恒久滞在許可ITAPは外国人がインドネシアに恒久的に滞在するためのものなので永住権と言っても間違いではないと思いますが、実際の有効期間は5年間で、期間中に複数回の出国と入国をする場合には、2年間有効のマルチの再入国許可証を延長する必要があります。
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インドネシアの会社設立とビザ取得
イミグレーションや労働移住省の担当者は基本的に「法の遵守」に対する外国人との認識の齟齬を突いてきますので、多少面倒でもビザ取得手続きを一つずつ適切に処理し、滞在時の行動様式を常に見直すくらいのほうが安全です。
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インドネシアの永住権に該当する恒久滞在許可ITAP
「インドネシアに永住権ってないの?」と日本からの出張者によく聞かれますが、これに対する回答としては、外国人への永住権はないが、それに一番近い5年間有効のITAP(Izin Tinggal Tetap 恒久滞在許可)というビザがある、というのが適当だと思います。
先日友人から、ITAP取得について、PMA(外国投資会社)のPemegang saham(株主)またはDirector(役員)・Komisaris(監査役)であればITAPが取れるようになったという情報をもらいました。
ITAPは外国人がインドネシアにTinggal Tetap(恒久的に滞在)するためのものなので、永住権と言っても間違いではないと思いますが、実際の有効期間は5年間で、期間中に複数回の出国と入国をする場合には、2年間有効のマルチの再入国許可証(Multiple Re-Entry Permit)を延長して対応する必要があります。
PMA(外国資本会社)所属の外国人がITAPを取得する方法
2018年にインドネシア政府は、インドネシアの開発支援を目的とした外国投資を奨励するための2つの新規則を施行しました。
- Perpres 20/2018:外国人労働者に関する2018年の大統領規則20号(Perpres = Peraturan Presiden)
- BKPM 13/2017:ライセンスと投資施設のためのガイドラインと手順の2017年のBKPM規則13号
ここではインドネシアでの外国人労働者の雇用プロセスを簡素化し、外国人投資家のための恒久滞在許可証ITAPの申請を明確にすることが、新たな規則の重要な点となっています。
まずITAPを取得する前提として、移民に関する2011年の法律第6号第54条にて、以下のように取得資格を規定しています。
- ITAS(Izin Tinggal Terbatas 一時滞在許可)を保持する宗教的聖職者、宣教師、外国人労働者、投資家、退職者として保有している外国人。
- インドネシア国籍を有する者の配偶者。
- 永住権を有する外国人の夫、妻、または子供
- 元インドネシア市民であるか、インドネシアと他国の二重国籍を有する外国人。
そのうち今回PMA(外国資本投資会社)に所属するPemegang saham(株主)またはDirector(役員)・Komisaris(監査役)は、以下の条件にてITAPが取得できるようになりました。
- 投資家(PMAの株主)としてITAPを取得
投資家であり、少なくとも10億ルピア(1Milyar)またはそれに相当する米ドルの所有権(株式)を有する取締役(Director)または監査役(Komisaris)としての地位を保持している者。
または投資家であり、最低100億ルピア(10Milyar)またはそれに相当する米ドルの所有権(株式)を有する取締役または監査役としての地位を保持していない者。 - 取締役または監査役として働く外国人としてITAPを取得
ITASを取締役または監査役として申請し、3年連続でITASを更新した者。
株主でなくともDirekturである駐在員がITASをITAPに変更するメリットは少ないようですが、同族会社の駐在員であれば、株主であるケースもあると思いますので、上記1の条件に当てはまる可能性が高いと思われます。
インドネシア人配偶者をスポンサーとしたITASで就労ビザ取得
先日(2023年12月4日)ビザの取り直しのためシンガポール日帰りして来ました。
今までは会社をスポンサーとしたIndex C312を在シンガポールインドネシア大使館で取得し、インドネシア入国後にVITAS手続きを行うという手順だったのですが、今回は嫁はんをスポンサーとしたC317をeVISAシステムから事前にインドネシア国内で取得した上で、出国して入国し直しただけです。
私、就労許可が得られるのはC312だけだと思っていたのですが、インドネシア人配偶者を持つ外国人は扶養のため仕事をしなければならないということで、政府が数年前から認めた制度らしく、C317で初年度はITAS、2年後以降にITAPに変更予定、今は就労許可待ちの状態です。
私はイミグレとは昔から相性が悪く、以前バリ島に住んでいた頃も出入国時に何度も別室送り、ジャカルタに戻ってからもいろいろ酷い目に合っています。
ただイミグレもそうですが悪名高いポリシにしても、こちらに全く非がないときは何もしないわけで、何等かしらの不備があるときにそこを必要に突いてくるわけで、その意味で自業自得と言えるのかもしれません。
久々にシンガポールに行き、空港併設のJewelの滝にも感動しましたが、食べ物はマレーシアやインド、インドネシア、韓国、日本など多国籍で、シンガポールは歴史が浅いせいか独自性というのを敢えて求めていないように感じました。
実際に生活して見るといろいろ違う面が見えてくるのかもしれませんが、フードコートで多国籍の人間が仲良さげに食事している風景を見て、ある意味国家としての理想形に近いのかなとも思ってしまいました。