被リンクや有料リンク登録サービスがペナルティ対象とすることでブラックハットSEOを規制し、同年にロールアウトされた「パンダアップデート」では、SEO対策目的のコンテンツ内の不自然なキーワード挿入などを排除するアルゴリズムが組み込まれ、SEOのトレンドは完全にコンテンツの質を重視するという流れに変わりました。
ブログで生計を立てるという革新的な内容で世間に衝撃を与えた染谷昌利氏の「ブログ飯」が出版されたのが2013年で、ブログの目的が「書きたいことを書く」よりも「狙ったキーワードで書く」に変わった時代であり、Googleの検索アルゴリズムを研究し尽くしたアフィリエイト目的の大量のブログが生産されました。
今の弊社サイトの原型となるブログを始めたのが2011年頃ですが、残念なことに検索ボリュームという点で「インドネシア」というキーワードはあまりにも貧弱でアフィリエイトサイトには不適格なので、あくまでもお問い合わせやリード(見込み顧客)獲得を目的とした集客サイトとして運営するしかありませんでした。
実は健康サプリ販売目的のアフィリエイトサイトを立ち上げようとして、検索キーワードをいろいろ検討したことがあるのですが、同じブログでも「狙ったキーワード(儲かるキーワード)で書く」作業は「書きたいことを書く」のとは似て非なるものであり、お金を稼ぐための仕事と割り切ってブログを書ける強靭なマインドが必要であり、僕の場合は儲かる可能性はあっても全く興味のないサプリメントについての文章を書くのが辛すぎてドロップアウトしました。
この健康系キーワードはYMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれ、現在ではアフィリエイターが絶対選択してはいけないNGキーワードとなっており、きっかけとなった事件が2016年のWELQ問題であり、お金や人生(健康や安全など)に大きく影響するキーワードには、特に専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)を求める「健康アップデート」がロールアウトされたことで、個人のアフィリエイトサイトは根こそぎ圏外に飛ばされました。
コロナ禍の2020年にも大規模なGoogleアップデートが1月、5月、12月の計3回ロールアウトされましたが、SEO対策のために行う専門性向上の施策としては、記事単体の検索キーワードで勝負するのではなくトピック単位の記事クラスター全体でロングテールキーワードを狙うことであり、権威性や信頼性向上のためにはドメインパワーの強い有名サイトのサブドメインを利用したり被リンクを獲得したりするという戦略がトレンドになっています。
そして2021年の来るべきGoogleアップデートではユーザー体験(UX)が重視されると言われており、欲しい情報へのアクセスのし易さや、開くまでの所要時間2秒以内が理想と言われるページスピード、そしてモバイル対応などを評価するアルゴリズムが組み込まれると言われています。
このようにSEO対策を難しくしているのは頻繁に実行されるGoogleアップデートであり、内部施策や外部施策の効果で今回上位表示されたとしても次回のアップデートで落とされる可能性があり、これは専門アフィリエイターにとっては死活問題かもしれませんが、そうでない趣味的にSEO施策を楽しんでいる人、特に自分の施策結果を定量的に数値化されることに慣れている人にとっては、ネトゲやソシャゲでステージをクリアする感覚で楽しめるのかもしれません。